標準的手法の改訂、フロアの適用: リスク計測アーキテクチャーの根本的変更 • 標準的手法採用行による分析や意見発信を強めるべきではない か? – 改訂手法の基礎データに、標準的手法採用行(先進国の中小銀行、 新興国の大半の銀行)が含まれているのか? – 含まれていないにもかかわらず、将来にわたるリスク計測を規定され てしまって構わないのか? • 銀行自身によるリスク管理向上を促す仕組みを保持すべきではな いか? – 内部格付け手法の採用と改善が、信用リスク管理の向上を促してき た役割は大(とくに、日本では)。 – リスク管理向上を阻害するディスインセンティブを生み出すことは適 切ではない。 本資料において、意見にわたる部分は、説明者の個人的な見 1 解であり、農林中央金庫の公式見解を示すものではない 流動性規制、レバレッジ規制 • 流動性規制を経営上どのように活かすことができるか? – 日本の銀行では、90年代の危機以降、バーゼル3の流動性規 制よりも実効性の高い流動性管理を行ってきた経緯。 – 資金余剰が常態化した銀行システムにおいて、比率遵守は容 易。それで可とする運営に後退すれば、大きな問題。 • レバレッジ規制が欧米大手銀行による債券のマーケットメ イキングやバッファー機能を低下させているが、銀行以外 の機関はその機能をどこまで補完できるのか? – 補完できないとすれば、投資家サイドの金融機関は投資運用 上の前提を変更する必要がある。 – 新興国の国内通貨建て政府債券では、中銀によるマーケットメ イキング機能の可否が論議。 2 銀行勘定の金利リスク、 ソブリンのリスク • 銀行勘定の金利リスク: 銀行システムの特性、顧客 行動の特性を踏まえた手法が適切ではないか? – リスクキャピタルに向かわず預金を選好する顧客、資金 余剰の常態化という特性に鑑みて、銀行が長期安定的な 運用を行うというビジネスモデルには、第1柱は不適切。 • ソブリンのリスク: バーゼル委は、careful, holistic, gradual に検討を行うと言明しているが、リスクウェイト だけでなく、エクスポージャーの制限も視野に。 3
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