内科全般コース 後期臨床研修プログラム I. 一般目標 内科領域における幅広い疾患と症候を持つ患者と患者を支える家族等に対し、患者の もつ心理的、社会的な背景にも配慮しつつ、意思決定の支援を行い適切な医療を提供 できる総合的技術を有した内科医としての能力を獲得する。 II. 行動目標 医の倫理、患者の人権、患者-医療者関係 臨床における倫理的課題に気づき、規範に基づいて検討することができる。 患者が持つ権利を尊重しながら、患者にとっての最善の利益について、患者 自身や患者関係者と対話を行うことができる。 社会と医療 人生のライフステージや、生活環境に配慮した医療を提供適すことができる。 患者が必要とする各種文書を迅速かつ適切に作成できる。 患者の個人情報を適切に取り扱うことができる。 医療における安全確保 医療行為に関連して患者のみに起きている危険を察知し、その危険を回避す るための行動を迅速かつ正確に行うことができる。 医療に関するエラー、もしくは患者に起きた有害事象等に適切に対処できる。 プロフェッショナリズムと生涯教育 自らの診療行為について、同僚や多職種と生産的に振り替えることができる。 医療提供を行う上での利益相反に気づき、適切に対処することができる。 基本的診療技能 推論を駆使した医療面接および身体診察を行うことができる。 内科領域で行われる診断検査等の解釈を適切に行うことができる。 内科医に必要とされる基本的手技を適切に完遂することができる。 主要症候 主な症候の鑑別診断と治療の概要を,疾患頻度や病態生理と関連づけて想起 し、臨床判断に応用できる。 肥満、るいそう、浮腫、発熱、全身倦怠感、チアノーゼ、黄疸、ショッ ク、意識障害、失神、けいれん、視力障碍、複視、目の充血、難聴、耳 鳴り、めまい、咽頭通、咳、喀血、嗄声、嚥下障害、呼吸困難、胸痛、 動悸、胸焼け、悪心・嘔吐、吐血・下血、便秘、腹部膨満、腹部腫瘤、 肝脾腫、乏尿・尿閉、多飲・多尿、排尿障害、血尿、タンパク尿、続発 性無月経、記憶障害、幻覚・妄想、抑うつ、不安・恐怖、食思不振、睡 眠障害、頭痛、言語障害、筋力低下・筋委縮、振戦・不随意運動、歩行 障害、感覚障害・しびれ、背部痛、腰痛、関節痛、リンパ節腫脹、発疹、 掻痒、潮紅 主要疾患・症候群 頻度の多い内科系疾患と症候群について、その評価方法と標準的な治療方法 の詳細を述べることができる。 治療の基礎 以下の一般的な治療の基本と,特定の医療現場において内科的に介入すべき 治療について熟知し、実践することができる。 薬物治療 食事と輸液療法 輸血と移植 周術期管理 局所麻酔 リハビリテーション 介護と在宅医療 漢方医学 死と終末期ケア 人生の最終段階にある患者の診療方針について、患者や患者関係者と合意形 成ができる。 がんおよび悲がん疾患に罹患し苦痛を被っている患者に対する緩和ケアを適 切に行うことができる。 チーム医療と地域医療 最善の医療を提供するうえで、多職種と連携し助け合いながら診療を進めて いくことができる。 適切な時期に適切なコンサルテーションを行うことができる。 病診連携、病病連携を効率的に実践できる。 生活習慣病と高齢者医療 患者の生活背景を理解し、より健康を推進できる生活習慣への変化を支援で きる。 高齢者の身体的、心理的、社会的特性を加味したうえでの医療を提供できる。 心理・社会的側面についての配慮 Bio-psycho-social model に準拠した医療を提供できる。 III. 行動目標の詳細および経験目標 3 年間で、日本内科学会 新・内科専門医制度 研修カリキュラムで設定されてい る項目の必要到達レベルを達成する。 http://www.naika.or.jp/jsim_wp/wp-content/uploads/2015/05/info_141224_cur riculum4.pdf を参照 IV. 方略 ローテーション研修 本コースは、2 年間で 8 診療科をローテーションしたのち、1 年間特定の内科 系診療科に属し研鑽を積むハイブリッド型のローテーション研修とする。 8 診療科の内訳は以下の通りとする。1診療科のローテーション期間を3ヶ月 とする。モデル事例を別添1に表記する。 総合内科 消化器内科 呼吸器科 循環器内科 神経内科 血液内科 腎臓・膠原病・内分泌・代謝内科 救急科 3 年目に研修を行う診療科については、指導医等と協議の上で当該研修医が自 身で決定する。 各診療科をローテーションしている間は、具体的な研修方略はローテーショ ン診療科の方略に準拠する。 外来診療 夜間及び休日の内科系救急患者の対応に従事する中で On the Job Training をおこなう。 研修医と指導医および診療科との協議の上、選択的に一般の内科初診外来診 療、再診外来診療を経験する。 その他 研修医からの要望等について、可能な範囲で研修のアレンジメントに関する 個別対応を行う。 V. 評価 各診療科における評価 診療科ローテーション終了時に、当該診療科医長もしくは指導医から評価を 受ける。 評価は以下の事項が記された定型的なフォーマットを用いて行う。 到達目標とその到達度 経験目標と各目標の経験の有無、経験数 症例レポート 進捗評価 半年に一度をめどに、研修医は教育研修部から進捗評価に関する面接を受け、 フィードバックを受ける。 (別添1)研修プログラム モデルコース(将来循環器内科を想定している研修医の場合)
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