募集要領[PDF 789.4 KB] - 九州地方環境事務所

平成 28 年度奄美大島におけるフイリマングース防除事業業務
に係る参加希望書類の募集要領
1.総則
平成 28 年度奄美大島におけるフイリマングース防除事業業務に係る参加者確認公募の実施につい
ては、この要領に定める。
2.業務概要
(1) 業務名
平成 28 年度奄美大島におけるフイリマングース防除事業業務
(2) 業務内容等
別添「業務仕様書(案)」のとおり。
(3) 業務実施期間
契約締結日~平成 29 年3月 31 日
3.応募要件
(1) 基本的要件
① 予算決算及び会計令(昭和 22 年勅令第 165 号)第 70 条の規定に該当しない者であること。なお、
未成年者、被保佐人又は被補助人であって、契約締結のために必要な同意を得ている者は、同条
中、特別の理由がある場合に該当する。
② 予算決算及び会計令第 71 条の規定に該当しない者であること。
③ 環境省から業務等に関し指名停止を受けている期間中でないこと。
(2) 技術力に関する要件
① 雇用従事者について
既存登山道、林道、作業道等のない奄美大島の山中で、地図、コンパス、GPS等を用いて、わ
なの設置位置や自分の位置が特定できる山中作業経験を有し、かつ奄美大島の在来種等観察・
調査経験を有する従事者が相当程度いること。このうち4名以上については、マングース探索能
力を有すると評価できる探索犬のハンドラーとしての能力を有すること。
② マングース探索犬について
事業開始当初よりマングース探索能力のある探索犬を5頭以上保有していること。
③ 担当技術者について
・奄美大島における哺乳類等の生態学について知見を有する者。
・GIS(ArcView9.2 以上)による解析手法について業務実績があること。
(3) 設備・システムに関する要件
GIS(ArcView9.2 以上)の動作環境が整っていること。
(4) 守秘性・中立性・公平性に関する要件
マングースの捕獲方法、わなの設置地点、捕獲地点、捕獲候補地点、捕獲結果等事業の成果
は、当所の指示のもと守秘すること。
1
(5) 業務執行体制に関する要件
・3.(2)①に記載する要件を満たす捕獲作業従事者を通年で動員できること。
・3.(2)②に記載する要件を満たすマングース探索犬を5頭以上保有していること。
・3.(2)③に記載する要件を満たす担当技術者を1名以上あてること。
・奄美大島内に、雇用従事者を統括管理できる担当技術者を1名以上配置できること。
(6) 業務実績に関する要件
過去5年以内に、国又は地方公共団体による奄美大島における野生鳥獣の分布状況、生態等
に関する対象鳥獣の捕獲を伴う調査業務を受注した実績があること。
4.参加希望書類の募集に関する質問の提出先及び回答
(1) 提出先
沖縄県那覇市樋川 1 丁目 15 番 15 号 那覇第一地方合同庁舎 1 階
那覇自然環境事務所 総務課
TEL:098-836-6400
FAX:098-836-6401
(2) 提出期間
平成 28 年3月8日(火)の8時 30 分から、平成 28 年3月 22 日(火)12 時 00 分まで
(3) 提出方法
持参又はFAXによって提出すること。
(4) 回答方法
平成 28 年3月 23 日(水)17 時までに、FAXにより行う。
5.提出書類、提出期限等
(1) 提出書類
① 平成 28 年度奄美大島におけるフイリマングース防除事業業務に係る参加希望書類
(別添様式参照)
② 提出者の概要(会社概要等)が分かる資料
(2) 提出期限等
① 提出期限
平成 28 年3月 28 日(月)17 時 15 分まで(厳守)
② 参加希望書類の提出場所及び作成に関する問合せ先
4(1)に同じ。
③ 提出部数
6部
④ 提出方法
持参又は郵送(書留郵便等の配達の記録が残るものに限る。)
⑤ 提出に当たっての注意事項
2
ア 受付時間は、平日の8時 30 分から 17 時 15 分までとする。(持参の場合は 12~13 時を除く。)
イ 提出期限までに提出場所に現に到達しなかった参加希望書類は、無効とする。
ウ 提出された参加希望書類は、その事由の如何にかかわらず、提出期限以降は差替え又は再
提出を行うことはできない。
エ 提出された参加希望書類は、返却しない。
オ 提出された参加希望書類は、提出者に無断で、参加希望書類の審査以外の目的には使用し
ない。
カ 虚偽の記載をした参加希望書類は、無効とする。また、虚偽の記載をした者に対して指名停止
を行うことがある。
キ 参加希望書類の作成及び提出に係る費用は、提出者の負担とする。
6.暴力団排除に関する誓約
