国際交流等に伴う危機管理対応マニュアル

個別マニュアル「国際交流等に伴う危機管理対応マニュアル」の改訂について
平成 27 年度第1回国際交流センター運営委員会(平成 27 年 4 月 14 日)の議に基づき、
「静岡大学国際交流センター 国際交流等に伴う危機管理対応マニュアル」
(平成 21 年 8 月)
について、別紙のとおり「静岡大学国際交流センター 国際交流(学生交流)に伴う危機管
理マニュアル」
(2015 年3月初版)に改訂した。
なお、同マニュアル中の次の別冊は、現在作成中である。
・ 受入れ外国人留学生対応マニュアル(別冊)
・ 受入れ外国人留学生等向けの危機回避策(別冊)
・ 受入れ外国人留学生等向けの危機管理対応(別冊)
静岡大学国際交流センター
国際交流(学生交流)に伴う危機管理マニュアル
マニュアル骨子
Ⅰ.国際交流に伴う危機管理の必要性とそのケース
Ⅱ.派遣前の危機管理対応
Ⅲ.派遣中の危機管理対応
Ⅳ.事後の危機管理対応
Ⅴ.受入れ外国人留学生対応マニュアル(別冊)
Ⅰ.国際交流に伴う危機管理の必要性とそのケース
事項
1.危機管理の必要性
業務要領
海外留学、語学研修、インターンシップ、フィールドワークのために派遣す
る学生および海外での調査・研究、海外出張などのために派遣する教職員を
対象として、危機発生時の大学として対応すべき内容をあらかじめ具体的に
策定する必要がある。
2.本マニュアルの構成
・派遣前の危機管理対応
・派遣中の危機管理対応
・事後の危機管理対応
・受入れ外国人留学生等向けの危機回避策(別冊)
・受入れ外国人留学生等向けの危機管理対応(別冊)
Ⅱ.派遣前の危機管理対応
事項
1.本学緊急連絡網
具体的業務
・表1の各危機レベルで想定される不測の事態に備え、学内に緊急連絡網を
作成する。
・定期点検(年1回または人事異動の都度)
2.学生向け海外危機管理指針
・派遣前オリエンテーション時に内容説明
3.国大協保険の確認
・国際交流活動費用保険、教職員の労災の上乗せ補償について内容の確認
・EAJ(*1)に協力を仰ぎOSSMA(*2)サービスの費用と国際交流
活動費用保険の関係を整理
(*1)EAJ:日本エマージェンシーアシスタンス㈱
(*2)OSSMA:本学が契約する海外危機管理サービスをいう
1
4.派遣前オリエンテーション
の実施
・派遣決定学生の参加を義務とする
・EAJの出席も検討
5.海外の大学との協定締結時
・本学危機管理対応方針説明
・OSSMAサービスの概要説明
Ⅲ.派遣中の危機管理対応
1.平常時
(1)定期安否確認の実施(EAJが月1回実施)
(2)海外危険情報の発信(EAJが毎週、危険情報をロケーターシステムに更新)
(3)その他海外危機管理上、必要かつ有益な情報の発信
(4)学生からの日常生活上の相談に対する助言(EAJ OSSMAヘルプラインに委託)
2.緊急時
(1)危機レベル
危機レベルを表1に定義する。
表1
危機レベル1
危機レベル2
・危機の概要が判明する
までの期間
想定する事件・事故
・危機レベル2と3以外
危機レベル3
・大規模自然災害
・行方不明
・大規模事件、事故発生
・生死不明
・派遣学生の入院
・死亡・重体
・犯罪行為の加害者とな
った場合
感染症流行
・フェーズ2、3
・フェーズ4、5
・フェーズ6
WHOのフェーズ分類に基づく
参考:WHOの分類による新型インフルエンザ等流行のフェーズ
フェーズ分類
状
況
1
ヒトへ感染する可能性を持つ型のウイルスの発生がない
2
ヒトへ感染しパンデミックを引き起こす可能性を持つ亜型のウイルスが
検出されている
3
新しい亜型のインフルエンザウイルスによる散発的又は限られた集団に
感染しているが、コミュニティレベルでの継続的なヒト-ヒト感染は発生
していない
4
コミュニティレベルでの発生を継続させる力がある新しい亜型のインフ
ルエンザウイルスが、ヒト-ヒト感染していることが確認されている
5
フェーズ4と同じウイルスがWHO地域区分の一つの地域に属する2カ
国以上でコミュニティレベルの流行を持続させている。
6
フェーズ5の条件に加え、WHO地域区分の複数の地域でのコミュニテ
ィレベルで感染が認められている。
※WHO地域区分: 米州、欧州、西太平洋(東アジア・ASEANの一部、大洋州)
、
