FOCUS 20,000TEU型世界最大級のコンテナ船 運航面・その他の取り組み 「Eco Sailing (エコセーリング) 」 の徹底 世界最大級となる20,000TEU型の大型コンテナ船に、各種最新の環境負荷低減技術を積極的に採用し、 差別化を図ることで、環境保全で世界の海運をリードします。 本船は、大型化による効率化と環境負荷低減技術をもって、現在の世界のコンテナ船の主要船型である8,000TEU型と比較して、 *当社が運航する最新型の8,000TEU型比 有害物質インベントリリスト (一覧表) 当社では、船舶のエネルギーフローを把握し、 エネルギーロスを極力少なくして有効活用 シップリサイクル条約発効に先 し、燃料削減および環境負荷低減に取り組む省エネ推進の考え方を 「Eco Sailing」 と呼んで、 立ち、インベントリリスト (一覧表) 運航の際に徹底しています。具体的には、①減速運航の適切な実施、②気象・海象予測、最適 を作 成・所持することで、船級符号 トリム、 ③最適航路の選定、 ④機器類の運用・保守の最適化などの対策を実施しています。 LR-ECO(IHM)を取得。 ■ 最適トリム運航 特集 1コンテナを輸送するに当たり排出するCO₂量を約50%削減することができます。 CO2 シップ リサイクル 最適トリム 従来 運航姿勢の変化による推進抵抗の増減に着目し、 本船が運航する上で最も抵抗の少ないトリムを水 槽試験により検証し、省エネ運航に役立てます。 船尾トリム状態 (船尾を沈めた状態) 船首トリム状態 (船首を沈めた状態) CSR 技術面の取り組みにより 削減 安全運航 50% CO₂ コンプライアンス 7 1 9 5 人材育成 2 8 6 12 4 3 技術面の取り組み CO2 居 住 区 空 調システム・冷 却 海 水ポンプ・機関室通風ファンにイン バータ制御を採用。大容量ファン・モーターの回転数を適切に制御す ることで、消費電力を最低限度に抑え、燃料消費の無駄を抑えます。 (with Rudder bulb) の排気ガスのエネルギーを回収し、燃費向上に寄与します。 縦性が向上し、 プロペラキャビテーションによる舵へのダメージ CO2 4 船体推進付加物 CO2 NOx SOx 環境規制の一つである、SOx規制に対応するための措置とし プロペラ前方の船体没水部に整流FINを装備。プロペラに流入する水 流を最適化することにより、1.5∼2%の燃節効果を見込んでいます。 商船三井グループ 安全・環境・社会報告書 2015 CO2 低負荷域での運航を重視したL LT (ローロードチューニング) と呼ばれるもので、低負荷域で良い燃費率を実現させるシ ステムです。 て、LNG燃料に転換するための機器配置検討とスペースの確 9 PMI auto tuning 7 SOxスクラバーレトロフィット対応 SOx CO2 エンジンシリンダーの筒内圧力を監視し、燃料の噴射タイミ ングを自動で調整することで、筒内最高圧力を最適にする LNG燃料転換への対応だけでなく、今後の燃料供給状況に 装置です。筒内圧力を適正に調整することで、燃焼を最適に 対して柔軟に対応するため、SOxスクラバーのレトロフィット し、燃費が改善されます。 を容易にできるよう考慮した設計としています。 10 船型最適化 CO2 船首尾船型および船首バルブ形状の最適化により4.5%の燃 節効果を見込んでいます。 11 低摩擦船底塗料 CO2 船体没水部の表面に摩擦抵抗の少ない新型塗料を塗布する ことにより、推進抵抗が減少し、燃節効果が期待されます。 12 バラスト水処理装置 データ CO2 8 排ガスバイパス (EGB)による 低負荷チューニング を軽減します。 保を行っています。 37 CG提供:サムスン重工業 (株) にツイストさせ、中央前方に丸みを帯びた形状の構造物である 6 LNGへの燃料転換に対応 翼端に角度を設けることで、約1%のプロペラ効率が上昇します。 (SAVER STATOR) 11 プロペラ後流の渦エネルギーを回収するために、前縁部を左右 「バルブ」 を配置した舵を採用。 また、 吊り舵方式とすることで、 操 CO2 4台中2台の発電機に排ガスエコノマイザを装備しています。発電機 3 高効率プロペラ 10 CO2 社会貢献活動 2 発電機 5 Full Spade twisted rudder 環境 1 補機類 バラスト水 バラスト水管理条約発効を見据え、 バラスト水処理装置を搭載。 商船三井グループ 安全・環境・社会報告書 2015 38
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