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病態制御科学専攻 病態機構学講座
病理学(免疫病理)
Department of Pathology and Experimental Medicine
分野紹介
病理学は、病気の原因や成り立ちを科学的に解明する学問です。私たちは、 炎
症反応の分子基盤と炎症反応が生体に及ぼす影響について研究し、科学 的証
拠に基づく難治性炎症疾患の新規治療法戦略創出を目指しています。
からだを守る防波堤:炎症
ーメカニズム解明と新治療戦略の創出ー
「炎症」は、異物の侵入から生体を守る最初の防波堤です。炎症反応は、生体にとって最大の敵ー 感染症
ーから身を守る最初の防御反応であり、私たちが生きていく上で必須の生体反応です。しか し、制御不全
は致命的な炎症となり、くすぶり型の慢性炎症は、癌や生活習慣病,免疫・神経疾患 など多くの疾患の病
態に関与します。厳密な制御が必要です。
私達は、炎症の分子基盤について研究し、炎症疾患・炎症発がんの新規治療法戦略創出を目指し てい
ます。
誘発物質 ROS、
RNS サイトカイン
炎症メディエーター
がんの進展
抗炎症メディエーター
がん細胞
レセプター
転移
がん細胞
がん巣
可溶性レセプター
シグナル伝達抑制因子
シグナル伝達因子
転写因子
転写抑制因子
遺伝子変異
ゲノム不安定性
ヒストン修飾
炎症誘導機構 炎症抑制機構
増殖
不死化
血管新生 炎症細 上皮間葉移行(EMT)
ケモカイン M2マ
クロファージ ケモカインレセプター 骨髄由来
胞浸潤 間質細胞
増加 細胞増殖・不 抑制細胞
制御性T細胞
死化
NF-κB↑、STAT3↑
炎症の多段階調節
ERK-MAPK↑、PI3K-Akt↑
TGFβ↑ MMP↑、E-Cadherin↓
炎症は、細胞外メディエーター、細胞表面、 細
胞質内、核内で、厳密に制御されている。
主な研究テーマ
Host-protective
Tumor-promoting
Tissue-remodeling
inflammation
inflammation
inflammation
炎症とがん
1. 炎症とサイトカイン・ケモカイン
2. サイトカインシグナル伝達からみた炎症反応の解析
3. 炎症とがん
4. ウイルス感染と生体防御機構
主な研究手法
細胞培養 ELISA
細胞分離 FACS
6. 新規DDSの開発と臨床応用
動物実験 Western blot
免疫染色 RealTime PCR
7. 除鉄を用いた新しいがん治療法の開発
免疫沈降 siRNA
5. 炎症・感染のエピジェネティック制御
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 病理学(免疫病理)
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Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical, OKAYAMA UNIVERSITY
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