第1学年1組 算数科学習指導案 平成○年○月○日(○)第5校時 指 導 者 ○○ ○○ 在籍児童数 ○○名 1 題材名 ひきざん(1) 2 題材について 本題材は、減法の意味を理解し、被減数が10までの減法計算の仕方を考え、その計算を確実 にできるようにすることが主なねらいである。 児童はこれまでに、10までの数を学習し、ものの個数と数詞を1対1に対応させて数を数え ることや、数の大小を比べることを学んでいる。また、10までの数を合成・分解する活動を通 して、一つの数の構成的な見方も養ってきた。さらに、加法の学習では、和が10までの1位数 の加法について、ブロックなどを操作する活動を通して加法の意味や仕方を考え、その操作を根 拠として合併や増加の場面と同じ加法として統合する経験をしている。 本題材では、被減数が10までの減法の意味や計算の仕方を考える。減法とは、一つの集合を 二つの集合に分けたときの一方の集合の要素の個数を求める演算である。本題材では、減法が用 いられる場面として、はじめにある数量の大きさから、取り去ったり減少したりしたときの残り の大きさを求める場合(求残)と、部分の数を求める場合(求部分) 、2つの数量の差を求める場 合(求差)を扱う。児童にとってとらえやすい求残の場面から減法を導入し、具体物やブロック の操作を通して、減法の意味を理解できるようにしていく。求差の場面においても、ブロック操 作が求残の場面と同じであることから、減法が適用できることをとらえられるようにしていく。 指導にあたっては、数量と1対1に対応させて正しくブロックを並べることや、ブロックを取 り除く操作を通して減法の意味を理解できるようにすることに重点を置く。 「どちらがどれだけ多いか」というように数の多少を比べる 求差の場面では、右の本時のように、①2列のブロックを1対 1対応させて並べること、②黄色のかえると同じ数だけ緑を取 る操作を行う。 本時(求差の場面)では、ブロックを左側から取り去ること が児童の思考からも自然の流れである。そこで、求残の場面で も、右から取り去る操作とともに、左から取り去ってもよいと いうことをおさえておくようにする。 また、本時では求差の場面でのブロック操作を既習の場面でのブロック操作と比べ、求差の場 合でも減法を適用してもよいかを考える。ブロック操作を根拠として、これまでの減法に統合す るため、自力解決において児童が行うブロック操作の意図を、教師が「なぜそのように…」と問 いかけて、話合いに活かすようにする。 「黄色と同じ数だけ緑を取った」こと、 「残った部分が『多 い数』である」ことを、児童がブロック操作と自分の言葉とを関連付けながら表現できるよう指 導していきたい。また、緑色のかえるから黄色のかえると同じ数だけ取ったということを操作を 通して捉えさせ、求残と同じと見させるようにする。そして、ひき算の式で表現できるようにし ていく。 3 単元の目標 ◎ひき算が用いられる場面を知り、ひき算の記号や式の読み方、書き方を理解する。 (10以下の数)-(1位数)のひき算ができる。 (1) 算数への関心・意欲・態度 ○求残、求部分、求差のひき算の式に表わすよさを知り、進んで式に表わし、差を求めようとする。 1 (2)数学的な考え方 ○求残、求部分、求差の場面を同じひき算と考えることができる。 (3)技能 ○求残、求部分、求差の場面を数図ブロックで操作し、ひき算の式にして答えを求めることができる。 (4)知識・理解 ○ひき算が用いられる場面や、ひき算の記号や読み方、かき方、計算の仕方を理解する。 4 指導計画 (9時間扱い 本時5/9) (1) のこりは いくつ 3時間 (2) ひきざんの かあど 1時間 (3) ちがいは いくつ 3時間(本時1/3) (4) もんだいづくり 1時間 (5) ふくしゅう 1時間 5 評価規準 (評価方法) 算数への関心・ 数学的な考え方 技能 知識・理解 意欲・態度 のこりは いくつ ・残りを求める(求残) ・求残の場面でもたし算の場 ・ひき算の式にかいて答 ・残りを求める(求残)場面を、ひき算で表せる 場面を理解しようと 面と同じように式に表せる えを求めることがで ことを理解している。(発言・ノート) している。(発言・観 ことを見いだしている。 (発 きる。(観察・ノート) ・部分の数を求める(求部分)場面を、ひき算で 察) 言・ノート) 表せることを理解している。(発言・ノート) ・部分の数を求める場面でも 式で表せることを見いだし ている。(発言・ノート) ひきざんの かあど ・減法の計算が確実にで きる。