小学部低学年 - 筑波大学附属久里浜特別支援学校

教
材
名
作成者
筆圧調整のための教具
学年
小学部
授業名
個別の課題学習
沼澤
聡子
教材そのものがよくわかる写真を入れる。
1年
児童の実態
・机上学習ができ,鉛筆でひらがなや数字を書くことができる。
・筆圧を強めにすることを,見本をみたり,
「濃く(強く)書いて。」な
どの説明を聞いたりして理解することは難しい。
ねらい
・描画の際に必要な手首の柔軟さや筆圧を身に付ける。
・描画に関する基礎技能を楽しみながら習得する。
教材の使い方
1
工夫したこと
外枠とシリコンマットの間に ・紙の代わりにレーズライターを用
視覚障害者用表面作図用紙(レー いることで,強くなぞると表面が
ズライター)を挟む。
2
浮き上がる。
・浮き上がった部分を指で確認し,
鉛筆で外枠の輪郭をなぞり,な 「ブツブツになるまで書こう
ぞった部分を指でさわり,浮き上
がっているか確かめる。
ね。」と言うことで,筆圧を強く
することができる。
児童の様子
・描いた線を指で確認することで,強い筆圧で描
くことができるようになってきた。
・この後の学習で文字を書くときも,強い筆圧で
書くことができた。
※この教具は,附属視覚特別支援学校の教具を元に作られています。
教
材
名
からだを
ふこう!
学年
小学部
授業名
社会生活の指導
作成者
平沢
優子
1年
児童の実態
・自分で体を拭いた経験は少ない。
・説明を聞くことが苦手であるが,自分でやりたがる傾向がある。
・脚の裏側などは,まだボディーイメージが薄い。
ねらい
・体を拭くときは上から順番に拭くと良いことを知る。
・体の部位の名前を覚える。
教材の使い方
工夫したこと
・上から拭くことが分かるように,
順番に配慮しためくりを用意し
・上から順番に拭くと水が落ちて
た。
こないできれいに拭けるという
・どこを拭くかすぐに分かるように
経験を重ねる。
拭く部分を赤く塗った。
2. のびのびタイム
・見るところが分かるように,教材
・身体の部位の名前を絵と言葉で
の大きさを考えた。
・教師がその都度「正解。」
「上手。」
伝え,一致させる。
など賞賛し,意欲を高めた。
1. プールや宿泊学習の着替え
児童の様子
・めくりの指示に合わせ,上から順番に身体を拭くよう
になった。
・体の部位の名前を覚えることができた。
・めくりでタオルをあてる部位を確認することで,教師
と同じようにタオルを体にあてられるようになった。
教
材
名
作成者
スプーン差し
岡田
学年
小学部
授業名
個別の課題学習
拓也
1年
児童の実態
・色(数字)のマッチングができたり,色の名前(数)を言ったりする。
・パターンで物事を捉えることが得意である(変更が苦手)。
・手先の使い方に課題がある(つまむ,両手の協調運動など)。
ねらい
・教師とやりとりしながら課題を進めることができる。
・両手を使って,スプーンをしっかりと差すことができる。
教材の使い方
工夫したこと
・差し込む感覚が分かるよう,差す
穴を少し小さめにした。2列用意
・児童が色や数字で要求したら,
し,教師と児童が交代で差すこと
手渡すようにする。
もできるようにした。
4. スプーンを差すよう促す。
・児童の興味ある素材(色や数字)
・両手で差すよう,必要に応じて
を取り入れた。
手を添える。
・2種類のシート(色と数字)を用
意し,随時付け替えることで,少
※1.と2.を繰り返す。
しずつ変更を入れるようにした。
3. スプーンを手渡す。
児童の様子
・すぐに課題の意図を理解し,教師からスプーンを受け取ると,シール
と同じ色(数字)の穴に差していくことができた。
・枠組みや取組方が同じこともあり,シートを変えて
も,戸惑いなく行うことができた。
・今後は,やりとりを発展させ,交代して行うことや
修正に応じることなどもねらっていきたい。
教
材
名
作成者
動物園で遊ぼう2
佐藤
学年
小学部
授業名
個別の課題学習
誠
2年
児童の実態
・シロクマやトラなどの動物や,具体物を操作する活動を好む。
・「○○,取って。」等の,短い言葉での依頼に答えることができる。
・「トイレ。」「お茶。」など,単語で要求表現をすることができる。
ねらい
・他者の短い話し掛けに,応じることができる(聞く)。
・自分の経験や状況を,三語文で伝えることができる(話す)。
教材の使い方
工夫したこと
1.動物の動きを再現する。
・これまでの平面のジオラマに,自
・「猿が,木に登る。」等の文章を
聞いて,動物のフィギュアとジ
オラマで再現する。
転車やブランコなど,児童が興味
のある遊具を設置,使用すること
で,語彙を増やすようにした。
2.動物の動きを伝える。
・ジオラマで見立て活動をした後
・ジオラマの状況を基に,
「何をし に,ワークシートを使って,三語
てるの?」の質問に対して,動
文を書く活動を取り入れ,理解を
物の動きを三語文で伝える。
深めるようにした。
児童の様子
・ジオラマに遊具を設置したことで,「ふくろうと
る,自転車に乗る。」等の,複数の主語を伝えるよ
うになった。
・ジオラマの写真を,書字のワークシートに付けるこ
とで,自主的に,三語文を言葉に出しながら,記入
する様子が見られるようになった。
教
材
名
作成者
あわせていくつ?
