部門を受賞もっと詳しく知る - IoT サイバーセキュリティ対策

BEST PRACTICES RESEARCH
2015
2015 North American Cybersecurity for
Robotics & Industrial Control Product Leadership Award
© Frost & Sullivan 2015
1
“We Accelerate Growth”
ベストプラクティス リサーチ
目次
背景と企業のパフォーマンス .................................................................................. 3
業界の挑戦 ...................................................................................................... 3
製品ファミリーとビジネスインパクト ................................................................... 3
終わりに......................................................................................................... 8
製品リーダーシップの重要性 .................................................................................. 9
製品リーダーシップを理解する ............................................................................... 9
主要なベンチマーク基準 .................................................................................. 10
ウェブルートに実施されたベストプラクティス賞の分析 ............................................. 10
意思決定サポートスコアカード .......................................................................... 10
製品ファミリーの特性 ..................................................................................... 11
ビジネスインパクト ........................................................................................ 12
意思決定サポートマトリクス ............................................................................. 12
360°のリサーチとベストプラクティス賞の接点 ....................................................... 13
リサーチの方法論 ........................................................................................... 13
ベストプラクティスを正しく評価する:ベストプラクティスをリサーチ、特定、評価するための
10 のステップ .................................................................................................. 17
フロスト&サリバンについて ................................................................................ 19
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背景と企業のパフォーマンス
業界の挑戦
インターネット オブ シングス(IoT、モノのインターネット)という概念が広まるにつれ、各種デバイ
スをインターネットで接続して使用する動きが世界中で広まっています。北米でもこの動きは発展の過程
にあります。産業界もこのトレンドの例外ではありません。相互接続された組み込みデバイスの実装が拡
大していく中で、ビジネスのパフォーマンスが大きく加速することが期待されています。こうしたデバイ
スの実装はビジネス効率を以前より向上させる手段にすぎませんが、ほとんどの企業にとって重大な懸念
として浮上してきているのがセキュリティです。
産業界では、リアルタイムにデータを共有する手順が単純なために利用しやすい一方で、サイバーセキュ
リティ上の重大な脅威にも直面しています。企業は進化しつつあるインダストリアルIoT(IoIT)テクノ
ロジーによって大幅な収益増加が保証される、高度なテクノロジーを求めています。これと同時に、セン
サーなど自社の組み込みデバイスが外部のシステムから追跡またはアクセスされるのを妨害するファイア
