第4章 医療情報等の分析による健康課題 1 医療費の状況 (1)医療費の経年変化 平成 24 年度から平成 26 年度の本市、三重県、全国における医科の一人当たり医療費 の推移を合計、入院、外来とそれぞれ表しています。(図 4-1) 一人当たりの医療費は、三重県や全国よりも高い状況で、入院、外来ともに上回る結 果となっています。 【図 4-1】被保険者一人当たり医科医療費の推移(平成 24 年度から平成 26 年度) ※KDB データ 10 平成 24 年度から平成 26 年度の本市、三重県、全国における歯科の一人当たり医療費 の推移を表しています。(図 4-2) 歯科医療費においても、年々増加傾向にありますが、特に平成 25 年度から平成 26 年 度にかけては、増加幅が拡大している状況となっています。 【図 4-2】被保険者一人当たり歯科医療費の推移(平成 24 年度から平成 26 年度) ※KDB データ 11 (2)性別・年齢別の被保険者一人当たり医療費の状況 平成 26 年の診療結果から、一人当たり医療費を男女別、年齢階級別に表しています。 (図 4-3、図 4-4) 一人当たり医療費は、概ね年齢が高くなると増加しています。また、男女別では、外 来・入院ともに男性の医療費が高く、特に入院医療費は、男性が高い状況となっていま す。 【図 4-3】被保険者一人当たり入院医療費(男女別)(年齢階級別)(平成 26 年) 男 女 ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) 【図 4-4】被保険者一人当たり外来医療費(男女別)(年齢階級別)(平成 26 年) 男 女 ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) 12 (3)疾病分類別の医療費の状況 平成 26 年度の診療結果から、疾病別の医療費割合を入院、外来別に表しています。 (図 4-5) 入院では「新生物」 「精神」 「循環器(心疾患、脳疾患) 」が多く、外来では「循環器(高 血圧)」「内分泌(糖尿病、代謝障害) 」「筋骨格」「尿路性器(腎不全)」が多くなってい ます。 【図 4-5】疾病分類別 医療費割合(平成 26 年度) 【入院】 【外来】 大分類 新生物 中分類別分析(%) 2 0.1 その他のがん 7.8 直腸S状結腸移行部 及び直腸のがん 3.0 気管、気管支及び肺のがん 1.8 統合失調症、統合失調症型障害 及び妄想性障害 精神 循環器 .消化器 1 9.4 大分類 中分類別分析(%) 高血圧性疾患 循環器 1 6.3 その他の心疾患 12.9 9.0 3.0 虚血性心疾患 1.9 糖尿病 8.8 その他の内分泌、栄養 及び代謝障害 6.4 気分(感情)障害 (躁うつ病を含む) 2.6 その他の精神及び行動の障害 1.8 甲状腺障害 0.4 その他の心疾患 5.2 脊椎障害(脊椎症を含む) 2.7 内分泌 1 8.3 虚血性心疾患 4.9 脳梗塞 3.0 関節症 1.9 その他の消化器系の疾患 4.4 腎不全 6.6 7.0 胆石症及び胆のう炎 胃潰瘍及び十二指腸潰瘍 筋骨格 1 5.6 尿路性器 1.3 0.4 1 0.2 炎症性多発性関節障害 9.1 前立腺肥大(症) その他の腎尿路系の疾患 ※KDB データ 13 1.9 0.9 0.6 平成 26 年度の診療結果から、疾病別の医療費割合、被保険者一人当たり医療費、被保 険者 1,000 人当たりレセプト件数を本市、三重県、全国ごとに表しています。(図 4-6) 一人当たり医療費では「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」 「糖尿病」 「高 血圧性疾患」が高くなっています。また、レセプト件数では「高血圧性疾患」 「その他の 内分泌・栄養及び代謝疾患」「糖尿病」が多くなっています。これら3疾病における被保 険者一人当たり医療費は三重県、全国と比較すると高い結果となっています。 【図 4-6】疾病分類別、医療費及びレセプト件数(上位 20 分類)(平成 26 年度) 桑名市 被保険者数: 31,541 人 順位 中分類名 <一人当たり医療費上位 20 分類>> 医療費 割合 被保険者 一人当たり 医療費 (円) 三重県 被保険者数: 500,056 人 被保険者 1,000人当たり レセプト件数 (件) 医療費 割合 被保険者 一人当たり 医療費 (円) 全国 被保険者数: 32,318,324 人 被保険者 1,000人当たり レセプト件数 (件) 医療費 割合 被保険者 一人当たり 医療費 (円) 被保険者 1,000人当たり レセプト件数 (件) 1 統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害 6.6% 20,170 170.6 6.4% 18,510 164.3 5.6% 14,847 2 糖尿病 5.8% 17,724 558.3 5.9% 16,995 573.4 5.6% 14,682 463.4 3 高血圧性疾患 5.7% 17,310 1,122.4 6.0% 17,224 1,169.1 5.7% 15,072 955.2 4 その他の悪性新生物 4.7% 14,284 80.4 4.4% 12,743 74.7 4.5% 11,855 68.8 5 腎不全 4.6% 13,838 43.6 6.1% 17,490 52.4 6.1% 15,973 46.8 6 その他の内分泌,栄養及び代謝疾患 4.0% 12,202 689.4 3.9% 11,347 694.3 3.7% 9,805 544.4 7 その他の心疾患 3.9% 11,710 182.3 4.0% 11,547 177.7 4.0% 10,646 154.6 8 その他の眼及び付属器の疾患 3.1% 9,556 539.3 2.5% 7,232 462.2 2.4% 6,363 379.0 9 その他の消化器系の疾患 3.1% 9,360 182.1 2.8% 7,969 174.0 3.2% 8,395 178.0 10 虚血性心疾患 3.0% 9,238 134.4 2.9% 8,218 108.7 2.6% 6,882 92.1 11 気分[感情]障害 (躁うつ病を含む) 2.8% 8,539 239.0 2.1% 6,156 184.3 2.3% 6,046 171.7 12 脊椎障害(脊椎症を含む) 2.3% 7,118 248.1 2.1% 5,912 223.3 1.9% 5,122 161.4 13 その他の呼吸器系の疾患 2.1% 6,334 138.6 2.1% 6,149 129.5 2.3% 5,972 116.9 14 脳梗塞 1.9% 5,701 78.8 1.8% 5,288 71.0 1.9% 4,950 58.0 15 関節症 1.9% 5,625 201.5 1.7% 4,749 187.1 1.8% 4,695 168.4 16 直腸S状結腸移行部及び直腸の悪性新生物 1.7% 5,147 17.0 0.8% 2,401 10.3 0.9% 2,326 8.9 17 その他の神経系の疾患 1.5% 4,563 148.8 1.8% 5,253 156.4 1.9% 4,958 