2015/5/7 鉄筋コンクリートはりの実験 夏学期 材料演習(野口・北垣) 冬学期 構造演習(塩原・田尻) ■ 概要 鉄筋コンクリート構造物は現在の建築構造の代表的なものであり、引張強度と靭性に富む鉄 筋と圧縮強度が高いコンクリートの2種の材料の特性を生かして組み合わせて使用されている。 鉄筋コンクリート部材の破壊は、部材に作用する応力の大きさと組み合わせ、部材の形状・ 寸法・配筋・材料の性質などによって異なる。大地震の後に鉄筋コンクリートの柱やはりなど に見られる破壊形式としては、変形性能に富む曲げ破壊と比較的粘りのないせん断破壊に大別 できる。 本演習では、各班2体ずつのはり試験体を作製し、これらの試験体に対する破壊試験によっ て、コンクリートの引張ひび割れと圧縮破壊、鉄筋の降伏などを観察し、試験体が曲げ破壊、 あるいはせん断破壊する現象を体験することを目的とする。 ■ 班分け 班 学生証番号 試験体 A A1 B A2 C B1 D B2 コンクリート (パラメータ) 高強度 (主筋の降伏強度) 普通強度 (あばら筋の間隔) ■ 日程 夏学期 夏学期 冬学期 2015/5/7 :型枠・鉄筋の組立て 2015/5/13 :コンクリートの打込み 日時未定 :はりの破壊試験 ■ レポートの作成(冬学期) □ 破壊実験レポート 報告書は班毎に自分たちが参加した試験体について作成する。その中には、①実験の目的、 ②試験体の製作、③コンクリートの配合、④材料の特性(コンクリートと鉄筋) 、⑤実験方法(加 力方法と支持方法、計測方法)、⑥実験経過と結果(ひび割れの進展とその時の荷重、荷重と変 形関係)、⑦耐力の予測計算結果、実験結果との比較、⑧考察、⑨各人の感想(3∼5行程度) と作業内容、などを盛り込む。 提出:冬学期 はりの破壊試験 終了後 ■ 試験体および作製要領 → 別紙 《試験体製作手順》 各班:約10人,試験体4体 4人 型枠の組立て 組立式鋼製型枠を完成させる。 4人 主筋の折曲げ加工 あばら筋の折曲げ加工 あばら筋取付け位置をマークする。 型枠の内側に剥離剤を塗る。 吊り治具の作製 2人 鉄筋かごの組立て(1) 試験体の運搬のための吊りフック 主筋4本(4隅)の所定位置にあば 作製し、打設時に埋め込んでおく。 ら筋を結束線で固定する。 鉄筋かごの組立て(2) 残る2本の主筋を鉄筋かごに挿入 し固定する。 鉄筋かごの型枠への固定 組立てた鉄筋を型枠へセットする。 歪みゲージのリード線を処理する。 コンクリート打設 全員 脱型 全員 主筋のひずみゲージ貼り あばら筋D4を折曲げ治具を用い 主筋の所定位置に、鉄筋のひずみ て必要な本数を成形する。 測定用のひずみゲージを貼る。 鉄筋コンクリート梁の試験体作成 作業要領 2015/5/7 塩原研究室 ■ 型枠の組み立て ① 鋼製の型枠を組み立てる。 ② 型枠の内側に剥離剤を塗る。 ③ D13の鉄筋を折り曲げ機を用いて180度に折り曲げ、つりフックを作成する。 ■ 鉄筋かごの組み立て □ 鉄筋かごの組み立ておよび結束 ① 主筋のあばら筋位置にマークをする。(4隅の鉄筋だけでよい) ② 上端主筋2本(隅筋)を組み立て台に並べる。 ③ 加工されたあばら筋を、端から順に所定の位置に引っ掛ける。 ④ ハッカーを用いて結束線で固定する。(あらかじめ練習しておく。) → 結束する際には主筋とあばら筋が密着するように、主筋を引っ張りながら行う。 → 1箇所あたり2本でX型に結束する。 → あばら筋のフックの位置は1箇所に固まらないよう、8の字を描くようにする。 ⑤ 出来上がった鉄筋かごに上端中筋を通す。 ⑥ ハッカーを用いて結束線で主筋の所定の位置であばら筋を固定する。 ⑦ 鉄筋かごに、下端主筋2本(隅筋)を通す。 ⑧ ハッカーを用いて結束線で下端主筋とあばら筋を固定する。 ⑨ ひずみゲージを貼付した下端中筋を通す。 (歪ゲージのリード線に注意する。) ⑩ ハッカーを用いて結束線で主筋の所定の位置であばら筋を固定する。 (リード線は主筋に沿って 軽く束ねておく。) □ リード線の処理 ① 各リード線は、まず主筋に沿って横にはわせ、一番近いあばら筋のところから、あばら筋に沿 って縦にはわせ2/3くらいの高さまでもっていく。 ② 横方向にあばら筋と交差させながら西端までもっていく。(リード線は西端の上面からだす。) → 適宜、主筋・あばら筋にくくりつける。 → 上端主筋のリード線と下端主筋のリード線はまとめて処理する。 ③ 試験体から外にだしたリード線は、丸めてビニル袋にいれ、袋の口をビニルテープで閉じる。 →使用するビニルテープの色は、A1:赤、A2:青、B1:黄、B2:緑 □ スペーサーの取り付け ① 上端および下端の中主筋の折り曲げ定着部にスペーサー(大)を、結束線で取り付ける。 (合計4箇 所) ② 中央から360 mm の位置のあばら筋の底面側および側面側(高さ方向中央よりやや上)にスペ ーサー(小)を取り付ける(合計6箇所) ■ あばら筋の折り曲げ加工 ① D4の鉄筋を長さ670mmにワイヤカッターを用いて切断する。 (2.0mのものから3本作成する) ② 成形台を用いて所定の形状に折り曲げる。 ■ ひずみゲージ貼り ① ひずみゲージ貼り付け位置をマークする。 (主筋の全周に線をひく) ② マークした箇所の鉄筋のゲージ貼り付け面の節をベビーサンダーで削り、サンドペーペーで磨 く。ベビーサンダーの使用にあたっては保護めがねを着用する。 ③ ひずみゲージを貼る。 (②の作業が全貼り付け箇所について終了後いっせいに作業する) → リード線が東側にでるように貼る。 → 接着が不十分であった場合、新しいゲージを貼り直す。 ④ リード線を布テープで仮止めし、パラフィンワックスを塗る。 ⑤ リード線の先端にビニルテープで番号札をつける。 ⑥ 反対側のゲージを貼り、パラフィンワックスを塗る。 ⑦ 両面のゲージのリード線を折り返す。 ⑧ 自己融着テープで2次コーディングをし、最後にビニルテープを巻きつける。 ⑨ リード線は少しだけ解き、リード線の先端のかたまりを主筋の西側に縛り付ける。 ※ ゲージ貼り作業の詳細は説明カードをよく読むこと。
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