第11回 生体分子物性セミナー ì 片山 和彦 先生 講師 国立感染症研究所ウイルス第二部第一室室長 ì 演題: ì 日時: ì 場所: ì 概要: ヒトに感染するノロウイルス(Human Norovirus、HuNoV)は世界中に広 く分布し、年間数十万人から数百万人に及ぶ非細菌性急性胃腸炎患者を発生さ せ続けている。HuNoVによる集団食中毒事件数はトップクラス、食中毒患者数 は、第1位を記録し続けている。 ■近年、HuNoVに関する研究には、目覚ましい進展があった。長年のウイルス 様中空粒子作製の努力が実り、ELISAシステム、イムノクロマトグラフィーに よるHuNoV抗原検出システムが完成し、体外診断薬として販売された。ついに ベッドサイドでのHuNoV診断を実現したのである。分子生物学的アプローチは、 HuNoVのリバースジェネティックスシステムを実現させた。構造生物学的アプ ローチは、生化学的研究成果を可視化することに成功した。このように最新の 研究成果は、HuNoVの細胞への侵入機構、複製機構、粒子形成機構に残された 多くの謎に迫る扉を開きつつある。 ■しかし、何故、HuNoVは毎年冬に流行するのか?HuNoVは何処から来るの か?何故、爆発的に感染が拡大するのか?など、未だに多くの疑問が未解決の ままである。私たちは、ノロウイルスについてよく知っているつもりになって いるが、実は、その実態をあまり良く理解していないのである。 ■セミナーでは、HuNoVについて概説するとともに、最新のHuNoV研究のト ピックスを紹介しながら、HuNoV流行のメカニズム、感染防御、ワクチン開発 の可能性について考えてみたい。 2015年10月2日(金)14:00~ B2棟 624号室 ì 連絡先:上野 隆史 内線5844
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