1. 認知症を理解しましょう

1. 認知症を理解しましょう
(1)認知症ってどんな病気?
認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪く
なったために記憶力や判断力などに障害がおこり、日常生活に支障が出て、
それがおおよそ6ヵ月以上継続している状態です。
最も多いものはアルツハイマー型認知症で全体の約70%、次に多いもの
は脳血管性認知症で全体の約20%で、この2つで約90%を占めています。
アルツハイマー型認知症
脳血管性認知症
●どんな病気?
●どんな病気?
アミロイドベータというたんぱく質が脳の神経細胞
に過剰にたまることによって脳細胞を壊しておこる。
脳梗塞や脳出血が原因となって起こる。
●特徴は?
●特徴は?
・脳血管障害を起こすたびに、進行する。
・昔の記憶は残っているが、最近のことを忘れる。
・もの忘れは強いが、判断力や理解力は保
たれていることもある。
・緩やかに進行する。
・服薬管理、金銭管理が難しくなる。
※その他の認知症
レビー小体型認知症
●特徴 ・実際には存在しないものが見える「幻視」が見られることがある。
・筋肉がこわばり、手足の震え等が現れることがある。
前頭側頭型認知症
●特徴 ・抑制が効かなくなり、暴力的になる等性格の変化が見られることがある。
・万引きや信号無視等社会ルールに違反することがある。
・こだわりが強くなる。
この他にアルコール性認知症などもあります。
!軽度認知障害(MCI)とは…
もの忘れが同年代に比べ多くなるものの、認知症にまでは至っていない状態をいいます。
5 年後位で約半数がアルツハイマー病等へ進行するといわれます。
この段階で、認知症の発症を防ぐために、脳の活性化を図ることや運動することはとても大切です。
(2)アルツハイマー型認知症の進行例
早期からの治療や生活改善が大切です!
正常な老化
正常なレベル
認
知
軽度認知障害
機
(MCI)
能
軽 度
の
低
認
下
知
中等度
発
治療開始
病
治療や生活改善など
早期から対策を実施!!
治療や対策をせず放
置した場合…
不安、妄想、睡眠障
害、徘徊などの症状
症
高 度
が出てくる
時 間 の 経 過
(3)老化による「もの忘れ」と認知症による「記憶障害」の違い
老化による「もの忘れ」
認知症による「記憶障害」
●体験や出来事の一部を忘れるが、ヒント
●体験や出来事の全部を忘れてしまうため、ヒ
があれば思い出すことができる。
●もの忘れしている自覚がある。
ントがあっても思い出すことができない。
●もの忘れをしている自覚がない。
たとえば…
たとえば・・・
朝ごはんのメニューは思い出せないが、朝
朝ごはんを食べたことを忘れている。
ごはんを食べたことは覚えている。
日常生活に大きな支障はない
日常生活に支障がある