139.4 18 炎症性多発性関節障害 1.4% 4,333 93.9 1.6% 4,556 103.9 1.5% 3,926 81.2 19 ぜんそく 1.4% 4,250 146.2 1.3% 3,875 163.8 1.6% 4,289 176.4 1.2% 3,708 17.7 1.8% 5,112 18.6 1.4% 3,630 14.9 20 気管,気管支及び肺の悪性新生物 桑名市 被保険者数: 31,541 人 順位 中分類名 <<レセプト件数上位 20 分類>> 医療費 割合 被保険者 一人当たり 医療費 (円) 三重県 被保険者数: 500,056 人 被保険者 1,000人当たり レセプト件数 (件) 医療費 割合 被保険者 一人当たり 医療費 (円) 148.6 全国 被保険者数: 32,318,324 人 被保険者 1,000人当たり レセプト件数 (件) 医療費 割合 被保険者 一人当たり 医療費 (円) 被保険者 1,000人当たり レセプト件数 (件) 1 高血圧性疾患 5.7% 17,310 1,122.4 6.0% 17,224 1,169.1 5.7% 15,072 955.2 2 その他の内分泌,栄養及び代謝疾患 4.0% 12,202 689.4 3.9% 11,347 694.3 3.7% 9,805 544.4 3 糖尿病 5.8% 17,724 558.3 5.9% 16,995 573.4 5.6% 14,682 463.4 4 その他の眼及び付属器の疾患 3.1% 9,556 539.3 2.5% 7,232 462.2 2.4% 6,363 379.0 5 皮膚炎及び湿疹 0.9% 2,675 262.1 0.7% 2,052 212.1 0.9% 2,370 208.6 6 脊椎障害(脊椎症を含む) 2.3% 7,118 248.1 2.1% 5,912 223.3 1.9% 5,122 161.4 7 アレルギ-性鼻炎 1.0% 3,099 241.7 0.9% 2,530 210.2 0.9% 2,257 171.2 8 気分[感情]障害 (躁うつ病を含む) 2.8% 8,539 239.0 2.1% 6,156 184.3 2.3% 6,046 171.7 9 関節症 1.9% 5,625 201.5 1.7% 4,749 187.1 1.8% 4,695 168.4 10 その他の急性上気道感染症 0.7% 2,072 199.0 0.6% 1,780 176.7 0.6% 1,560 149.7 11 その他の心疾患 3.9% 11,710 182.3 4.0% 11,547 177.7 4.0% 10,646 154.6 12 その他の消化器系の疾患 3.1% 9,360 182.1 2.8% 7,969 174.0 3.2% 8,395 178.0 13 胃炎及び十二指腸炎 1.1% 3,222 177.3 1.0% 2,858 181.9 1.0% 2,728 155.4 14 屈折及び調節の障害 0.5% 1,626 173.3 0.4% 1,100 143.4 0.4% 950 125.8 15 統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害 6.6% 20,170 170.6 6.4% 18,510 164.3 5.6% 14,847 148.6 16 その他の神経系の疾患 1.5% 4,563 148.8 1.8% 5,253 156.4 1.9% 4,958 139.4 17 ぜんそく 1.4% 4,250 146.2 1.3% 3,875 163.8 1.6% 4,289 176.4 18 白内障 0.9% 2,810 142.2 0.9% 2,684 161.4 0.9% 2,294 106.1 19 骨の密度及び構造の障害 1.1% 3,327 142.1 1.0% 2,787 146.6 1.1% 2,807 127.6 20 その他の呼吸器系の疾患 2.1% 6,334 138.6 2.1% 6,149 129.5 2.3% 5,972 116.9 ※KDB データ 14 (4)後期高齢者の医療費の状況 平成 26 年度の診療結果から、後期高齢者医療制度被保険者における疾病別の被保険者 一人当たり医療費、被保険者 1,000 人当たりレセプト件数を本市、三重県、全国ごとに 表しています。(図 4-7) 一人当たり医療費では、 「腎不全」や「高血圧性疾患」が高く、レセプト件数では、 「高 血圧性疾患」 「糖尿病」が高くなっています。 (図 4-7)の国保加入者(75 歳未満)では、 上位に入らなかった「腎不全」が、後期高齢者(75 歳以上)では高くなっています。 【図 4-7】後期高齢者における疾病分類別医療費及びレセプト件数(上位 10 分類) (平成 26 年度) 順位 被保険者一人当たり医療費(円) 対象者一人当たり医療費(円) 中分類名 桑名市 三重県 全国 1 その他の心疾患 60,659 57,203 57,863 2 腎不全 54,757 54,215 52,192 3 高血圧性疾患 40,998 46,311 40,832 4 その他の呼吸器系の疾患 37,103 35,167 35,424 5 脳梗塞 32,289 28,703 33,835 6 糖尿病 27,578 27,995 27,642 7 脊椎障害(脊椎症を含む) 27,451 20,885 22,972 8 虚血性心疾患 26,639 23,874 22,666 9 その他の悪性新生物 10 骨折 26,254 27,513 26,084 25,396 29,817 29,654 被保険者 1,000 人当たりレセプト件数 対象者1,000人当たりレセプト件数 順位 中分類名 桑名市 1 高血圧性疾患 三重県 全国 10,763.7 13,914.7 13,428.5 2 その他の心疾患 8,998.8 8,820.6 9,032.9 3 その他の眼及び付属器の疾患 6,780.5 6,125.3 6,122.7 4 その他の消化器系の疾患 4,983.6 4,406.4 4,685.9 5 糖尿病 4,352.3 4,971.5 4,744.7 6 その他の内分泌、栄養及び代謝障害 3,364.4 3,927.1 5,120.8 7 虚血性心疾患 3,326.8 2,877.3 3,352.4 8 アルツハイマー病 3,201.7 2,781.8 3,292.3 9 脊椎障害(脊椎症を含む) 3,003.7 3,412.6 3,595.1 3,001.6 3,929.3 3,718.2 10 腎不全 ※KDB データ 15 (5)子どもの医療費の状況 平成 26 年度の診療結果から、18 歳未満の子どもの疾病別の被保険者一人当たり医療 費、被保険者 1,000 人当たりレセプト件数を本市、三重県、全国ごとに表しています。 (図 4-8) 医療費、レセプト件数ともに、「急性気管支炎及び急性細気管支炎」が上位 10 位に入 っています。また、県や全国と比較すると医療費やレセプト件数は低い値ですが、ぜん そくの医療費が高くなっていることがわかります。 