グループ7

問
糖尿病について次の文章のかっこを穴埋めし、以下の問に答えなさい。
糖尿病は(インスリンの作用不足)による(慢性の高血糖状態)を主徴とする代謝疾患群と定
義されます。血糖値の調節には①インスリン、インクレチン、グルカゴン、グルココルチコ
イド、成長ホルモン、アドレナリンなどが関与しており、これらの異常によって糖尿病は
引き起こされます。糖尿病は 1 型糖尿病、2 型糖尿病など 4 つに分類されます。1 型糖尿病
は(自己免疫)疾患であり、自己抗体(抗 GAD 抗体)が陽性になります。2 型糖尿病では膵臓 B
細胞からの(インスリン分泌不全)と、インスリン感受性臓器での(インスリン抵抗性)が関与
して高血糖状態となります。②糖尿病と診断された場合、治療は③合併症の発症、進行を防
ぐために、食事療法、運動療法、薬物療法を行います。薬物療法には、④経口血糖降下薬、
⑤
速効型インスリン分泌促進薬、⑥スルホニル尿素(SU)薬、⑦ビグアナイト(BG)薬、⑧インク
レチン関連薬が用いられます。
問 1 下線部①について、インスリンの分泌機構においてかっこをうめよ。
・血液中のグルコースは( GLUT2 )によって膵臓 B 細胞内に取り込まれる。
グルコースは解糖系、
( TCA 回路 )で代謝され、細胞内 ATP 濃度が上昇する。
B 細胞膜に存在する( ATP 感受性 K チャネル )が閉じることによって脱分極が起きて、
( 電位依存性 Ca チャネル )が開口して Ca が流入する。そして、インスリンの開口放出
が起きる。
問 2 下線部②について、糖尿病の診断基準について、空欄をうめよ。
・空腹時血糖値 (
・随時血糖値
126mg/dL )以上
( 200mg/dL )以上
・75g ブドウ糖負荷試験2時間値
(
・糖化ヘモグロビン HbA1c ( 6.5%
200mg/dL )以上
)以上
問 3 下線部③について、糖尿病の慢性合併症は大きく分けて4つある。すべて挙げよ。そ
してその合併症は小血管障害か大血管障害のどちらであるか答えよ。
① ( 末梢神経障害
)
:
(
小 )血管障害
② ( 視力障害
)
:
(
小 )血管障害
③ ( 糖尿病性腎
)
:
(
小 )血管障害
④ ( 動脈硬化性障害 )
:
( 大
)血管障害
問4
下線部④について、糖尿病患者における経口血糖降下薬に関する記述の正誤を答え
よ。
a.α‐グルコシダーゼ阻害薬と他の経口血糖降下薬を併用している患者に低血糖症状が起
きた時には、すぐにショ糖を経口投与する。
b.ピオグリダゾンはインスリン抵抗性を改善する。
c.2 型糖尿病患者の治療は主に、食事療法と運動療法であるが、これらでは十分に血糖値
がコントロールできない場合には経口血糖降下薬が使用される。
d.α‐グルコシダーゼ阻害薬は肝臓における糖新生を抑制して、血糖値を下げる。
e.インスリン抵抗改善薬の副作用として、腸閉塞様の症状に注意する。
<解答>
a. 誤
ショ糖ではなくグルコースを投与する。
b. 正
c. 正
d. 誤
小腸粘膜の上皮細胞における糖の吸収を抑制して、血糖値を下げる。
e. 誤
インスリン抵抗改善薬の副作用として、浮腫、心不全、膀胱がんなどがある。
腸閉塞様の症状に注意するのはα‐グルコシダーゼ阻害薬。
問5
下線部⑤について、速効型インスリン分泌促進薬に関する正しい記述を 2 つ選べ。
1. 膵臓β細胞の SU 受容体に結合し、ATP 感受性 K+チャネルを閉鎖させて、電位依存
性 Ca2+チャネルを開口させることによりインスリン分泌を促進させる。
2. スルホニル尿素薬(SU 薬)と比較して、作用の持続は長時間である。
3. 単独使用のとき低血糖症状を起こす可能性はない。
4. インスリン分泌能が維持されており、空腹時血糖は高くないが食後に高血糖が見ら
れるⅡ型糖尿病患者に適応である。