当該業務に係る参加希望書類については、別紙において示す暴力団排除に関する誓約事項に誓
約した上で提出すること。また、提出書類に誓約事項に誓約した旨を明記すること。
7.参加希望書類の審査
(1) 環境省において、提出された参加希望書類に基づき、当該参加希望書類の提出者が3に定める
応募要件を満たしているか否かについて審査し、その結果を参加希望書類の提出者に対して平成
28 年3月 29 日(火)17 時 15 分までに通知する。
(2) 審査に当たっては、参加希望書類の記載内容について提出者に問い合わせすることがあるので、
参加希望書類提出後、(1)の通知期限までは、問い合わせに適切に対応できるようにすること。提
出者が問い合わせに応じないとき、又は提出者と連絡が取れないときは、応募要件の確認ができ
ないため、応募要件を満たさないと判定することがある。
(3) 審査の結果、応募要件を満たすと認められる者が一しかいない場合にあっては、当該応募者との
契約手続に移行する。応募要件を満たすと認められる者が複数いる場合にあっては、一般競争入
札(総合評価落札方式)に移行することとする。
8.その他
(1) 手続きにおいて使用する言語及び通貨
日本語及び日本国通貨に限る。
(2) 関連情報を入手するための照会窓口
4(1)に同じ。
(3) 平成 25・26・27 年度環境省競争参加資格(全省庁統一資格)の「役務の提供等」の「調査・研究」
の認定を受けていない者であっても、参加希望書類を提出することができるが、その者が3に定め
る応募要件を満たすと認められ、一般競争入札(総合評価落札方式)に移行した場合には、当該資
格の認定を受けるとともに、平成 28・29・30 年度環境省競争参加資格(全省庁統一資格)「役務の
提供等」の「調査研究」の資格を引き続き取得すること。
3
(4) 契約締結日までに平成 28 年度の予算(暫定予算を含む。)が成立しなかった場合は、契約締結日
は、予算が成立した日以降とする。
また、暫定予算になった場合、全体の契約期間に対する暫定予算の期間分のみの契約とする場
合がある。
4
(別紙)
暴力団排除に関する誓約事項
当社(個人である場合は私、団体である場合は当団体)は、下記事項について、入札書(見積書)
の提出をもって誓約いたします。
この誓約が虚偽であり、又はこの誓約に反したことにより、当方が不利益を被ることとなっても、
異議は一切申し立てません。
また、官側の求めに応じ、当方の役員名簿(有価証券報告書に記載のもの(生年月日を含
む。)。ただし、有価証券報告書を作成していない場合は、役職名、氏名及び生年月日の一覧表)
及び登記簿謄本の写しを提出すること並びにこれらの提出書類から確認できる範囲での個人情報
を警察に提供することについて同意します。
記
1.次のいずれにも該当しません。また、将来においても該当することはありません。
(1)契約の相手方として不適当な者
ア 法人等(個人、法人又は団体をいう。)の役員等(個人である場合はその者、法人である場
合は役員又は支店若しくは営業所(常時契約を締結する事務所をいう。)の代表者、団体で
ある場合は代表者、理事等、その他経営に実質的に関与している者をいう。)が、暴力団
(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第 77 号)第2条第2号に
規定する暴力団をいう。以下同じ)又は暴力団員(同法第2条第6号に規定する暴力団員を
いう。以下同じ。)であるとき
イ 役員等が、自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える
目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしているとき
ウ 役員等が、暴力団又は暴力団員に対して、資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接
的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与しているとき
エ 役員等が、暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有しているとき
(2)契約の相手方として不適当な行為をする者
ア 暴力的な要求行為を行う者
イ 法的な責任を超えた不当な要求行為を行う者
ウ 取引に関して脅迫的な言動をし、又は暴力を用いる行為を行う者
エ 偽計又は威力を用いて会計課長等の業務を妨害する行為を行う者
オ その他前各号に準ずる行為を行う者
