ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 日韓 韓を軸に にした「アジ ジア太平 平洋カレッジ ジ」の開 開設 --学部 1,2 年生向 向け日韓 韓米国際共同教育 育の基盤 盤づくり- Estaablishment of o College of Asia Paccific( (CAP) Base ed on Japan--Korea a Camp pus Shaare: Laying the Foundat tion of Japan-Korea-U U.S. Innternati ional Collaborativve Educa ation PProgram for First andd Second d Year Undergra U aduate Student ts 九州大学韓 韓国研究セン ンター准教授 授 崔 慶原 原 CHO OI Kyungwonn (Assocciate Profe essor, Reseearch Cente er for Kore ean Studiess, Kyushu University) U キーワード:キャンパ パス共有、国 国際共同教育、相互理解、 、共通課題、 海外留学 はじめに 九州大学 学韓国研究セ センターは、2011 年度か から 13 年度 度まで「日韓海峡圏カレ ッジ」を、2 2014 年度か か らは、その の発展版とし して「アジア太平洋カレ ッジ」を運営している1。韓国のソ ソウル大学校 校と釜山大学 学 校、日本の の九州大学、米国のハワ ワイ大学(Unniversity of o Hawaii at Manoa)に に教育拠点を を設け、2 年 間を 1 クー ールとして実 実施している る。1 年次には は、日韓 6 大学の学部 大 1、2 年生 1440 名が、夏 夏休みや冬休 休 みに 2 週間 間相互訪問す する「キャン ンパス韓国」・「キャンパ パス日本」を実施し、2 年 年次の夏休み みには、前 年度の日韓 韓プログラム ムに参加した た学生から 200 名の参加者 者を選抜し、ハワイ大学 学で 3 週間の の「キャンパ パ スハワイ」 を実施する る。キャンパ パスを共有し し、相互理解 解を深めなが がら、共通課 課題に対応できるグロー バル人材を を育成するこ ことを目的としている。 1 これまで数 数回にわたり り、独立行政 政法人日本学 生支援機構(JASSO)の海外留学支援 援制度からの の財政支援を を 得ること ができ、より安定的にプ プログラムを を運営することができた。 。ここに記し して感謝申し し上げたい。 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 23 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 日韓を軸 軸にしながら ら、米国も加 加わる国際共 共同教育プロ ログラムの構 構築を手がけ ける理由は何 何か。3つあ あ る。第 1 に に、いち早くグローバル ル化を進めて てきた韓国ト トップの大学 学とコラボレ レーションす することで得 得 られる教育 育的利点であ ある。これま まで韓国の大 大学は社会的 的な要求に応 応える人材づ づくりを目指 指してきた。 その影響に により、韓国 国人学生はグ グローバル志 志向が強い2。英語やプレ レゼンテーシ ション能力に において、韓 韓 国人学生の のレベルの高 高さに刺激を を受けたとい いう話を日本 本人の参加学 学生からよく 聞くが、相手が英語圏 の人であっ ったなら、彼 彼らはそれほ ほど驚かない いであろう。同じアジア圏のすぐ隣 隣の国の学生 生が一歩先を 走っている ると思うと、より強い刺 刺激を受ける ることになる る。その意味 味で隣国であ ある韓国を海 海外留学の第 一ステップ プとして設定 定し、両国の の学生が協学 学する場を設 設けることの意義は大き きい。 このプロ ログラムは、日本の学生 生を韓国専門 門家として育 育てようとす するものでは はない。むし しろ、現地の の 学生と学び び合う面白さ さに触れるこ ことで、長期 期留学に進む むきっかけを作るための のものである。留学に行 行 きたくても も、海外での の生活に不安 安を覚える学 学生が少なくない中、本 本プログラム ムに参加したのがきっか けで、アジ ジアや欧米へ へ長期留学す するようにな なった学生が が出てきてい いる。 