中期財政収支見通し 平成26年度~平成30年度 <普通会計ベース> 三田市 平成27年4月 <財政収支見通し> 三田市の財政収支見通しの概要 庁舎整備・周辺整備終了後の歳出額規模(一般財源ベース)は 270 億円程度で推移す る見通し。平成 30 年度までの歳入歳出の収支額に不足は生じず、財政運営ができる見通 し。 歳入では、市税は法人税率の改正、固定資産税の評価替えなどにより減収が見込まれる ものの、170~171 億円程度を見込み、地方交付税についても増額は見込めず、34~35 億円を見込むほか、財源補てんのための臨時財政対策債は一定水準の発行が続く見通し。 その他、今後の消費税率改定に伴う地方消費税交付金の増加等により、平成 28 年度以降 は全体で 267~270 億円程度となる見通し。 歳出では、児童や高齢者等に対する社会保障にかかる扶助費等の福祉経費の増加を見込 む一方、市借入金等の債務償還金(公債費)が減少し、義務的経費は 140 億円程度の横 ばいを見込む。庁舎整備・周辺整備が平成 28 年度には終了し、一般財源による対応が必 要な投資的経費(普通建設事業費)は 7 億円程度の見通し。 その他、施設の維持管理費・修繕費用等の増加、今後の消費税率改定に伴う行政サービス 経費等の増加を見込み、平成 28 年度以降の歳出規模は 267~270 億円程度となる見通 し。 〇推計の前提等 Ⅰ 基本的事項 ◆収支見通しの期間:今後の経済情勢などの社会の変化も考慮し、平成 26 年度から 30 年度までの 5 年間とします。なお、各年度の決算や経済情 勢等を踏まえ、毎年度見通しを行っていきます。 ◆会計単位:普通会計を対象とした一般財源ベースとし、歳入は財源別に、歳出は性 質別に推計しています。 ※普通会計は、地方財政統計上統一的に用いられる会計区分で、三田市の場合、一 般会計と公営墓地整備事業特別会計を統合して一つの会計にまとめたものです。 一般財源とは、市税、地方交付税(臨時財政対策債含む)、地方譲与税・交付金な ど、その使途が特定されていない収入で、国庫・県補助金、地方債、使用料、分 担金等を除いたものです。 -1- Ⅱ 歳入 億円 市税 地方譲与税・交付金 地方交付税・臨時財政対策債 その他収入 350 299.3 277.4 300 52.5 270.9 20.3 52.6 267.9 14.3 53.4 267.2 13.1 52.0 20.8 26.9 27.1 28.6 32.4 173.8 171.0 170.9 171.6 169.7 平成26年度 27 28 29 30 51.6 27.0 53.1 250 200 150 100 50 0 【市税】 人口推計、景気や税制改正、資産の評価替え等の影響を受けて変動しますが、平 成 26 年度及び 27 年度の見込をベースに、下記の要素を反映させて試算していま す。 (ⅰ) 個人市民税は、給与所得者数を推計し、現在の一人あたり所得額で今後も推移 するものとし、景気回復による増は見込んでいません。 (ⅱ) 法人市民税は、平成 27 年度からの税率引き下げ(2.6%減)による影響額を 見込んでいます。 (ⅲ) 固定資産税、都市計画税は、家屋の新増築や償却資産の新規取得による増額の ほか、3 年ごとの評価替(平成 27 年度、30 年度)による影響を考慮し、これ までの価格変動率で推計しています。 (ⅳ) その他、軽自動車税は、平成 27 年度以降、税率見直しによる影響額を見込む ほか、市たばこ税は 27 年度同額を見込んでいます。 【地方譲与税・交付金】 地方消費税交付金は、社会保障と税の一体改革による消費税率の改正により、平 成 26 年度以降、段階的に増加を見込んでいます。26 年度は 8%へ、29 年度には 10%への税率引上げに伴う増額を見込み算定しています。 配当割交付金、株式等譲渡所得割交付金は、株式売買の活発化等により平成25 年度より増収となっていますが、28 度以降は不透明な状況のため、27 年度見込で 据え置いています。 地方譲与税、利子割交付金その他の県税交付金は、過年度の収入実績額、地方財政 対策による対前年度比率に基づき試算しています。 -2- 【地方交付税・臨時財政対策債】 (ⅰ) 普通交付税は、国の地方財政対策に基づき、平成 26 年度算定及び 27 年度見 込みをベースに試算しています。 (ⅱ) 臨時財政対策債は、平成 30 年度まで 27 年度算定見込と同額を見込んでいま す。 (ⅲ) 特別交付税は、平成 26 年度の交付実績を勘案し、今後予定の地方交付税総額 に占める割合の引き下げによる普通交付税への振替え分について、減額を見込ん でいます。(28 年度:6%→5%、29 年度:5%→4%) 【その他収入】 市の貯金である減債基金、公共施設等整備基金、庁舎整備基金等からの繰入金、 前年度繰越金、道路占用料、諸収入等を見込んでいます。平成 26~28 年度までは 庁舎及び周辺整備に伴う基金の繰入金を約 43 億円計上しています。 Ⅲ 歳出 億円 人件費 扶助費 債務償還金 行政経費 他会計支出金 普通建設事業費 350 296.3 51.9 275.6 15.4 52.4 270.4 9.9 53.5 267.5 6.3 52.5 266.8 6.5 52.3 65.3 65.0 65.6 67.1 67.4 53.6 18.1 52.9 21.3 50.0 22.2 49.5 22.8 48.0 23.2 68.3 68.6 69.2 69.3 69.4 平成26年度 27 28 29 30 300 39.1 250 200 150 100 50 0 【人件費】 正職員の人件費は、平成 26 年度以降は現行給与制度を基礎とし、職員数は第 2 次定員適正化計画(28 年度まで)に基づき減少を見込み推計しています。 【扶助費】 児童手当や自立支援給付費等社会保障にかかる扶助費について、高齢者扶助、児 童措置等階層別人口に関わるものは、当該対象人口の変動に比例させて見込んでい ます。児童手当・子育て支援医療費助成は、現行制度が継続するものとして見込ん でいます。 -3- 【債務返済費(公債費・立替施行償還)】 臨時財政対策債の各年度借入見込額 18 億円、投資事業に充てる新規発行債にか かる元利償還金の増を見込んでおり、今後もその分の償還費が増加しますが、建設 事業に借り入れた既発行の市債にかかる償還費が減少するため、公債費は年 40 億 円程度で推移し、その後減少していきます。また、開発者が立替整備したニュータ ウン内の学校教育施設等の買い戻し債務(立替施行償還)は、年約 8~9 億円返済 し、その後減少していきます。 【行政経費】 行政サービス経費、施設の維持管理費等を推計し、平成 26 年度以降は消費増税 分の支出増を見込み、29 年度消費税率 10%への引上げによる増加を見込んでいま す。 【他会計支出金(企業会計・特別会計)】 市民病院事業、水道・下水道事業会計への支出金(企業債の償還費等の一般会計 負担経費の所要額)と、高齢者人口等の増加による保険給付費、介護給付費、療養 給付費などの増加を見込み、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療各会計への 繰出金について、過去の伸び率を参考に、給付費等の増加に比例して増加するもの として見込んでいます。 【普通建設事業費】 庁舎周辺整備を平成 28 年度まで計上し、完了後 29 年度以降、道路整備や学校 施設等の改修事業などの公共事業を年 7 億円程度としています。 Ⅳ 収支の見通し 庁舎整備・周辺整備は、庁舎整備基金を全額活用して行い、平成 26 年・27 年度の 歳出は 276 億円~296 億円を見込んでいます。庁舎周辺整備が終了する平成 28 年 度以降は、歳出は概ね 270 億円程度で推移する見通しで、収支は 26 年から 30 年度 各年度黒字を見込んでいます。 -4- は、歳入歳出の差引き額を表す。 3.0 歳入 億円 1.8 299.3 300 0.5 277.4 0.4 270.9 296.3 250 歳出 267.9 0.4 267.2 275.6 270.4 267.5 266.8 27 28 29 30 200 150 100 50 0 平成 26年度 Ⅴ 基金残高の見通し 平成 30 年度末の基金残高は約 55 億円で、25 年度末現在から約 82 億円減少する 見込みです。そのうち約 43 億円は、新庁舎建設・周辺整備に伴う庁舎整備基金の活 用によるものです。財政調整基金は、将来の収支調整のために今後も使わずに残して おく予定ですが、減債基金は、今後増加する臨時財政対策債の返済に活用し、ニュー タウン施設整備管理基金などの特定目的基金についても計画的に活用し、減少してい く見込みです。 