山 田 錦 情 報

山 田 錦 情 報
(平成27年度 第4号)
生
育
状
平 成 2 7 年 8 月 2 4 日
加西農業改良普及センター
みのり農業協同組合 東条営農経済センター
況
今年の7月は、台風や梅雨前線の影響から降水量が平年に比べ三木市で 284%、西脇市で 216%と多くなりました。日
照時間は平年に比べ三木市で 91%、西脇市で 86%と少なくなりました。8月上旬は、一転して、降雨無しで、高温(+1.9℃)
・
多日照(153%)。8月中旬は、多雨(233%)・やや低温(-0.5℃)・少日照(59%)となりました。
8月 20 日時点の生育状況(酒米試験地)は、稚苗では草丈がやや低く、茎数は少なくなっています。中苗では草丈が
低く、茎数は平年並みとなっています。また、稚苗・中苗とも葉中窒素濃度が高くなっています。出穂期は 6 月 5 日移
植で稚苗が8月 27 日頃、中苗が8月 26 日頃の見込みです。
。
表1
酒米試験地山田錦の生育状況(8月 20 日現在)
稚
今年
昨年
平年
①
苗
中
苗
草丈
cm
茎数
本/
㎡
葉中窒
素
濃度%
草丈
cm
茎数
本/㎡
葉中窒素
濃度%
102
427
3.5
100
369
3.6
103
447
2.9
103
342
3.1
104
442
2.9
102
370
3.0
後期の水管理
病害虫防除所の発生予報(8/12)によりますと、トビイ
ロウンカ(秋ウンカ)は、県下各地の調査で発生が確認
されておらず、今後の発生量はやや少ないと予想されて
います。
※収穫が 10 月以降になる山田錦では、各市町の農業共済
等が行う今後の発生予察情報に注意して下さい。
8月下旬~9月上旬に要防除水準(成・幼虫5頭/株)
を超える場合は速やかに防除が必要です。
~モミは出穂後35日以降にも太る~
稲穂には、一次枝梗モミと二次枝梗モミがあり、モミの太り方は図1のとおりです。二次枝梗モミが本格的に太るの
は、出穂後35日以降です。したがって、生育後期にも水分(土が湿った状態)が必要です。
落水は出穂後30~35日頃を目安
収量・品質向上のためには、収穫前まで元気な葉が3
~4枚残っていることが重要です。
穂揃い期以降は、飽水状態(足跡に水が溜まっている
程度)に心がけ、コンバイン作業が困難にならない範囲
で、落水時期を遅らせます。
早期の落水は、葉の枯れ上がり、未熟粒が増えます。
落水後に晴天が続く場合は、走り水を行い、収量・品質
(粒張り)の向上に努めます。
図1
②
適期刈取り
日
~出穂後 45日頃を目安に~
表2
山田錦の成熟期は、出穂後の日平均気温の合計が 1000~1050℃を
迎えた頃になります。主な出穂日別の刈取り適期目安は、表2のと
おりです。9月の平均気温が高温に推移すると刈取り時期が早くな
り、逆に低温になると遅くなりますので、今後の気温の変化に十分
注意して下さい。
・刈取り適期の判断は、稲ワラの黄化程度で判断せず、モミの黄熟
程度を見て決めます。
山田錦の刈取適期:1穂モミの90~95%が黄熟
・適期刈取りは、玄米の最後の品質を決定づける大切な作業となり
ます。表3の許容幅を参考に適期刈取を励行します。
早刈り:青米や未熟粒が多くなる
。
品質・収量が悪くなる
遅刈り:胴割れ、玄米の光沢劣化などの品質低下
③
モミの太り方
刈取り後は速やかに乾燥を
表3
出穂日別の刈取り時期の目安
出 穂 期
刈取り時期
8 月 20 日頃
10 月 4 日頃
8 月 23 日頃
10 月 8 日頃
8 月 27 日頃
10 月 14 日頃
8 月 30 日頃
10 月 18 日頃
刈取り適期の許容幅
収穫期の許容幅
( 刈 取 り 適 期 = 0 日)
10月上旬
10月中・下旬
0日~+5日
0日~+7日
コンバインで刈り取ったモミは、速やかに(4時間以内)乾燥機に入れて通風し、ムレないようにします。収穫した
モミの水分にバラツキが大きい場合は、数時間の常温通風を行ったのちに加熱乾燥に移りましょう。特に、張込量と温
度管理に注意します。
また、事前に籾すり機やライスグレーダーの調製をきっちりと行っておくことも大切です。モミや玄米を一気に流さ
ず、機械の能力が最大限に発揮できるよう適正な流量に設定し、ていねいな調製作業を実施しましょう。
連絡先 JA みのり 東条営農経済センター(℡ 47 - 1191)
協 賛 加東酒米振興会 、 JAみのり 加東酒米部会