ウォールを構築することで、自社のデバイスを効果的に保護できるセキュリティ ソリューションにも期
待が寄せられています。
エンドユーザーが直面するサイバーセキュリティ上のもう一つの重大な課題は、現存するオンラインの脅
威に対処するデータベースをインストールするためには、膨大なハードウェアのスペースが必要になるこ
とです。それだけではありません。このデータベースは最新の脅威に関するインテリジェンスで頻繁にア
ップデートする必要があるため、サイバーセキュリティ ソリューションの効果が低下してしまいます。
このような展開が予想される中、高度な不正防止ソリューションや常に最新のソリューションを備えて、
拡大するIoTサイバーセキュリティの脅威に対処できる企業だけが、北米市場で勝ち残ることができるの
です。
製品ファミリーとビジネスインパクト
ニーズに応える
これまで行われていた意思決定の枠組みをよりよいものへと推進させる目的のもと、インターネット経由
で相互接続する産業界のデバイスの数が圧倒的に増えていることから、企業各社はこれまで以上に優れた
セキュリティを確保する必要に迫られています。ビジネスのパフォーマンスを最大化するには、前例がな
いほど膨大なデータ量の通信、効率的な分析や社内チーム間での容易な情報共有が必須であるものの、情
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報そのものは攻撃されやすく、情報窃盗の深刻な脅威に晒されています。ネットワークとセキュリティベ
ンダーの両者ともリアルタイムでデータのセキュリティを確保しなければなりません。インダストリアル
IoT(IoIT)というトレンドにより重大さが増す一方の問題と要求の拡大に伴い、2013年にウェブルート
社が業界に発表したBrightCloud Threat Intelligence Servicesは、システム要求を軽減して高いパフォ
®
ーマンスを実現するエージェントを備えています。2015年には、ウェブルートはWebroot IoT
Cybersecurity Toolkitも発表しました。
BrightCloud Threat Intelligence Platformは、脅威に関するインテリジェンスを収集するアーキテクチ
ャで、数百万台のデバイスやセンサーに関するサイバーセキュリティ情報の他、数十億ものIP、 URL、
ファイル、モバイルアプリ由来のインターネットに関する脅威を分析および共有します。
BrightCloud Threat Intelligence Platformは、第3世代の最大エントロピー原理(Maximum Entropy
Discrimination、MED)のテクノロジーを使用する大規模なHadoop分散コンピューティング クラウド
アーキテクチャを活用して、インターネットの宇宙空間を継続的にスキャン、分析して、最新のサイバー
脅威を検出します。BrightCloud Threat Intelligenceは、保護対象のデバイスには何もダウンロードする
ことなく、インターネットに接続したデバイスをこれらの脅威からほぼリアルタイムに保護できます。
BrightCloud Threat Intelligence Servicesは、主要な次世代型ファイアウォール、統合脅威管理
(UTM)などの多くで利用されている組み込み型の脅威インテリジェンス ソリューションとして実証済
みであり、Cisco、RSA、Palo Alto Networks、F5 Networks、Aruba、A10 Networksなど多くの企業
の製品ソリューションでも活用されています。
ウェブルートのエンドポイント サイバーセキュリティ製品ファミリーは、センサー、コントローラー、
自律マシン、ルーター、IT-OTゲートウェイ、サーバーといった具合に、IoITシステムのすべてのデバイ
ス タイプに及びます。ソフトウェア エージェントは、BrightCloud Threat Intelligenceを活用してIoT
タイプのデバイスやシステムをターゲットとした新手のサイバー脅威を検知して防御し、ブロックしま
す。このエージェントはデバイス上に構築することもオペレーション中に展開することも可能です。スモ
ール フォーム ファクター専用設計のため、バッテリ稼働する省メモリのIoTデバイスでエージェントが
消費するのは750kbだけです。それでいてデバイス上に新規または変更された実行可能プログラムやファ
イルがあるとこれをすべて検知してその振る舞いを分析し、BrightCloud Threat Intelligence Platform
でその振る舞いのデータを共有して脅威が何かを見極めます。その振る舞いは自動の機械学習機能によっ
て分類されて意図が特定され、その脅威をIoTデバイスから取り除くようにエージェントに指示を出すこ
ともできます。ウェブルートのエージェントは多様なOSタイプをサポートし、外部のインテリジェント
ファイアウォールを統合して、信頼できないインターネット接続をブロックすることができます。
信頼性と品質
ウェブルートのサイバーセキュリティ プロバイダーとしての最大の強みは、業界リーダーとして攻撃を
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防御するための次世代型アプローチを開発してきたことであり、性能が実証されているテクノロジー基盤
が数百万台のデバイスで利用されていることです。