2.暴力団関係業者を再委託又は当該業務に関して締結する全ての契約の相手方としません。
3.再受任者等(再受任者、共同事業実施協力者及び自己、再受任者又は共同事業実施協力者
が当該契約に関して締結する全ての契約の相手方をいう。)が暴力団関係業者であることが判
明したときは、当該契約を解除するため必要な措置を講じます。
4.暴力団員等による不当介入を受けた場合、又は再受任者等が暴力団員等による不当介入を受
けたことを知った場合は、警察への通報及び捜査上必要な協力を行うとともに、発注元の契約担
当官等へ報告を行います。
5
(別添様式)
平成
年
月
九州地方環境事務所那覇自然環境事務所長 殿
所 在 地
商号又は名称
代表者氏名
印
平成 28 年度奄美大島におけるフイリマングース防除事業業務に係る参加希望書類
標記の業務について、当社において実施することを希望します。
応募要件を満たしていることを、添付資料のとおり証明します。
(1)
(2)
(3)
(4)
技術力に関する要件
設備・システムに関する要件
業務執行体制に関する要件
業務実績に関する要件
(様式1)
(様式2)
(様式3)
(様式4)
(担当者)
所属部署:
氏 名:
TEL:
FAX:
E-mail:
6
日
様式1-1
技術力に関する要件
募集要領3.(2)①に記載する要件を満たす捕獲作業従事者の名簿については下記のとおりです。
氏名
年齢
居住市町村名
野生生物の
観察経験
7
奄美山中での
作業経験
GPS
操作経験
様式1-2
技術力に関する要件
募集要領3.(2)②に記載する要件を満たす担当技術者の概要は下記のとおりです。
①名前
②生年月日
③犬種
④探索能力の証明等
①名前
②生年月日
③犬種
④探索能力の証明等
①名前
②生年月日
③犬種
④探索能力の証明等
①名前
②生年月日
③犬種
④探索能力の証明等
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様式1-3
技術力に関する要件
募集要領3.(2)③に記載する要件を満たす担当技術者の概要は下記のとおりです。
ふりがな
② 年月日
① 氏名
③ 所属・役職
(専攻:
分野)
卒業若しくは修了年月日
④ 学歴等
⑤ 同種又は類似業務経歴
業務名
発注機関名
業務の概要
⑥ 手持ち業務の状況(平成
年
月
日現在)、契約金額500万円以上
業務名
発注機関名
履行期間
契約金額
⑦その他経歴
⑧過去5年間
における奄美
大島での業務
実績
(※)担当技術者については、必要に応じて担当技術者が執筆者となっている論文の写しの提出、若し
くは過去の業務成果等の報告を求める場合がある。
9
様式2
設備・システムに関する要件
募集要領3.(3)に記載する GIS(ArcView9.2 以上)のライセンス ID、動作環境は下記のとおりです。
記
以上
10
様式3
業務執行体制に関する要件
募集要領3.(5)に記載する、奄美大島内の作業従事者を統括管理できる担当技術者は下記のとお
りです。
ふりがな
②生年月日
①氏名
③所属・役職
(専攻:
分野)
卒業若しくは修了年月日
④学歴等
⑤同種又は類似業務経歴
業務名
発注機関名
業務の概要
⑥手持ち業務の状況(平成
年
月
業務名
発注機関名
履行期間
契約金額
⑦その他経歴
⑧過去5年間
における奄美
大島での業務
実績
11
日現在)、契約金額500万円以上
様式4
業務実績に係る要件
募集要領3.(6)に記載する、過去5年以内に国又は地方公共団体による奄美大島における野生
鳥獣の分布状況、生態等に関する対象鳥獣の捕獲を伴う調査業務の受注実績については下記の
とおりです。
業務名
契約金額
履行期間
発注機関名
住所
TEL
業務の概要
業務名
契約金額
履行期間
発注機関名
住所
TEL
業務の概要
12
平成28年度 奄美大島におけるフイリマングース防除事業業務 仕様書
1.目的
昭和 54 年(1979 年)頃に名瀬市(当時)において 30 頭程度が導入されたと考えられる奄美大
島のフイリマングース(以下、「マングース」という。)は、その後分布域と個体数が次第に増
加し、平成 11 年(1999 年)時点で個体数は約 5,000~10,000 頭と推定されるに至った。環境庁
(当時)は、生態系等に係る被害を防止するために、平成 12 年度より報奨金による捕獲事業を
開始した。その後、平成 17 年6月に、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関す
る法律(以下、「外来生物法」という。)」の施行を受け、マングース防除実施計画に基づき防
