2016年3月号発行(PDF形式)

『春の歌声』
撮影者:冨士久美子
こんな本あるでないで ︵その
︶
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徳島科学史研究会会員
三原茂雄︵広島︶
が見た二本松戦争 武士道の精髄を
尽くした戦い﹄がある。数学とは無
関係であり、数学の何かを求めて読
む本ではない。
対数表﹄の出版物がある。
なお、題名に数学者が付いている
本としては、渡部由輝・著﹃数学者
は﹃理軒の問題は正当﹄と判定を下
す。⋮﹂とあり、この事件後理軒は
小出の弟子となる。二人には﹃算法
学んだ人物だ。日下は、関孝和を創
始者とする関流の最高位免許状﹁印
可﹂を与えられた人物だった。小出
天 文 暦 法 の 総 元 締 め、 土 御 門 家 が、
小出兼政︵徳島では、
幼名の長十郎︶
に判定を委ねた。小出は、日下誠に
で 始 め た 順 天 堂 塾 は 東 京 に 移 さ れ、
現在も順天中学校・高校︵順天堂大
学とは関係がない︶として続いてい
る。
話は変わるが、理軒と徳島はかか
わりが深いのだ。 間に二田の戦い・
論争と言われる事件である。理軒の
奉納した算額に師匠の武田真元が問
題があると言うのだ。
この判定に﹁⋮
∼
﹃筆算をひろめた男 幕末明治の算数物語﹄丸山健夫・著∼
昔、読み、書き、ソロバンと言わ
れたソロバンには、計算と言う意味
が多く含まれている。また、算盤と
も書くのだが、算の字を使えば、江
戸時代には数学︵和算︶のことを算
と言っていたので、数学の意味も含
むことがある。
かなり知られている江戸期の数学
の教科書的な本﹃塵劫記﹄は、算盤
の計算方法の本である。いわば、計
算と言うことは算盤ですることで
あった。和数字︵一、
二、
三⋮︶に加
えて、洋数字と言われるインド・ア
ラビア数字︵1・2・3⋮︶が日本に
入ってくる、やがて日本の学校教育
にも取り入れられる。学校教育で算
数︵この言葉は、明治期は算術、や
がて昭和の世界大戦の頃、尋常小学
校が国民学校になったころから使わ
れる︶は、和算から洋算に替えたの
である。
﹃筆算をひろめた男
幕末明治の
算数物語﹄は、和算家・福田理軒の
物語であり、
彼の著した﹃西算速知﹄
を中心とした物語であり、計算を算
盤から筆算に移行していく、
いわば、
縦書き数学から︵西洋の︶横書き数
学への話しである。彼自身が、大坂
『筆算をひろめた男 幕末明治の算数物語』
丸山健夫・著
(臨川書店)
2
松茂町広島字北ハリ25-1
TEL・FAX 088-699-8778
営業時間:9時∼19時
定休日:月曜、第2・3火曜
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ファンファーレ
絵手紙展
ギャラリーカフェ
ファンファーレ
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◎ファンファーレ
絵手紙展
期間…3/1㈫∼3/31㈭
作品…絵手紙 約60点
9:00∼16:00まで
水曜日定休
〒 771-0219 徳島県板野郡松茂町笹木野字八山開拓 214-9
TEL
088-699-2406 水曜定休
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