みずプラン27のおもな取り組み ~老朽施設への対応~

みずプラン27のおもな取り組み
上下水道局では、平成17年に「信頼」を基本理念と
して、これからの上下水道事業のあるべき姿とめざす
方向を明らかにする名古屋市上下水道構想「みずの架
け橋」を公表しました。
この「みずの架け橋」を実現するため、第1期計画で
ある「みずプラン22」に引き続き、現在は第2期計画
「みずプラン27」(計画期間:平成23年度から27年
度)のもと、老朽施設への対応などの7つの課題に対
して、さまざまな事業に取り組み、「安心・安全で安
定した上下水道事業」の持続をめざしています。
~老朽施設への対応~
水道施設の改築・更新
「高水準水道システム」の実現をめざし、第3次水道基幹施設整備事業に基づいて、水道創設期から稼
動している鍋屋上野浄水場や東山配水場などの老朽化あるいは機能低下している施設の更新整備を計画的
に行います。
また、第3次配水管網整備事業に基づいて、配水管の整備及び耐震化をすすめます。
<平成26年度のおもな取り組み>
犬山系導水路A管や大治浄水場第5沈澱池などの整備をす
すめました。
また、耐震化を中心とした配水管の整備を85km行いました。
配水管の整備
(km)
平成27年度
までの目標
平成26年度
までの実績
460
371
大治浄水場第5沈澱池の整備
下水道施設の改築・更新
下水道事業の創設期に建設され老朽化の進んだ露橋水処理センターなどの改築・更新をすすめるととも
に、老朽化が著しい宝神汚泥処理場に替わる施設として平成20年度に着手した空見スラッジリサイクル
センターの第1期施設の建設や関連施設の整備を着実にすすめます。
また、第7次下水管路調査改築計画に基づいて、計画的な下水管の調査を実施し、その結果を踏まえて
下水管の改築・更新を行うとともに、地下の空洞調査や下水管の補修などの道路陥没対策を行います。
<平成26年度のおもな取り組み>
露橋水処理センターの建設をすすめました。
また、下水管の調査を419km、改築を38km行うとともに、
地下の空洞調査を211km行いました。
下水管の調査
(km)
下水管の改築
(km)
平成27年度
までの目標
平成26年度
までの実績
2,070
1,916
187
124
全面改築中の露橋水処理センター
~災害への備え~
地震対策
上下水道施設の耐震化をすすめ、地震時におけるライフライン機能の確保をはかります。
また、1人約3日分の水を1箱とした災害用備蓄飲料水「名水」を販売するなど、「自助」・「共助」を
支援します。
<平成26年度のおもな取り組み>
水道施設については、基幹施設の耐震化をすすめ、大規模地震発生時における浄水処理可能量
を確保するとともに、全給水区域での配水管の耐震化をすすめました。特に災害時に優先的に給水
を確保する必要がある救急病院、透析医療機関などの重要給水施設へ至る配水管について25年
度をもって耐震化が完了しました。26年度からは災害時に救護所となる市立中学校へ至る管路の耐
震化を実施しています。
また、下水道施設については、改築にあわせて基幹施設の耐震化をすすめるとともに、避難所な
どから水処理センターを結ぶ下水管、緊急輸送道路下や軌道下などの重要な幹線等について耐震
化を11km行いました。
さらに、「自助」・「共助」の支援として、各種イベントや地域のお客さまと協働した訓練において、地
下式給水栓や下水道直結式仮設トイレについて周知するとともに、災害用備蓄飲料水「名水」を約
8,500箱販売しました。
平成27年度
までの目標
平成26年度
までの実績
21
21
47
44
重要給水管路
の耐震化(km)
下水管、重要
な幹線等の耐
震化 (km)
災害用備蓄飲料水「名水」
原材料名 名古屋市水道水
内容量 375ミリリットル×24本/箱
賞味期限 3年
金額 1,500円(税込)/箱
浸水対策
平成12年の東海豪雨や、平成20年8月末豪雨などにより、著しい浸水被害が集中した地域や都市機能の
集積する地域を対象として、緊急雨水整備事業をすすめています。この事業では、原則1時間60mmの降
雨に対応する施設整備を行い、これにより名古屋地方気象台における過去最大の1時間降雨量97mmの降
雨(東海豪雨時の記録)に対して、床上浸水の概ね解消をはかることをめざしています。
こうした施設整備に加え、さらなる減災のため、防災・河川部局と連携して「洪水・内水ハザードマッ
プ」の周知・活用を働きかけるほか、雨水流出抑制のPRを行うなど、お客さまや事業者のみなさまの