5. テナグリニドでは低血糖、肝機能障害、心筋梗塞、ミチグリニドとレパグリニドで
は低血糖、肝機能障害の副作用がある。
解答
1. 4
1.○
2.×
作用の持続は SU 薬よりも短時間である。
3.×
単独使用で低血糖症状を起こす可能性がある。
4.○
5.×
テナグリニドでは低血糖、肝機能障害、ミチグリニドとレパグリニドでは低血糖
と肝機能障害、心筋梗塞の副作用がある。
下線部⑥について、次の文は SU 薬についての記述である。(
問6
)内に適切な語句
を考え解答欄に書きなさい。
SU 薬は、膵臓の B 細胞の( ①
依存性の(
③
時間は( ⑤
)受容体に結合し(
)チャネルを開口させることにより(
②
)チャネルを閉鎖させて電位
④
)く、1日を通して血糖値を低下させる。(
)分泌を促進させる。作用
⑥ )量より開始し、数週間
後に治療効果判定を行う。長期に使用しているとその効果が減弱していくことがあり、こ
⑦ )の要因は様々あるが、長期にわたる SU 薬の使用により
れを(
⑦ )とよぶ。
(
(
)が疲弊することでインスリン分泌低下が起こると考えられている。( ⑦
⑧
疑ったときには、食事療法、運動療法を徹底し、それでも改善しないようであれば( ⑨
への変更が必要である。SU 薬には、
(
)
⑩ )などがある。
①
SU
②
ATP 感受性 K+
③
Ca2+
④
インスリン
⑤
長
⑥
少
⑦
二次無効
⑧
膵臓 B 細胞
⑨
インスリン療法
⑩
グリクラジド・グリメピリド
問7
)を
下線部⑦について、ビグアナイド薬について、(
)の中を下記の語群から選んで答
えなさい。また、
(④)
(⑥)については正しい方を答えなさい。
古くから使用されていたが、
(①)による副作用で死亡者が出たため使用されなくなって
いた。しかし近年(②)のインスリン抵抗性改善作用が注目されメインの DM 治療薬とし
て使用され始めた。BG 薬の作用機序については複数ある。
1つ目は、
(③:臓器名)における糖新生の(④促進/抑制)。2つ目は、(⑤:臓器名)におけ
る糖利用を(⑥促進/抑制)する作用などが挙げられる。
またこの薬は(⑦)を促進する薬ではないことから、血糖降下作用は強くないが、腎不全
や心不全などがなければ安全性が高いこと、他の薬剤との相性も良いので併用療法が行い
やすいという特徴がある。適応患者としては、
(⑧)と(⑨)のある2型 DM 患者である。
<語群>
a.乳酸アシドーシス
b.低血糖 c.メトホルミン d.骨格筋
g.インスリン分泌 h.インスリン抵抗性
i.肥満 j.食欲抑制
<解答>
①a ②c ③e
④抑制
⑤d ⑥促進 ⑦g ⑧i ⑨h
e.肝臓
f.脂肪組織
問8
下線部⑧について、
(1)インクレチンの種類を二つ答えよ。(略称可)
GIP(gastric inhibitory polypeptide または glucose-dependent insulinotropic polypeptide)
GLP-1(glucagon-like peptide-1)
(2)インクレチンの分解酵素を答えよ(略称可)
DPP-4(ジペプチルペプチダーゼ)
(3)インクレチンの作用メカニズムについて以下の文章の空欄を埋めよ。又、選択肢がある
場合は解答を○で囲め。
インクレチンの作用メカニズムは、インクレチン受容体活性化に伴い細胞内の(a)レベル
が上昇し、これにより(b)代謝依存性の(c)分泌経路が増幅されることによると考えられて
います。したがって、血糖値が(高い・低い)と(b)代謝依存性の(c)分泌経路が働いてい
ないので、インクレチンによる(c)分泌の増強作用は起こりません。このように、インク
レチンによる(c)分泌促進作用は(b)濃度依存性であるので(高血糖・低血糖)を起こしに
くいと考えられます。
a:サイクリック AMP
b グルコース
c インスリン
選択肢:低い・低血糖