第 2 の理 理由は、日韓 韓の若者たち ちが相互理解 解を深めるた ための交流の の場を提供す することであ ある。両国を を 訪問する人 人々は飛躍的 的に増えてい いるが、それ れが必ずしも両国への正しい理解に につながっているとは言 い難い。相 相互理解を深 深めるために には、顔を合 合わせて語り合い、言い いにくいこと でも心を打 打ち明けて話 話 し合うこと とをしていか かなければな ならない。相 相手に対する る誤解があったとすれば ば、それを正し、互いの 考えを理解 解していくプ プロセスが必 必要である。 本プログラ ラムでは、同世代との交 交流を通してこれらを体 体 験し、同世 世代の友達を を通して相手 手国を眺める るようになる る。両国の市 市民社会が「 「意識共有」を深めるた めの最も重 重要な支えと となるはずで である。 第 3 に、歴史認識や や領土問題な などに閉じら られてしまい いがちな日韓 韓関係をグロ ローバルな視 視点から捉え え 直すためで である。その のために本プ プログラムは は、日韓を軸 軸にしながら、ハワイ大 大学を新たな教育拠点と して加えた た。日韓両国 国は地域レベ ベルでは違い いが目立つか かもしれない い。特に歴史 史認識問題や や領土問題に 関心が走り りやすいので で、類似性に に対しては体 体系的な関心 心を持つことは少ない。 しかし、国際社会にお ける日韓両 両国の立ち位 位置を理解す すればするほ ほど、それぞ ぞれの社会が が抱える共通 通課題に目を向ける必要 要 性に気づか かされる。外 外交・安全保 保障問題をは はじめ、少子 子高齢化問題 題を含む社会 会問題など、両国は実に 多くの共通 通課題を抱え えており、そ その中でどの のように協力 力可能な領域 域を見出し、 協力像を作 作っていくか が問われて ている。 「双子 子国家論3」や「ミドルパ パワー連帯論4」などは は、まさにグ グローバル社 社会における る 日韓両国の の立ち位置に に基づいてい いる。世界は は東アジアの の安定を必要 要としている が、それは は日韓の連携 携 2 3 4 岩渕秀樹 『韓国のグロ ローバル人材 材育成力 超競 競争社会の真 真実』 講談社 社、2013 年、 56〜82 頁。 小此木政夫 夫「分断国家 家との脱冷戦 戦外交―対朝 鮮半島外交」 」国分良成『日本の外交 交』第四巻、岩波書店、 2013 年、 97〜100 頁。 。 添谷芳秀「中国の台頭 頭と日韓協力 力―認識の束 縛を超えて」 」、小此木政夫・河英善編 編『日韓新時 時代と共生複 複 應義塾大学出 出版会、20122 年、80〜82 2 頁。 合ネット ワーク』慶應 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 24 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 なしには実 実現しえない いのである。このような な側面から、グローバル ル社会を視野 野にいれた日韓両国の協 力関係づくりを議論す するために、 第三の場所で 第 で新しい見方 方に触れる機 機会を作る必 必要があると判断した。 ハワイは日 日本人にとっ っても、韓国 国人にとって ても、様々な な意味で関わ わりの深いと ころである。その歴史 的地理的な な位置から、ディアスポ ポラ(ハワイに における日韓 韓移民の歴史 史)や戦争と 安全保障、東アジアと 米国のかか かわりを学ぶ ぶのにふさわ わしい場所だ だと考えてい いる。 1. 先行プロ ログラム「日 日韓海峡圏カ カレッジ」の の成果:海外 外留学へのき きっかけづく くり 「日韓海 海峡圏カレッ ッジ」 (2012 年度〜13 年 年度)は、文 文部科学省特 特別経費の採 採択を受け、海峡を挟む む 福岡と釜山 山の代表的な な大学である る九州大学と と釜山大学校 校の 2 大学間コラボレー ーションによって推進さ れた(図 1)。両大学の 1 年生それぞ ぞれ 50 名ず ずつ、合計 100 名の 1 年生が、夏休 年 休みを利用し して 2 週間に に わ わたって釜山と福岡を行き来しなが がら、九州大学と釜山大 学 学校で一緒に学ぶ「キャンパス共有 」を行った。参加資格 を を1年生に限 限定したのは、早い時期 から外国の学生との協 学 学の必要性に気づき、アクティブな 学び方を身につけると と もに、海外 外志向を持って長期留学 の必要性に気づくきっ 図 1 日韓海峡圏 圏カレッジ か かけを提供するためであった。 