物理補足プリント 【受験編】 らくマスを使っての基礎固め(誘導起電力編2) 今回は、らくらくマスター例題113を使って回路のエネルギー保存(ジュール熱の算出)の 考え方をしっかりと理解しよう。 以下の問題はらくマス113の問題の小問を増やして期末考査に出題したものです。 hを用いて表せ。 今回は、この問題がメインです。ちょっと数学を使いますが、理解して下さい。 導線cdの速度がv0 になる前の状態、速度がvで加速度がaの運動を考えます。 IB この問題は、導体棒の運動(力学)によるエネルギーの変 化が抵抗で発生するジュール熱(電気)になる現象なので、 運動方程式(力学)と回路方程式(電気)を同時に考え、そ れらを合わせる必要がある。 ○運動方程式(上図) m a d I 磁束密度Bの一様な水平磁界中に、距離 を隔てて 2本の導線が鉛直に固定され、導線ab、cdで連結 されている。電気抵抗Rをもつabは固定されており、 cdは鉛直の導線と接触しながら滑らかに動ける。ま た、導線でつくられる面は磁界に垂直になっている。 cdの質量をm、重力加速度の大きさをgとし、ab 以外の導線の電気抵抗はない。いま、cdをhの高さ から静かに放したところ、次第に速度を増し、やがて 速度v0 になり、そのままabに衝突した。 c B h mg R I a (1) 導線cdの速度がv0 になったとき、cdに生じる誘導起電力の大きさと向きを答えよ。誘 導起電力の向きは、cdに誘導電流が流れる向き「c→d」 「d→c」で答えよ。 誘導起電力:V v (1)より導線(回路)に流れる電流の大きさは したがって、電磁力は (3) F B IB 2 R v0 I B v0 R R (4) R v0 mg 0 ① B v RI 0 両辺にIをかける → IB v I 2 R 0 ② d 1 ①②式より IB v を消去すると ( mv 2 ) mgv I 2 R dt 2 ○十分時間が経過したものと考えると(時間をかける) 「物体の運動エネルギーの変化」 =「重力がした仕事」−「抵抗でのジュール熱」 チョットやりすぎたかもしれませんが、みんなが慣れている力学的エネルギーを用いると 0=「物体の運動エネルギーの変化」−「重力がした仕事」+「抵抗でのジュール熱」 となる。 向きはフレミングの左手の法則より「上向き」 「外力がした仕事」+「外部の電池がした仕事」 =「物体の力学的エネルギーの変化」+「抵抗でのジュール熱」 問題を解いてみよう。外力もはたらいていないし、外部電池もないので左辺は0 よって 0= B dv mgv IB v dt d 1 ( mv 2 ) mgv IB v dt 2 一般化して使えるようにしよう 導線cdにはたらく力は重力と電磁力の2力なので つりあいの式 mg IB mv → 0=「物体の力学的エネルギーの変化」+「抵抗でのジュール熱」 導線cdのつりあいより、速度v0 の大きさをm、g、R、B、 を用いて表せ。 2 dv dt この式を言葉にすると 「物体の運動エネルギーの変化率」 =「重力の仕事率」−「消費電力」 B v0 導線cdが速度v0 で落下しているとき導線が磁界から受ける力の大きさを求めよ。 m ○回路方程式(下図) → V RI 0 向きはフレミングの右手の法則より「d→c」となる。 (2) → 数学的に 両辺にvをかける → m 前回のプリントの方法で誘導起電力の大きさは V mg IB → b R ma ∴ v0 mgR B 2 導線cdがabに衝突するまでの間に回路中の抵抗で発生したジュール熱をm、g、v0、 1 2 mv 0 2 mgh Q よって Q mgh 1 2 mv 0 2 となる。 ◎東筑HPに音声ファイルあり
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