億円 150 137.2 財政調整基金 減債基金 庁舎整備基金 その他目的基金 41.3 100.3 100 82.8 38.7 71.5 43.2 62.7 32.5 55.4 9.7 50 29.5 26.5 3.2 21.0 20.1 23.4 15.3 10.2 4.4 0.2 31.7 31.8 31.8 31.8 31.8 31.8 平成 25年度 26 27 28 29 30 0 -5- Ⅵ 債務残高の見通し(地方債・立替施行償還金) 地方債残高の縮減を図るため、臨時財政対策債を除き新規発行額は年 10 億円以内 とし、抑制することとしています。 平成 30 年度末の債務残高は約 375 億円となり、25 年度末現在から約 84 億円減 少する見込みです。うち立替施行債務は年間約 6~7 億円の元金を返済し、平成 30 年度末には約 22 億円となります。事業に充てる地方債は、年 10 億円以内で発行す ることが予想されるものの、償還が終了する地方債が多いことから減少傾向になる見 込みです。財源補てん地方債は、臨時財政対策債の発行に伴い増加していくことが見 込まれ、30 年度末には地方債残高全体の約 58%になる見込みです。これらの地方債 は、約 353 億円の見込です。 立替施行 事業充当地方債 財源補てん地方債 億円 459.2 445.9 430.6 413.4 393.3 374.8 172.8 182.1 189.5 196.3 201.8 206.3 231.3 215.0 198.7 181.5 162.9 146.6 55.1 42.4 42.3 35.6 28.6 21.9 平成 25年度 26 27 28 29 30 Ⅶ 財政運営の指標の見通し 財政運営の指標について、財政収支見通しに連動して試算すると、それぞれ次によう に推計しています。 ① 「実質赤字比率」は、普通会計を対象とした実質赤字の標準財政規模に対する比率で す。市は 20%が財政再生基準となります。黒字の場合算出されません。 ② 「実質公債費比率」は、地方公共団体の借入金(地方債)の返済額(公債費)の大き さを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。当該数値が 18% 以上となると地方債の発行に際し許可制となり、さらに 25%以上となると一部の地 方債の発行が制限され、35%が財政再生基準となります。三田市の比率は、10%を 上まらないよう努力し、8.5%~10%以内と推計しています。 -6- ③ 「将来負担比率」は、地方公共団体の借入金(地方債)など現在抱えている負債の大 きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。当該数値が 350%以上となると財政健全化計画の策定が必要となります。三田市の比率は、3% ~5%と推計しています。 -7- 中期財政収支見通し <平成26~30年度 普通会計 一般財源ベース > 26年度 見込 175.0 173.8 △ 1.2 171.0 △ 2.7 170.9 △ 0.1 171.6 0.7 169.7 △ 1.9 19.2 20.8 1.6 26.9 6.2 27.1 0.1 28.6 1.5 32.4 3.8 うち 地方譲与税 3.2 3.0 △ 0.1 3.0 △ 0.0 3.0 0.0 3.0 0.0 3.0 0.0 うち 地方消費税交付金 9.3 11.5 2.2 17.7 6.2 17.9 0.2 19.4 1.5 23.1 3.8 57.5 53.1 △ 4.4 52.5 △ 0.6 52.6 0.1 53.4 0.8 52.0 △ 1.4 普通・特別地方交付税 35.7 33.4 △ 2.3 34.5 1.1 34.6 0.1 35.4 0.8 34.0 △ 1.4 臨時財政対策債 21.8 19.7 △ 2.1 18.0 △ 1.8 18.0 0.0 18.0 0.0 18.0 0.0 19.3 51.6 32.4 27.0 △ 24.7 20.3 △ 6.7 14.3 △ 6.0 13.1 △ 1.2 1.5 6.0 6.6 6.0 6.0 4.5 11.2 38.1 14.7 9.7 5.0 5.1 諸収入他 6.6 7.5 5.7 4.6 3.3 3.5 歳入合計 (A) 271.0 299.3 市税 地方譲与税・交付金 地方交付税・臨時財政対策債 増減 増減 28年度 推計 増減 29年度 推計 (単位:億円) 30年度 増減 増減 推計 25年度 決算 項目 27年度 推計 平成27年3月末現在 歳 入 その他収入 