●シンポジウム通信 平成医療維新 ~セルフケアの時代へ「ホリスティックヘルス塾」開塾!~ 2015 年 11 月 15 日東京開催 シンポジウム 2015 見 ど こ ろ 聞 き ど こ ろ 降矢 英成 (赤坂溜池クリニック院長/協会副会長) ◎シンポジウム予告編 出演者の思いや考えが綴られたシンポジウム抄録誌 『HOLISTIC News Letter Vol.93』の内容をほんの少しだけご紹 今年のシンポジウムは、川嶋朗実行委員長の熱い医療観 介します。 にリードされて「平成医療維新~セルフケアの時代にホリステ ィックヘルス塾開塾!」 というテーマになりました。 今から、 ~抄録誌より~ パネルディスカッションの進行役が楽しみでなりません。 -------------------------------------------- パネリストの皆さんは、すでにご自分なりの医学・医療維新 気づく、わかる、守る を掲げて身を投げ出されてきた、まさに「ホリスティック医学の ~人間の尊厳について 志士たち」です。そして、当協会は、この医療維新の年に新し 帯津 良一 (帯津三敬病院名誉院長) い事業として「ホリスティックヘルス塾」を開塾いたします。 シンポジウムでは、それぞれの志士たちの熱い提言がなさ れていると思いますので、最後のディスカッションの場は、「医 -------------------------------------------がん治療の現場に身を置いてすでに半世紀が過ぎた。西洋 医学の限界を乗り越えるべく中西医結合 療版・松下村塾」として、パネリストの方々がお好きな維新の によるがん治療を旗印にかかげた病院を 志士たちになりきっていただき、ホリスティックな視点からの医 開いて 33 年。 療維新について語り合いたいと思います。 からだだけではなく人間まるごとの病で 進行役は、私(降矢)が、恐縮ながら長州藩の思想を支えた あるがんに対するには人間まるごとの階 松下村塾塾長の吉田松陰役を担わせていただき、この平成医 層に築かれるべきホリスティック医学をも 療維新の旗振り役をして下さった実行委員長の川嶋先生は間 ってしなければならないとホリスティック医 違いなく坂本竜馬役でいらっしゃいます。 学の道に足を踏み入れて 28 年。 その他、維新の志士たちは枚挙にいとまがありませんが、 医療というものが少し見えて来た。治ったり癒えたりするの どなたが高杉晋作なのか、久坂玄瑞は現れるのか、はたまた は一つの結果であって、医療の本分とはすべての人々がその 薩摩から西郷隆盛も出てくるのか、紅 1 点の川畑のぶこさんは 生涯を通じてたとえ病のなかにあっても、人間としての尊厳を 女性でくるのか男役をされるのかなど、幕末・維新好きの私に 保ちつづけることをサポートすることにあると、いまでは考えて は当日まで楽しい妄想が止まりません…。 パネルディスカッションでは、当協会が平成医療維新のため に、市民の方々がホリスティックな健康観に目覚めていただけ ることを目指した「ホリスティックヘルス塾」についてもご紹介し ながら、医療者・市民が一体となった「平成医療維新」の道標・ 羅針盤となるような方向を指し示していきたいと思っておりま す。 いる。 ここに一冊の本がある。『緩和ケアの本質と実践――気づく、 わかる、守る』(ガイアブックス。2014 年)、ドイツの本である。 緩和ケアのさまざまな事象を横糸に並べて、これを「気づく、わ かる、守る」のたった一本の縫糸で結んで、いかにもドイツ人ら しいきわめて精緻な緞帳に織り上げているのである。 いのちの訴えていることに気づき、その外面的な現れをわ かる。その上であくまでも人間の尊厳を守るのである。緩和ケ 皆様が熱い思い、維新の志をもってご参加いただければ、 アに止まらず、これぞ医療の本分である。 本望です。 どうぞ宜しくお願い致します! ~“君の志は何ですか?”(吉田松陰) JAPAN HOLISTIC MEDICAL SOCIETY ―からだ・こころ・いのちのつながりを大切にした生命まるごとの医学を目指して― (1) ●シンポジウム通信 平成医療維新 ~セルフケアの時代へ「ホリスティックヘルス塾」開塾!~ 2015 年 11 月 15 日東京開催 -------------------------------------------- なぜ今、ホリスティック医学 (統合医療) なのか? 川嶋 朗 (東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授) -------------------------------------------- ① 病気とは何かを再認識する 問題は病気ではなく、間違った生き方であり、そのお知らせ が病気であるということ。病気は苦痛の原因ではありますが、 生き方の結果でもあるという認識が重要です。 ② 病気を克服する 私は、日本に暮らし、日本で医療サービ 病気には必ず原因があり、本来の生き方からのズレが病気 スの恩恵を受けて生きているすべての人 だといえる以上、本当の病気の克服とは、病気の言い分をよ に、もっと意識を変えてもらいたいと考えて く聴き、勇気を持って原因である自分の間違った生き方を修 います。医療費の無駄遣いを他人事のよ うに考えるのではなく、一人ひとりが病気 正することが重要になります。 ③ 健康な死をめざす そのものを遠ざける生き方を考え、本質的 私は老化とは少しずつ生を手放している(死につつある)状 に、医者に頼らない生き方を目指す。それが結果的に、いまよ 態だと思っています。つまり「死」とは「手放し切った」だけで りもっと「よく生きる」こととなり、また医療サービスの質の向上 あり、重要なことはそれまでの生き方に他なりません。「いか につながることになっていくからです。 に最期まで自分らしく生き切ることができたか?」ではないで 欧米では西洋医学の欠点を補い、患者を全人的に治療でき しょうか。 る相補・代替医療が盛んに行われるようになってきています。 さらに、近年、相補・代替医療から西洋医学的アプローチを包 -------------------------------------------- 含した統合医療が論じられるようになってきています。 東日本大震災後の東北から吹く 統合医療の風 私は「統合医療とは、個人の年齢や性別、性格、生活環境、 さらに個人が人生をどう歩み、どう死んでいくかまで考え、西 洋医学、相補(補完)・代替医療を問わず、あらゆる療法から 朴澤 孝治 (朴澤耳鼻咽喉科、Tree of Life 院長) その個人にあったものを見つけ、提供する受診側主導医療」と -------------------------------------------- 定義しています。ひとことで言えば、「人を幸せにする医療」で 東日本大震災によって、多くの貴重な す。 人命が失われ、生活の基盤がもろくも崩 いまの世の中においては、命を引き延ばす方法ばかりが人 れたことで、私たちは生命、人生、生きる を幸せにする医療とは言えなくなっています。社会の実情と法 ことについて、深く考える機会を与えられ の現実との間に、明らかにギャップができていて、それが多く ました。東北では、多くの人がごく自然に の問題を生んでいます。ますます多死社会に向かっていくいま、 ホリスティックにご自分を見つめ直しまし 人々が「よりよく生き、よりよく死ぬ」ために、早急に現状の医 た。詳細な問診を行うと、それぞれのホリスティックな健康観を 療のあり方を根本的に変えていく必要があると思います。 お話になります。 ホリスティックに目覚めた患者様の健康に介入するには、大 -------------------------------------------- きな責任があり、単一の治療方法で対応できないのは明らか 在宅末期医療から見えてきた未来型医療 です。 船戸崇史 (船戸クリニック院長) どのような医療でも、100%病気を治癒できるものは、残念 ながらありません。しかし、それぞれの医療の有効な部分を合 -------------------------------------------- わせていくと、治療が難しい部分がどんどん減っていきます。 今回のシンポジウムでは、私の在宅末 現代医学の進歩を待つより、現存する医療を組み合わせるこ 期医療の経験から見えてきた人の「苦」に とにより治療効果をあげることは合理的で、統合医療と呼ばれ 対して、医療はどうサポートするのか、また ます。西洋医学を捨てて新しい医療体系を築くより、西洋医学 出来るのかを、私見としてご紹介したいと 思います。 結論から申し上げれば、やはり「全人的アプローチ」そが医 療に求められる永久性、普遍性であり、それこそ未来型の医 療ではないかということです。 私が思う未来型医療には 3 つの条件があります。 の恩恵を生かしつつ、補完医療を組み合わせる統合医療こそ が目指す医療と考えています。 震災の経験なくしては、ここまではっきりと現状医学を評価 することはできなかったかもしれません。この震災の経験を、 21 世紀の新しい医療の確立につなげることが、私たちの使命 と、震災から4年が経過した今感じています。 JAPAN HOLISTIC MEDICAL SOCIETY ―からだ・こころ・いのちのつながりを大切にした生命まるごとの医学を目指して― (2) ●シンポジウム通信 平成医療維新 ~セルフケアの時代へ「ホリスティックヘルス塾」開塾!~ 2015 年 11 月 15 日東京開催 -------------------------------------------- からだ、感情、心、精神、魂、神を垂直的に上位、下位という意 心と病気の関係 識に並べてみるのです。さらに感じることに、感心、感動、感激、 ~心の治癒力を引き出す 川畑のぶこ (NPO 法人サイモントン療法協会副理事長) 感謝という感の字のついた言葉の表現を借りると、より理解し やすくなりました。 