キャンパス ス共有を可能 能にしたのは は、2 大学コラボレーシ ョンによる るカリキュラ ラムの共同開 開発を初めと とする共同教 教育体制づくりであった た。釜山大学 学校と共同教 教 育委員会を を組織し、事 事前準備だけ けでなく、プ プログラム実 実施後の評価 価をもとに、 共同で改善 善策を見出す など、プログ グラムの充実 実化を図るこ ことにも力を を入れた。20 012 年度には は九州大学( (集中講義として開講) と釜山大学 学校内での単 単位化を実施 施し、2013 年 年度からは単 単位互換協定 定に基づいた た単位互換を を両大学間で で 実現した。こ こうして教育 育の質保証を を伴う国際共 共同教育プロ ログラムとし しての基盤を を固めること とができた。 本プログ グラムの最も も大きな特徴 徴は、日韓混 混合グループ プでの活動で である。日韓 韓を行き来しながら実施 施 するため、 自国で受入 入れ役を担う時には、受 受け入れ国の の学生が、ホ ホストとして てリーダーシ シップを発揮 揮 する。互い いの文化及び び生活様式を を紹介し合い い、フィール ルドワークでの調査・研 研究はもちろん、インタ ーンシップ プのプレゼン ンテーション ンでは、專門 門や国が異な なるグループ プ構成員と協 協力し合い、課題の解決 決 に積極的に に取り組んだ だ。海峡を越 越えてキャン ンパスを共有 有して学び合 合い、学生が がリーダーシ シップを発揮 揮 できる場を を設けること とで、新しい い学びのスタ イルを見出 出したのであ ある。 3 年の間 間、日韓合わ わせて約 220 名の学生が が参加した。本プログラムに参加し して自信を持 持った多くの の 学生は、そ その後、別の の短期プログ グラムはもち ちろん、長期 期留学に臨ん んだ。九州大 大学の参加者 者 110 名のう ち、長期留 留学だけでも、毎年 5 名程度、これ まで 17 名の の学生が、そ その翌年か、翌々年には は交換留学を を している。参加者の 155%を超える る割合である る。渡航先は は、米国、ス スウェーデン ン、フランス スをはじめと 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 25 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 する欧米や や中国、シン ンガポール、香港、タイ イ、韓国に至 至るまで多様 様である。韓 韓国人学生との学習を通 通 して育まれ れた海外志向 向が、彼らを を次のステー ージへ突き動 動かしていることが分か かる。また、本プログラ ムをきっか かけに、本学 学に交換留学 学生として来 来日した韓国 国人学生もい いる。海峡を を挟む両地域 域で学生のモ ビリティを を活発化させ せる役割を果 果たしたので である。 そして、高い志を持 持ち、学業に に優れ、将来 来社会の様々 々な分野で指 指導的な役割 割を果たし、広く世界で で 活躍するこ ことを目指す す学部学生に に九州大学が が授与する「 「山川賞」においては、 本プログラム参加者か ら、毎年 1、 、2 名の受賞 賞者が出てお おり、これま で通算で 8 名が選ばれた た。授与が始 始まった 201 12 年以来、 全学部から ら計 35 名の学 学生が受賞し してきたこと とを考えれば ば、約 23%に当たる高い い割合である。その奨 学金をもと とに、交換留 留学に挑んだ だり、海外の の大学院への の留学を希望 望したりして ている学生もいる。全員 が同賞の選 選考プレゼン ンテーション ンにおいて、 大学 1 年時 時に参加した「日韓海峡 峡圏カレッジ ジ」での経験 験 を取り上げ げている。1年生の夏休 休みに海外で で学習する面 面白さに触れ れたことが、 その後 3 年間の大学で 年 の学習を方 方向づけたことや、その成 成果をもとに に留学計画を を立てたこと とをアピール ルポイントに にしていた。 本プログラ ラムが、学内 内の取組みと好循環を生 生み出し、日本人学生の海外留学を を促進する触 触媒としての 役割を果た たしているこ ことを企画・運営を担当 当している者 者として嬉しく思ってい いる。 参加学生 生のその後の の活躍ぶりを をみると、彼 彼らにとって て本プログラ ラムは、グロ ーバル人材 材となる第一 歩であり、 成長の原点 点となったと言える。