「自助」・「共助」を支援・促進する取り組みにも努め、総合的な浸水対策を推進しています。
<平成26年度のおもな取り組み>
名古屋中央雨水調整池や広川ポンプ所の建設に着手し、
中村中部雨水調整池など8か所で継続して整備をすすめ
ました。また、各種イベントなどで「洪水・内水ハザードマッ
プ」の周知・活用を働きかけたほか、浸透適地マップを用
いるなどして雨水流出抑制の普及啓発に取り組みました。
平成27年度
までの目標
雨水調整池
の整備
(か所)
平成26年度
までの実績
完了
整備中
完了
整備中
19
3
11
9
建設中の中村中部雨水調整池
~環境保全への対応~
高度処理の導入
下水道の放流先である伊勢湾海域においては依然として赤潮が発生しており、その原因となる窒素やり
んの排出量をさらに減らすことが求められています。そのため、水処理センターにおいて、従来の処理法
に比べおもに窒素やりんなどをより多く取り除くことができる高度処理の導入をすすめます。
<平成26年度のおもな取り組み>
露橋水処理センターで改築にあわせ高度処理の導入をすすめるとともに、実証実験を行っていた
守山水処理センターのA2O型膜分離活性汚泥法(MBR)施設の運用を開始しました。
合流式下水道の改善
合流式下水道では、弱い雨の時は汚水と一緒に雨水も水処理センターに送り処理しますが、雨量が増加
すると、路面など街の汚れや汚水の一部を含んだ雨水が直接河川へ放流されます。そのため、汚れの度合
いが大きい降り始めの雨水を水処理センターで処理するために一時的にためておく雨水滞水池の建設や、
雨天時に行う簡易処理の水質を向上させるための簡易処理高度化施設の設置などをすすめています。
<平成26年度のおもな取り組み>
雨水滞水池については、堀川左岸雨水滞水
池など2か所で整備をすすめました。
簡易処理高度化施設については、守山水処
理センターで整備が完了し、露橋水処理セン
ターで整備をすすめました。
平成27年度
までの目標
雨水滞水池・
簡易処理高度化
施設の整備(か所)
平成26年度
までの実績
完了
整備中
完了
整備中
5
5
4
3
~安全でおいしい水の安定供給~
流域連携
木曽三川流域の良質な水環境を守るため、広く流域自治体と連携し、さまざまな事業を行います。
<平成26年度のおもな取り組み>
水源地で環境保全活動を行う「木曽川さんありがとう」 や「木曽三川水源林保全体験」、流域の市町
村が浄水場などで農作物や特産品を販売する「エコ市」などを行いました。
また、流域自治体の首長が意見交換を行う「木曽三川流域自治体シンポジウム」や上中流域の生
産者と下流域の仕入れ企業との商談の場を提供する「ビジネス・サミット2014」を開催しました。
配水施設の適正管理と水質管理の強化・充実
送・配水幹線の内面清掃を行うとともに、配水管の内面をカメラで調査し、きょう雑物の発生を未然に
防止する配水管内クリーニングなどを行うことで、よりおいしい水をお届けします。
また、水源からじゃ口までの総合的な水質管理体系として水安全計画を策定し水質管理を強化するとと
もに、塩素注入量の適正化など、きめこまやかな品質管理を行います。
<平成26年度のおもな取り組み>
送・配水幹線の内面清掃を11km行うとともに、配水
管内クリーニングを40km行いました。
また、引き続き水安全計画を運用しました。
直結給水の普及促進
送・配水幹線の
内面清掃 (km)
配水管内クリー
ニング (km)
平成27年度
までの目標
平成26年度
までの実績
26
30
150
112
受水槽を経由せず配水管から直接新鮮な水をお届けする直結給水の普及促進を図ります。
<平成26年度のおもな取り組み>
直結給水方式へ切り替えた建物にお住まいのお客さまを対象に、切替え周知のためのご案内を配
布しました。
また、小学生のじゃ口から直接水を飲む習慣を促進させるために、校庭水飲み場のじゃ口ハンドル
の取替えや直結じゃ口シールの貼付を行いました。
なごやの水道水のPR
各種イベントにおいて水道直結型冷水機等を設置し、より多くのお客さまになごやの水道水のおいしさ
を実感していただくとともに、上下水道局オリジナルのカラフェの作成、ご協力いただけるお店や企業と
の連携により、なごやのおいしい水をPRしています。
<平成26年度のおもな取り組み>
各種イベントにおいて、水道直結型冷水機(金鯱水)を設
置し、なごやのおいしい水を提供しました。
また、なごやの水道水のPRにご協力いただけるお店や