【図 4-8】小児患者における疾病分類別医療費及びレセプト件数(上位 10 分類) (平成 26 年度) 順位 被保険者一人当たり医療費(円) 対象者一人当たり医療費(円) 中分類名 桑名市 三重県 全国 1 その他の急性上気道感染症 6,927 4,717 4,617 2 ぜんそく 6,240 8,208 10,854 3 その他の呼吸器系の疾患 5,578 4,080 4,175 4 その他の周産期に発生した病態 4,055 2,960 2,765 5 急性気管支炎及び急性細気管支炎 3,885 4,235 4,449 6 アレルギー性鼻炎 3,842 4,040 4,161 7 脳性麻痺及びその他の麻痺性症候群 3,443 1,351 743 8 その他損傷及びその他外因の影響 3,183 2,912 3,439 9 その他の皮膚及び皮下組織の疾患 2,990 2,146 2,452 2,692 393 290 10 真菌症 被保険者 1,000 人当たりレセプト件数 対象者1,000人当たりレセプト件数 順位 中分類名 桑名市 三重県 全国 1 その他の急性上気道感染症 690.2 499.2 455.9 2 急性気管支炎及び急性細気管支炎 369.1 378.0 371.9 3 アレルギー性鼻炎 341.9 342.6 354.4 4 ぜんそく 339.5 428.8 564.6 5 屈折及び調節の障害 313.2 266.5 243.5 6 皮膚炎及び湿疹 305.4 322.6 384.7 7 その他の皮膚及び皮下組織の疾患 243.4 216.2 239.4 8 その他の呼吸器系の疾患 223.9 205.3 203.5 9 急性咽頭炎及び急性扁桃炎 203.1 216.1 174.6 180.0 196.5 210.3 10 その他損傷及びその他外因の影響 ※KDB データ 16 (6)高額医療費の状況 平成 26 年度の診療結果から、高額レセプト(100 万円以上)全体に占める疾病別の発 生割合を表しています。(図 4-9) 「その他のがん」と「その他の心疾患」の割合が高い状況です。 【図 4-9】高額レセプトの疾病別割合(平成 26 年度) ※KDB データ (7)がんの状況 平成 26 年の診療結果から、がんの種別ごとに患者数や医療費、割合を男女別で表して います。(図 4-10、図 4-11) 男性は大腸(直腸及び結腸)がん、女性は乳がんの医療費が高くなっています。 【図 4-10】がんの医療費(男性)(平成 26 年) 医療費 順位 1 2 3 4 5 6 疾病分類名 直腸および結腸がん 前立腺がん 肺がん 胃がん 肝臓がん すい臓がん その他 患者数(人) 88 99 45 61 22 12 104 医療費(千円) 28,009 16,227 16,100 8,870 7,591 4,267 100,703 患者発生率 患者構成 割合 0.50% 0.56% 0.26% 0.35% 0.13% 0.07% 0.59% 20.4% 23.0% 10.4% 14.2% 5.1% 2.8% 24.1% ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) 17 【図 4-11】がんの医療費(女性)(平成 26 年) 医療費 順位 1 2 3 4 5 6 7 疾病分類名 乳がん 肺がん 肝臓がん 直腸および結腸がん 胃がん すい臓がん 子宮がん その他 患者数(人) 126 33 8 63 28 9 38 89 医療費(千円) 患者発生率 患者構成 割合 0.71% 0.18% 0.04% 0.35% 0.16% 0.05% 0.21% 0.50% 32.0% 8.4% 2.0% 16.0% 7.1% 2.3% 9.6% 22.6% 24,663 11,472 8,161 6,291 5,536 3,984 3,498 80,722 ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) (8)人工透析に占める糖尿病患者の割合の状況 平成 27 年 12 月時点の国民健康保険被保険者及び後期高齢者医療制度被保険者の人工 透析を必要とする方のうち、糖尿病を有する方の人数割合を表しています。(図 4-12、 図 4-13) 国民健康保険、後期高齢者ともに、糖尿病ありの割合は 50%前後と高く、年齢階層で 見ると、60 代後半から 70 代前半において、糖尿病ありの人数が多くなっています。 【図 4-12】人工透析患者における糖尿病併発者の人数割合(国保) (平成 27 年 12 月) 【国保】人工透析男女割合 人工透析の方の糖尿病り患状況 (男) 女 男 糖尿病なし 18 人工透析の方の糖尿病り患状況 (女) 糖尿病あり 糖尿病なし 糖尿病あり 糖尿病あり 糖尿病なし 50 43 45 40 35 35 30 25 20 15 12 10 5 6 7 3 4 2 2 12 9 8 8 5 0 29歳以下 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳 総計 ※KDB データ 【図 4-13】人工透析患者における糖尿病併発者の人数割合(後期) (平成 27 年 12 月) 【後期】人工透析男女割合 人工透析の方の糖尿病り患状況 人工透析の方の糖尿病り患状況 (男) 女 糖尿病なし 男 (女) 糖尿病あり 糖尿病あり 80 糖尿病なし 糖尿病あり 糖尿病なし 68 70 61 60 50 40 25 30 20 10 18 16 9 5 5 13 16 7 10 5 0 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85~89歳 90~94歳 95~99歳 100歳以上 19 総計 ※KDB データ 2 特定健康診査・特定保健指導の状況 (1)特定健康診査受診率の状況 平成 24 年度から平成 26 年度の特定健診の受診状況を、男女別、年齢別に表していま す。(図 4-14)男女ともに、年々、受診率は増加傾向にあります。 【図 4-14】男女別、特定健診受診率(平成 24 年度から平成 26 年度) 年度・ 年齢(歳) 平成2 4 年度 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 平成2 5 年度 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 平成2 6 年度 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 健診対象者( 人) 男 1 0,2 2 1 788 730 676 704 1,734 2,771 2,818 1 0,2 4 6 752 773 683 647 1,520 2,873 2,998 1 0,2 3 0 748 779 712 638 1,304 2,984 3,065 女 1 1,8 5 5 721 629 688 929 2,531 3,226 3,131 1 1,9 6 8 675 670 658 928 2,266 3,369 3,402 1 1,9 2 6 648 665 671 914 2,028 3,499 3,501 計 2 2 ,0 7 6 1,509 1,359 1,364 1,633 4,265 5,997 