今回の調査で、一部地域においてトビイロウンカ(秋ウンカ

稲作気象台情報第3号
発行:平成27年9月1日
東播磨農業改良普及事業協議会
今回の調査で、一部地域においてトビイロウンカ(秋ウンカ)の発
生を確認しましたが、今回調査した野口町、平岡町、尾上町につ
いては、現在のところ、発生は確認されておりません。
カメムシも増加傾向
平成27年9月 1 日、東播磨地域14箇所で病害虫発生予察を行なった結果、4カ所の調査ほ場
で、坪枯れを引き起こすトビイロウンカ(秋ウンカ)の発生が確認されました。どの確認ほ場も1頭
ずつで多くはありませんが、今後の状況によっては9月末頃に増殖し、坪枯れを起こす可能性が
あります。また、ほ場によっては斑点米の原因となるカメムシ類が増加傾向にあるので、よく観察
をしてください。
尚、当 JA4町内については、改めて9月11日(金)に当 JA の調査を実施予定です。
1. 8月の気象・生育
○気象の状況
8月上旬は、高温小雨で日照が多く経過しました。中旬以降は一転して気温も平年よ
り低めで、降雨が多くなり、日照時間は平年の6割程度となっています。
○生育の状況
8月15日現在の兵庫県立農林水産技術総合センター(加西市)でのヒノヒカリの生育
状況は、草丈は平年並、茎数は少なめです。出穂は8月中旬以降の低温傾向も影響し
昨年と比べてやや遅い状況です。穂揃いが悪く、出始めてから揃うまでの期間が長くな
っています。また、降雨が多く湛水状態が長くなっていることから、下葉の傷んでいるほ
場も見受けられます。
2. 病害虫の調査結果(平成27年9月 1 日調査)
<病害>
穂いもち
発生状況等
見られず
紋枯病
やや増加傾向
縞葉枯病
見られず
調査地点全体(14地点)では病害の発生は少ない状況でしたが、紋枯病が少し増えています。
穂いもちの発生は認められませんでしたが、葉いもちは少し増加しています。
<虫害>
ヒメトビウンカ
発生状況等
少ない
セジロウンカ
少ない
トビイロウンカ
発生確認
ツマグロヨコバイ
少ない
【参考】
トビイロウンカについては、8月下旬以降の成虫・幼虫の密度が株当たり、5頭以上であ
れば、収穫までの間に経済的許容水準を超える被害が現れるので防除を必ず行ってくださ
い。
3.水稲のこれからの管理について
(1)水管理
①稲の根の活力を保つため、間断灌水を実施してください。
②早期の落水を避け、収穫1週間~10日前までは間断灌水を続けます。
③落水後、あまり乾燥が続くようであれば、走り水を行ってください。
温度が高く、落水時期が早いほど、乳白粒や腹白粒、未熟粒などが増え、整粒歩合が低下
する傾向があるので注意してください。
*刈り取り時期の目安は、黄色くなった籾の割合が85~90%になったときです。品質低下を避
けるため、あまり早い時期からの落水は控えます。
但し、刈り遅れは、胴割れ米や茶米の原因になるので適期収穫に努めましょう。
(2)病害虫防除(薬剤散布は使用基準を遵守してください)
<トビイロウンカ・カメムシ類>
今回の調査では、トビイロウンカの発生が確認されたほ場がありました。特に成熟期の遅
いヒノヒカリではトビイロウンカの発生による坪枯れが収量・品質を大きく左右するので、よく
ほ場を確認してください。トビイロウンカは稲の株元に生息しているので、株元をよく観察し
てください。また、乳熟期になるヒノヒカリではカメムシ類の対策が必要です。ウンカ類の防
除と併せて薬剤防除を行いましょう。粉剤等散布の場合は株元まで薬剤がかかるように丁
寧に実施してください。
薬剤名(例)
使用量
使用期限
対象害虫
スタークル粒剤
3kg/10アール
収穫7日前
ウンカ類、ツマグロヨコバイ、カメムシ
スタークル豆つぶ
250g/10アール
まで
類
トレボン粉剤DL
4kg/10アール
収穫7日前
イネツトムシ、カメムシ類、ツマグロヨ
まで
コバイ、ウンカ類、コブノメイガ、イナゴ
類、ニカメイチュウ
*薬剤等については JA 水稲栽培暦を参照してください。
発行:東播磨農業改良普及事業協議会(構成員:東播磨地域3市、2町、3JA、農業改良普及センター)
調査協力:JA全農兵庫・東播磨農業共済事務組合
お問合せ先:加古川農業改良普及センター
電話(079)421-9354