東アジア(ASEANの一部+南アジア)、東地中海(中東)
、アフリカ
(出典:外務省海外安全ホームページ)
2
(2)事件・事故発生時の連絡網
① なお、不測の事態発生時には、原則第一報を受けるEAJのOSSMAヘルプライン
からの緊急連絡が入るので、予め定める学内関係者にて情報を共有する。
② また、万が一本学関係者が現地或いは外務省より第一報を受けた場合には、速やかに
OSSMAヘルプラインに支援要請の連絡を行う。
(3)対応開始後
第一報を入手した責任ある幹部は、原則として学長に報告する。学長の判断で「本学事
故処理要項」に準じて、速やかに事故処理対策委員会(以下 委員会という)設置を指示
する。
(以下(4)緊急時の組織体制について」参照)
なお、学長不在時は、学長より指名された者が代行する。
以下4点について注意し、対応に当たる。
① 組織の長を含め危機管理関係者の間で情報を共有する。
② 情報共有は情報管理の観点から危機管理関係者に限定する。
③ 後述の危機レベル3の場合、万全の態勢構築のため必要に応じ、EAJを通じて外部
有識者を招聘する。
④ 上記(1)に示す危機レベル2、3については、FAX、Eメールでの発信の場合に
は、必ず連絡対象者の受信を確認する。
【異常事態の第一報受付時の注意点】
第一報は曖昧な形または未確認での連絡が多いが、これを重視して対処する。
初動のオペレーションは決定的に重要であり、タイミングを失わないことに留意する。
第一報接到とほぼ同時に、危機管理に関与する組織幹部に伝達する。
緊急時に不可欠な関係者への報告・連絡は、平時のプロセスを無視することも許される
との認識を共有する。
組織内と現地対応者間での「情報の共有と管理」を徹底する。
3
参考:派遣学生の緊急支援・援護と保険の関係
日本人学生の場合
(注意)外国人学生の場合
上記図において外務省領事局を、学生の母国の在日大使館と読み替える。
(4)緊急時の組織体制
本学内に委員会を設置する。体制は、図 1 の通りとする。
その際の委員長、副委員については次のとおりとする。
委員長
原則として、学長
副委員長
委員長により予め指名された者
図1
4
委員会の具体的な業務分担を別紙に掲げる。
委員会は、事件・事故の発生から解決に至るまで対応記録の作成を指示する。
特に、危機レベル2、3の場合の留意点について、各班の留意事項は以下のとおり。
① 情報収集・連絡班
表3に掲げる事項を収集する。
表3 情報収集すべき事項
事項
収集すべき内容
いつ
事件・事故発生日時及びその後の対応の日時
どこで
事件・事故の発生場所やその環境
誰が
学生・教職員
何を
人的、精神的なもの、物的なものなど具体的に
どうなったか
入院した,死亡した,毀損したなど
なぜ
事件・事故の原因
・知り得た情報を委員長及び副委員長等に逐次報告する。
・重大事件・事故の場合は、初動対応に支障をきたさぬよう、たとえ未確認であったとし
ても知り得た限りの情報を未確認情報として、その都度報告する。
・委員長は、情報の一元化に努める。
・また、EAJからの事故受付報告書、本人の旅程、現地情報、現地地図等を入手し各班
関係者で情報共有する。
・なお、本学のメディアへの窓口は、メディア対応班に一元化されるので、上記の情報は
メディア対応班にも提供する。
【初動の事態対応のポイント】
・初動対応は、
「大きく構えて小さく収める」が原則と心得る。
・派遣留学生の事故・事件に関わる場合、遅滞なく保護者に連絡・説明する。
極力メディアから先に家族に第一報が入ることが無いように配慮する
・事案によっては関係官庁への報告と連絡を失念しない
② 学生・保護者対応班
EAJと連携し対応に当たる。保護者等への状況説明と問い合わせ対応窓口となる。
保護者が本学に来校する場合の庶務全般の担当となる。各種手配は、EAJと連携し
て実施する。
保護者等へのメディアからの直接取材を想定されるが、保護者等にはメディア対応
班の責任者が窓口になる旨を伝え、極力対外応答の一元化を図る。
5
③ 現地派遣等手配班
現地対応のため教職員の派遣が決定した場合、派遣に係わる各種手配を担当する。
各種手配は、EAJと連携して実施する。
④ 派遣職員班
教職員派遣が決定次第、現地入りしEAJと連携し、現地対応に当たる。
⑤ メディア対応班
メディアからの問い合わせ対応窓口となる(含 保護者・学生への直接取材)。