5,949 2 2 ,2 1 4 1,427 1,443 1,341 1,575 3,786 6,242 6,400 2 2 ,1 5 6 1,396 1,444 1,383 1,552 3,332 6,483 6,566 健診受診者数( 人) 男 2 ,75 1 120 86 122 124 412 908 979 3 ,24 1 141 136 132 141 441 1,091 1,159 3 ,48 2 157 132 145 152 387 1,204 1,305 ※KDB データ 20 女 4 ,22 0 117 129 175 274 932 1,285 1,308 4 ,77 7 145 130 194 323 910 1,529 1,546 5 ,08 0 152 151 209 326 863 1,690 1,689 健診受診率( %) 計 6 ,9 71 237 215 297 398 1,344 2,193 2,287 8 ,0 18 286 266 326 464 1,351 2,620 2,705 8 ,5 62 309 283 354 478 1,250 2,894 2,994 男 2 6 .9% 15.2% 11.8% 18.0% 17.6% 23.8% 32.8% 34.7% 3 1 .6% 18.8% 17.6% 19.3% 21.8% 29.0% 38.0% 38.7% 3 4 .0% 21.0% 16.9% 20.4% 23.8% 29.7% 40.3% 42.6% 女 3 5 .6% 16.2% 20.5% 25.4% 29.5% 36.8% 39.8% 41.8% 3 9 .9% 21.5% 19.4% 29.5% 34.8% 40.2% 45.4% 45.4% 4 2 .6% 23.5% 22.7% 31.1% 35.7% 42.6% 48.3% 48.2% 計 3 1 .6 % 15.7% 15.8% 21.8% 24.4% 31.5% 36.6% 38.4% 3 6 .1 % 20.0% 18.4% 24.3% 29.5% 35.7% 42.0% 42.3% 3 8 .6 % 22.1% 19.6% 25.6% 30.8% 37.5% 44.6% 45.6% 平成 24 年度から平成 26 年度の特定健診の受診率推移と、平成 26 年度の受診率を本 市、三重県、同規模自治体、全国と比較しています。(図 4-15、図 4-16) 本市の受診率は年々上昇し、平成 26 年度は 38.6%となっています。三重県の 40.8%は 下回っていますが、同規模自治体や全国の受診率を上回っています。 【図 4-15】特定健診受診率の年度推移(平成 24 年度から平成 26 年度) ※KDB データ 【図 4-16】特定健診受診率の比較(平成 26 年度) ※KDB データ 21 平成 26 年度における地区別の特定健診受診率について、地区ごとに色分けをしたもの です。(図 4-17) 受診率母数は各地区の在住の方の人数となっています。第2期桑名市国保特定健診等 実施計画の目標値である 45%を超えている地区は大山田地区、筒尾地区、野田地区とな っています。 【図 4-17】地区別特定健診受診率(平成 26 年度) 地区 日進 精義 立教 城東 益世 修徳 大成 桑部 在良 七和 久米 深谷 城南 大和 大山田 藤ヶ丘 星見ケ丘 筒尾 松ノ木 野田 多度中 多度東 多度南 多度西 多度北 中部 北部 伊曽島 特定健診 受診率 31.4% 33.7% 32.3% 34.4% 37.5% 36.8% 42.8% 41.0% 44.8% 39.8% 39.0% 33.6% 31.0% 39.7% 50.0% 44.4% 28.8% 46.6% 41.9% 46.8% 43.3% 43.5% 40.8% 37.9% 43.8% 37.2% 39.1% 34.3% 多度北 多度西 多度中 多度東 北部 多度南 深谷 大山田 七和 中部 筒尾 野田 松ノ木 藤が丘 星見ヶ丘 在良 大和 修徳 大成 益世 精義 立教 日進 久米 城東 桑部 伊曽島 城南 ※特定健康診査データ管理システム 22 (2)特定健診の累積受診率の状況 平成 24 年度から平成 26 年度における特定健診の男女別累積受診状況を表しています。 (図 4-18) 男女ともに3年間のうち1度だけ受診している被保険者は、各年齢において5%~15% 程度となっています。60 歳以上になると、毎年受診する被保険者数が増加し、70 歳以上 の高齢者では約 50%の被保険者が3年に1度は受診している結果となっています。 【図 4-18】男女別、特定健診累積受診率(平成 24 年度から平成 26 年度) 【男性】 年齢 (歳) 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 計 【女性】 年齢 (歳) 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 計 被保険者数 (人) 556 593 563 590 1,360 1,826 1,386 6,874 被保険者数 (人) 421 442 503 888 2,149 2,673 1,941 9,017 1回受診 32 46 31 33 175 237 154 708 受診者数(人) 2回受診 3回受診 23 19 31 34 106 187 129 529 28 29 41 51 152 319 335 955 1回受診 5.8% 7.8% 5.5% 5.6% 12.9% 13.0% 11.1% 10.3% 受診者数(人) 1回受診 23 48 56 126 329 344 232 1,158 2回受診 受診率 2回受診 3回受診 4.1% 3.2% 5.5% 5.8% 7.8% 10.2% 9.3% 7.7% 5.0% 4.9% 7.3% 8.6% 11.2% 17.5% 24.2% 13.9% 合計 14.9% 15.9% 18.3% 20.0% 31.8% 40.7% 44.6% 31.9% 受診率 3回受診 30 32 33 80 265 345 248 1,033 17 35 79 139 466 764 610 2,110 1回受診 5.5% 10.9% 11.1% 14.2% 15.3% 12.9% 12.0% 12.8% 2回受診 7.1% 7.2% 6.6% 9.0% 12.3% 12.9% 12.8% 11.5% ※特定健康診査データ管理システム ※年齢は平成 26 年度末で算出 23 3回受診 4.0% 7.9% 15.7% 15.7% 21.7% 28.6% 31.4% 23.4% 合計 16.6% 26.0% 33.4% 38.9% 49.3% 54.4% 56.2% 47.7% (3)メタボリックシンドローム該当者の状況 平成 26 年度の特定健診結果から、メタボリックシンドローム(注)判定該当割合を本市、 三重県、同規模自治体、全国とそれぞれ表しています。(図 4-19) 男性は三重県、同規模自治体、全国を上回っていますが、女性は三重県、同規模自治 体を下回り、全国とほぼ同じ割合となっています。 【図 4-19】メタボリックシンドローム判定該当割合の比較(平成 26 年度) ※KDB データ (4)有所見状況 平成 26 年度の特定健診の結果から、生活習慣病の有所見者率(リスク保有率)を表し ています。