リスクマネジメント(0.50MB)

リスクマネジメント
第一三共グループでは、リスクを組織の「目的 ・ 目標の達成を阻害する可能性を有し、かつ事前に想定し得る要因」と
を踏まえ、
「多くの患者さんに使用されている薬剤」
「緊急性
医薬品の安定供給という観点では、生産・物流拠点の分散
定義し、企業活動に潜在するリスクへの適切な対応(保有、低減、回避、移転)を行うとともに、リスクの顕在化によってもた
のある薬剤」
「代替品のない薬剤」について速やかな供給を
や複数購買の実施といったバックアップ体制を構築するとと
らされる影響を合理的に管理し、人・社会・企業の損失を最小限に留めるべく、リスクマネジメントを推進しています。
実現するべく、定期的に見直しを行っており、2014 年度は、
もに、自家発電装置の設置など、電力供給が停止した際の影
新たに 3 品目を追加しました。
響を最小限に抑える施策などにも取り組んでいます。また
主要システムの二重化など、IT 基盤の強化も行っています。
◗ リスクマネジメント
◗ クライシスマネジメント
経営に重大な影響が想定されるリスクに対しては、取締役
リスクマネジメント推進責任者として当社グループ全体の
会、経営会議などを通じて定期的な把握・評価を行い、部門
当社グループでは、クライシスを当社グループおよびそ
ます。クライシス初期対応責任者はクライシスについて、
リスクマネジメントを統括し、リスクマネジメントの啓発推進、
の責任者がリスクマネジメント推進責任者と連携して対策
のステークホルダーに重大な影響を及ぼす事象のうち、有
クライシスマネジメント最高責任者(社長または社長が自らの
リスクマネジメント体制の運営などを行っています。各部門
を講じることで、顕在化の未然防止に努めています。
害事象の発生ならびに二次的事象の発生の可能性と定義
責任のもとに指名した者)に報告を行い、全社対応の必要性
においては部門の責任者が組織の目的・目標の達成に向け、
当社グループでは、
リスクマネジメントの一環として、災害
し、この有害事象の発生によってもたらされる影響を迅速か
を判断し具申するとともに、リスクマネジメント推進責任者と
個別リスクにかかわる分析・評価、年次対応計画の策定・遂行、
発生に備えた事前および発生時の対応を示す事業継続計画
つ合理的に管理・分析し、適切な対応を行うことをクライシ
も当該情報を共有し、迅速な初期対応、緊急対策を講じます。
組織内でのリスクマネジメントにかかわる情報提供・教育・
( BCP ※)や緊急時のクライシス対応を示す手順書などを定
スマネジメントと定めています。
当社グループでは、患者さん、医療関係者、地域住民、社
クライシス発生時は、発生部所または部門の責任者が、
員などのすべてのステークホルダーの健康・安全・安心を第
クライシス初期対応責任者(総務・調達部長)に第一報を行い
一に考えたクライシス対応を行っていきます。
啓発など自律的にリスクマネジメントを推進しています。企業
めています(下図参照)
。
リスクマネジメント体系
BCP 体系
自然災害
(大規模地震など)
サプライチェーン
継続計画
第一三共ケミカルファーマ事業継続計画
事業継続
基本計画
発生部所(国内外)
/部門の責任者
緊急報告
クライシスマネジメント手順書
設備事故
防災・災害時対応などマニュアル
新型インフルエンザ・感染症
新型インフルエンザ対策行動計画
システム稼動停止
IT における事業継続計画
危機管理広報部門
リスク管理担当部門
連絡
初期対応
クライシス初期対応責任者
報告
製品問題
各種手順書
事件/不祥事/法令違反
コンプライアンス関連ドキュメントなど
災害/事故
環境・労働災害関連ドキュメントなど
対応責任者
対応指示
報告 確認
サプライチェーン クライシスマネジメント手順書
リスクマネジメント規程
クライシス
マネジメント手順書
クライシス発生時の初期対応
第一三共プロファーマ事業継続計画
事務局モニタリング
最高責任者からの
指名・指示通知
指名・指示
クライシスレベルの決定、対応指示
クライシスマネジメント最高責任者
◗ 事業継続計画(BCP)
リスクマネジメント推進責任者
グループ会社におけるクライシス発生時の体制例
指示
当社グループの事業継続計画(BCP)は、事業継続へ影響
当 社グ ル ープでは、東日本 大 震 災での 経 験を踏まえ、
を及ぼす四つの脅威(自然災害、設備事故、新型インフル
2012 年に BCP を刷新し、以降も行政の防災計画改定や優
エンザ・感染症、システム障害)を対象とし、有事の際の速や
先品目にかかわる業務の変更の影響を織り込むなど、脅威
かな業務復旧、ならびに医療体制維持のための医薬品安定
が顕在化した際により適切な対応が図れるよう継続的な改
供給と品質確保を可能とする体制を整備しています。
善を図っています。また、優先品目については、社会的要請
第一三共本社
報告
派遣チーム
現地またはグループ会社
指示
緊急対策本部
指示
報告
派遣チーム
報告
グループ会社 工場・事業所
事故発生
※ Business Continuity Plan の略
32 第一三共グループ バリューレポート 2015
第一三共グループ バリューレポート 2015 33
リスクマネ ジメント
リスクマネジメントの推進にあたっては、管理本部長が