(発言・ノート) ちがいは いくつ ・ちがいを求める(求差) ・「ちがい」を求める場面で ・ひき算の式をノートに ・ちがいを求める(求差)場面も、ひき算の式で 場面を理解しようと も、ひき算の式が適用でき かいて答えを求める 表せることを理解している。(発言・ノート) している。(発言・ノ ることを見いだしている。 ことができる。(観 ート) (ノート・発言) 察・ノート) ・ブロック等を用いて答 ・「ちがい」を求める場 えを表そうとしてい 面でも、ひき算の式を る。(観察) 適用して答えを求め ることができる。(ノ ート・発言) もんだいづくり ・文章をひき算の式に表 ・ひき算が用いられる場面を理解している。(ノ わすことができる。 ート) (発言・ノート) ・5-3=2になる場面を見つけて、お話をつく ることができる。(ノート) ふくしゅう ・既習事項の復習をしよ ・既習事項の復習ができる。(観察・ノート) うとしている。(観 察・ノート) 6 本時の学習指導 (1)目標 ◎差を求める場合も、残りを求める場合と具体的な操作が同じと見られることから、同じように減法 を用いてよいことがわかる。 (知識・理解) 2 (2)研究テーマとの関わり 研究テーマ 「自ら進んで問題解決する児童を育てる算数科指導」 本校では、 「自ら進んで問題解決する児童」を育てるために、学習過程の工夫、算数的活動の工夫、見通 しを持たせたり、問題解決を振り返らせたりする工夫等について研究を進めている。これを受け、本時で は、以下のような手立てを講じる。 1 挿絵や数図ブロックを使った算数的な活動を工夫する。 緑のかえる5匹と黄色のかえる3匹の違いを求める問題で、答えの求め方を詳しく表現する算数的 な活動に取り組ませる。活動に入る前に、解決の見通しを持たせるために、たし算の学習を想起させ、 解決方法を表すのに絵、数図ブロック、式を使ったことを確認し、本時でもそれが使えないかと投げか ける。児童には、自由に道具を選んで取り組ませ、1つの方法でできたら、別のものを使う方法も考え させる。解決の糸口の見つからない児童には、数図ブロックを使って問題場面を再現するなどの支援を 行う。 2 様々な表現方法のよさを認めるとともに関連させることにより式の意味を理解させる。 比較検討する段階では、絵やブロックを使うと考え方がよく分かる、式を使うと簡潔に表せるとい うようなそれぞれの解法のよさを認めていく。そして数図ブロックの操作に基づき既習の残りを求め るひき算と統合することで、ひき算についての理解を深めさせる。 3 解決に役立った方法をまとめる まとめの段階では、 数図ブロックの操作や式を使った表現が本時の問題解決に有効だったこともまと め、次の問題解決に使うよう意識づける。 (3)展開 学習過程 問 題 を つ か む 学習活動 予想される児童の反応と指導上の留意点 評価(☆) 1 本時の課題をつかむ ・2つの挿絵から、気づいたことを自由に話し合わせる。 ・2つの挿絵を見て、気づ いたことを話し合う。 C1「緑色のかえると、黄色のかえるがいます」 C2「緑色のかえるは5匹、黄色のかえるは3匹です。 」 ・それぞれのかえるの数に注目させる。 ・手をつないでいるかえる は、どこに何匹ずついる かを考える。 ・手をつないでいないかえ るは、どこに何匹いるか C3「3匹ずつ手をつないでいます。 」 を考える。 C4「手をつないでいないかえるが2匹います。 」 C5「緑色のかえるのほうが多いです。 」 ・数の違いに着目させる。 ・どちらが多いかを確認する。 <支援を要する児童への手立て> ・児童の発言を受けて、3匹ずつ手をつないでいることとともに、手 をつないでいないかえるがどこに何匹いるかを確認する。 ・問題を知る。 みどりの かえるは なんひき おおいかな。 C1「2匹です。 」 3 ・課題をつかみ、解決への T「では、どんな考え方で答えを出すのでしょう。 」 見通しをもつ。 こたえの だしかたを かんがえよう。 ・ 「ちがい」を求める求差の場面での第1時となる本時では、問題場面 で「ちがい」という言葉は示さない。 ・既習である1対1対応させて数を比べた経験や、たし算の学習を想 起できるようにし、解決の見通しをもたせる。 (手立て1) T「どのようにして考えますか。 」 C1「ブロックで考えます。 」 C2「絵を使って考えます。 」 C3「言葉で考えます。 」 計 画 を 立 て て と く 2 計画を立ててとく。 <支援を要する児童への手立て> ・これまでの加法や減法で、ブロックを操作して答えを導いてきたこ となどを想起できるようにして見通しをもてるようにする。 ・解決方法を自由に選んで解決させる。