8 Machado-Joseph 病(MJD/SCA3)伝達における (CAG) n 不安定性の 修飾因子、DNA 複製、修復、組み換え遺伝子の相関研究 Modifiers of (CAG)n instability in Machado-Joseph disease (MJD/SCA3) transmissions: an association study with DNA replication, repair and recombination genes Martins S, Pearson CE, Coutinho P, et al. Hum Genet 2014;133(10):1311-1318. 子孫伝達の際にきわめて不安定となる遺伝子特異 SNPをスクリーニングした。そして、MJD 対立遺伝子 的 CAG/CTGリピート伸 長は、12 種 の 神 経 疾 患 の 伸 長 の 発 現 の 偏りに 関 連 する多 様 体を ERCC6 原因である。世代間のリピート不安定性は発症時から (rs2228528)に発見した。遺伝子 vs 遺伝子相互作 臨床的な関連を示し、疾患の進行および重症度は 用モデルを用いると、RPA3-CDK7 の遺伝子型 G-A もMJD の不 安 定 性に方 向 リピート長と関係している。モデル生物の研究から、 (rs4140804-rs2972388) リピート不 安 定 性の進 行にはなんらかの DNA 複 製 依存的に関与していた。興味深いことに、転写共役 遺伝子とDNA 修復遺伝子が関与することが明らかに 、一本鎖 DNA 結合蛋 修復因子 ERCC6(別名 CSB) されてはいるものの、患 者におけるこれらの役 割に 白質 RPA、および TFIIH 転写修 復 複 合 体の CDK7 ついてはほとんど知られていない。本稿では、相関 キナーゼ部分のいずれもが転写共役修復に関連して 研究を実施して、Machado-Joseph 病(MJD/SCA3) いた。本研究は、ヒトの CAG 不安定性に特異的な の親子間伝達 137 組を対象に、(CAG)n 不安定性の 修飾因子を示すことを目的に患者試料で実施された初 遺伝子修飾因子を探索した。DNA の複製、修復、 の研 究である。要 約 すると、(CAG)n 不 安 定 性の または組み換えに関与する遺伝子の多様体が MJD の 独 特なメカニズムを示す MJD 変 異に関 連した転 写 CAG 不安定性パターンを変化させるという仮説の下、 共役修復遺伝子 3 種の多様体が発見された。 これらの遺 伝 子のうち 93 遺 伝 子に由 来する768 の 9 新規ポリグルタミンモデルでは蛋白毒性は加齢に影響されない Novel polyglutamine model uncouples proteotoxicity from aging Christie NT, Lee AL, Fay HG, et al. PLoS One 2014;9(5):e96835. ある種の蛋白質のポリグルタミン伸長が、9 種の異なる 作られた C. elegans のモデルシステムである。ataxin-3 進行性神経変性疾患およびそれらの疾患がもたらす 断片はポリグルタミンの長さに依存する形で C. elegans 年齢依存性の認知症の遺伝的規定因子となる。こう の筋細胞内で凝集し、凝集は細胞機能不全を伴う した症例では、神経変性はポリグルタミン含有蛋白質の ことが立証された。しかし、この凝集と結果的に生じる 凝集傾向とそれに伴う毒性を原因とする。筆者らは、 毒性は加齢に影響を受けなかった。これは、凝集や 蛋白質 ataxin-3 の毒性の根底にあるメカニズムに注目 毒性が年齢に大きく依存するポリグルタミンペプチドのみ している。ataxin-3 のポリグルタミン伸長は、脊髄小脳 のときとは対照的であった。これらの結果は、新たな とも呼ばれるMachado-Joseph 病 失調症 3 型(SCA3) ポリグルタミンモデルを提示しただけでなく、蛋白質の (MJD)の遺伝的規定因子である。今回筆者らは、 内容がポリグルタミン含有蛋白質の細胞相互作用に ataxin-3 蛋白質凝集の新規モデルを開発した。これ 影響を及ぼし、それによって毒性も調節している可能性 は、ataxin-3 の疾患関連ポリグルタミン含有断片を遺伝 が高いことを示唆した。 的に扱 いやすい 体 壁 筋 細 胞に発 現させることで Update on SCD 7
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