40号

夏島小学校 学校だより
元気いっぱい
かしわっ子
いじめ
平成27年7月15日発行
NO. 40
校長 小川 義一
連日、岩手県矢巾町で起こった中学二年生の自殺について、報道がされています。かけがえのない命を
絶たざるを得なかった状況は残念でなりません。考えさせられる課題がたくさんあることを改めて感じて
います。
「いじめ」が許されない行為であることは言うまでもありません。しかし「いじめ」はいけないと教育す
ればなくなるかというと、そんな簡単なものではありません。なぜなら「いじめ」の原因は様々なものが
からみあっておこっているからです。ではどうしたら「いじめ」がなくなるのでしょうか。
「いじめ」の芽は調査するまでもなく、人が2人以上いる世界では必ずあります。まずは、なんとなく
感じる違和感、できれば近付きたくない感覚、考えが合わない不信感、やきもちをやきたくなる感覚、こ
れらは人と人とがかかわれば必ず生じるものです。そして「いじわる」が始まります。この時点では本人
も周囲も「いじめ」という感覚はありません。しかしこれは「いじめの芽の芽」となりうるものです。や
がて、もう少しエスカレートしてくると「口論」「威圧」「ひやかし」「からかい」「しかと」「はずし」
などとなります。具体的には「くつかくし」「はやしたてる」「無視する」などの姿としてあらわれてき
ます。これがいわゆる「いじめの芽」です。多くの学校では、この段階で子どもたちや先生が気付きます。
しかし、不幸にしてこれに気付かないか、気付いても互いに連絡し合わないか、見て見ぬふりをすると、
「いじめの芽」がエスカレートして、「物を壊す」「暴力をふるう」「みんなで無視する」などの本格的
な「いじめ」となります。この段階になると、誰も気付かないということはありえず、子ども、先生、家
族などだれかしらは気付くはずです。しかし、この段階でも対策を取らないと、それが世の中で言われて
いる「深刻ないじめ」となります。つまり「いじめ」はあるかないかという二択で生じるものではなく、
些細なことから徐々に進行し、それを周囲が止められないか、忙しいから、面倒くさいから、厄介だから
と言って無視していると、どんどんエスカレートして最後には取り返しのつかない「本格的ないじめ」と
なるというのが現実です。
学校では「いじめの芽」が発見されるたびに、「果たしてこういうことは良いことなのかどうか。」と
じっくりと子どもと先生で考え、心の内面から「いじめをしない、させない、見て見ぬふりをしない子ど
も」を育てることが大切だと考えています。
規則や罰則、威圧で一時的に「いじめ」を封印しても、今度はより見えない場所で巧妙な手口でより「深
刻ないじめ」が発生することが目に見えています。
「いじめ」の原因を特定することは難しいのですが、遠因となりうるものをいくつか考えることはでき
ます。例えば、子供が良好な友達関係ができないこと。子供が不満や悩みのはけ口や相談相手となるはず
の家庭、学校、地域が機能していないこと。子供自身が頭にきた場合にそれを発散する方法をみつけられ
ないこと。いやなことをいやだと言えない、悪いことはやめようといえない勇気や表現力が子どもに育っ
ていないこと。子どもがけんかをうまく仲裁できないこと。子どもの悩んでいる姿や「いじめ」の芽を早
期に察知できない先生の力量のなさ。「いじめ」のやり方をドラマやアニメで具体的に紹介しているマス
コミの姿も疑問です。
「いじめ」を芽の段階で解決できるためには、風通しのよい学校でなくてはなりません。「いじめ」を
発見したことは学級担任の落ち度ではなく、成果ととらえたいと思います。そしてすぐに同僚や校長・教
頭などに伝えてみんなであらゆる解決策を取ります。
つまり、早期に「いじめ」を明るみに出して、子どもや保護者にも働きかけ、芽のうちに解決できる学
校にしたいと思います。
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3・4年生も着衣水泳
7月13日、5・6年生に続いて、3・4年生も着衣水泳を行いました。この日は、ボランティアとして参
加していただいた北体育館の山崎副館長に指導していただきました。山崎副館長は、北体育館でスイミングス
クールの指導をしており、水に浮く姿勢など丁寧に教えていただきました。
追浜まつりで活躍!!
12日に開催された追浜まつりでは本校の子どもたちも追浜ソーランなどに出演させていただきました。改め
て、地域の方々から礼儀や言葉遣い、自己鍛錬力、人間関係力などを育てていただいていると感じました。
子どもたちは学校、家庭だけではよりよい成長ができません。身近な地域社会で見守られ、地域との交流の
中で健全に成長していくことが期待されます。今後も、学校・家庭・地域・社会が連携し子どもたちのより良
い成長を進めていきたいと思います。