除を進めていた。平成 24 年度には同計画の見直しを行い、平成 25 年度からは当該見直しの結果
策定された「第2期マングース防除実施計画」に基づき、平成 34 年度までに奄美大島からのマ
ングースの完全排除を達成すべく事業を進めている。
本業務は、奄美大島地域の希少な野生生物を保護し、奄美固有の生態系及び生物多様性を保全
することを目的に、外来生物法第3章の規定に基づき特定外来生物であるマングースの捕獲除去
等の防除を実施するものである。これまでの防除結果等を踏まえつつ、平成 34 年度までの完全
排除に向けた工程を確認しながら効果的な除去努力を投入し、マングース生息密度の一層の低減
と分布域の縮小を図る。
2.業務実施期間
契約締結日から平成 29 年3月 31 日までとする。
3.業務の実施場所
主として、鹿児島県奄美大島(奄美市並びに大島郡大和村、宇検村、瀬戸内町及び龍郷町の
一円)
その他、具体的な作業区域等については、九州地方環境事務所那覇自然環境事務所奄美自然
保護官事務所(以下、「当所」という。)担当官の指示に従う。
4.業務内容
(1)マングース防除事業検討会及び防除等戦略会議の開催
奄美大島におけるマングース防除事業について、実施状況や将来計画を検討する学識経験者
による検討会を年2回開催し、公開の検討会を事務局として運営すること。なお、状況に応じ
て、当所担当官と相談の上、2回のうちのどちらかを特定の議題に重点を置いたワーキンググ
ループにできるものとする。
検討委員(案)は以下の5名程度とし、検討委員に対して交通費、日当(国家公務員等の旅
費に関する法律に従って支給、3~5級相当)、及び謝金(14,000 円)を支給することとす
る。参加人数は 50 名程度を想定して奄美大島内において会場を借り上げ、参加者にはお茶を
用意する。内容については予め担当官と打ち合わせること。検討委員との日程調整のうえ開催
日を決定し、関係機関等への開催通知発出、会議資料の作成、会議当日の運営及び会議内容の
記録、議事録の作成を行う。
東京女子大学現代教養学部 教授(東京都杉並区)
東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授(東京都文京区)
独立行政法人森林総合研究所 特任研究員(茨城県つくば市)
独立行政法人森林総合研究所 主任研究員(茨城県つくば市)
独立行政法人国立環境研究所 研究員(茨城県つくば市)
なお、検討会にはオブザーバーとして関係者に出席を求めることができるものとする。また、
検討会の開催にあわせて、関係者による非公開の防除等戦略会議を開催する。
(2)沖縄島北部地域におけるマングース防除事業との相互支援
沖縄島北部(やんばる)地域におけるマングース防除事業では、平成 20 年度より捕殺式筒
わなやマングース探索犬を導入したところである。奄美大島で開発改良された防除技術等につ
いてやんばる地域において現地指導を行い、また、やんばる地域で開発改良された防除技術等
について指導を受けるため、専任従事者を派遣する(2名×7泊8日間×4回程度)。
(3)専任従事者(奄美マングースバスターズ)の雇用及び捕獲等作業
業務請負者は、マングース防除事業の捕獲作業、モニタリング調査、防除技術開発、普及啓
発等に専任従事する者を「奄美マングースバスターズ(以下、「AMB」という。)」として雇
用する。AMB に対しては、九州地方環境事務所那覇自然環境事務所長がマングース防除事業捕
獲従事者証を発行する。AMB は、原則として1日8時間、週5日間、年間を通じて防除事業に
専従することとする。
① 作業体制について
AMB は、エリアごとに捕獲・モニタリング等を担当する6チーム程度、マングースのより
効率的な捕獲等を担当するチーム、マングース探索犬による探索作業及び育成訓練等を担当
するチームの計8チーム程度に分け、作業拠点は奄美市名瀬浦上地区、大和村思勝に所在す
る環境省奄美野生生物保護センター(以下、「センター」という。)、奄美市住用町の3箇
所に設けるものとする。各チームの人数は、マングース防除事業の実施状況等に応じて、当
所担当官と協議の上適宜調整を図るものとする。
各8チーム程度に AMB からリーダーを置き、また、全体を統括しデータの管理等を行う労
務・作業管理者(1名)を現地に駐在させる。労務・作業管理者は当所担当官と連絡を密に
し、作業方針を決定する。全体の作業方針の下に、チームリーダーが中心になって作業地域
及び内容により8チーム程度それぞれに週ごとの詳細な作業計画を立てる。この他、作業計
