中小企業に特許や商標は必要か? まずは、以下の統計を見てください。 2005 年~2014 年の間に日本で出願・登録された特許・商標の件数です。 図1 特許の出願件数・登録件数 図2 商標の出願件数・登録件数 出典:特許行政年次報告書 2015 年版 大まかに言うと、特許とは、仕組みや、物品の形状、材料などの発明に対して与えられ る独占排他権であり、商標は、商品やサービスに対して付するネーミングに対して与えら れる独占排他権です。どちらも、国が与える財産権であり、独占禁止法の適用を免れ得る 強力な権利となります。これらの権利を上手く活用することで、自社の事業が他社に真似 されることを防ぎ、ブランド力向上にも役立てることができます。 これら魅力ある特許・商標の出願数は、景気の後退から減少傾向が続いてきましたが、 昨今のアベノミクスによる景気回復により、商標出願数は回復を見せはじめています。 データ上、特許件数が減少傾向のままである理由は、大手企業が、選択と集中をしたば かりであり、景気が上向いてきたからといって、すぐに拡大路線に舵をきるのが難しいた めと思われます。 今後も景気回復が続くことにより、将来を見据えた商品開発の中で、特許や商標の活用 を検討する企業が増えることが予測されますが、近年では、費用助成を行えるケースも多 く、是非とも、検討して欲しいものです。 その一方で、過去に特許や商標を取得したものの、コストや手間がかかり、これ以上の 取得には関心がない企業も多く存在するのではないでしょうか。 このように、特許や商標への印象や考え方は、企業によっても違いますが、全ての企業 において、留意してもらいたいことがあります。 ■神戸ビジネスメールマガジン ― KCCI■ それは「友人からの勧めで、特許や商標を取ろうと思った」や、 「商品開発したのだから、 とりあえず、特許を取っておこう」など、場当たり的な考えや、「必要かもしれないけど、 コストや手間ばかりかかるから、特許や商標なんかとらなくていいや」といった、しっか りとした分析をせずに結論を出すことです。 どの企業でも、新商品・サービスの開発においては、思い描いている事業モデルがある はずです。そして実現するには何が必要か、潜むリスクは何が考えられるか、おおよそ頭 の中にあるはずです。 事業モデルを助け、潜むリスクを低減させる道具として特許や商標の必要性を考え、必 要な場合にはどのように装備しないといけないか、じっくりと考えていただきたいもので す。 もし、このような検討が苦手な方は、是非、専門家である弁理士に相談してみてくださ い。悩みに真摯に向き合ってくれる弁理士に出会うことができれば、きっと、貴社を良い 方向に導いてくれると思います。弊社でも、そのような相談は、随時受け付けております。 お気軽にご相談ください。 (次号では、図1、図2の登録件数にまつわるお話をしたいと思います) 特許業務法人つばさ国際特許事務所 神戸オフィス 担当弁理士 長谷部政男 〒650-0034 兵庫県神戸市中央区京町 76-2 明海三宮第 2 ビル 10 階 TEL:078-392-2061 FAX:078-392-2062 e-mail:[email protected] ■神戸ビジネスメールマガジン ― KCCI■
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