(図 4-20) 男女ともに年齢が高くなるにつれて有所見者率は高くなる傾向にあります。男女で比 較すると、男性の有所見者率が高い傾向にあり、40 歳代男性の約 75%は既に何らかのリ スクを保有している状況にあります。 【図 4-20】生活習慣病の有所見率割合(平成 26 年度) 年代 40代 50代 60代 70代 正常 66 56 215 84 男性 男性(人) 保健指導 受診勧奨 83 69 74 58 388 369 191 134 服薬 45 102 950 499 女性(人) 正常 保健指導 受診勧奨 165 76 37 195 178 94 419 656 415 125 214 184 服薬 26 145 1,283 732 女性 ※特定健康診査データ管理システム 24 (5)慢性腎臓病(CKD)のリスク保有状況 平成 26 年度特定健診結果から、慢性腎臓病のリスク保有状況と保有者の人数割合を表 しています。(図 4-21、図 4-22) 慢性腎臓病(CKD)は重症化すると腎不全となり、高額な人工透析治療を行う必要 があります。血糖のリスクが高い者が 304 名おり、内、腎臓のリスクが高い者が 80 名い ます。年代別の保有者割合を見ると、リスクは 50 代になると急激に増加していることが 分かります。 【図 4-21】慢性腎臓病(CKD)のリスク保有状況(平成 26 年度) (単位:人) H26健診受診者 (再掲)40歳~69歳 (内)40代 (内)50代 (内)60代 9,184 5,424 580 819 4,025 受診者数 内訳 該当者数 (内) 尿タンパク2+以上 該当者数 (内) 尿タンパク2+以上 該当者数 (内) 尿タンパク2+以上 該当者数 (内) 尿タンパク2+以上 該当者数 (内) 尿タンパク2+以上 空腹時血糖130㎎/dl以上 93 25 43 12 2 0 5 1 36 11 HbA1c7.0%以上 194 53 120 28 6 1 23 6 91 21 17 2 11 2 0 0 2 0 9 2 空腹時血糖130㎎/dl以上 かつ HbA1c7.0%以上 ※特定健康診査データ管理システム(厚生労働省ガイドラインにて内訳) 【図 4-22】年代別慢性腎臓病(CKD)のリスク保有者割合(平成 26 年度) ※特定健康診査データ管理システム 25 (6)特定保健指導の実施状況 平成 24 年度から平成 25 年度の特定健診結果及び特定保健指導結果から、本市と三重 県における特定保健指導の対象者数と終了者数及び実施率を年齢別に表しています。 (図 4-23、図 4-24) 特定保健指導実施率は県と比較して低い状況です。 【図 4-23】特定保健指導の実施状況 桑名市 積 極 的 支 援 動 機 付 け 支 援 支 援 合 計 年度・年齢(歳) 平成2 4 年度 40~49 50~59 60~69 70~74 平成2 5 年度 40~49 50~59 60~69 70~74 平成2 4 年度 40~49 50~59 60~69 70~74 平成2 5 年度 40~49 50~59 60~69 70~74 平成2 4 年度 40~49 50~59 60~69 70~74 平成2 5 年度 40~49 50~59 60~69 70~74 対象者(人) 男 女 計 156 53 209 51 10 61 39 15 54 66 28 94 0 0 0 167 62 229 53 11 64 50 18 68 64 33 97 0 0 0 410 278 688 21 13 34 25 36 61 197 139 336 167 90 257 426 298 724 27 19 46 10 32 42 207 146 353 182 101 283 566 331 897 72 23 95 64 51 115 263 167 430 167 90 257 593 360 953 80 30 110 60 50 110 271 179 450 182 101 283 ※法定報告資料 26 男 終了者(人) 女 計 10 10 20 1 1 2 2 4 6 7 5 12 0 0 0 5 1 6 1 0 1 2 1 3 2 0 2 0 0 0 53 41 94 2 3 5 2 3 5 31 24 55 18 11 29 50 34 84 0 2 2 1 2 3 31 21 52 18 9 27 63 51 114 3 4 7 4 7 11 38 29 67 18 11 29 55 35 90 1 2 3 3 3 6 33 21 54 18 9 27 男 6.4% 2.0% 5.1% 10.6% 3.0% 1.9% 4.0% 3.1% 12.9% 9.5% 8.0% 15.7% 10.8% 11.7% 0.0% 10.0% 15.0% 9.9% 11.1% 4.2% 6.3% 14.4% 10.8% 9.3% 1.3% 5.0% 12.2% 9.9% 実施率 女 18.9% 10.0% 26.7% 17.9% 1.6% 0.0% 5.6% 0.0% 14.7% 23.1% 8.3% 17.3% 12.2% 11.4% 10.5% 6.3% 14.4% 8.9% 15.4% 17.4% 13.7% 17.4% 12.2% 9.7% 6.7% 6.0% 11.7% 8.9% 計 9.6% 3.3% 11.1% 12.8% 2.6% 1.6% 4.4% 2.1% 13.7% 14.7% 8.2% 16.4% 11.3% 11.6% 4.3% 7.1% 14.7% 9.5% 12.7% 7.4% 9.6% 15.6% 11.3% 9.4% 2.7% 5.5% 12.0% 9.5% 【図 4-24】特定保健指導の実施状況 三重県 年度・年齢(歳) (市町) 平成2 4 年度 40~49 50~59 積 60~69 極 70~74 的 平成2 5 年度 支 40~49 援 50~59 60~69 70~74 平成2 4 年度 40~49 動 50~59 機 60~69 付 70~74 け 平成2 5 年度 支 40~49 援 50~59 60~69 70~74 平成2 4 年度 40~49 50~59 支 60~69 援 70~74 合 平成2 5 年度 計 40~49 50~59 60~69 70~74 対象者(人) 男 女 計 2,628 789 3,417 743 114 857 823 246 1,069 1,062 429 1,491 0 0 0 2,554 756 3,310 802 144 946 805 238 1,043 947 374 1,321 0 0 0 6,498 4,323 10,821 393 248 641 383 436 819 3,096 2,148 5,244 2,626 1,491 4,117 6,512 4,402 10,914 365 259 624 377 421 798 3,102 2,165 5,267 2,668 1,557 4,225 9,126 5,112 14,238 1,136 362 1,498 1,206 682 1,888 4,158 2,577 6,735 2,626 1,491 4,117 9,066 5,158 