なお、現地でのメディア対応が必要な場合もあり、現地に対して本班によるメディア対
応との齟齬を生ずることがなきよう、双方の間で緊密な連携を保ちつつ、現地に対して
は基本的に慎重に対応するよう指示する。
(5)派遣及び途中帰国の判断基準(ガイドライン)
派遣及び途中帰国の判断は、外務省危険情報における渡航情報(危険情報等)の安全対策
の4つの目安(カテゴリー)によることを原則とする。
その際、米・英・加・豪の関係機関の安全情報も確認する。
渡航前に渡航先地域に渡航情報(危険情報等)が発出された場合、表4に掲げる対応を原則
とし、委員長が判断する。
渡航中に渡航先地域に渡航情報(危険情報等)が発出された場合は、
(3)で述べた通り委
員会を設置し、原則として表4に掲げる区分に従って判断する。
また、他の大学・企業等と共同で行う派遣の場合は、この区分を参考にして他の大学・企
業等と十分協議を行い判断する。
表4 留学派遣及び途中帰国の判断基準(ガイドライン)
外務省 海外安全情報
区分
渡航1ヶ月前
から渡航前日
渡航中
安全対策の4つの目安(カテゴリー)
1
2
3
4
十分注意してください
渡航の是非を
検討してください
渡航の延期を
お勧めします
退避を勧告します
渡航は延期してく
ださい
原則実施する ① ③
中止を検討する ① ③
中止とする
原則継続する ② ③
帰国を検討する ② ③
帰国とする
6
【判断のポイント】
渡航先の危険情報を複数ルートから情報収集し、総合的に判断する。
P.7【参考】危険情報の収集のルート一覧表を参照する。
現地の医療技術水準,航空機の運航状況等を情報収集し、総合的に判断する。
戦争、変乱等(テロを除く)海外旅行保険でいう戦争危険が発生した場合、
保険が支払免責となるため学生への安全配慮上、必ず収集すべき情報に含める。
(例)2014年8月タイでのクーデター発生時に、クーデターに巻き込まれ
ケガを負った場合、免責を主張する保険会社があった。
Ⅳ.事後の危機管理対応
1.派遣の中断・終了後のサポート
海外派遣中に重大な事件・事故等に遭遇した学生に対しては、その
心理面での影響に十分注意し、カウンセリング等が必要と判断される
場合には、遅滞なく専門家による対応を手当てし、最善の処置に取り
組む。
2.報告書の作成と再発防止策の検討
委員会は、事件・事故発生から解決までの間の記録を整理し、報告
書を作成する。
また、対策本部は同報告書に基づき事件・事故発生の原因を調査・
究明し、今後の課題を整理したうえで、再発防止策を検討する。
3.情報の共有化
委員会は、Ⅲ 2.で作成した報告書及び再発防止策を全学で共有し、
将来の安全に備える。
【参考】危険情報の収集のルート一覧表
以下のウエブサイトは、渡航先の危険情報の収集に有効である。
ウェブサイト
内容
URL
外務省安全情報
一般犯罪、政情、治安情勢、
http://www.anzen.mofa.go.jp
海外安全HP
医療情勢など総合的な情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/
/世界の医療情報
渡航先の在外公館安全情報
現地特有の多発型
(殆どの公館の WS で公開)
情報や
厚生労働省
一般犯罪
各公館のURLは、外務省ウェブサイトの
治安情報、生活情報
「在外公館リスト」に掲載
検疫所
感染症・医療情報
http://www.forth.go.jp/index.html
FORTH
アメリカ国務省
Travel
http://www.state.gov/travel/
State
7
イギリス外務省
FCO Travel Advice
一般犯罪、政情、治安情勢、医療
http://www.fco.gov.uk/en/
情勢など総合的な情報
オーストラリア外務省
http://www.smartraveller.gov.au/
Travel Advisories
カナダ政府
http://www.canada.ca/en/services/safety/index.html
Public safety
2015年 3月初版
発行 静岡大学 国際交流課
協力 日本エマージェンシーアシスタンス株式会社
監修 加藤重信(元ヨルダン特命全権大使)