本 本プログラム ムでの経験を活かして「 「福岡・釜山 山大学生未来 大学生フォ ォーラム」を を立ち上げた た学生たちが がいる。交換 換留学を終えた学生が中 中心となり、福岡側(九 九 州大・西南 学院大・福岡 岡大)と釜山 山側(釜山大 大・東西大な など 9 大学)から計 20 名 名の学生が経 経済・文化・ 教育の 3 分 分野に分かれ れて議論を重 重ねた結果を を提言として てまとめ、20 015 年の「第 第 10 回福岡・釜山フォ ーラム」で で発表し、日 日韓のオピニ ニオンリーダ ダーたちとデ ディスカッシ ションを行っ た。学生主 主導の活動を リードし、 日韓学生の の情報交換や や交流活動の のプラットフ フォーム作りをしたので である。また、やはり本 本 プログラム ムへの参加が がきっかけとなって海外 外志向が強ま まり、海外勤務できる海 海運会社に就 就職した卒業 生もいる。 本プログラ ラムへの参加 加、またグロ ローバル人材 材として活躍 躍したいとい いう志が会社 社側に高く評 評 価されたと という。 2. 発展版と として「アジ ジア太平洋カ カレッジ」を を開設 「日韓海 海峡圏カレッ ッジ」の成果 果を土台に 22014 年度から日韓米国際 際共同教育 プログラム「アジア太 平洋カレッ ッジ」を運用 用している。日本からは は九州大学、鹿児島大学 学、西南学院 院大学が、韓 韓国からはソ ウル大学校 校、延世大学 学校、釜山大学校が参加 している。2015 年からは東アジア ア学に強みを を持つ米国ハ ハ ワイ大学マ マノア校(Unniversity of o Hawaii aat Manoa)を を教育拠点と として設定し した(図 2) 。 本プログ グラムは、2 年を 1 クー ールとして実 実施している る。1 年次には、日韓を を行き来しな ながら実施す る「キャン ンパス韓国 inn 釜山」 ・ 「キ キャンパス日 日本 in 福岡」 (夏季)/「キャンパス ス韓国 in ソウル」 ソ ・ 「キ キ 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 26 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 ャンパス日 日本 in 福岡」 」(冬季)が が 行われる。 そして 2 年次には、1 年 年次の参加 加学生から選 選抜された学 学 生がハワイ イで実施され れる「キャン ン パスハワイ イ」に参加す する。1 年次 次 のプログラ ラムで互いの の相違点に気 気 づき、 理解を を深め、 それら らを土台に、 2 年次ではグ グローバルア アジェンダに に 対する協力の在り方を模 模索する深化 化 学習をしていく。 図2 アジア太平洋カレッ ッジ (1)プログラ ラムの概要 ①事前学 学習 九州大学 学の学生には は、前期総合 合科目である る「韓国学へ への招待」、あるいは「韓 韓国学との対 対話」の履 修を義務づ づけている。同講義では は、韓国への の渡航前に韓 韓国社会をは はじめ、日韓 韓関係及び朝鮮半島をめ ぐる国際関 関係について て基礎的な知 知識を習得し してもらう。教員による授業だけで でなく、日韓 韓を軸に活動 している社 社会人を講師 師として招き き、現場での の体験をもとにした講演 演も行ってい いる。また、選抜された 学生を対象 象に英語と韓 韓国語の少人 人数会話クラ ラスも開講し している。そして、担当 教員の指導 導のもと、イ ンターンシ シップで実施 施する プレゼンテ テーション準 準備を 行う。後述 述するが、企 企業か ら事前に提 提示されたプ プレゼ ンテーショ ンテーマを を持っ て、5 人の 学生が一グルー プになり、 約 2 カ月か かけて 図 3 年間スケ ケジュール 調査・研究を を進める (図 3)。 ②「キャ ャンパス韓国 国」・「キャン ンパス日本」 日韓の共 共通課題を取 取り上げる講 講義、学生主 主導で調査を を行うフィー ールドワーク ク、最終プレ レゼンテーシ シ ョン及び企 企業インター ーンシップ、文化体験で で構成されて ている。講義 義を含む全て ての活動は基 基本的に英語 語 で行われる る。毎年夏季 季プログラム ムに日韓 100 名、冬季プ プログラムに日韓 40 名の の学生が参加 加している。 ・講義: 日韓関係の の過去と現状 状をはじめ、 安全保障、経済開発、環境汚染、 教育、自然 然災害など、 日韓が が抱えている る共通課題に にフォーカス ス。 