給排水設備老朽化診断 及び 改修工事の進め方

給水設備の重要性
『既存集合住宅の給水設備改修の進め方』
給水管のリニューアル・メンテナンス
日本水理株式会社
大阪市中央区高麗橋4-4-6
06-6222-4482 担当::福代
給水設備の概要
⑦給水横引主管
⑥給水元弁
⑤高架水槽
⑧系統弁
メーターボックス内
⑨給水立主管
④揚水管
⑩給水枝管(1次側)
③揚水ポンプ
⑪各戸止水弁
⑫量水器
②受水槽
⑨給水立主管
①市水引込み管
共用部
専有部
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設備診断の目的
劣化の現状を把握
↓
適切な診断報告書
給排水設備診断調査の種類と検査方法
調査の目的
管理記録調査
配管全体の概要調査
↓
中・長期修繕計画立案
調査内容
アンケート調
査
調査項目
修繕履歴等の調査
水量・赤水・漏水等不具合調査
内視鏡による管内面調査
超音波厚さ計による肉厚測定
部位別の詳細調査
非破壊検査
X線調査
屋外埋設外面腐食調査
排水管勾配測量など
管内外面詳細調査
破壊検査
抜管検査
(抜管サンプリング)
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診断後の流れ
↓
改修工事の提案
■施工計画書
■施工工程表
■概算工事金額
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給水設備診断内容 1
給水立管内視鏡調査
給水1次側枝管撤去後、給水管専用ファイバース
コープにて管内の腐食状況を確認します。※当然、
断水規制が必要です。
配管継手部:錆こぶの発生
給水管サンプリング調査
上記にて撤去した1次側枝管撤去後、サンプル管
として現物を提出します。
錆こぶの発生
専有部給水管内視鏡調査
専有部の洗濯もしくはトイレ水栓を取外し、住戸内
の内視鏡調査を行います。
トイレ裏パイプスペース:住戸内給水管
HIVP継手部:異常なし
VLP継手部:錆こぶの肥大化
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給水設備診断内容 2
水圧・水量の測定
特に水圧・水量の測定は錆コブの肥大化により重要な問題
となります。
高架水槽方式の場合、最上階・中間階・最下階での検査を
行います。
給水設備目視調査
給水設備全般の目視確認により、劣化状況
の把握を行ない、分析を行います。
高架水槽方式
受水槽
受水槽内面
高架水槽
高架水槽内面
揚水ポンプ
給水管
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配管内で錆が発生しやすい部分(給水)
硬質塩化ビニルライニング鋼管
錆コブの発生
(VLP)
錆コブの発生
端部の防錆が
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給水管の劣化状況実例
VLPは、経年により防食されていない継手ネジ部での錆
やブリスター(コーティング部の膨れ)の発生による閉塞・
漏水が懸念される材質です。
系統弁
給水立主管
VLP
7
給水管の劣化状況実例
給水枝管1次側
VLP
給水枝管1次側
HIVP
給水枝管1次側
VLP
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給水枝管サンプリング調査1
硬質塩化ビニルライニング鋼管
(VLP)
9
給水枝管サンプリング調査2
硬質塩化ビニルライニング鋼管
(VLP)
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給水主管:外面腐食状況
硬質塩化ビニルライニング鋼管
(VLP)
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給水管材料の改善周期
給水管
材質
寸評
一般的改善周期
硬質塩化ビニルライニング鋼管
(VLP)
鉄管の中に塩ビ管を内蔵させた配管。
主に継ぎ手部分においてネジ接続している為、錆劣化を起こし水量及び
水圧低下の原因になっている。
10~25年
耐衝撃性硬質塩化ビニル管
(HIVP)
塩化ビニルで形成されている配管。
錆が発生しない配管。
劣化要因は太陽光(紫外線)であり室内や紫外線が当たらないパイプス
ペース内に設置されている場合は特に問題ないが、露出配管は劣化が
考えられる。
20~40年
※一般的改善周期は、使用条件(設置場所等)によりかわります。
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共用部給水設備工事 1

既存の配管を撤去して、塩化ビニール管やステンレス管などのサ
ビが発生しない配管材料に取り替える工法です。

耐用年数が40年以上期待できる材料の使用により、60~100年と
云われる建物の耐用年数の残存年数の大半をカバーし、安心の
マンションライフを過ごして頂くための工法です。
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共用部給水管工事 2
メーターBOX内給水立主管取替工事
既設管を撤去し,元の位置にて引き替えます.
断水時間を短くするため、仮設給水配管をお勧めします。
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共用部給水管工事 3
屋上給水横引主管取替工事
屋上に設置されている給水横引主管は,先ほどのメーターBOX
内とは違い,別位置に新配管を設置できます.このため,仮設給
水配管を設置しなくても断水時間を短くすることができます。
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共用部給水設備工事 4
また近年は古くなった配管を更新すると共に
給水方式の変更を検討される組合様も多いです。
給水方式変更工事
写真のような直結増圧ポンプを設置
し水槽を介さないで市水本管から直
接配管で繋いで給水する工事です。
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給水方式の説明
高架水槽
高架水槽方式
直結増圧給水方式
近年推奨される給水改修方式
揚水ポンプ
受水槽
直結増圧ポンプユニット
加圧給水方式
直結直圧給水方式
近年推奨される給水改修方式
加圧給水ポンプユニット
受水槽
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給水方式比較検討表
高架水槽方式
改修工事の問題点
給水方式
加圧給水方式
直結増圧給水方式
受水槽・高架水槽を残す為、揚水ポンプ
の故障、停電及び水道本管での事故に
よる断水の場合でも一時的に水の供給
が可能です。
受水槽を残す為、水道本管での事故による
断水の場合でも一時的に水の供給が可能で
す。
高架水槽が不要になる為、補修又は取替の
必要がなくなり、高架水槽の清掃等のメンテ
ナンス費用が不要になります。
又、上階などで水圧・水量が不足している場
合、適正な水圧が得られます。
受水槽・高架水槽を設けない為、市水道本管よ
り新鮮な水が供給できます。
受水槽・高架水槽を設けない為、補修又は取替
の必要がなくなり、水槽の清掃及びポンプ等の
メンテナンス費用が不要になることや、現在の
給水施設の撤去スペースを有効活用できます。
又は、上階などで水圧・水量が不足している場
合、適正な水圧が得られます。
受水槽・高架水槽など給水施設を継続
使用する必要があり、今後水槽本体や
周辺機器の補修や取替が必要になりま
す。水槽のメンテナンス費用も現在と同
じく必要です。
又、上階での水圧・水量が不足する場
合、改善は困難です。
ポンプの運転状況により多少ポンプに費や
す電気代が上がる場合があります。
受水槽などの給水施設を継続使用する必要
があり、今後受水槽本体や周辺機器の補修
や取替が必要となります。
受水槽のメンテナンス費用も現在と同じく必
要です。
ポンプの運転状況により多少ポンプに費やす電
気代が上がる場合があります。
市水道本管より直接水の供給を行っている為、
本管での事故による断水に水の供給ができなく
なり、即、断水となります。
市(自治体)や建物などにより施工が出来ない
場合があります。
メリット
デメリット
概略図
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給水設備改修工事までの流れ
マンションの現状把握
・居住者様からのヒアリング(漏水事故例など)
・給水設備の劣化診断
工事仕様の検討
・改修範囲の検討
・給水方式変更の検討
工事業者の検討
・金額、改修方法、実績などから検討
工 事 着 工
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給水設備の重要性
『既存集合住宅の給水設備改修の進め方』
END
日本水理株式会社
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06-6222-4482 担当::福代