薬局だより

No.
薬局だより
表在性白癬について No4
H27 年
195 号
10 月
話題の新薬 ハーボニー配合錠
抗ウイルス剤
爪白癬の薬物治療
爪白癬も足白癬同様、抗真菌薬を用いますが、外用 ギリアドは、抗ウイルス剤「ハーボニー配合錠」を新発
薬は爪に浸透しにくいため、原則、内服療法を行い 売した。NS5A阻害剤であるレジパスビルと核酸型NS5B
ます
ポリメラーゼ阻害剤であるソホスブビルの配合剤であ
る。本剤は、日本人に多いジェノタイプ 1 型の C 型慢
内服療法
爪が完全に生え変わるためには手の爪で約半年、足 性肝炎および C 型代償性肝硬変に対し、1日1回1錠を経
の爪で約 1 年かかるといわれ、治療は長期にわたり 口投与する薬剤であり、インターフェロンやリバビリン
の投与は不要である。また、本剤の投与期間は 12 週間
ます。根気よく、じっくり治療を続けましょう
と既存治療に比べて短く、新たな治療の選択肢として期
①イトラコナゾール:パルス療法
待されている。
●イトリゾールカプセル イトラコナゾール錠
薬価 1 錠=80,171.30円
●400mg/2回/日(食直後)1 週間投与後 3 週間
休薬を 1 サイクルとし、3サイクル繰り返す
副作用情報
抗ウイルス剤
●3サイクル終了後、約 2~3 ヶ月後に爪の伸びを
確認し、伸びが鈍いようなら再度パルス療法の追加 ブリストル・マイヤーズから販売されている「スンベプ
を検討する
ラカプセル100mg」「ダクルインザ錠60mg」は、直近約8
●定期的な肝機能検査が望ましい
ヶ月年の間に因果関係が否定できない副作用として、
「肝予備能低下関連症例」が認められた症例21例(うち
②テルビナフィン:連日投与
死亡1例)が報告された。そのため、
「重大な副作用」の
● ラミシール錠 テルビナフィン錠 125mg
項に「肝不全」が追記された。
● 125mg/回/日(食後)連日
● 爪の状態をみながら服用終了期間を決める
●投与前・定期的に肝機能検査及び血液検査を行う
インフルエンザワクチン
3 価~4 価へ
これまでのインフルエンザ製造株は、A型から 2 種類、
B型から 1 種類の計 3 種類の株が選ばれていた。しかし、
近年のB型インフルエンザは、2 系統(山形系統とビク
● クレナフィン爪外用液 10%
トリア系統)の混合流行が国内外で続いている。また、
● 1 日 1 回、爪全体にハケで薬液を塗る
どちらの系統が流行の主流となるかを予想することは
● 爪と皮膚の境目にも薬液を塗る
極めて困難とされている。このため、A型の 2 種類( H
● 刺激を感じることがあるので、皮膚についた薬 1 N 1 p d m 0 9 、H 3 N 2 )に加えてB型の 2 種類(山
形系統、ビクトリア系統)のウイルス株を入れた 4 価ワ
液はふき取る
クチンを製造することが決定された。なお、米国では、
● 手の爪で半年~1 年、足の爪で 1 年~1 年半
両系統のB型ワクチンを用いた 4 価ワクチン
長期の治療が必要
の導入が既に開始されている。
外用療法
ふれあい鶴見ホスピタル
薬剤部
DI室