工藤
学年
小学部
授業名
個別の課題学習
久美
2年
児童の実態
・好きなキャラクターで物のやり取り遊びをすることが好きである。
・短い文を読んで理解したり,聞いたことを記憶したりすることに課題
がある。
ねらい
・具体物を操作して,足し算をすることができる。
・やり取り遊びで行った足し算について,文を書くことができる。
教材の使い方
工夫したこと
・本児が休憩時間に遊んでいた遊び
方を学習に取り入れる。
・人形にポテトを食べさせるやり
・児童自身も,好きなキャラクター
取り遊びをする。
を作れるよう,ビニール袋とセロ
6. 文を書く。
テープを貼ることで,口を作れる
・人形とポテトを操作しながら,
ようにした。
文を書く。
5. 人形でやり取り遊びをする。
児童の様子
・人形にポテトを食べさせるやり取り遊びを
することで,クイズ形式の文を作って書く
ことができるようになった。
・本児自身が,ポテトを食べた経験を話し,
教師とのやり取りを楽しみながら学習する
ことができた。
教
材
名
作成者
加藤
かずの階段
学年
小学部
授業名
個別の課題学習
美和子
2年
児童の実態
・数への興味がある。10 までの数の数唱や逆唱ができる。
・5 までの数であれば,指差しをして数えたり,数字と実物を対応させ
たりすることができるようになってきた。
ねらい
・物を操作しながら,数への興味を高めることができる。
・10 までの数字と量を結び付けることができる。
教材の使い方
工夫したこと
7. 数字を書いた階段状のボードを ・意欲的に学習に取り組めるよう
に,興味のある数を取り上げた。
提示する。
・増えていく様子が分かるように,
8. 数字の分だけ,階段にペットボ
階段状(縦)にペットボトルの蓋
トルの蓋を並べる。
を並べるようにした。
9. 教師と一緒に指差しをして,数 ・数の分だけ並べる際の手掛かりと
を数える。
なるように,マスを印刷したシー
ト(取り外し可能)を取り付けた。
児童の様子
・数字やペットボトルの蓋を階段状に並べることに興味を感じ,自分か
ら学習に取り組むことができた。
・操作の仕方を覚え,数字の分だけ蓋を並べたり,指
差しをしながら数えたりすることができるように
なった。6~10 の数字と量を対応させることも
できるようになってきている。
教
材
名
作成者
廣重
廣重
固結びをしよう
学年
小学部
授業名
個別の課題学習
智子
智子
3年
児童の実態
・児童は,着替え,食事など,自分の身の周りことで,一人でできるこ
とが増えてきている。しかし,手指の使い方には,ぎこちなさがあり,
課題がある。
ねらい
・固結びができるようになり,身の周りのことで一人でできることを増
やす。
教材の使い方
工夫したこと
1.2種類の教材を提示する。
・児童の描いた絵を使って教材を作
・好きな方を選ぶように促す。
成することで,興味を引き出しや
2.選択した教材を渡し,固結びを すくした。
するように促す。
・左右のひもの色を異なる物にする
・教師が手本を見せ,児童に教材
ことで,ひもを交叉させたり,く
を渡し,固結びをするように促
ぐらせたりするときに,どちらを
す。適宜手を添えて援助をする。 動かせばよいかを見やすくした。
児童の様子
・・
「○○にネクタイしめる。」と言いながら,課題に楽しく取り組むこと
ができた。一人で固結びができるようになり,エ
プロンのひもや衣類を包んだ風呂敷も一人で結
べるようになった。固結びができるようになった
ことで,次の課題である蝶結びにもスムーズに移
行し,自信をもって取り組むことができた。
教
材
名
数の分だけ,いちごやお花
を飾ろう
学年
小学部
授業名
個別の課題学習
作成者
西田
泉
3年
児童の実態
・数字への興味関心が高い。
・一桁の数について数字とドットカードのマッチングができる。
・微細運動が苦手で,親指と人差し指を使ったつまみ持ちができない。
ねらい
・誕生日会や花植えなどの楽しい雰囲気を感じながら,数の操作を学習
することができる。
・ピックを指す操作を通じて,指先の巧緻性を高める。
教材の使い方
工夫したこと
・始めは数字に加えて,数の手掛か
10. 数字を提示する。
りも提示した。
・数字が書かれたカードやプレー
・少ない力で刺し入れられるよう
トを児童の近くに差し出す。
に,台にオアシスを使用した。
11. 提示された数の分だけ,いちご
・「お花いい匂い。」等の言葉掛け
やお花のピックを刺す。
や,誕生日の歌を歌ってからろう
・容器に入った 12 本程度のピッ
そくを吹き消すなど,楽しいイ
クから,数分を取り出し刺す。
メージが膨らむようにした。
児童の様子
・10 までの数について,提示された数の分だけ,正しくいちごやお
花のピックを刺すことができるようになった。
・親指と人差し指を使ってピックをつまみ持つこと
や,ピックを持ち直して真っ直ぐに刺すことなどが
できるようになった。
教
材
名
作成者
タイルのスライド板
学年
小学部
授業名
個別の課題学習
風間
健一
3年
児童の実態
・1~10 までの数字を順序数通り並べることに課題があった。
・手指の使い方は上手であり,タイルをつまんでならべることは得意。
ねらい
・タイルを使って 1 つずつ数える経験をする。
・順序数と数を結びつける。
教材の使い方
工夫したこと
12. 最初はタイルを教師の数唱と ・タイルを入れる入り口を小さく
ともに一緒に動かし,並べた。
し,指先に視線を向け,集中して
13. タイルをバラバラにして,児童 取り組めるようにした。
が自分で順序数通りに並べる。 ・枠に入れることで,バラバラにな
その後,教師と数唱しながらタ
らず,スムーズに操作できるよう
イルを操作して確認する。
にした。
児童の様子
・タイルを使用したことで,タイルをスライドさ
せていくと終点で「カチッ」と音がして操作の
終わりが分かりやすかったので,自分からタイ
ルを動かして操作できた。