画策定に必要な各チーム及び AMB 全体のミーティングを適宜開催すること。
② 捕獲器について
(ア) 捕獲器の種類
捕獲器(以下、「わな」という)は当所より貸与する生け捕り用金網製はこわな(以下、
「カゴわな」という。)、イタチ用筒型捕殺式わな(改良型イタチわな(アマミトゲネズ
ミの混獲を防止するための延長型筒わなを含む。)、以下「筒わな」という。)、衝撃緩
衝装置付きとらばさみ(以下、「ソフトキャッチ」という。)及び腕はさみわなを用いる。
(イ) わなの整備及びメンテナンス
貸与したわなには、入荷時の状態から実際に野外で使えるように、改良調整や名札を添
付する等の整備作業を施工する。
(ウ) わなの種類の使い分け
マングース以外の在来小動物種の混獲による生態系への影響を可能な限り軽減するた
め、わなの種類を地域と時期により使い分ける(使い分けの詳細は別紙1及び2参照)。
なお、わなの使い分けについては、マングースの捕獲状況や在来小動物の生息状況、現
場状況等を踏まえ、必要に応じて当所担当官と協議の上適宜見直しを行うものとする。
(エ) わなの設置方法
カラスやイノシシ等に妨害されてわなが機能しなくなることを防ぐため、設置の際には
地面に確実に固定することを心がけ、関連する改善を施す。カゴわなについては、混獲さ
れた動物の生存を確保するため、カラス等による襲撃や寒さ等を防ぐための保護措置を講
じるものとする。
全般にわなは捕獲効率を高く維持する努力も必要であるが、作業効率を高めることや混
獲を低減することも重要な検討課題であるため、設置方法の改良等は当所担当官と協議の
上適宜調整を図るものとする。
(オ) わなの改良等
いずれのわなも、効率的な捕獲や混獲の回避、餌の種類といった観点を踏まえ、その構
造及び設置方法等について常に改善を検討する。また、現在使用しているわな以外の新た
な捕獲技術についても、あわせて検討する。検討の際には、マングース飼育個体を用いた
試験等によってデータを蓄積し、常に野外での実用化を念頭に置いて工夫すること。
③ 捕獲作業・モニタリング調査等について
(ア) わなラインの開設と設置わな数
わなの設置は当所担当官と協議の上で実施する。わなの設置に必要な作業道(わなライ
ン)は必要に応じて随時開設することとするが、鎌などによる部分的な刈り払いは極力最
小限に留めるとともに、AMB により作成された希少植物ハンドブック、AMB 作業マニュア
ル等に従って希少植物等の生育に配慮して行うこと。新たに設置したわなは全て当所より
貸与する GPS によって緯経度情報を取得すること。平成 28 年度には、これまでのものと
合わせて約 3,000 個のカゴわなと、約 30,000 個の筒わなを稼働可能な状態で常設化する。
また、突発的にマングースの生息が確認された場合の対応として、常設わな以外に捕獲
目標を絞ったピンポイントでのわな設置のほか、状況に応じてソフトキャッチ及び腕はさ
みわなによる捕獲を適宜実施する。
なお、わなの設置数等については、マングースの捕獲状況や延長型筒わなの導入状況等
に応じて戦略的に変動させることが重要であるため、必要に応じて当所担当官と協議の上
適宜調整を図るものとする。
(イ) わなの点検及び写真による記録
稼働させているわなは定期的に点検を行う。わなの点検頻度は、4週間に1回程度を基
本とするが、マングースの生息状況等に応じて、適宜高頻度(3週間に1回程度)や低頻
度(8~12 週間に1回程度)で点検するわなラインの設定も行う。カゴわな、ソフトキ
ャッチ及び腕はさみわなについては、稼働期間中は基本的に1日1回の点検を行う。なお、
発信器付きのカゴわなについては、1 週間に 1 回程度、水差しつきのカゴわなについては、
隔日の点検を行う。1日あたりの平均点検個数は、カゴわなは 60~80 個以上、筒わなは
50~70 個以上程度とする。
各わなにより投入される捕獲努力量は、カゴわな、ソフトキャッチ及び腕はさみわなは
1個の点検につき各1わな日(以下、「TD」という。)、筒わな1個の点検につき8T
Dとする。
(ウ) 捕獲動物の処理
カゴわなで生け捕り捕獲されたマングースは、わなに入れたままセンターに持ち帰り、
体重計測及び獣医師によるマイクロチップ埋込等の後、飼育小屋に搬入・管理を行う。筒
わなで捕獲された場合は死体を回収し、必要に応じて外部計測等を行う。
マングース以外の捕獲動物は、生け捕りされた場合はその場で放逐し、捕殺された場合
はクマネズミ及びカラスを除き、どのような腐乱状態であっても全て回収してセンターへ
搬入し、冷蔵庫に保管して作業管理者又は当所担当官に連絡する。
(エ) わな点検結果等のコンピュータ上の一次データの入力