1968年外務省入省。外務本省では領事移住部(現領事局)担当審議官など、海外ではシドニー総領
事、トリニダード・トバゴ及びヨルダン特命全権大使などを歴任し、2008年10月退官。外務省在
任中は、多くの交渉に従事する機会があり、また海外で邦人が巻き込まれた事件などの処理や危機管理
にも従事した。退官後は、これらの経験を踏えて、EAJ社との連携の下、多くの大学や企業において
海外での安全対策と危機管理、グローバリゼーションへの取組みに関する講演などを行っている。
執筆 静岡大学 国際交流課
日本エマージェンシーアシスタンス株式会社
8
危機レベル別役割分担と担当部署
組織
委員会
情報収集・連絡班
学生・保護者対応班
現地派遣手配対応班
派遣教職員班
メディア対応班
区分
担当部署
グループ
危機レベル1
□当該学生の帰国、搬送の可否を検討し方針決定
□委員会でプログラムの継続・中止を協議し方針決定
□EAJに対し委員会への助言要請
国際交流課
学生生活課
・所属部局
国際交流課
国際交流課
広報室
危機レベル2
□現地大学またはコーディネーターに状況を確認。ケースに応じては
EAJおよび在外公館等に連絡し、発生状況、正確な被害状況など
の情報収集を実施
□EAJを通じ、メディカル案件の場合、医師に相談
□保護者等が現地へ渡航する場合は、現地コーディネータの対応力
に不安があればEAJにスタッフ派遣を依頼
□保護者等への状況説明(EAJからも説明可能)
□当該学生に対し助言
□指導教員への状況説明
□保護者等が現地へ渡航する場合は、ビザ手配とEAにてJ航空券・
ホテルなどの手配実施
□レベル1の事象では、教職員は原則として派遣しない
□報道機関からの問合せ対応
危機レベル3
□現地対応のための本学教職員の派遣を協議し、方針決定
□当該学生の帰国、搬送の可否を検討し方針決定
□委員会でプログラムの継続・中止の協議・方針決定
□EAJに対し委員会への助言要請
□現地大学およびコーディネーター、EAJを通じた発生状況、正確な
被害状況などの情報収集
□在外公館等に連絡報告
□EAJを通じて医療機関から学生の状況を情報収集
□EAJに治療手段の確認を依頼
□本学教職員を派遣する場合又は保護者等が現地へ渡航する場合、
EAJにスタッフ派遣を依頼
□文部科学省、外務省、厚生労働省等への報告と情報収集
□現地大学およびコーディネーター、EAJを通じた発生状況、正確な
被害状況などの情報収集
□今後の広報室でのメディア対応を想定し状況説明・情報共有
□在外公館等に連絡報告
□EAJを通じて医療機関から学生の状況を情報収集
□EAJに治療手段の確認を依頼
□本学教職員を派遣する場合又は保護者等が現地へ渡航する場合、
EAJにスタッフ派遣を依頼
□文部科学省、外務省、厚生労働省等への報告と情報収集
□EAJに帰国のための遺体の処置と搬送を依頼
□保護者等への状況説明(EAJからも説明可能)
□当該学生に対し助言
□所属部局長・指導教員等への状況説明
□保護者等から弁護士紹介依頼を受けた場合の手配
□現地対応のために本学教職員を派遣する場合、在外公館へ事前
協力を要請
□保護者等への状況説明(EAJからも説明可能)
□来校する保護者への庶務全般
□所属部局長・指導教員等への状況説明
□当該学生に対し助言
□他の学生が帰国する場合はカウンセラーを確保
□当該学生、保護者等へのケア体制構築
□保護者等から弁護士紹介依頼を受けた場合の手配
□現地対応のための本学教職員の派遣を協議
□派遣教職員のビザ手配、EAJによる航空券・ホテルなどの手配
□保護者等渡航も上記同様手配を実施
□当該学生又は他の渡航中の学生を帰国,搬送させる場合は、
EAJにより航空券,空港までの移動手段などの手配を実施
□派遣教職員のビザ手配、EAJによる航空券・ホテルなどの手配
□保護者等渡航も上記手配を実施
□通訳手配
□当該学生又は他の渡航中の学生を帰国,搬送させる場合は、
EAJにより航空券,空港までの移動手段などの手配実施
□遺体の移送が必要な場合は、EAJにより遺体搬送および葬儀の
手配実施
□学生の状況を確認し、委員会に連絡
□EAJの派遣スタッフと派遣教職員による、医療機関、在外公館およ
び関連機関との連絡相談の実施
□EAJの支援による、保護者対応実施(保護者に対しては、最大限配慮
につとめる)