14,224 1,167 403 1,570 1,182 659 1,841 4,049 2,539 6,588 2,668 1,557 4,225 終了者(人) 男 女 計 240 128 368 46 13 59 60 30 90 134 85 219 0 0 0 200 91 291 53 14 67 48 27 75 99 50 149 0 0 0 1,247 910 2,157 39 35 74 56 65 121 576 510 1,086 576 300 876 1,109 846 1,955 32 33 65 52 66 118 552 446 998 473 301 774 1,487 1,038 2,525 85 48 133 116 95 211 710 595 1,305 576 300 876 1,309 937 2,246 85 47 132 100 93 193 651 496 1,147 473 301 774 男 9.1% 6.2% 7.3% 12.6% 7.8% 6.6% 6.0% 10.5% 19.2% 9.9% 14.6% 18.6% 21.9% 17.0% 8.8% 13.8% 17.8% 17.7% 16.3% 7.5% 9.6% 17.1% 21.9% 14.4% 7.3% 8.5% 16.1% 17.7% 実施率 女 16.2% 11.4% 12.2% 19.8% 12.0% 9.7% 11.3% 13.4% 21.1% 14.1% 14.9% 23.7% 20.1% 19.2% 12.7% 15.7% 20.6% 19.3% 20.3% 13.3% 13.9% 23.1% 20.1% 18.2% 11.7% 14.1% 19.5% 19.3% 計 10.8% 6.9% 8.4% 14.7% 8.8% 7.1% 7.2% 11.3% 19.9% 11.5% 14.8% 20.7% 21.3% 17.9% 10.4% 14.8% 18.9% 18.3% 17.7% 8.9% 11.2% 19.4% 21.3% 15.8% 8.4% 10.5% 17.4% 18.3% ※法定報告資料 (7)保健指導レベル別医療費状況 平成 26 年の診療結果及び平成 26 年度の特定健診結果から、保健指導レベル別の一人 当たり医療費を表しています。(図 4-25) 積極的支援対象者の医療費が低く、他は同程度となっています。 【図 4-25】保健指導レベル別の医療費(平成 26 年) ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) 、特定健康診査データ管理システム ※平成 26 年度特定健診受診者について平成 26 年1月から平成 26 年 12 月までの医療費に基づき集計 27 (8)特定保健指導の実施効果 平成 26 年度の、当該前年度の特定保健指導実施者の内、当該年度に保健指導対象者で はなくなった人数割合を示しています。(図 4-26) 三重県の平均と比べ指導対象者の減少率の割合が高くなっています。また、本市の減 少率の、33.3%について、さらに、改善理由別に分割すると、数値が改善した方が全体の 7割程度に、治療(服薬)となった方が2割となりました。これらの結果から、本市に おける特定保健指導事業には健康リスクの改善効果があると考えられます。 【図 4-26】特定保健指導による特定保健指導対象者の減少率と改善理由の内訳 年度 保険者 昨年度の特定保健 指導の対象者数 ① 特定保健指導を受 昨年度の特定保健 けた者(②)の内、 特定保健指導対象 指導の利用人数 者ではなくなった者 ② ③ 特定保健指導に よる特定保健指 導対象者の減少 率 ④ 883 144 48 桑名市 平成26 14,740 2,523 748 年度 三重県 *④には服薬を開始し、特定保健指導対象者ではなくなった者の人数を含んだ割合を計上 再掲)桑名市における特定保健指導対象者の減少の内訳 平成25年度に特定保健指導を受け、平成 26年度健診結果により対象でなくなった人 数③ 48人 ③の内、数値が改善し、対象外となった人 数及び割合 34人(70.8%) ③のうち服薬開始となり、対象外となった 人数及び割合 10人(20.8%) ③のうち後期高齢者医療制度加入者とな り、対象外となった人数及び割合 4人(8.3%) ※三重県国民健康保険組合団体連合会資料(推定値) 28 33.3% 29.6% 3 介護保険の状況 (1)介護認定者数 平成 24 年度から平成 26 年度における介護認定者の推移を表しています。(図 4-27) 1号認定者数は増加していますが、1号認定率、2号認定者数及び認定率は減少傾向 となっています。 【図 4-27】介護認定者数(平成 24 年度から平成 26 年度) 平成24年度 1号被保険者数(人) 1号認定者数(人) 認定率(%) 2号認定者数(人) 平成25年度 平成26年度 31,256 32,635 33,905 4,945 5,131 5,267 15.82 141 15.72 143 15.53 139 認定率(%) 0.45 0.44 0.41 1号+2号認定者数(人) 5,086 5,274 5,406 認定率(%) 16.27 16.16 15.94 ※桑名市介護保険事業状況報告(各年 9 月 30 日現在) (2)介護認定を受けている方と受けていない方の医療費の状況 平成 26 年度の介護認定を受けている方(以下「認定あり」という。)と受けていない 方(以下「認定なし」という。)の医科医療費、歯科医療費を本市、三重県、同規模自治 体、全国で表しています。(図 4-28、図 4-29) 医科医療費、歯科医療費ともに「認定あり」の方が高い状況となっています。とくに 医科医療費において、「認定あり」と「認定なし」の方の差が顕著に出ています。 【図 4-28】介護認定状況別の医科医療費比較(平成 26 年度) ※KDB データ 29 【図 4-29】介護認定状況別の歯科医療費比較(平成 26 年度) ※KDB データ (3)介護認定を受けている方の疾病状況(疾病大分類) 平成 26 年度の診療結果から、疾病別の有病率を本市、三重県、同規模自治体、全国で 表しています。(図 4-30) 本市の介護認定ありの方の有病率は、心臓病が 61.5%、高血圧が 54.5%と高く、筋・ 骨格系の疾病については、他と比べて高い状況です。 【図 4-30】介護認定状況別の疾病別有病率(平成 26 年度) ※KDB データ 30 4 その他保健事業に関する状況 (1)重複受診に関する分析 平成 26 年の診療結果から、重複受診の患者の状況を疾患別に表しています。 (図 4-31) 「詳細不明の糖尿病」や「高血圧症」など、生活習慣病関連の疾病が上位に挙がって います。年齢別重複受診の状況では、65 歳以上の高齢者層だけでなく、40 歳代や 50 歳 代の年齢においても重複受診がみられます。