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 27 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 ・フィー ールドワーク ク:日本の学 学生 5 名、韓 国の学生 5 名の混合グループを作 り、キャンパ パス韓国 inn ソウル ルでは、ソウル大学校と延世大学校 の学生が、キャンパス韓 キ 韓国 in 釜山 山では釜山大 大学校の学生 生 が主導 導して実施。キャンパス日本 in 福岡 岡では、九州 州大学と西南 南学院大学の の学生がリー ーダー役を務 務 め、日 日韓関係や社 社会の変化が が分かる場所 所を訪問・調 調査する。 フィール ルドワーク グル ループディスカッション ・プレゼン ンテーション ン:キャンパ パス韓国の最 最終日にフィールドワー ークで調査し した内容をもとに実施。 プレゼ ゼン資料作成 成は、日韓混 混合グループ プ内のディス スカッション ンをもとに共 共同作業。フィールドワ ーク中 中に気づいた た点、日韓両 両社会の比較 較などを取り上げる。 ・インタ ターンシップ プ:福岡県に に位置する企 企業で実施。企業から約 約 2 カ月前に に課題をもらい、グルー ー プで取 取組む。参加 加学生の関心 心分野や専攻 攻にそって参 参加企業を選 選択するが、 将来の就職 職を目的にす す るので ではなく、社 社会問題に対 対する「問題 題解決力」を を育てることに重点をお おいている。プレゼン内 容をも もとに、CEO や社員と意 意見交換でき きることは、日韓双方の大学生たち にとって得 得がたい機会 会 である る。また、こ こうした地元 元企業による る協力を得る ることで、本 本プログラム ムは日韓両国の大学間交 流に留 留まらず、地 地域をあげて ての人材育成 成プログラム ムに発展することができ きた。 企 業 プレゼンテーション ン課題 福岡観 観光コンベン ンションビューロー 福 福岡と釜山の の第 3 国(東南 南アジア、東 東アジア)、相 相手国首都 な などでの共同 同観光客誘致 致プロモーシ ションの効果的 的な手法 九州電 電力株式会社 社 再 再生可能なエ エネルギーの の普及拡大方 方案 七尾製 製菓株式会社 社 ア アジア各国へ への菓子の嗜 嗜好を踏まえ えた進出戦略 日本通 通運株式会社 社 グ グローバル物 物流を最適化 化するための のアイテム NTT 西 西日本株式会 会社 ブロードバン ンド回線(FT TTH)を活用 用した新たな生 生活スタイ ル ル・行動スタ タイルの提案 案 住友商 商事九州株式 式会社 東 東アジアをつ つなぐ新しい いビジネスプ プラン 株式会 会社やまやコ コミュニケー ーションズ 東 東アジアの食 食文化の特長 長を生かした たビジネス案 株式会 会社安川電機 機 110 年後の社会 会情勢を踏ま まえて、10 年 年後に向けた安川電機の 新 新規事業を企 企画・提案す する 株式会 会社ゼンリン ン 地 地図を活用し したコトの提 提案 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 28 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 住友商事九 九州でのインタ ターンシップ プ 日本通運でのイン ンターンシッ ップ ③「キャ ャンパスハワ ワイ」 グローバ バルアジェン ンダに対する る協力の在り り方を議論す するアカデミ ミックプレゼ ゼンテーショ ョンクラス、 現地企業で でのビジネス スワークショプ、東アジ ジアと米国の の関係や移民 民の歴史に関 関する講義、フィールド ド トリップ、文 文化体験で構 構成されてい いる。2015 年 年度に日韓そ それぞれ 10 名ずつ、計 220 名が参加 加している。 ・アカデ デミックプレ レゼンテーシ ションクラス ス:安全保障 障、経済協力 力、社会・文 文化、教育、テクノロジ ジ ーの 5 つのグルー ープに分かれ れ、グローバ バルアジェン ンダの解決に向けた協力 力の在り方についてプレ レ ゼンす する。3 週間 間、英語文献 献でのリサー ーチをもとに に、ディスカッションを を重ね、アイデアを発展 展 させる る。 ア アカデミックプレゼンテー ーションクラ ラス フィールド ドトリップ ・講義: 東アジアの のリージョナ ナリズムと米 米国、ハワイの社会・経 経済、移民社 社会の過去と現在を取り 上げる る。