BrightCloud Threat Intelligence Servicesは、インターネット中をくまなくスキャンして、潜在的なセ
キュリティ違反に関する実用的なインテリジェンスをお客様に提供します。このソリューションの持つ注
目すべき機能として、数百万台のセンサーを通じてデータを取り込み、自動機械学習分析によってこれを
数ミリ秒以内に新しい脅威と照らし合わせて自動的に保護するほか、実用的な脅威インテリジェンスをほ
ぼリアルタイムに保護対象デバイスに伝える機能などがあり、これらによってウェブルートは業界トップ
の地位を維持し続けています。
ウェブ、ファイル、アプリケーションと多岐にわたる脅威にすべて対処する機能と共に、BrightCloud
Threat Intelligence Servicesは文脈分析機能を活用することで、最も精度が高く最新の脅威インテリジ
ェンスをお客様に提供します。BrightCloud Threat Intelligence Platformには6億以上のドメインと200
億のURLからなるリポジトリが含まれており、いずれも分類とリスクのスコアリングに使用されます。さ
らに、43億個のIPアドレスを監視し、およそ1,200万件の悪意ある既知のIPセットを定期的に更新しま
す。これは任意のタイミングで実施され、毎日新たに85,000個もの悪意あるIPが検出されています。
さらに、BrightCloud Threat Intelligence Platformは70億以上のファイルと1,600万以上のモバイルア
プリの振る舞いを記録します。URL、IP、ファイル、モバイルアプリ間の関係性がウェブルートでマッピ
ングされることで、他の脅威に結び付けられている可能性がある、表面的に無害なエンティティが予測さ
れます。文脈インテリジェンスと振る舞い分析を組み合わせたWebroot BrightCloud Threat
Intelligence Servicesは、高いスケーラビリティと高信頼性のクラウドアーキテクチャを使用して、新し
く登場した脅威を特定し、次回の脅威の発信元を予測し、その情報を拡散する機能でも業界トップの性能
を誇っています。
BrightCloud Threat Intelligence PlatformはAmazonのElastic Compute Cloud(EC2)でホストさ
れ、サイトや複数サイトの信頼性を保つグローバルな負荷分散が行われます。BrightCloud Threat
Intelligenceは数多くのセキュリティ業界テクノロジーのプラットフォームに組み込まれていますが、こ
れらのパートナーはサービス稼働率として99.999%のSLAが必要です。
製品/サービスの価値
ウェブルートのBrightCloud Threat Intelligence Servicesとそのソフトウェア エージェントは、いずれ
もスタンドアロンまたはバンドル製品として提供されています。スタンドアロン製品としては、既存の
IoT接続デバイスにインストールすることができます。それ以外の場合、これらの製品は他のウェブルー
トのテクノロジーと同様、統合サイバーセキュリティ ソリューションを自社のIoTデバイス用に開発した
り組み込みたい組織や開発者のために用意されている包括的なIoTセキュリティ ツールキット経由で利用
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することができます。
Webroot IoT Security Toolkit (WST)は、高度なサイバーセキュリティ テクノロジーのセットで、
クライアント、サーバー、ウェブ ソフトウェア、ソフトウェア開発キット(SDK)、クラウドベースの
リアルタイム脅威インテリジェンス サービスで構成されています。このサービスは、IoTソリューション
を作成するビルダーやインテグレーターに、サイバー攻撃やマルウェアから作成したものを保護するため
のツールを提供するように設計されています。具体的には次の内容で構成されています。
エージェント:高パフォーマンス、低システム要求、デバイスのメモリ使用量は極小なエージェントで、
新規と変更されたファイル、または異常な状況を検出します。エージェントはファイルや他のシステム
レベルのイベントに関するデータを収集して、その情報をBrightCloud Threat Intelligence Platformに
伝えます。現在、WSTではWindows 、Android™、Mac のエージェントが利用可能で、さらに増える予
®
®
定です。
Threat Intelligence Services:APIを通じて利用可能なBrightCloud Threat Intelligence Services
は、以下の最新のインテリジェンスを収集します。
0億のURLの分類とスコアリング
0億3千万のIPアドレスの監視
0億のファイルの振る舞いの記録
,600万のモバイルアプリ
Secure Web Gateway:クラウドベースのサービスで、インターネットを経由してデバイスとコントロ
ール システム間で着信/送出されるすべてのトラフィックを検査およびフィルタリングします。ウェブ
トラフィックを制御するために軽量のウェブフィルタリング プロキシエージェントも提供されます。
モバイル デバイス用SDK: 開発者がAndroidやiOSデバイスの多様なオプションを統合するための開発キ