からだの意識のレベルから、感じることで感情の意識レベル -------------------------------------------- に高まり、さらに感心してこころの安定を得て、精神の意識レ 約 15 年間に渡るがんの臨床カウンセ ベルになり、自ら方針を見出して魂の意識レベルに上がり、感 リングの経験から、患者さんやご家族の 激してさらに神の意識レベルである無条件の愛に気づいて、 心のケアは人生の質に大きな影響を与 最後には空・無の意識である宇宙の意識レベルに到達して、 えることを実感しています。 『アリガトウ』の言葉だけになるような生活を毎日過ごしました。 病気の中でもとりわけ、がんのように 死を意識せざるを得ない病気は、「敗北」 「生かされている」という意識を感じ続ける日々に変わりまし た。 や「絶望」の表れとしてとらえられることが多いですが、同じ病 こうして、からだがだんだんと治っていくのを、私は感じて過 気を「変化のための機会」と受けとめ、希望を持って前向きに ごしました。内側から自分が変わり、意識が変わっていった体 前進することも可能で、少なからずそのような患者さんやサポ 験は、がんが治っていくうえで大きな鍵になったのです。この ーターも存在します。 意識の変容がなければ、私の病気は治っていないと断言でき 病気は自分の心を偽り、本性から離れて生きてしまっている ます。 ことへの警告であり、このメッセージに耳を傾けて素直に生き ることが出来たのであれば、私たちの心の治癒力は高まり、こ れは身体の治癒力にも影響を及ぼします。日本では昔から、 ================================================ 「病は気から」とか、「心身一如」などという言葉をよく聞きます シンポジウム実行委員会では、皆さまに「今年も来て良か が、このことは、現代では精神神経免疫学の観点からも、明ら った!」と言っていただけるような、温かい雰囲気のイベ かにされていることです。 ントを目指して、準備を進めています。 病気になったときに、薬や治療が与えられるというのは素晴 会場にお越しの際は、お気軽にお声がけください。 らしいことで、恵まれたことです。けれど、心も体も魂も、そして スタッフ一同、皆さまのご来場を心よりお待ちしております。 人生そのものも、真に健全な状態を取り戻そうとするのであれ ================================================ ば、身体面や物理面ばかりに注意を払うのではなく、精神・心 HOLISTIC MEDICAL SYMPOSIUM 2015 TOKYO 理面や社会面にも丁寧に注意を払い、その人そのものを受け 平成医療維新 入れて、全人的(ホリスティック)にケアしていくことが肝要とな ります。病気の治癒と心の治癒力は不可分なのです。 セルフケアの時代へ「ホリスティックヘルス塾」開塾! 【日時】 2015 年 11 月 15 日(日) 11:00~17:00 -------------------------------------------- 【会場】 全電通労働会館 (東京都千代田区神田駿河台 3-6) 意識の変容が自然治癒の鍵 【前売】 会員 3,000 円/一般 4,000 円/ペア券(2 名)7,000 円 寺山心一翁 ((有)寺山心一翁オフィス代表) -------------------------------------------がんが治っていくときに、私は自分の 内側から意識のレベルが変わっていくこ とを経験しました。 治る道を辿るためには、自分で治る (11/5 迄に参加費をお振込み下さい)※当日券は 1,000 円増 【申込み】 本部事務局 TEL.03-3341-3418(月~金) WEB からもお申込み頂けます。↓ http://www.holistic-medicine.or.jp/news/n_symposium /entry2438.php 【主催】 NPO 法人日本ホリスティック医学協会 道・方法を選ぶ感度が重要です。私は、 意識レベルが高まっていって、自分にとっ て良い方法、よい治療とは何かを感じられるような意識になっ 11/15 シンポジウムご参加の方にはも ていったのです。そして、意識には、段階があることにも気が れなく抄録誌を差し上げます! つきました。 シンポジウム抄録誌 意識には「顕在・潜在」という分け方もありますが、意識を神 『HOLISTIC News Letter Vol.93』 道の分け方を通してみると、とても興味深い分析ができました。 JAPAN HOLISTIC MEDICAL SOCIETY ―からだ・こころ・いのちのつながりを大切にした生命まるごとの医学を目指して― (3)
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