ハワイ大 大生も加わり、議論を通 通して理解を を深める。 ・フィー ールドトリッ ップ:ハワイ イ大生ととも もに、パール ルハーバーや やハワイ史跡 跡、原住民村 村を訪問し、 ボラン ンティア活動 動にも参加。ハワイ福岡 岡県人会との の交流会を通 通して、移民 民社会の歴史 史やその実態 態 に直接 接触れる。 ・ビジネ ネスワークシ ショップ:日 日韓米 3 国の の抱える共通 通テーマに対 対し、日韓の の学生がそれ れぞれの国の の 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 29 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 状況を を取り上げ、プレゼンテ テーションを を行う。そし して、企業側 側からは学生 生の発表に対 対する講評と ともに に、米国の状 状況について て説明しても もらう。各国 国の状況と対 対応を比較し しながら、類 類似性と相違 違 点を見 見出していく。 Companyy Honolulu Star Addvertiser Presentation Theme Investigat e newspaper rs’ market situation in your co ountry and propose thee direction newspapers need to takke for the future, and what they should do Ohanaa Pacific Baank Best Pract ices of Con nsumer Protection in BBusiness Hawaii Coffee Coompany Investigat e coffee’s market situation s oof your co ountry and propose a mmarketing strategy s for Hawaii Cooffee Compan ny in your country Roberrts Hawaii For Japanesse students s : Consider ring the weaakening of the Yen to the USD oveer the past 3 years, wh hat would yoou do to our existing business t o continue the same guest countss? For Koreann students : While the South Korrean outbou und travel market has been strong g over the pa ast few yearrs they rema ain a small fraction off our guests s. What would you do to oour existing business to improve our guest counts from this markket? nolulu Star Advertiser でのビジネスワークショ ョップ Ohana PPacific Bannk でのビジネ ネスワークシ ショップ Hon 生の意識変化 化5 3.参加学生 (1)語学学習 習意欲の向上 上 図 4 は、1 年次のキ キャンパス日 日本・キャン ンパス韓国に に参加した日本人学生を を対象に行な なったアンケ ケ ートの中で で「参加して て役に立った たと思うこと と」に対する る回答である。異文化理 理解とともに、語学学習 への意欲向 向上や留学・海外志向の の向上が多く の割合を占 占めていることが分かる 。記述式の回答では、 韓国人学生 生との実力差 差を指摘する る声が多かっ った。ここで でいう実力とは、主に英 英語力やコミュニケーシ シ ョン力のこ ことだが、そ その中でも特 特に英語力の の高さにショックを受け けたという回 回答が多かった。授業後 後 5 九州大学ア アジア太平洋 洋カレッジ(2014、20155)「カレッジ ジ参加学生アンケート」。 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 30 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 に流暢な英 英語で質問し し、英語での のディスカッ ッションを主 主導する韓国人学生に対 対する高い評 評価が見受け け られる。