減債基金繰入金 その他基金繰入金 28.3 277.4 △ 21.9 270.9 △ 6.5 267.9 △ 3.0 267.2 △ 0.7 140.4 140.0 △ 0.4 142.8 2.8 141.4 △ 1.4 141.6 0.3 140.6 △ 1.0 人件費 67.7 68.3 0.6 68.6 0.3 69.2 0.6 69.3 0.1 69.4 0.2 扶助費 17.0 18.1 1.1 21.3 3.2 22.2 0.9 22.8 0.7 23.2 0.4 債務償還金(公債費) 55.7 53.6 △ 2.1 52.9 △ 0.7 50.0 △ 2.9 49.5 △ 0.4 48.0 △ 1.5 46.4 44.9 44.2 41.4 40.9 40.1 9.3 8.7 8.7 8.6 8.6 7.9 行政経費 59.7 65.3 5.6 65.0 △ 0.2 65.6 0.6 67.2 1.5 67.4 0.2 他会計支出金 51.8 51.9 0.1 52.4 0.5 53.5 1.1 52.4 △ 1.1 52.3 △ 0.0 投資的経費 (普通建設事業費) 14.0 39.1 25.0 15.4 △ 23.7 9.9 △ 5.5 6.3 △ 3.6 6.5 0.2 265.9 296.3 30.4 275.6 △ 20.6 270.4 △ 5.2 267.5 △ 2.9 266.8 △ 0.7 義務的経費 歳 市債償還金 立替施行償還金 出 歳出合計 (B) 収支差引額 歳入(A)- 歳出(B) 5.1 3.0 1.8 -8- 0.5 0.4 0.4 基金残高の推移 [普通会計分] 項目 25年度 決算 26年度 見込 27年度 推計 28年度 推計 (単位:億円) 30年度 推計 29年度 推計 12.8 44.8 21.8 14.6 11.5 10.0 財政調整基金 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 減債基金 1.5 6.0 6.6 6.0 6.0 4.5 庁舎整備基金 7.2 33.6 6.6 3.2 0.0 0.0 その他目的基金 4.1 5.1 8.6 5.4 5.5 5.5 5.2 7.9 4.2 3.3 2.7 2.7 137.2 100.4 財政調整基金 31.7 31.8 31.8 31.8 31.8 31.8 減債基金 21.0 20.1 15.3 10.2 4.4 0.2 庁舎整備基金 43.2 9.7 3.2 0.0 0.0 0.0 その他目的基金 41.3 38.8 32.5 29.5 26.5 23.4 28年度 推計 29年度 推計 基金繰入額 積立額 基金残高 〔年度末〕 △ 36.9 82.8 △ 17.6 71.5 △ 11.3 62.7 △ 8.8 55.4 △ 7.4 ※基金残高については、単位未満端数の影響で実残高と若干の誤差があります。 債務残高の推移 [普通会計分] 26年度 見込 債務残高(元金) 〔年度末〕 459.2 445.9 △ 13.3 430.6 △ 15.3 413.4 △ 17.2 393.3 △ 20.2 374.8 △ 18.5 建設事業等地方債 231.3 215.0 △ 16.3 198.7 △ 16.2 181.5 △ 17.2 162.9 △ 18.7 146.6 △ 16.3 財源補てん地方債 172.8 182.1 9.3 189.5 7.4 196.3 6.7 201.8 5.5 206.3 4.4 55.1 48.9 △ 6.3 42.4 △ 6.4 35.6 △ 6.8 28.6 △ 7.1 21.9 △ 6.7 25年度 決算 26年度 見込 項目 立替施行償還金 増減 27年度 推計 (単位:億円) 30年度 増減 増減 推計 25年度 決算 増減 増減 財政運営の指標の見通し 区分 実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 27年度 推計 28年度 推計 29年度 推計 30年度 推計 - - - - - - 9.9% 9.8% 10.0% 9.8% 9.2% 8.5% - 5.0% 4.0% 3.9% 2.9% - <注> 「実質赤字比率」は、黒字の場合「-」 「将来負担比率」は、数値がマイナスの場合「-」 -9-
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