各わな設置地点における GPS の緯経度情報に加えて設置したわなの種類、設置上の工夫
の有無等とともに、わなの設置や点検の結果を指定コンピュータの表計算ソフトの指定フ
ァイルに入力する。なお、筒わなの点検結果については、わなの有効期間を点検後7日間
とし、その有効期間が分かるように、無効期間と区別して表記する。持ち帰った頭骨のう
ち計測等が可能なものについては、指定された各部位を計測することで判別式上の性を判
定し、コンピュータ上の捕獲データに情報を追加する。また、後述の生息モニタリング調
査結果についても、わな点検結果と同様に入力する。
(オ) ヘアトラップ等によるマングース生息モニタリング調査
マングースの生残、アマミトゲネズミやケナガネズミ等の希少種を含む在来種及びノネ
コ、ノイヌ等の外来種の生息を確認するため、AMB により開発・改良された各種ヘアトラ
ップと持続性のある誘引餌を使用し、体毛採取によるモニタリング調査を行う。調査対象
は、奄美大島内でマングースの確認情報がある地域のほぼ全域とし、ヘアトラップの設置
密度については、マングースの確認情報や作業効率等を踏まえ地域毎に設定するものとす
る。採取した体毛は、種の同定作業を行い、記録する。また、各チームで適宜、同定作業
が行えるよう、同定作業マニュアルと体毛のサンプル(特にマングース、ケナガネズミ、
アマミトゲネズミ、ネコ)を作成し、各チームで所有すること。
なお、わな点検を伴わない林内のわなラインに設置する場合の作業努力投入量は、1個
のヘアトラップ設置又は点検につき2TD、車道沿い 100m 間隔の場合には1個につき1TD
として換算する。
また、ヘアトラップ設置場所の一部には下に述べる自動撮影カメラを併設し、自動撮影
調査によってヘアトラップによる生息確認の有効性を検証する。さらに、ヘアトラップ以
外のモニタリング手法についても利用可能性を検討する。
(カ) 防除作業努力投入量
平成 27 年度の捕獲作業や生残モニタリング調査等によって、達成を目指す防除作業の
努力投入数値目標は、以下のとおりとする。
・わな(筒わな、カゴわな)による捕獲努力量
210 万TD
・ヘアトラップによるモニタリング調査
3 万TD
なお、防除作業努力投入数値目標は、延長型筒わなや探索犬の導入状況、マングースや
在来種の生息状況等に応じて戦略的に変動させることが重要であるため、必要に応じて当
所担当官と協議の上適宜調整を図るものとする。
(キ) 在来生物種等モニタリング調査
捕獲作業に併せて、希少種を含む在来種やノヤギ等外来種の生息情報を収集する。特に、
1~4月のアマミイシカワガエル鳴き声調査、5~8月のオットンガエルの鳴き声調査、
9~12月のアマミハナサキガエルの鳴き声調査、7~8月のヘビ類(リュウキュウアオ
ヘビ、アカマタ、ガラスヒバア、ヒャンなど)生息状況調査、1~4月のアマミノクロウ
サギ糞粒調査、アマミヤマシギ営巣場所調査を重点的に実施する。調査結果は、マングー
ス捕獲点検結果と同様の様式で別のシート上に調査結果を記録する。重点対象としない種
の目撃情報は、当所担当官より別途示す表計算ソフトの指定様式のファイルに、近隣のわ
な番号、観察日時、観察者等とともに入力する。調査方法、時期については、適宜担当官
と協議すること。
(ク) 自動撮影カメラによる自動撮影調査
マングースの生残や希少種・在来種及び外来種の生息の状況を確認するため、当所担当
官と協議の上、当所より貸与する 200 個程度のセンサーカメラをわな点検の作業ルート上
や対象種の好適生息環境と考えられる地点に設置する。設置したセンサーカメラの点検、
回収、整備等の作業は、原則として捕獲作業の際に併せて実施する。
④ データの入力について
わなの点検結果、在来種等モニタリング結果等は基本的に週に1度コンピュータにデータ
を入力する。作業結果については担当官と協議し、全データの誤入力等をチェックし、GIS
データとともに当所担当官に提出する。また、必要に応じて当所担当官の指示する情報の整
理と解析を行うこと。
⑤ 業務用無線機について
AMB は、野外における捕獲作業に従事する間、業務の進捗状況その他の情報をお互いに共
有し、危険を未然に回避するため、当所より貸与する業務用携帯型簡易無線機を携帯するこ
と。また、奄美市名瀬浦上地区及び奄美市住用町に設置された作業拠点においても、必要に
応じて当所より貸与する業務用携帯型簡易無線機を利用すること。
⑥ 作業時の装備・留意事項
(ア) 装備品・貸与品など
一般装備(当所より貸与する身分証、業務用携帯型簡易無線機、地図、コンパス、ポイ
