離散最適化基礎論 (12) 2015 年 1 月 23 日 演習問題 岡本 吉央

離散最適化基礎論 (12)
演習問題
2015 年 1 月 23 日
岡本 吉央
提出締切: 2015 年 2 月 6 日
復習問題 12.1 最小重み頂点被覆問題では,無向グラフ
追加問題 12.3 次の整数計画問題 (P) を考える.
G = (V, E) と非負頂点重み関数 w : V → R が入力として
(P)
与えられ,w に関する G の最小重み頂点被覆を出力する.
minimize
subject to
次の問題 (P) は,最小重み頂点被覆問題を整数計画問題
minimize
∑
ただし,A ∈ Rm×n , b ∈ Rm , c ∈ Rn は定数であり,x ∈ Rn
w(v)yv
v∈V
subject to
∑
Ax ≥ b,
x ∈ {0, 1}n .
として定式化したものである.
(P)
c> x
が変数である.この問題 (P) の線形計画緩和 (LP) は以下
yv ≥ 1
(∀ e ∈ E),
yv ∈ {0, 1}
(∀ v ∈ V ).
の問題である.
v∈e
(LP)
minimize
subject to
ただし,y ∈ RV が変数である.この問題 (P) の線形計画緩
∑
いま,A のすべての成分は非負であり,かつ,(LP) の許
w(v)yv
容領域である凸多面体において,その任意の頂点の座標が
v∈V
subject to
∑
Ax ≥ b,
0 ≤ x ≤ 1.
和 (LP) は以下の問題である.
(LP) minimize
c> x
yv ≥ 1
(∀ e ∈ E),
0 ≤ yv ≤ 1
(∀ v ∈ V ).
{0, 1/2, 1} の要素であると仮定する.以下の問いに答えよ.
v∈e
1. 問題 (P) の整数性ギャップ,すなわち,
以下の問いに答えよ.
max
c≥0
1. 問題 (LP) の任意の最適解の y ∗ ∈ RV とする.この
とき,次のようにしてベクトル y 0 ∈ RV を構成する.
すなわち,任意の v ∈ V に対して

0 (y ∗ < 1/2 のとき)
v
yv0 =
1 (y ∗ ≥ 1/2 のとき)
(P) の最適値
(LP) の最適値
が 2 以下であることを証明せよ.(ヒント:問題 12.1 を
参考にして,(LP) の最適解から (P) の許容解を構成
してみよ.(LP) の最適解として,その許容領域の頂
点であるものが存在することを利用してもよい.(そ
のような最適解も多項式時間で発見できる.))
v
2. 線形計画問題が多項式時間で解けることを利用し,上
とするのである.このようにして構成された y 0 が (P)
の仮定を満たす問題 (P) に対して,多項式時間 2 近
の許容解であることを証明せよ.
似アルゴリズムを設計せよ.なぜ近似比が 2 以下であ
2. 上の小問における y ∗ と y 0 に対して,
∑
v∈V
w(v)yv0 ≤ 2
∑
るのかも説明せよ.
w(v)yv∗
v∈V
という不等式が成り立つことを証明せよ.
3. 以上を踏まえて,(P) の整数性ギャップが 2 以下であ
ることを証明せよ.
復習問題 12.2 線形計画問題が多項式時間で解けることを
利用し,最小重み頂点被覆問題に対して,近似比が 2 以下
である多項式時間アルゴリズムを設計せよ.なぜ近似比が
2 以下であるのかも説明せよ.(問題 12.1 で証明したことを
用いてもよい.)
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