オーストラリア不動産マーケット分析(2015 年 1 月) 雑誌「Australian

オーストラリア不動産マーケット分析(2015 年 1 月)
雑誌「Australian Property Investor (February2015) 」の統計データに基づき、オース
トラリア主要都市の不動産マーケット情報をレポートします。
オーストラリアの主要都市、シドニー・メルボルン・ブリスベン・パースにおける不動産
マーケットの概況は次の通りです。
シドニー
メルボルン
ブリスベン
パース
不動産マーケッ
現在がピークの
上昇中である
上昇中のマーケ
マーケットは、
トのサイクル
状況で、この地
が、まもなくピ
ットであり、し
価格が下がり、
に投資するのは
ークをむかえる
ばらくはピーク
下降局面にあ
もはや危険な状
状況にあり、投
をむかえないの
る。
況になってい
資は危険な段階
で、投資に適し
る。
に入りつつあ
ている。
る。
空室率
新築家屋に対す
需要に対して供
需要に対して供
需要と供給がバ
供給が過剰で、
給が少なく、空
給がやや少な
ランスしてい
高い空室率にな
室率は非常に低
く、空室率は低
て、正常な空室
っている。
い。
い。
率である。
強い。
非常に強い。
強い。
弱い。
増加している。
増加している。
非常に増加して
少し増加してい
いる。
る。
る需要
新築家屋の建設
状況
家屋の販売戸数
堅調である。
増加している。
堅調である。
減少している。
過去 1 年の価格
11.5%
6.1%
5.3%
1.4%
▲8.1%
▲8.2%
▲2.4%
14.7%
上昇率
不動産在庫戸数
の増減率(注)
(注)不動産の在庫が減少すると供給不足になるので、一般的には不動産価格は上昇します。
つまり、マイナスが大きければ供給不足となり市況は良くなり、プラスが大きければ
市況が悪くなります。
<解説>
上記の一覧表で示した通り、シドニーは引続き需要が旺盛ですが、おそらく現時点がピ
ークであると思われます。一般的にいえば、不動産マーケットにはサイクルがありますの
で、一本調子で不動産価格が上がり続けることはありません。過去、2 年間に渡り、シド
ニーは中国人バイヤーの積極的な新築不動産購入によって、加熱状況にありました。
メルボルンは、シドニーに少し遅れながら追随している状況で、ピークをむかえるのは
もう少し先になりそうです。引続き、投資に適した状況と言えそうですが、今後のシドニ
ーの動向にもマーケットは影響されるものと予測されます。
ブリスベンは、シドニー・メルボルンに後れをとっておりました。これは、シドニー・
メルボルンの不動産に火がつき始めた頃に、ブリスベンを襲った洪水が原因なのかもしれ
ません。オーストラリアにおける外国人の不動産投資は、ブリスベンにおいても堅調にな
ってきており、ようやく価格は上昇局面に入り、比較的、投資環境は優れていると評価で
きます。ただし、新築物件の供給が急増していることから、急激な値上がりは見込めない
かもしれません。
パースがなぜここまで落ち込んでいるのかの分析は、統計データにのみからは判然とし
ませんが、状況は必ずしも良くはありません。どの指標を見ても、投資環境が優れている
とは言えませんが、それでも不動産価格を上回っています。