リエゾンvol.7 [614KB

兵庫教育大学
Newsletter
特別支援教育モデル研究開発室
Liaison
2015年1月14日
第7号
明けましておめでとうございます
昨年中は大変お世話になりありがとうございました
本年もどうぞよろしくお願いいたします
コミュニケーション力を育む演劇ワークショップ
特別支援教育モデル研究開発室主催“セミナール・
リエゾンⅣ”を開催しました。
二回目となる今回は、後期の大学院・学部授業と
連動して授業の前に演劇を体験してみるという趣
旨で、普段、平田先生が取り組んでおられるワーク
昨年10月23日(木) 、本学総合研究棟3階大
ショップの題材をもとに、30名が実際に演劇を実
会議室において、東京藝術大学アートイノベーショ
践するというワークショップを行いました。前半は
ンセンター特任教授 平田 オリザ氏を招いて、「コ
体を使ったコミュニケーションゲーム、後半は短い
ミュニケーション力を育む演劇ワークショップ」と
台本を用いて実際に役を演じながら演劇に触れる
題し、
“セミナール・リエゾンⅣ”を開催しました。
機会となりました。また、平田先生からは、教育関
平田先生は、劇作家・
係者へ向けて、小学校での教科教育のあり方やフィ
演出家として様々な分
ンランドにおける多様性をふまえた教育の動向に
野でご活躍されており、
ついてのお話も伺うことができました。
教育分野においても教
当日は、本学学部生・大学院生のほか、地域の教
科書の教材開発や学校
職員など70余名の参加があり、会場は終始笑いに
でのワークショップ等
溢れ、有意義な2時間半を共有する事ができました。
も行っています。一昨年11月は神戸国際会館8階
モデ研では、2月19日(木)にNPO法人CAN
セミナーハウスに招いて、
“カフェ・リエゾンⅡ”「演
VAS理事長 石戸奈々子氏をお迎えして、“カフ
劇というコミュニケーション」というテーマで、中
ェ・リエゾンⅤ”を開催いたします。皆様のご参加
西正治先生(兵庫県猪名川町立六瀬中学校校長)と
をお待ちしております。
の対談をしていただきました。対談では、コミュニ
ケーション力の捉え方や、コミュニケーション力の
育成に「演劇教育」が果たす役割について活発な議
論が交わされました。
コンサルテーションを学 ぶ
演 劇 ワークショップ開 催
モデ研では、コンサルテーションを学ぶことを目
まず初めに、岡村先生から「コンサルテーショ
的として、演劇ワークショップを用いた研修プロ
ンとはなにか」というレクチャーと演劇づくりに
グラムの開発に取り組んでいます。コンサルテー
ついてのお話があり、その後参加者は3つのグル
ションの最大の目的は、相談相手、例えば通常の
ープに分かれてグループワークをしました。各グ
学級担任の問題解決力を高めることです。そのた
ループでは、ホワイトボードペーパーを使って話
めには、コンサルテーション中に、
「なるほど。そ
し合いが進んでいました。自然発生的にファシリ
こが問題だったか」
「こうしたらうまく指導できる
テーターが生まれ、盛り上がったグループもあり
のではないか」などと相談相手の気付きを促すた
ました。生々しい情報交換も飛び交ったようで
めの対話が展開されることが期待されます。しか
す。
し、どのように対話を進めていくことが相談相手
演劇発表では、実際
の気づきにつながるのでしょうか?それらの具体
の保護者とのやり取り
を演劇づくりを通して考えていきます。演劇づく
場面や、同僚の教員と
りの過程では、参加者それぞれが普段自分はどの
のやり取り場面を取り
ように人と相談しているかを振り返らざるを得ま
上げ、まさに迫真の演
せん。演じることは、例えば、登場人物の背景や
技を披露してください
思いを体感し、考えるきっかけになります。この
ました。身につまされるシーンあり、思いがけな
ように、シュミレーションを通して、コンサルテ
く出たアドリブの台詞に爆笑のシーンあり。
ーションの中身、つまり実際のやりとりを客観的
発表のあと時間をとって、質問タイム。「あの
にかつ具体的に検討していくのです。まだまだ開
シーンを作るにあたってはどのような話し合いが