(図 4-32) 【図 4-31】 順位 重複受診の患者の状況(平成 26 年) 疾患名 患者数(人) 1 詳細不明の糖尿病 2 睡眠障害 3 本態性(原発性<一次性>)高血圧(症) 4 胃炎及び十二指腸炎 5 リポたんぱく<蛋白>代謝障害及びその他の脂(質)血症 6 その他の腸の機能障害 7 背部痛 8 血管運動性鼻炎及びアレルギー性鼻炎<鼻アレルギー> 9 脊椎症 10 その他の脊椎障害 上位10疾患以外 合計(延べ人数) ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) 【図 4-32】重複受診の年齢別患者割合(平成 26 年) ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) 31 7,024 4,795 9,842 7,196 8,847 4,479 4,595 7,159 3,233 1,356 554,710 613,236 医療機関3件以上 患者数(人) 割合 51 0.7% 41 0.4% 23 0.5% 21 0.3% 12 0.1% 12 0.2% 12 0.3% 11 0.2% 9 0.2% 8 0.1% 468 0.1% 668 0.1% (2)頻回受診に関する分析 平成 26 年の診療結果から、頻回受診の患者数、割合を疾患別に表しています。 (図 4-33) 「膝関節症」や「脊椎症」など、整形関連の疾病が上位にあります。年齢別に頻回受 診の発生割合を見ると、重複受診と同様に高齢者層だけでなく、40 歳代、50 歳代におい ても、一定の発生が見られます。(図 4-34) 【図 4-33】頻回受診の患者の状況(平成 26 年) 順位 疾患名 患者数(人) 1 膝関節症[膝の関節症] 2 脊椎症 3 その他の多発(性)ニューロパチ<シ>ー 4 その他の脊椎障害 5 骨粗しょう<鬆>症<オステオポローシス> 6 肩の傷害<損傷> 7 背部痛 8 睡眠障害 9 頚部椎間板障害 10 その他の椎間板障害 上位10疾患以外 合計(延べ人数) 2,270 3,233 2,147 1,356 2,320 1,982 4,595 4,795 508 1,294 588,736 613,236 ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) 【図 4-34】頻回受診の年齢別患者割合(平成 26 年) ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) 32 医療機関3件以上 患者数(人) 割合 127 5.6% 120 3.7% 119 5.5% 104 7.7% 103 4.4% 91 4.6% 73 1.6% 71 1.5% 65 12.8% 64 4.9% 4,411 0.7% 5,348 0.9% (3)重複投与に関する分析 平成 26 年の診療結果から、重複投与(注)の医薬品名や薬効分類名、患者数、割合を表 しています。(図 4-35) 薬効分類名別に見ると精神神経用剤が 3.5%、催眠鎮静剤、抗不安剤が 14.4%となって います。 【図 4-35】重複投与の医薬品名、薬効分類名、患者数、割合(平成 26 年) 順位 医薬品名 薬効分類名 患者数 1 ムコスタ 2 デパス 3 マイスリー 4 メチコバール 5 レンドルミン 6 ハルシオン 7 ロキソニン 8 ノルバスク 9 ガスター 10 サイレース 11 ムコダイン 12 リリカ 13 アレグラ 14 マグラックス 15 アレロック 16 タリオン 17 クレストール 18 プルゼニド 19 セレコックス 20 ネキシウム 上位20医薬品以外 合計(延べ人数) 消化性潰瘍用剤 精神神経用剤 催眠鎮静剤、抗不安薬 ビタミンB剤(ビタミンB1 催眠鎮静剤、抗不安薬 催眠鎮静剤、抗不安薬 解熱鎮痛消炎剤 血管拡張剤 消化性潰瘍用剤 催眠鎮静剤、抗不安薬 去たん剤 その他の中枢神経用剤 その他のアレルギー用 制酸剤 その他のアレルギー用 その他のアレルギー用 高脂血症用剤 下剤、浣腸剤 解熱鎮痛消炎剤 消化性潰瘍用剤 6,418 1,420 1,115 2,230 956 713 6,666 3,592 1,952 481 6,561 722 2,309 915 1,035 1,614 2,098 1,304 1,084 878 224,021 268,084 重複投与発生医薬品数 258 ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) 33 重複投与 患者数 割合 51 0.8% 49 3.5% 40 3.6% 38 1.7% 34 3.6% 29 4.1% 23 0.3% 23 0.6% 18 0.9% 15 3.1% 15 0.2% 14 1.9% 14 0.6% 13 1.4% 13 1.3% 12 0.7% 11 0.5% 11 0.8% 10 0.9% 10 1.1% 1,720 0.8% 2,040 0.8% (4)後発医薬品(ジェネリック)の使用状況 平成 26 年 11 月から平成 27 年 10 月の診療結果から、後発医薬品(ジェネリック)の 使用率を表しています。(図 4-36) 年間を通じて、使用率は徐々に上がっており、平成 27 年 1 月の時点で、平成 27 年3 月の全国平均を上回る結果となっています。また、後発医薬品への切り替えによる医療 費の削減効果額も上昇傾向にあります。(図 4-37) 【図 4-36】後発医薬品の使用率 ※三重県国民健康保険団体連合会資料 【図 4-37】後発医薬品の差額通知効果額 審査年月 平成27年3月 平成27年4月 平成27年5月 平成27年6月 平成27年7月 平成27年8月 平成27年9月 平成27年10月 効果額 (円) 保険者負担相当額 患者負担相当額 計 148,201 57,298 205,499 318,194 120,092 438,286 319,874 119,414 439,288 ※三重県国民健康保険団体連合会資料 34 328,428 122,478 450,906 319,889 118,440 438,329 339,548 126,034 465,582 389,701 142,117 531,818 416,157 155,607 571,764 (5)後発医薬品の切り替えポテンシャル 平成 26 年の診療結果から、後発医薬品(ジェネリック)の切り替え可能額を薬効分類 別に表しています。(図 4-38) 生活習慣病関連の薬剤とアレルギー関連の薬剤が多い結果となっています。 