ットとして使用するもので、アクティブ プロテクション サービス、スキャナー サービス、アプリケー
ション情報モジュール、デバイス情報モジュール、SecureWeb™ ブラウザ、デバイス リスク スコアな
どがあります。
使用料はスタンドアロン製品のライセンス料金またはライセンス率に応じた料金のどちらかに応じて設定
されます。
業界でのポジショニング
ウェブルートの製品は、デバイス エージェントをインストールまたは組み込むことで外部のデバイスか
ら保護し、BrightCloud Threat Intelligence Servicesとの統合を通じて内部のインターネットから保護
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するように設計されています。これらを組み合わせて使用することでエンドツーエンドのサイバーセキュ
リティ ソリューションがIoTデバイスに提供されます。また、組織がBrightCloud Threat Intelligence
Servicesだけを展開したい場合、BrightCloud APIを使用するか、APIを呼び出してサービスまたはログ
にインテリジェンスを出力するようにビルドされている一連の企業向けコネクタを使用すると、これらの
サービスを個別に利用することができます。
BrightCloud Threat Intelligence Platformの特徴として第3世代の機械学習テクノロジーを採用してい
る点が挙げられますが、これによって新たな、これまでとは異なるタイプのサイバー脅威を迅速に分類す
ることができます。市販されているセキュリティ ソリューションの大半は、ベイジアンネットワークま
たはサポートベクターマシン(Support Vector Machine、SVM)モデルを採用していますが、効率性が
とても悪く、スケーラビリティに難があります。ウェブルートが導入しているMEDは高速かつ高精度で脅
威を分析することができ、極めて高性能です。新しい脅威を適切に高い精度で特定することができ、高度
にスケーラブルでもあります。数百種類の自動分類子を使うBrightCloud Threat Intelligence Platform
は、毎秒20,000個のURLをスキャンし、平均85,000種類の悪意あるIPを毎日検出しています。
このエージェントは、Webroot SecureAnywhere Business Endpoint Protectionの中核テクノロジー
®
に基づいています。静的シグネチャは使用せず、未知または疑わしいファイルをデバイス上で実行可能に
するような振る舞いがないか監視し、振る舞いのすべて(変更された場合はその変更内容も含めます)を
記録し、データをBrightCloud Threat Intelligence Platformと共有して対応を決定します。このファイ
ルに悪意があると特定された場合、エージェントがこれを削除し、記録された変更内容を元に戻します。
2013年、ウェブルートは販売時点管理、製造業、電子産業などに重点を置く製品を市場に発表していま
す。同社のスタンドアロンの製品は、POSデバイスと共に、インターネットに接続する産業用管理デバイ
スのためのサイバーセキュリティ ソリューションとして提供されてきました。さらに、スマートシティ
構想のための多国間サイバーセキュリティに関する複数の大規模事業に携わるほか、IoTデバイスのメー
カーやシステム インテグレーター企業とのパートナーシップを積極的に進めています。
顧客の獲得
増え続けるニーズに対応するためのイノベーションを継続する一方、ウェブルートの強みはあらゆる業界
で顧客を獲得していることです。ウェブルートのBrightCloud Threat Intelligence Servicesとそのエン
ドポイント エージェントのソリューションは、自動車、製造業、エレクトロニクスなど多種多様な業種
に対応できるように設計されています。ウェブルートの高度なセキュリティサービスは、ロボット、流量
計その他の産業用制御機器で制御機能を展開できます。この堅牢なセキュリティ性能は、小売業界のPOS
デバイスにとって多大な利益となることが実証されています。
それだけではありません。ウェブルートはCisco、RSA、Aruba、F5 Networks、HPなどの約30社の企業
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とOEM契約を交わしていますが、これらの企業はBrightCloud Threat Intelligenceで顧客のセキュリテ
ィを保護しています。産業界での地位の確立に注力するウェブルートは、同社製品のBrightCloud Threat
Intelligence Platformを活用し、短期間で100万台のデバイスでライセンスを取得しています。
潜在的な成長力
北米サイバーセキュリティ市場における強力な存在感を築くために、ウェブルートは適切な戦略的取組を
適切なタイミングで取りながら類まれな対応力を発揮しています。ウェブルートは産業界におけるIoTの
高度なセキュリティ ソリューションのニーズが高まることを見極め、2013年、製品を市場投入しまし
た。北米だけでなくヨーロッパやアジア太平洋地域でも強力な存在感を示すウェブルートは、米国内の各
種企業とのパートナーシップ提携や、自社製品群の継続的な改良を通じて顧客に高度なセキュリティ ソ