発途上ではありますが、その一部をご紹介したい
ありましたか?」「設定はどうでしたか?」等の
と思います。
質問が出ました。
プロットに埋め込まれているけれども表現しき
☆ふれ・ま・なびの会☆
れなかった部分について、他の人から質問するこ
とで明らかになることもあります。これは参加者
全体の気づきにつなが
○演劇ワークショップ
ったようです。
さる10月4日(土)に、兵教大神戸ハーバー
参加された先生方か
ランドキャンパスにて、「コンサルテーションを
らは次のような感想を
学ぶ演劇ワークショップ」を開催いたしました。
いただきました。
・実際のコーディネーターの動き、手続きなど経
兵庫県の特別支援学校の先生方を中心に集まっ
験のある先生から聞くことができたので、具体的
ておられる自主研修会「ふれ・ま・なびの会」の
な話ができた。
みなさんにご参加いただきました。初任の若い先
・相談者の主訴の裏に隠された本音、困っている
生方からこの道何十年のベテラン先生まで、30
こと、不満に思っていること、背景まで想像した
名近くの皆さんにお集りい
り考えていないといけないという言葉に改めて同
ただきました。講師は、モ
感した。
デ研室長宇野宏幸先生と岡
・演劇は意欲があって参加している人とすると楽
村章司先生です。
しいです。演劇の可能性がまた広がりました。
・発表では素でできたところと、普段の自分では
初めて出会う参加者
ない部分や、自然にアドリブで言葉が出たところ
も多かったのですが、
もあり、自分でも興味深く思いました。ワークに
どのグループでも劇化
参加することで新たな気づきがあり、とても面白
が進むにつれ和やかな
く思いました。
雰囲気に包まれていま
・事例の対応の仕方をたくさん学ぶことができま
した。
した。
発表会では同じプロットとはいえ、設定や台詞
・初めは抵抗があったが、やってみると、単なる
に変化があり、グループのメンバーにより作り上
ケースカンファレンスや聞くだけの研修より有意
げるものが違ってくることを発見しました。
義だった。世代を超えて自然に意見が交換できる
のがよかった。
《参加者の感想》より
○子どもの背景にあるものを考えるとき、それま
での経験がでてきて、たくさんの人と共有できた
☆北播 LD 研究会学習会☆
ことがよかった。
○担任の役をやってみて、実際の場面だったらと
考えることができた。
北播LD研究会学習会としても行いました。
○それぞれ所属している立場が違い、いろいろな
意見が出たのがよかった。
「コンサルテーションを学ぶ演劇ワークショッ
○一つの脚本から違うストーリーができるのが面
プ」第2弾として、昨年12月6日(土) 小野市
白かった。
のコミュニティセンターおおべ、大ホールを会場
に北播LD研究会版を行いました。
北播LD研究会は2001年2月に発足以来、
地域で特別支援教育について学び合う自主サーク
ルです。サークル員は教員が中心ですが、言語聴
○具体的にどんなことをするのかわからずに参
加したが、参加した皆さんとどんどん形にしてい
くのが面白かった。
いただいたご意見をこれから研修プログラムの
再検討に反映させたいと思います。
覚士、臨床心理士、保育士、保護者など地域で発
今後もさらにバージョンアップしながら「コン
達障害を中心とした様々な障がいのあるお子さん
サルテーションを学ぶ演劇ワークショップ」をつ
の支援にかかわる幅広い人たちが学びあっていま
くり上げていきたいと思っています。
す。
ご参加してくださいました先生方、
今回は演劇という手法への関心やワークショッ
ありがとうございました。
プ型の研修会への興味もあり、教員を中心に30
名近い参加者がありました。
岡村先生のレクチャ
ーの後、早速3グループ
に分かれて演劇作りに取
り組みました。
今回は前回、時間が足
りなかったという反省を
生かして、出来上がったプロットをもとに台詞や
動きを考えました。
同じプロットで演じる場合でも、この主人公は男
子?女子?何年生?この状況がおこった背景は?
と、グループ討議が行われていました。
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