ズンリムーバー、ポータブル GPS、デジタルカメラ等)に加えて、作業地域によりわな点
検整備用品・設置用具等を装備すること。また、その他業務上必要とされる物品等につい
ては、当所担当官が認めたものに限り、貸与する。
(イ) 屋外作業の危機管理
屋外作業においては、ハブ咬傷の危険があるため、作業には細心の注意を払うこと。作
業ルートについては、事前に作業管理者に連絡しておくこととし、ピンポイントチームと
探索犬チームを除いて1台の作業車輌は基本的に2名以上で使用し、個別に林内で作業を
する場合であっても同乗者との合流を基本的に行うこと。なお、予定時刻を大きく遅延す
る場合や事故が発生した場合には、作業管理者及び当所担当官へ業務用簡易無線機、携帯
電話等で直ちに連絡すること。
(4)マングース探索犬の導入・育成等
奄美大島のマングースの低密度分布地域において、マングースの根絶を確認するとともに効
率的な捕獲を図るため、探索犬チームのハンドラー(AMB4名以上)及び探索犬(生体探索を
得意とする犬及び糞探索を得意とする犬あわせて5頭以上)による探索作業を第2期マングー
ス防除実施計画及び検討会での検討結果に準じて担当官と協議の上で適切に行う。作業に用い
る探索犬及びハンドラーは事業開始当初より探索できる能力を十分有していることを条件と
する。探索犬の飼育、予防接種等はハンドラー及び請負者が行う。
探索作業に従事する際は、探索犬が誤って生物を咬むことのないよう必ず口輪を装着するこ
と。また、探索作業のほか適正に本業務が実施できるよう計画的に各種訓練を行い、探索犬及
びハンドラーの探索技術の向上・維持を図るものとする。
また、糞探索候補犬1頭について、ハンドラーとともに各種訓練を行い、探索犬認定試験等
の合格を目指す。
探索犬候補犬の追加導入については、引き続き専門家等との調整を進め、追加頭数や時期に
ついて検討する。
(5)年度計画の作成
平成 28 年度に実施する防除事業について、地域ごとの捕獲努力量やわな占有率等の目標、作
業方針など具体的な内容を定めた年度計画を、第1四半期中に当所担当官と協議の上で作成す
る。当該計画については、第2四半期に予定されている検討会において合意を得るものとする。
(6)特定地域捕獲作業におけるわな日等の集計作業
全体を統括しデータの管理等を行う労務・作業管理者(1名)は、当所が他社に委託してい
る特定地域捕獲作業等業務におけるわな日等について、特定地域捕獲作業等業務受託者からデ
ータを引き取り、集計を行い、検討会資料や報告書等に反映させること。また、作業において
は、特定地域捕獲作業等業務受託者及び当所担当官と密に連絡をとること。
(7)平成 27 年度奄美大島におけるフイリマングース防除事業報告書の作成
「平成 27 年度奄美大島におけるフイリマングース防除事業業務」における検討委員会の議事
概要及び事業結果を集計、整理した上で、過年度事業の結果も含めて報告書を作成する。
5.成果物
請負者は、下記の成果物を作成し、当所に納品する。なお、(1)は平成 29 年3月 31 日まで、
(2)については平成 28 年7月 31 日までに提出する。
(1)4.(1)から(6)までの業務実施結果を入力した生データを収納した DVD-R 2枚
(2)4.(7)に係る報告書 50 部(A4版 200 頁程度)、報告書の電子データを収納した
DVD-R 2式
電子データの仕様及び記載事項は、別添によること。
提出場所: 九州地方環境事務所那覇自然環境事務所奄美自然保護官事務所
6.著作権等の扱い
(1)成果物に関する著作権、著作隣接権、商標権、商品化権、意匠権及び所有権(以下「著作
権等」という。)は、環境省が保有するものとする。
(2)請負者は、自ら制作・作成した著作物に対し、いかなる場合も著作者人格権を行使しない
ものとする。
(3)成果物に含まれる請負者又は第三者が権利を有する著作物等(以下「既存著作物」という。)
の著作権等は、個々の著作者等に帰属するものとする。
(4)納入される成果物に既存著作物等が含まれる場合には、請負者が当該既存著作物の使用に
必要な費用の負担及び使用許諾契約等に係る一切の手続を行うものとする。
7.情報セキュリティの確保
請負者は、下記の点に留意して、情報セキュリティを確保するものとする。
(1)請負者は、請負業務の開始時に、請負業務に係る情報セキュリティ対策とその実施方法及
び管理体制について担当官に書面で提出すること。
(2)請負者は、担当官から要機密情報を提供された場合には、当該情報の機密性の格付けに応
じて適切に取り扱うための措置を講ずること。