リューションを提供することにより、IoITサイバーセキュリティ市場での確固たる地位の確立に今後の照
準を合わせています。
終わりに
現在、ウェブルートは業界で最も包括的なサイバーセキュリティ ソリューションを提供しています。イ
ンターネット接続デバイスが圧倒的に増加している認識のもと、ウェブルートはより高性能かつより多様
なセキュリティ保護のニーズがあることを認識していました。業界トップのMED手法を活用することで、
ウェブルートのBrightCloud Threat Intelligence Servicesは、非常に効率よくあらゆる種類の脅威を検
知し、顧客のネットワークを保護します。2013年に製品を市場投入した時点でウェブルートはすでに強
力なパートナー企業を多数獲得しており、事業提携や買収などによる無機的成長を効果的に推進すること
で、グローバル市場でのより強固な地位の獲得を目指しています。
ウェブルートはその総合的な高い実績が評価され、フロスト&サリバンの「2015 Product Leadership
Award」(2015年度製品リーダーシップ賞)を受賞しています。
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製品リーダーシップの重要性
最終的には、すべての企業の成長は、製品を購入する顧客、さらにまた、顧客が再購入を繰り返したり、
いつ再購入を行うのかといった決定を下すことにかかっています。強固な顧客基盤を構築するために重要
な鍵となるのは、充実した製品ラインや、高品質で高価値の豊富なオプションです。高い品質の製品を提
供し続けるためには、企業は、顧客の需要を理解し、ブランドを育て、競合他社との差別化を図る、この
3点において業界のトップクラスでなければなりません。
・競合他社の顧客を獲得
・契約更新率の拡大
・アップセル率の拡大
・高価値で評判を確立
・市場浸透の拡大
・顧客のロイヤルティを獲得
・強い企業理念を促進
・ブランドの想起率を拡大
・顧客への動機付け
・クリエイティビティで評判を確立
・市場で独自の地位を開拓
・顧客に優れた価値を提供
・戦略を見事に実装
・約束した価値ある提案の実行
・価格と価値の両立
製品リーダーシップを理解する
需要の予測、ブランディング、差別化、これらはすべて、自社の製品ラインを成長させるチャンスを見い
だすための重要な役割を担っています。しかしこの3つの部分からなる焦点には、同時に、こうしたチャ
ンスを業界トップクラスにまで押し上げようという厳しい目的意識も欠かせません。成功を維持するため
には、顧客対応、顧客フィードバック、価格設定、ライバル企業のアクションなど、すべての面で管理と
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監視が必要です。高性能の製品を市場に送り出してビジネスインパクトを改善できる企業なら、そのうち
に市場占有率もおのずと拡大するはずです。
主要なベンチマーク基準
フロスト&サリバンのアナリストは、Product Leadership Award(プロダクトリーダーシップ賞)の選
考において、製品ファミリーの特性とビジネスインパクトという2つの主要な要因について、以下の基準
で独自に評価しました。
製品ファミリーの特性
基準1: ニーズへの対応力
基準2: 信頼性と品質
基準3: 製品/サービスの価値
基準4: ポジショニング
基準5: 設計
ビジネスインパクト
基準1: 業績
基準2: 顧客の獲得
基準3: オペレーション効率
基準4: 成長の可能性
基準5: 人的資本
ウェブルートに実施されたベストプラクティス賞の分析
意思決定サポートスコアカード
複数のビジネスパフォーマンスのカテゴリでのベストプラクティスを評価するために、フロスト&サリバ
ンでは、そのサポート手段としてカスタマイズした意思決定スコアカードを採用しました。このツールに
より、わが社のリサーチチームとコンサルティングチームは、前述の主要なベンチマーク基準リストに従
い、それを踏まえた格付けを行うことでパフォーマンスを客観的に分析できました。10段階評価のこのツ
ールはパフォーマンス評価の微妙な違いを評価することができます。格付けのガイドラインは下図のとお
りです。
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格付けのガイドライン
1-3 不良
4-6 可
7-8 良
9-10 優良
意思決定サポートスコアカードは、製品ファミリーの特性とビジネスインパクト(10種類のベンチマーク
基準で最重要のカテゴリ。各基準の定義はスコアカードの下に記載)で構成されます。リサーチチームは
感度分析を通じてこの加重スコアカードの精度を確認しますが、これは特定の基準で格付けに微細な変更
が生じても、企業の全体的な相対ランクは変わらないことを意味します。
次表に分析結果を示します。公平さを維持し、調査対象となったすべての企業の利益を保護するために、
他の主要な企業を競合他社2と競合他社3として参照できるよう選択しています。
製品リーダーシップ賞の意思決定スコアカード
1-10 測定(1=不良、10=優良)
製品リーダーシップ
製品ファミリーの特性
ビジネスインパクト
平均格付け
ウェブルート
10.0
9.0
9.5
競合他社 2
8.0
8.0
8.0
競合他社 3
6.0
7.0
6.5
製品ファミリーの特性
基準1: ニーズへの対応力