【図 4-38】後発医薬品の切り替え可能額(薬効分類別) (平成 26 年) 順 薬効 位 分類 218 1 232 2 339 3 214 4 399 5 217 6 449 7 396 8 119 9 212 10 239 11 116 12 113 13 259 14 629 15 114 16 614 17 325 18 223 19 392 20 394 21 311 22 124 23 621 24 625 25 219 26 133 27 225 28 247 29 811 30 薬効分類名 高脂血症用剤 消化性潰瘍用剤 その他の血液・体液用薬 血圧降下剤 他に分類されないその他の代謝性医薬品 血管拡張剤 その他のアレルギー用剤 糖尿病用剤 その他の中枢神経用剤 不整脈用剤 その他の消化器官用薬 抗パーキンソン剤 抗てんかん薬 その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬 その他の化学療法剤 解熱鎮痛消炎剤 主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの タンパクアミノ酸製剤 去たん剤 解毒剤 痛風治療剤 ビタミンA及びD剤 鎮けい剤 サルファ剤 抗ウイルス剤 その他の循環器官用剤 鎮暈剤 気管支拡張剤 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤 アヘンアルカロイド系麻薬 その他 切り替え 可能金額 28,795,970 27,949,800 24,976,800 23,155,860 19,298,150 17,347,440 14,680,670 10,505,840 9,397,440 7,127,360 6,618,650 5,686,170 3,567,550 3,445,400 3,054,940 2,580,330 2,351,100 1,767,600 1,765,670 1,753,530 1,466,420 1,334,300 1,214,910 934,340 875,380 807,950 749,950 583,380 557,120 479,420 2,829,747 ※レセプトデータ(平成 26 年1月から平成 26 年 12 月) 35 2 8 7, 9 5 9, 7 0 2 7 9, 4 9 8, 0 0 2 4 9, 7 6 8, 0 0 2 3 1, 5 5 8, 6 0 1 9 2, 9 8 1, 5 0 1 7 3, 4 7 4, 4 0 1 4 6, 8 0 6, 7 0 1 0 5, 0 5 8, 4 0 9 3, 9 7 4, 4 0 7 1, 2 7 3, 6 0 6 6, 1 8 6, 5 0 5 6, 8 6 1, 7 0 3 5, 6 7 5, 5 0 3 4, 4 5 4, 0 0 3 0, 5 4 9, 4 0 2 5, 8 0 3, 3 0 2 3, 5 1 1, 0 0 1 7, 6 7 6, 0 0 1 7, 6 5 6, 7 0 1 7, 5 3 5, 3 0 1 4, 6 6 4, 2 0 1 3, 3 4 3, 0 0 1 2, 1 4 9, 1 0 9 3 4 3, 4 0 8 7 5 3, 8 0 8 0 7 9, 5 0 7 4 9 9, 5 0 5 8 3 3, 8 0 5 5 7 1, 2 0 4 7 9 4, 2 0 2 8, 2 9 7, 4 7 5 インタビュー結果 データヘルス計画作成にあたって、今後の保健事業の参考とするため、グループ形式 でインタビューを実施しました。 (1)実施概要 ① 目的 今後の保健事業の参考とするため、健康な人の生活習慣や生活環境を知る。 ② 対象者 平成 26 年度に医療機関等を受診していない方で、特定健診の結果が「異常なし」 という方(11 名及びその家族)。 ③ 実施人数 3名(男性1名(70 代) 、女性2名(60 代)) ④ 所要時間 1時間 30 分 (2)質問内容と回答 ① 健康維持のためにすでに取り組んでいること、心がけていることはありますか? 【運動】 ・毎日、犬の散歩をする。 ・毎日、ウォーキングをする。 ・なるべく車を使わない。 ・階段を使う。 【食事】 ・旬のものを食べる。 ・野菜中心の自炊をする。 ・間食をしない。 【趣味】 ・パッチワークをする。 ・古着を加工して再利用する。 【生活】 ・考え込まずに、 「まあ、いっかぁ」と思う。 ・字を書いたり、文字を読んだりする。 ・こまめに動く。 【健康観】 ・梅エキスを作って体調の悪い時は食べる。 ・鼻うがいをする。 36 ・少しの風邪症状なら市販薬を飲んで治す。 ② 質問①を始めたきっかけは何ですか? ・特定健診の結果で値が基準を超えているものがあった。 ・若いころに太ってしまって、足首を痛めた。 ・認知症にならずに、90 歳代まで生きることを目標にしている。 ・自分のこと(もしくは家族のこと)は、自分でしなくてはいけないと思っている。 ③ 健康情報を得る手段は何ですか? ・周囲の健康な人がしていたことを参考にしている。 ・テレビの情報を参考にしている。 ④ 健康維持について、どのようなことに関心がありますか? ・認知症予防に関心がある。 ・特定健診は年に1回受診する。 (3)事業展開していく中でインタビュー結果を参考とするもの 健康維持のために取り組んでいること 事業展開 ○運動 ウォーキング なるべく車を使わない 階段を使う こまめに動く 健康づくり、介護予防の目的から住民 主体の「通いの場」を作るよう働きか ける。 健康情報(運動習慣)の広報活動 ○食事 旬のものを食べる 野菜中心の自炊 間食をしない 健康情報(食生活改善)の広報活動 ○生活 考え込まずに、「まあ、いっかぁ」と思う こころの健康づくり ○健康観 少しの風邪症状なら市販薬を飲んで治す 適正受診の啓発(重症化させないため に早期受診も必要) 37 6 医療情報等の分析結果による健康課題 ここまでの分析結果から見える健康課題と対策の方向性及び次章の施策について整理 すると、以下のようになります。 桑名市国民健康保険を取り巻く状況 現状把握から見える主な健康課題 ・標準化死亡比で男女ともにがん(大腸) が県を上回っている。 対策の方向性 施策 ・がん検診の受診率向上。 3へ ・生活習慣病の中でも糖尿病の医療費が高 く、全国や県と比較しても高い。 ・人工透析になっている方の糖尿病の割合 が高い。 ・血糖値が高い方に生活習慣の改善 を働きかけ、発症及び重症化を予 防する。 2へ ・統合失調症が医療費の中で最も高い。 ・精神疾患についての理解を深める ため、講演会やメンタルパートナ ー養成講座を実施していく。 5へ ・がん検診の受診率向上。 3へ ・ぜんそくを悪化させる遠因と言わ れている家族の喫煙率を下げる。 5へ 医療費の状況 ・がんが入院医療費を高くしている大きな 理由となっており、男性は大腸がんが高 い。 ・子どもの医療費の分析において、ぜんそ くの医療費が高い。 特定健診・特定保健指導の状況 ・特定健診の受診率が同規模、全国より高 いが、県よりは低い。 ・特定保健指導の実施率が県より低い。 ・未受診者への受診勧奨。 ・国保新規加入者への周知及び受診 勧奨。 ・未実施者への利用勧奨。 1へ 1へ 介護保険の状況 ・介護認定者で全国や県と比較して筋・骨 格の有病者数の割合が高い。 ・健康づくり・介護予防の目的から 住民主体の「通いの場」などを作る よう働きかける。 5へ ・介護認定者で全国や県と比較して認知症 およびアルツハイマー病の有病者数の割 合が高い。 ・認知症相談窓口の設置。 5へ ・重複投与、過剰投与の原因となる ため、年齢層を限定せずに適切な 受診指導を行う。 4へ ・後発医薬品の使用促進を継続して 行う。 6へ ・生活習慣の改善について広報活動 をしていく。 ・健康づくり・介護予防の目的から 住民主体の「通いの場」を作るよ う働きかける。 5へ その他保健事業に関する状況 ・重複受診の疾患には生活習慣病関連の疾 患が多く含まれている。 ・重複・頻回ともに若年層でも一定の発生 が見られる。 ・後発医薬品の使用率は高いが今後も対策 が必要。 インタビュー結果 ・運動、食事が健康の秘訣。 ・認知症の予防に関心がある。 38
© Copyright 2024 ExpyDoc