1つの方法で解決できたら、 別の方法でも考えられるようにする。 (手立て1) ・数図ブロックを操作して、数の違いを求め、求差の意味を理解する。 C1 挿絵を使う 手をつないでいない、残った かえるに○をつけてみよう。 「残った」ということは・・・ ひき算になるのかな。 ・かえるをブロックに置き換えて、緑のかえるが何匹多いのかを求め る。 C2 ブロック操作 ○ ○ ○ ○ ○ ■ ■ ■ 手をつないでいるかえるの数だけ ブロックを右へ動かす。手をつない だところで分ければ、違いがわかる かもしれない。・・・のこりを求め る時などと同じだ。ひき算かな? ・式を立ててみる。 C3 立式してみる しき 5-3=2 こたえ 2ひき 4 答えが2匹ということはわかって いるけれど・・・もともといた緑の 5匹から、黄色と手をつないだ3匹 をひいたら、答えが出る。・・・の こりを求める時などと求め方は同 じだ。 ・混同を避けるため、それぞれのかえるに対応する数図ブロックを、 色違いにして並べるようする。 <支援を要する児童への手立て> ・挿絵のかえるの上に数図ブロックを重ねて置くように助言する。そ の後、挿絵と同じように数図ブロックの右端を揃えて並べさせる。 ・ 「のこりは いくつ」での数図ブロックの動きを想起させ、比較させ る。 ☆進んで数図ブロックを操作し、問題の場面を確かめようとしている (算数への関心・意欲・態度)<操作> ☆挿絵や数図ブロックを使って、自分なりの答えの出し方を考えてい る。 (数学的な考え方) く ら べ る 3 それぞれの解法を比べ る。 2匹残っている。 「残った」とい うことは、ひき算の考え方が使え るのではないだろうか。 ○ ○ ○ ○ ○ ■ ■ ■ 絵と似ていてわかりやすい。 でも、たくさんブロックを使う ことになりそうだ。もっと簡単 な方法はないかな。 2匹 ○ ○ ○ ○ ○ 2匹 3匹 しき 5-3=2 こたえ 2ひき 5こだけブロックを出せばよい し、 『なかよし』の数だけ動かせ ばよいので、簡単だ。 「のこりは いくつ」のときと同じようにで きる。 5匹の緑のかえるの数から、黄 色のかえると手をつないだ緑の かえるの数をひくと・・・。 ひき算で答えが出る。ブロック の考え方と同じだ。 ・C2の解決はC1と同じだが、ブロックにすることでより明確にな ることに気付かせる。 ・ 「2匹違う」ということから、■と1対1対応する○の数の分だけ 動かせば、○がいくつ多いのかわかることに気付かせる。 ・ 「残る」という気付きから、既習を生かして演算決定できるようにす る。 5 ・かえるがいなくなるわけではないのに、ひき算でもよいのかを検討 させる。 T「このような場面でも、本当にひき算なのでしょうか?」 C1「緑のかえるのブロックだけを見ると、5-3。 」 C2「5から3を取っているので、ひき算です。 」 ・式にすると問題場面が簡単に表せることに気付かせる。 (手立て2) 4 類似問題を解く。 ・ブロックを使って、自転 車が何台多いか求める。 じてんしゃは、なんだい おおいかな。 ・初めから式を立てて解決した児童にも、ブロックを用いてひき算の 場面であることを確認させる。 ・ブロックを使う ○ ・式を使う ○ ○ ○ ○ 1台 4台 しき 5-4=1 こたえ 1 ☆求差の場面について、自分で数図ブロックを操作することができる。 (技能)<操作> ☆数図ブロックの操作を通し、求差の意味を理解することができる。 (知識・理解)<操作・発言> ま と め る 5 学習のまとめをする。 ・本時の学習でわかったことや知ったこと・感想を発表する。 ・解決に役立ったものについてもまとめる。 (手立て3) C1「ブロックを使い、いくつ多いかがわかりました。 」 C2「今までの学習をつかって簡単にとくことができました。 」 C3「式でも書けることがわかりました。 」 ・ノートに理解度を表すシールを貼る。 6 次時の学習内容につい ・次時にやりたいことを聞く。 て知る。 ・次の学習ではちがいをひき算の問題を式で表して考えることを伝え、 次時の学習への意欲付けを図る。 6 (4)板書計画 6/20 か ○ いくつ おおいかな こたえの だしかたを かんがえ つ ○ なんだい おおいかな。 ましょう。 も ○ なんひき おおいかな。 じてんしゃ さんりんしゃ しき 5-4=1 ま ○ ○ ○ 2ひき おおい しき 5-3=2 ○ ○ ○ ■ ■ ■ こたえ 2ひき 7 ○ ○ ○ ○ ○ ■ ■ ■ ■ こたえ 1だい (理解度を示すシールの絵)
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