今回はその代表的なヒット商品をご紹介いたします。皆さんもあの懐かしの味を思い出し、 懐かしい思い出のひと時をお楽しみ下さい。 れを材料に使い、しかも加古川を のもち米が収穫されていたためこ いついたのが、播州の米処で良質 自分でつくろう。﹂その時ふと思 ﹁何かないだろうか?ないのなら れる菓子がない事に気づきました。 氏は加古川に代表的な名物と呼ば りはじめた頃、創業者の宮田泰一 創業してようやく店も軌道に乗 鹿児のもちが誕生! こうして加古川の銘菓として発 重ねた営業努力 うです。 び上がる背すじを表現しているそ これは小鹿が背を丸めた時に浮か び上がっているのが分かります。 く見ると、縦方向に薄い線が浮か そういえば﹁鹿児のもち﹂をよ ることとしました。 て蒸し楕円形にし、子鹿を表現す から、もち粉、砂糖、水飴を混ぜ し﹂と仰せられたという言い伝え 児の如し、この地を鹿児と呼ぶべ 背を丸めている姿に見え、﹁鹿の ㈱春光堂 鹿児のもち ﹁加古川でさらに自慢できる和菓子作りを﹂ 郷土加古川の地で、地域に寄り添いそして生まれ愛されてきたヒット商品が数々ありますが、 売した﹁鹿児のもち﹂ですが、発 売当初は ケ わきいらつめ︶に求婚した際、こ 天皇が播磨の印南別嬢︵いなみの 登場する﹁鹿児﹂の地名は、景行 その昔、古事記や播磨風土記に というの ようです。 なかった 売り切れ ースすら 1日 のお姫様が隠れてしまい、その隠 も当時は 表現することでした。 れた加古川河口の大洲が、子鹿が ニシカワ食品㈱ フラワー たかじ した甘さが求められており、あっ 前島食品㈱ カム しかし泰一氏は最初の味や形に 物は一切使われていないのですが、 さらには練るときの空気の含有量 水分量など、毎日の気温や湿度、 その製造にはもち米の蒸し加減や のぼる など熟練の技を必要とします。現 在、春光堂では一級菓子製造技能 士の資格を持つ菓子職人さんが4 名もいて、菓子製造のかたわら後 世に和菓子・工芸菓子の技術と文 を売り周ったり、紅色にして祝い を入れた木箱を積んで加古川市内 古川の地に新たな自慢できる和菓 しながら、初代・先代が愛した加 ﹁受け継いできた伝統を大切に 化を伝承しようとしています。 事に適した紅白を表現し市内の小 子を造りたいものですね。﹂と宮 まさと 中学校などに飛び回ったりと、常 田雅人社長は夢を語ります。 のひとつに成長します。 名実ともに加古川を代表する銘菓 の変化も手伝い﹁鹿児のもち﹂は 々の生活レベルが上がると、味覚 るのと同時に高度成長期を迎え人 となり、以後徐々に知名度が上が れる記念品として採用されること 第一高炉の竣工時に出席者に配ら 年の神戸製鋼所加古川製鉄所の こうした努力が実を結び、昭和 を重ねました。 に販路の開拓に力を入れ営業努力 児のもち﹂ 台に﹁鹿 転車の荷 した。自 社長︶で の2代目 の登氏 ︵後 のが長男 こだわり続けます。それを助けた は受入れられにくかったようです。 と地下水、砂糖、水あめ等で添加 ﹁鹿児のもち﹂の原料はもち粉 そして新たな和菓子を 昭和22年に西川 二氏が加古川駅前で創業し、以来地元を中心に愛 されてきたニシカワ食品では、これまで実に1,000種類以上のパンが 製造販売されてきましたが、昭和41年の発売以来、常にトップの座を 譲らないのが今回紹介するフラワーです。とにかく甘い!でも懐かし の味、ちょっと青春を連想させる味です。 食料難で、和菓子にもはっきりと つまむとふわり柔らかく、ほおばるとほんのりと優しい甘さ、食感は もちもちと、加古川に住むものなら思い出すのが懐かしのふるさとの たいいち 味、鹿児のもち。大正11年に南本町で宮田泰一氏が創業した和菓子店 ㈱春光堂が製造し、今では幼稚園や小中学校の卒業式などの記念品、 贈答用に広く用いられるなど加古川を代表する銘菓のひとつに数えら れています。 さりとした甘さの﹁鹿児のもち﹂ かむほどにやわらかく、とろりとろけてほんのり甘く、ちょっぴりす っぱいおやつ昆布、カムは昭和49年の発売以来のロングヒット商品で けいいちろう す。これを製造する前島食品㈱は、大正12年に前島敬一郎氏が創業、 「たべたろう」の商標でとろろ昆布、だし昆布、佃煮こんぶ、おやつ 昆布等を製造し、その製品はスーパーマーケットや専門店、そして最 わしゅうあん 近では直売店「和崇庵」や大手ネットモールで販売されています。 伝統と発展、宮田社長に大きな期待が 寄せられます。 春光堂 鹿児のもち 昔は一つひとつ手作業で作られてい ました。 2 3 昭和40年代の社屋。今より 少し東寄りにありました。 訪れるお客様をみごとな工芸菓子 が出迎えます。 会員事業所のヒット商品は こうして生まれた・・・ 10 45 特 集
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