□EAJ、派遣教職員、本学などで現地におけるメディア対応方法を決定
し、窓口を一本化
□学生の状況を確認、委員会に連絡
□EAJの派遣スタッフと派遣教職員が、医療機関、在外公館および
関連機関と連絡相談実施
□EAJの支援による、保護者対応の実施(保護者に対し、最大限配慮
につとめる)
□EAJ、派遣教職員、本学などで現地におけるメディア対応方法を決定、
窓口の一本化
□プログラムを継続する場合で必要と判断された場合、現地でEAJに
協力を依頼し、対応できるカウンセラーを確保
□EAJに助言要請
□学内へ窓口の一本化を周知徹底
□報道機関対応を協議
□実施の場合、公表内容、想定問答集を作成
□対応者の決定
□EAJに助言要請
□学内へ窓口の一本化を周知徹底
□報道機関対応を協議
□実施の場合、公表内容・想定問答集を作成
□対応者の決定
派遣学生向け
海外危機管理指針
2015年3月
静岡大学
第1章 渡航前に行う事項
1.留学・研修等に伴う危機発生に対する心構えと準備する事項
(1)危機発生の可能性があることを十分認識する。
(2)危機発生時のシミュレーションを行う。
(3)健康状態をチェックする。(保健管理センターなどで相談や健康診断を受ける。)
2.渡航前に行うべき事項
危機管理に関する説明会やオリエンテーション等に参加する。
3.海外旅行保険、海外危機管理サービスOSSMA(注1)への加入と確認すべき事項
(1)OSSMAチラシにより、海外危機管理サービスについて理解する。
(2)OSSMAロケーターシステムへの個人情報、旅程情報を登録する。
(2)留学・研修中の事故に備えて海外旅行保険に加入し、OSSMA会費を納入する。
(3)その際、学研災やクレジットカードに付帯されている保険と補償内容を確認する。
(4)受け入れ側大学が指定する海外旅行保険の補償内容と齟齬がないかを確認する。
(5)ビザ申請に必要な場合には、海外旅行保険の付保証明を取付ける。
(注1)OSSMA は、日本エマージェンシーアシスタンス㈱の危機管理サポートサービスである。
本学は、2014年より本サービスを導入している。
4.国際情勢、渡航先の安全性についての情報収集の必要性
(1)国際情勢の変化や動向について把握する。
(2)渡航先の現地安全情報を把握する。
(例:外務省・在外公館のウェブサイトを活用、表1参照)
(3)渡航先の感染症情報を把握する。(例:厚労省検疫所のウェブサイト、表1参照)
(4)渡航先の政治・文化・慣習、日本との関係や対日イメージなどを調べる。
5.留学・研修大学先等の危機管理体制について情報収集
(1)危機管理体制や危機管理オリエンテーションの実施状況を確認する。
(2)留学・研修先等で加入する保険の種類や内容を把握する。
表1
ウェブサイト
内容
URL
外務省安全情報
一般犯罪、政情、治安情勢、医療情勢
http://www.anzen.mofa.go.jp
海外安全 WS/世界の医療情報
など総合的な情報
渡航先の在外公館安全情報
現地特有の多発型
(殆どの公館の WS で公開)
治安情報、生活情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/
一般犯罪情報や
各公館のURLは、外務省ウェブサイトの「在外公館
リスト」に掲載
主に途上国の生活情報、宗教、慣習、
JICAの国別生活
情報
タブー等の情報
http://www.jica.go.jp/regions/seikatsu/
国立感染症研究所
感染症・医療情報
感染症疫学情報センター
http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html
アメリカ国務省
Travel
State
イギリス外務省
http://www.state.gov/travel/
一般犯罪、政情、治安情勢、医療情勢
など総合的な情報
http://www.fco.gov.uk/en/
FCO Travel Advice
オーストラリア外務省
Travel Advisories
カナダ政府
http://www.smartraveller.gov.au/
一般犯罪、政情、治安情勢、医療情勢
など総合的な情報
Public safety
http://www.canada.ca/en/services/safety/index.