要件:顧客のニーズは製品ファミリーの設計やポジショニングに直接的な影響を与え、動機付けになる
基準2: 信頼性と品質
要件:製品のパフォーマンスとサービスの提供期間は常に顧客の期待に応えるか、それを上回る
基準3: 製品/サービスの価値
要件:製品またはサービスは、市販されている同様の提供物との比較でその価格における最高の価値を提
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供している
基準4: ポジショニング
要件:製品またはサービスには独自性があり、競合他社が容易に複製したり置き換えたりできない、他社
では満たすことができないニーズに対応している
基準5: 設計
要件:製品の設計は革新的で、魅力的なデザインと使いやすさを兼ね備える
ビジネスインパクト
基準1: 業績
要件:売上高、収益成長率、営業利益、その他重要な財務指標に基づいた財務上の総合的な実績で優れて
いる
基準2: 顧客の獲得
要件:製品の強みによって新規顧客の獲得が可能になると同時に、維持できる現在の顧客も増える
p.11
基準3: オペレーション効率
要件:スタッフは高い生産性で迅速に、かつ高品質規格に準拠しながら担当業務を遂行できる
基準4: 成長の可能性
要件:製品の品質がブランドを強化し、顧客のロイヤリティを高め、潜在的な成長性を拡大する
基準5: 人的資本
要件:製品品質と顧客インパクトに対する従業員の強いコミットメントが企業風土となっているために従
業員の士気は向上し、離職率は低下する
意思決定サポートマトリクス
意思決定スコアカードに従ってすべての企業を評価し終わったら、アナリストは、以下に示すマトリクス
上に候補となる企業を配置して、どの企業が本当に成功する企業で、どの企業がまだ最高クラスのレベル
にないかを視覚的に捉えることができます。
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製品リーダーシップ賞の意思決定サポートマトリクス
360°のリサーチとベストプラクティス賞の接点
リサーチの方法論
フロスト&サリバンによる360°のリサーチの方法論が表しているのは、わが社のリサーチプロセスが持
つ分析の厳正さです。フロスト&サリバンが有す7つのリサーチの方法論をすべて統合することで、360°
の視点でとらえた業界の課題、傾向、問題点が明らかになります。あまりにも多くの企業が、社内の限ら
れた情報に基づいて成長に関する重大な意思決定を行っていますが、これが怠慢と権限委任という間違い
の両方につながるのです。成功する成長戦略が基盤とするのは、市場、技術、経済、財務、顧客、ベスト
プラクティス、購買層に関する分析に対する徹底的な理解です。これらのリサーチ項目を360°のリサー
チ方法論に統合することで、業界の参加者をベンチマークで査定し、こうした企業が最高レベルでビジネ
スを実施しているかを特定するための評価プラットフォームを提供しています。
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<図>360-DEGREE RESEARCH~
360°のリサーチ:混沌の中に秩序を見い出す
1. COMPETITIVE INDUSTRY 業界の競争激化
2. CUSTOMER DYNAMICS
カスタマーダイナミクス
3. INDUSTRY CONVERGENCE
業界の収束
4. DISRUPTIVE TECHNOLOGY
破壊的テクノロジー
5. GLOBAL MEGATRANDS
6. BEST PRACTICES
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グローバルメガトレンド
ベストプラクティス
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7. EMERGING MARKETS
新興市場
8. Competitive Benchmarking
9. Demographics
購買層
10. Buying Behavior
購買行動
11. Industry Evolution
業界の発展
12. Industry Expansion
業界の拡大
13. New Vertical Markets
新たな垂直市場
14. Emerging Technologies
新興テクノロジー
15. Technology Obsolescence
16. Smart Cities
テクノロジーの陳腐化
スマートシティ
17. New Business Cultures
18. Crowd Sourcing
新しいビジネスカルチャー
クラウドソーシング
19. Career Development
20. Country Risk
ベンチマークの激化
キャリア開発
カントリーリスク
21. Capital Investments
出資
22. Competitive Strategy
23. Emerging Competition
24. New Applications
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競争戦略
競争の出現
新規適用
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25. Branding and Positioning