企業などの「名水パートナー」と連携してスタンプラリーなど
を行う「名水フレンドシップ事業」を行いました。
~お客さまニーズへの対応~
水道直結型冷水機(金鯱水)
100年を機会とした事業の展開
上下水道100年の歴史を検証、継承するとともに、これからの100年を見据えて安心・安全で安定した
上下水道事業の持続的な経営に取り組む局の姿勢を示し、お客さまからの信頼を一層深める契機とします。
<平成26年度のおもな取り組み>
名古屋市水道給水開始100周年記念式典をはじめとしたさ
まざまなイベントを実施したほか、水の歴史資料館等の施設
の整備、名古屋市水道百年史等の刊行物の作成等を行い
ました。
上下水道訪問授業などの実施
水道歴史写真展
職員が講師となって小学校4年生を対象に上下水道のしくみや水循環などを総合的に学べる授業を行う
ほか、大型商業施設などに職員が出向いて出前相談窓口を開設し、上下水道の情報提供や相談受付を行っ
ています。
<平成26年度のおもな取り組み>
上下水道訪問授業を、92校で行いました。
また、出前相談窓口に来場された方へ、上下水道の
防災関連情報などを提供しました。
貯水槽水道の適正管理に向けた点検・指導
上下水道訪問授業
貯水槽水道を適正に管理し、安全でおいしい水を利用していただくため、給水区域内すべての小規模貯
水槽水道を対象に点検・指導を行うとともに、指摘事項があった施設の改善状況についても確認します。
また、貯水槽水道を利用するお客さまのお申込みにより点検を行う「貯水槽水道点検サービス」も随時受
け付けています。
<平成26年度のおもな取り組み>
全ての小規模貯水槽水道を点検・指導の対象とし、点検・指導を4,930件、改善確認を1,111件行いま
した。
ビルピット臭気調査
ビルピット(地下排水槽)からの悪臭発生を防止するため、市内全域の地階を有する建物を対象に、ビ
ルピットの実態調査と臭気調査を行い、臭気発生源の可能性が高い施設については、ビルピットの維持管
理方法や構造について管理者へ改善を働きかけるとともに、翌年度に改善状況を確認します。
<平成26年度のおもな取り組み>
千種区、守山区、緑区、名東区、天白区の440か所において調査を行い、必要に応じて改善を働きか
けました。 また、平成25年度に改善を働きかけた39か所の施設において、改善状況を確認しました。
~新しい経営環境への対応~
広域化
近隣市町の課題を解決するために意見交換の場を設け、個別業務の受託をすすめるとともに、広域化に
ついて幅広く研究・検討をすすめていきます。
<平成26年度のおもな取り組み>
近隣事業体が抱える課題を共有し、広域的な連携・協働につながる意見交換を行う広域連携連絡
会議を開催しました。
また、三重県東員町と「上下水道事業に係る技術協力等に関する基本協定」などを締結しました。
国際貢献(国際協力及び水ビジネス)
開発途上国の上下水道が抱える問題の解決に寄与するため、JICAを通じた研修員の受け入れや職員の
派遣を積極的に行っていきます。また、民間企業や関連団体との連携を進めて、国際的な水ビジネスの展
開を積極的に支援します。
<平成26年度のおもな取り組み>
JICAの要請により、スリランカなどから研修員を受け入れるとともに、スリランカなどへ職員を専門家と
して派遣しました。
名古屋上下水道総合サービス株式会社の活用
名古屋上下水道総合サービス株式会社(NAWS)の上下水道事業に関する技術・ノウハウを活かし、局
の経営の効率化に資する団体として活用します。
<平成26年度のおもな取り組み>
上下水道局の補完・代行を担う団体として活用するとともに、あま市など周辺市町のニーズに応じた
個別業務をNAWSが受託するなど、広域的な事業展開に活用しました。
~経営基盤の強化~
営業所体制の見直し
各営業所一律の所管業務を見直し集約化を進めるとともに、各区にある営業所を複数区を所管する拠点
営業所とそれを補完するサービスステーションに段階的に見直します。
<平成26年度のおもな取り組み>
西営業所の業務を北営業所に、南営業所の業務を港営業所に、天白営業所の業務を瑞穂営業
所に集約し、9営業所と7サービスステーションへの再編が完了しました。
管路管理体制の見直し
配水事務所と管路事務所の所管区域を統一し事務所の集約化をはかるとともに、類似業務の協働体制を
すすめます。
<平成26年度のおもな取り組み>
配水管と下水管を効率的に管理するため、引き続き管路センターの事務所の集約化を進めました。
平成26年度は南部管路センターの集約化に着手しました。