html
第2章 渡航後に行う事項
1.在外公館への在留届提出と危機情報の把握
(1)滞在期間が3ヶ月以上の場合、旅券法上、在留届の提出が義務付けられている。
(2)外務省のホームページから届出用紙をダウンロードし必要事項を記入の上、到着後、最寄
の日本大使館・総領事館に提出する。
(3)同省の専用サイト入力で登録することも可能。
(4)在外公館メールマガジンは、同省海外安全ウェブサイトから登録可能。最新情報が入手で
きるので登録を推奨する。
(5)滞在期間3か月未満の日本人に対し、外務省は、2014年7月以降「たびレジ」システ
ムを導入している。同省の専用サイトに必要事項(旅行日程・滞在先・連絡先)を入力す
ることにより、滞在先の最新情報や緊急事態発生時の連絡メール、あるいは、いざという
時の緊急連絡等の受け取りが可能となるので登録を推奨する。
2.留学・研修などの緊急時の対応体制把握
(1)留学・研修先等で開催する危機管理オリエンテーションに参加する。
(2)留学・研修先等の緊急時対応体制と連絡システムを把握する。
(3)本学からの定期安否確認のルールを把握し、必ず応答する。
(4)大災害発生時等は、緊急安否確認を実施するので、必ず応答する。
3.自己の危機管理
(1)緊急連絡先を記入したOSSMA会員カードを外出の際は必ず携帯する。
(2)緊急時のOSSMAからの大学への緊急連絡体制を把握する。
(3)短期旅行の際に、OSSMAロケーターシステムの旅程情報を更新する。更新していない
場合、適切な緊急安否確認を受けることができない。
第3章 渡航後の注意事項
1.宗教については、常に敬意をもって接する。
また、宗教施設への派手な服装での訪問は現に慎む。
2.写真撮影について
撮影禁止場所を必ず確認する。
3.マナー・エチケットに注意
日本と海外ではマナーやエチケットに相異があるので、事前に良く調べ、無用なトラブルを回
避する。
4.健康管理に注意する。
(1)生水・水道水は飲まない。
(2)生ものの魚・肉・野菜・卵・カットフルーツ・氷を避けて、十分加熱調理したものを食
べる。
(3)手洗い・うがいを励行する。
(4)体調を崩すと現地の感染症等にかかりやすくなるので、十分な休養・睡眠をとる。
(5)流行中の感染症や風土病の情報収集を行い、予防対策を講じる。
(6)交通事故に注意する。
(7)犯罪に巻き込まれない。
具体的な犯罪防止対策は、外務省ホームページ掲載の「海外安全虎の巻」を参照。
(8)薬物について
犯罪であり当然厳禁。
麻薬の運び屋が、他人に荷物を預からせることがあるので、この手の事件に巻き込ま
れないよう、他人からの荷物預かり依頼は拒否する。
(9)盗難・紛失に注意
警察に届出し、被害届の受理書(ポリスレポート)を作成依頼する。
(10)わが国の関税法上の制限について
高度研究資料等の海外への持ち出し等については大量破壊兵器の拡散防止等を目的と
する「安全保障貿易管理」の対象となっている。
経産省のホームページの「参考:大学・研究機関における安全保障貿易管理について」
を参照する。
http://www.meti.go.jp/policy/anpo/kanri/bouekikanri/daigaku/reference.html
(11)知的財産権・情報資産の取り扱いについて
派遣先大学、企業において様々な情報を取り扱う機会がありリスクが生ずるので、
派遣学生や研究者は必ず派遣先の指示に従い行動する。
(12)紛争・デモ・暴動・災害発生等緊急事態発生時について
騒動の群れ等を避け、身の安全を確保する。
(13)他人とのトラブル防止
滞在中は、目立つ言動や行動を控え、現地人の恨みを買わないようにする。
第4章
危機に遭遇した場合
1.緊急連絡(キャンパスおよび宿舎など居住地内)
(1)OSSMAヘルプライン(24時間、日・英2言語)および留学・研修先等への連絡。
(2)本学はOSSMAヘルプラインから第1報を受けた後、保護者等に連絡。
(3)在外公館から緊急連絡が入る場合、その指示に従う。
2.緊急連絡(短期旅行中など、居住地を離れている)
(1)OSSMAヘルプラインへの連絡。
(2)1.の(2)、(3)に同じ。