また、請負業務において請負者が作成する情報については、担当官からの指示に応じて適
切に取り扱うこと。
(3)請負者は、環境省情報セキュリティポリシーに準拠した情報セキュリティ対策の履行が不
十分と見なされるとき又は請負者において請負業務に係る情報セキュリティ事故が発生し
たときは、必要に応じて担当官の行う情報セキュリティ対策に関する監査を受け入れるこ
と。
(4)請負者は、担当官から提供された要機密情報が業務終了等により不要になった場合には、
確実に返却し又は廃棄すること。
また、請負業務において請負者が作成した情報についても、担当官からの指示に応じて適
切に廃棄すること。
(5)請負者は、請負業務の終了時に、本業務で実施した情報セキュリティ対策を報告するこ
と。
(参考)環境省情報セキュリティポリシー
http://www.env.go.jp/other/gyosei-johoka/sec-policy/full.pdf
8.その他
(1)請負者は、本仕様書に疑義が生じたとき、本仕様書により難い事由が生じたとき、あるい
は本仕様書に記載のない細部については、担当官と速やかに協議しその指示に従うこと。
(2)会議運営を含む業務にあっては、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(平成 28
年 2 月 2 日閣議決定)の「会議運営」の判断の基準を満たすこと。
(別添)
1.報告書等の仕様及び記載事項
報告書等の仕様は、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(平成 28 年 2 月 2 日閣議
決定。以下「基本方針」という。)の「印刷」の判断の基準を満たすこと。
なお、「資材確認票」(基本方針 204 頁、表3参照)及び「オフセット印刷又はデジタル印刷
の工程における環境配慮チェックリスト」(基本方針 205 頁、表4参照)を提出するとともに、
印刷物にリサイクル適性を表示する必要がある場合は、以下の表示例を参考に、裏表紙等に表示
すること。
リサイクル適性の表示:印刷用の紙にリサイクルできます
この印刷物は、グリーン購入法に基づく基本方針における「印刷」に係る判断の基準にしたが
い、印刷用の紙へのリサイクルに適した材料[Aランク]のみを用いて作製しています。
なお、リサイクル適性が上記と異なる場合は環境省担当官と協議の上、基本方針
(http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/kihonhoushin.html)を参考に適切な表示
を行うこと。
2.電子データの仕様
(1)Microsoft 社 Windows7 SP1 上で表示可能なものとする。
(2)使用するアプリケーションソフトについては、以下のとおりとする。
・文章;ワープロソフト Justsystem 社一太郎(2011 以下)、又は Microsoft 社 Word(ファ
イル形式は Word2010 以下)
・計算表;表計算ソフト Microsoft 社 Excel(ファイル形式は Excel2010 以下)
・画像;BMP 形式又は JPEG 形式
・地理情報システム;ESRI 社 ArcView で表示できる形式
( 3 ) ( 2 ) に よ る 成 果 物 に 加 え 、 「 PDF ファイル形式」による成果物を作成すること。
(4)以上の成果物の格納媒体は DVD-R 等とする。事業年度及び事業名称等を収納ケース及び
DVD-R 等に必ずラベルにより付記すること。
(5)文字ポイント等、統一的な事項に関しては環境省担当官の指示に従うこと。
3.その他
成果物納入後に請負者側の責めによる不備が発見された場合には、請負者は無償で速やかに必
要な措置を講ずること。
別紙1
わなの種類の使い分けについて
マングース防除事業におけるわなの種類の使い分けは、以下のとおりとする。
1.方針
① ケナガネズミの保護を図るため、在来ネズミ類生息核心地域では、概ね 12 月から翌
年3月までの期間はカゴわな、ソフトキャッチまたは腕はさみわなによる捕獲を行う。
それ以外の期間は延長筒わなによる捕獲を行う。
② マングースの早期根絶の観点から同種の捕獲効率等の向上を図るため、在来ネズミ
類生息核心地域を除き、マングース捕獲作業地域の全域で、主に筒わなによる捕獲
を行う。
2.順応的な対応
アマミトゲネズミ及びケナガネズミの生息に配慮したマングース防除事業を順応的に進
めていくため、上記1については、両種の生息状況や現場状況等を踏まえ、必要に応じて
適宜見直しを行う。
別紙2