東洋法制史

紹 介 項 目
① 講義の目的と範囲
⑤ 関連科目
② 講義方法
(事前履修・同時履修・展開履修科目の提示)
③ 講義計画
⑥ 評価の方法
④ 教 材
⑦ その他の要望事項
東洋法制史
(不文の規範)
第 1 部( 2 回生以上)前期 4 単位
第 9 章(第26~28回) 旧中国社会の特質論、特に民事
裁判の実体
奥村 郁三
第10章(第29~30回) 中国革命と法
① 旧中国の法をほぼ全面的系統的に取り上げる。この法
④ 手頃とはいえないが、著書として織田萬(1868~
は、ヨーロッパとは異質の法の世界と異質の法文化を築
1945)、小島祐馬(1881~1966)、内藤乾吉(1899~
きあげたが、それを理解するために、今年度は法を成り
1978)、仁井田 陞(1904~1966)、滋賀秀三(1926~
立たせる原理の探求の深化に努力する。旧中国の法を知
2008)、各氏、及び奥村(1932~)など。その他の各種論
ることは即ち「中国革命」が何を変えようとしたかを知
文。いずれも専門性の高い大著であったり、論文集であ
ることであり、目下激動を続ける現代中国の理解にも必
ったりするから、教科書的ではない。授業に即して内容
を案内することにする。
ず役立つと信ずる。
② 講義方法は口述だが、最初に全体的なプリントを配付
し、各時間毎に必要なプリントを配付する。①の内容を
⑤ 関連分野としては、日本法史・訴訟法・家族法及び東
洋史・中国思想史など。
纏めたような教科書はないからである。基礎的参考文献
⑥ 評価は、期末、筆記試験。理解度を知りたい。
は④。
⑦ 講義前半は聞き逃さぬよう。さもなくば後半が解から
③ 前半は立法史概略。後半と会わせて「通史」を形成す
る。「通史」の意味は、後半に述べる裁判法や家族法を
理解するための不可欠な基礎知識であるとともに、時代
による法の「変化」(質的発展、変革、則ち「史」-変
化がなければ「史」は成り立たない-)を学ぶことで、
当然、法を成り立たせる原理と法の構造に言及する。
講義計画はおおまかには下記の通りである。全体の大
枠は2012年度と変わらないが、内容は法の原理と法の比
較に力点を置く形に変えた。特に「礼」制との関係に注
意。
後半は、前半の基礎の上に「宗法」(家族法)、「裁判
法」、「慣習」を主として取り上げる。「裁判法」では裁
判手続きの原則と、判決例から法と慣習を考える。
【前半】
第 1 章(第 1 ~ 4 回) 総論。経書と正史、学問史、思
想
第2・3章(第 5 ~ 9 回) 原始から唐までの法典編纂史。
成文法の形成過程
第 4 章(第10~14回) 「法の二大分類基準」「罪刑法
定主義」-成文法と法理論
【後半】
第 5 章(第15~17回) 儒学の展開-朱子学。後半の総
論に当たる
第 6 章(第18~19回) 宋・元・明・清の法典編纂史-
唐律から明律屁の転換
第 7 章(第20~23回) 宗法
第 8 章(第24~25回) 裁判法。罪刑法定主義及び慣習
なくなる。