(2)第3学年 視点1「判断基準と表現例,読みの視点の設定」の検証 単元名 「かるた」 (光村3年下) ,平成 26 年 2 月実施 ア 単元の評価規準 国語への関心・意 欲・態度 読むこと 書くこと 言語についての知 識・理解・技能 ○ かるたについて関心をもち,進んで文章を読んだり,人に聞いたりす る。 ○ 中心となる語や文をとらえながら読み,小見出しを立てて段落の内容 を整理している。 ○ 知っていることと知らなかったことを分けて文章を読み,大切な言葉 や文を書き出している。 ○ 小見出しの付け方について発表し合い,友達との考え方の違いに気付 いている。 ○ これまでの学習から題材を選び,かるたの文を作っている。 ○ ことわざや慣用句について関心をもち,意味や使われ方を調べている。 ○ 指示語について理解し,指示語を使ったやり取りをしている。 イ 本実践のねらい ○ 小見出しを作る際に,B 判定(おおむね満足できる状況)の見取り方を設定することで,何を どのように指導すればよいかを明確にする。また,B 判定に到達していない子どもへの手立てを 準備して指導に当たることで,どの子どもにも確かな「国語の力」の習得を保障できるようにす る。 ウ 実際(全 8 時間) ※ 網掛けは,視点との関連。 過程 主な学習活動 1 かるたで学習することを知り, 学習の見通しを もつ。 (1) 2年生の学習内容のかるたを行うことを通 つ して,3年生の学習内容をかるたにして,2年 か み 生に説明するという意欲を高め,学習内容を設 見 定する。 通 す 2年生にわかりやすい, 「3年生国語かる ① た」を作ろう。 (2) 学習計画を立てる。 (3) 段落分けをする。 2 小見出しの上手な作り方を考える。 (1) こそあど言葉に気をつけながら,第1段落 を読み,大切な言葉を探す。 (2) 上手な小見出しのつけ方について考える。 3 いろはかるたや百人一首はどんなかるたか考 える。 調 べ いろはかるたや,百人一首はどんなかるた 考 なのだろうか。 え (1) 第2段落の小見出しを全体で考える。 る ④ 【読みの視点】 ・ いろはかるたがどんなかるたか分かる文 を探す。 ・ 百人一首がどんなかるたか分かる文を探 す。 ・ 大事な言葉や文を抜き出す。 - 18 - 指導上の留意点 ○ 教師自作の「2年生国語かるた」を 見せることで,同じように「3年生国 語かるた」を作って2年生に教えてあ げたいという学習意欲をもたせる。 ○ 3年生で学習した内容から,どの内 容をかるたにするのか,考えておくよ うに伝えておく。 ○ こそあど言葉を確認し,指し示す内 容を押さえることによって,内容をし っかり読み取れるようにする。 ○ 今まで学習したことを思い出しなが ら,大事な言葉や文に線を引いて,小 見出し作りのヒントにする。 ○ 第2時で学習したことを生かして小 見出しを作り,話し合いながらよりよ いものにしていく。 【表現例】 (B 判定) 2段落…「いろはかるた」 「ことわざ」 を用いて,いろはかるたの特徴が分 かる小見出し 3段落…「百人一首」 「短歌」を用いて, 百人一首の特徴が分かる小見出し ・ 抜き出した言葉や文から,小見出しを作る。 (2) 個別に第三段落の小見出しを考える。 ○ 分からない子には,大事な言葉が書 ・ 二段落と同じように小見出しを付ける。 かれたヒントカードを準備する。 ヒントカ ードで大 事な言葉 が何か分 かったよ。 伝 え ②高 め 合 う ふ り 返 り 生 か す ① (3) 書いた小見出しをグループで見比べてより よい小見出しを考える。 (4) 作った小見出しを発表する。 ことわざを集めたいろはかるた 短歌を集めた百人一首 (5) 本時で学習したことをカードにまとめる。 4 小見出しを付けるよさについて考える。 (1) 小見出しのつけ方を振り返りながら第4・ 5・6段落の小見出しをつける。 (2) 小見出しのよさについて考える。 5 「かるた」が,文章の組み立てについて考える。 (1) 作った小見出しから,段落構成を考える。 (2) 筆者の考えをまとめる。 6 「3年生国語かるた」の読み札を作る。 (1) これまでに学習した内容を小見出しにして 表し,読み札を作る。 7 「3年国語かるた」の取り札を作る。 ○ これまでの学習を生かして,小見出 しを自分の力で作れるようにする。 ○ 小見出しをつけると,段落の内容が 分かりやすくなることに気付けるよう にする。 ○ 過去の学習と同じように, 「はじめ・ 中・終わり」の 3 つに分けられること に気付かせる。 ○ 今まで学習したことを生かして,場 面や段落ごとに「3 年生国語かるた」を 作れるようにする。 ○ 大事な言葉は何かを考え,落とさな いようにすることを意識させる。 8 出来上がった「3年生国語かるた」の交流会を ○ 友達の作品で遊ぶことで,短くまと 開く。 めてあるか,分かりやすいか,大事な (1) 良くできている所を見つけて,交流し合う。 言葉は抜けていないかの3点を中心 (2) なおしたい所があれば,書きなおす。 に,良い所を見つけ合い,自分のかる (3) 学習を振り返る。 たに生かせるようにする。また,学習 への達成感につなげるようにする。 エ 成果と課題 ○ これまでの授業では,A 判定としての完成形の 表現例だけを想定して指導に当たることが多か ったが,それをワンランク下した B 判定にして準 備したことで,落としてはいけない中心となる言 葉がより明確になり,それに気付かせるためのよ り具体的な観点を「読みの視点」として子どもた ちに示すことができた。 ● ヒントカードは,教師が渡すのではなく,必要 に応じて自分で取るなどの選択ができるように した方がよい。また,ヒントカード以外の手立て として,子ども同士の横のつながりを生かす方法 も探っていきたい。 - 19 -
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