26. Needs and Perceptions
27. Segmentation
ブランドの確立とポジショニング
ニーズと認知
セグメンテーション
28. Industry Convergence
29. Availability of Capital
業界の収束
資本の入手の可能性
30. Economic Trends
景気の動向
31. Growth Strategies
成長戦略
32. Growth Implementation
33. Geo Political Stability
34. Sustainability
成長の推進
地政学的な安定性
持続可能性
35. Disruptive Technologies
破壊的テクノロジー
36.CEO CEO
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ベストプラクティスを正しく評価する:ベストプラクティスをリサ
ーチ、特定、評価するための 10 のステップ
フロスト&サリバンの各賞は、候補者を評価する10段階のプロセスを通じて候補者がベストプラクティス
選考の基準を満たしているかの査定を経て決定されます。このプロセスに忠実に従っていることが賞の評
判と正当性の基盤となっています。
<表内の文字>STEP~(行単位で左→右)
ステップ
1
目的
主要なアクティビティ
成果物JECTIVE KEY ACTIVITIES OUTPUT
監視、ターゲットの決定、選抜
世界各国から受賞候補者を特定する
綿密な業界リサーチを実施
新興セクターを特定
複数の業務領域をスキャン
すべてのベストプラクティス基準を潜在的に満たす候補者で構成される情報ルート
2
360°のリサーチの実施
情報ルート内のすべての候補者に対し包括的な360°のリサーチを実施する
ソートリーダー(独自の見解を持つ指導的立場の人物)と業界の実践者をインタビュー
ベストプラクティスの基準に即して候補者を査定
候補者全員のランク付け
パフォーマンス相互比較による候補者全員のポジショニングのマトリクス
3
ソートリーダーシップのベストプラクティスに案内
候補者全員の綿密な審査を行う
ベストプラクティスの基準を確認
候補者全員の適格性を審査
情報にずれがないか確認
ランク付けした候補者全員の詳細なプロフィール
4
リサーチディレクターによるレビューを開始
候補者全員のプロフィールを中立的な立場で評価する
ランク付けのオプションについて意見を出し合う
候補者のパフォーマンスについて複数の視点から意見を求める
候補者のプロフィールを更新
適格な候補者全員の最終的な優先順位とベストプラクティスのポジショニングを記した書類一式
5
業界の専門家で構成する委員会を招集
業界のソートリーダーから成る専門委員会に調査結果を提出する
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調査結果を共有
候補者の適格性に関する論拠の裏付け
候補者の優先順位を決定
賞の候補者の優先順位に関する精査リスト
6
グローバル業界のレビューを実施
候補者の受賞の適格性について合意を形成する
候補者全員をレビューするグローバルチームのミーティングを開催
基準に照らしたプレッシャーテストを実施
適格な候補者全員が含まれていることを確認
世界中のサクセスストーリーを代表する、適格な受賞候補者の最終リスト
7
品質チェックを実施
賞の授与を検討する公式資料の作成
最終的なパフォーマンスベンチマーク活動を実施
推薦書の執筆
品質のレビューを実施
指名候補者の成功に関する高品質で正確かつ創造的なプレゼンテーション資料
8
業界の専門家から成る委員会を再招集
ベストプラクティス賞の受賞者を最終選考する
委員会の分析をレビュー
合意形成
受賞者を決定する
ベストプラクティスのすべての基準に対して最大のパフォーマンスを上げた企業の決定
9
受賞の通知
受賞者に賞が授与されたことを連絡する
に賞を授与
継続的な成功に向けて企業を鼓舞する
受賞者のパフォーマンスを称賛する
受賞者決定の発表と受賞を活用したブランド強化方法の計画の発表
10 戦略的行動への取り組み
受賞した企業は、許可を受けて出資者や顧客に受賞を知らせることができる
報道機関への働きかけを調整
マーケティングプランを策定
将来に向けた戦略的計画における受賞の役割を査定
投資家、報道機関、従業員の間で受賞者の表彰が広く知られる
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フロスト&サリバンについて
フロスト&サリバンはグロース・パートナーシップ・カンパニーとして、クライアントのビジネス成長を
加速させ、成長、イノベーション、リーダーシップにおけるクライアントのクラス最高ポジションの確立
を実現します。フロスト&サリバンのグロース・パートナーシップ・サービスからCEOとCEOのグロー
ス・チームに提供される厳正なリサーチやベストプラクティスのモデルによって、さらに強力な成長戦略
の策定、評価および導入が推進されます。フロスト&サリバンは、世界6大陸、31拠点を通じて「グロー
バル1000」の企業や新興企業、投資業界と50年以上にわたってパートナーシップを締結しています。グ
ロース・パートナーシップへ参加いただくには、http://www.frost.com をご覧ください。
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