と と同時に、英 英語の問題で でうまく議論 論できなかったという悔 悔しさや危機 機感を抱いた学生も少な くない。そ そして、その の悔しさをバ バネに留学や や語学勉強へ への意欲を表 表明している 。韓国も日本も母国語 語 が「英語」 ではないか からこそ英語 語力の差を感 感じることが ができたのである。これ れは欧米の学 学生との交流 流 では得られ れない効果で であろう。こ ここに、2 人 の日本人学生の感想を紹 紹介しておき きたい。 《学生 生①》 その他 4% プレ レゼン能 力向上 力 6% 想像し していたより りも韓国人の の英語力が高 高く て驚い いた。フィー ールドワーク クのプレゼン ンテ ーショ ョンを考える る際、私が自 自分の担当の の台 異文化理解 22% 課 日韓共通課 題への理解 解 13% 本を考 考えていた際 際にも韓国人 人に何度か英 英文 の指摘 摘を受け、そ それが非常に に悔しかった た。 語学力向上 14% 同世代 代なのにこん んなにも英語 語力の差が大 大き 語学学習 習へ の意欲向 向上 22% 留学・海外 志向の向上 19% いかと と思うと自分 分が情けなく くなった。こ この 一件は は、私の今後 後の学習意欲 欲に火をつけ けて 図 4 参加 加して役に立 ったと思うこ こと くれた た。 《学生 生②》 自分も も努力次第で でグローバルな局面で活躍 躍できる人材 材になれるか かもしれないと という自信を を与えてくれ れ た。と と同時に、語 語学力、知識、 、海外経験等 等で自分はこのままでは世 世界に太刀打 打ちできない いという危機 機 感も感 感じた。その強 強い危機感が があったから らこそ、自分を をさらに高めるべく努力を を重ねること とができた。 そして て今は将来海 海外で働きたいと考えてい いる。このプ プログラムが が私を変えて くれたと思う。 (2)学び方の の再考 現地に出 出向いて直接 接体験したこ ことが、日頃 頃の学びに対 対する姿勢に にも影響を及 及ぼしている ることが分か か った。プロ ログラムに対 対する満足度 度においては は、キャンパ パス韓国・キ キャンパス日 本とも、フィールドワ ークに対す する満足度が が高かった。テーマを持 持って調査を を行うだけでなく、相手 手国の学生が が普段の生活 活 の中で訪れ れるところに に連れて行っ ってもらった たことで、同 同世代の目線 線から紹介さ れる相手国の魅力を体 体 験できた。 自由に計画 画を立て、時 時間拘束もな なく納得の行 行くまで見学 学できたこと に満足している、とい い う感想が多 多く見受けら られる。 移動中に には、普段疑 疑問に思って ていたことを を話し合い、互いに理解 解を深める機 機会になった たという声が が 多かった。 グループに によっては、受験や大学 学生活の話を をはじめ、日韓間の懸案 案事項である歴史認識問 題や慰安婦 婦問題、領土 土問題など、マスコミを を通して接し してきた相手 手国の情報と 、実際のそれぞれの社 社 会で生活し している人々 々の考えとの の間にどのよ ようなギャッ ップがあり、なぜそのよ うなギャップが生じる 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 31 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 のか、など どを真剣に考 考えたようで である。ある る時には、互 互いの考えが が鮮明に異な なることを再 再確認する機 機 会になり、 またある時 時には、これ れまでの認識 識が単なる誤 誤解に過ぎず ず、偏見によ って正しい い理解が出来 来 ていなかっ ったことに気 気づく場面となった。 キャンパ パス日本に限 限って見てみ みると、イン ンターンシッ ップに対する る満足度が最 最も高かった た。約 2 カ月 という長い い準備期間を を経て、その の成果を企業 業の人の前で でプレゼンテーションし し、社員からコメントを もらうこと とで、深い達 達成感と自信 信、また問題 題解決への新 新たな観点も得られたか からであろう。不足して いるところ ろを発見し、それをどの のように補っ っていけば良 良いのか、ヒントを得る ことができたという感 感 想が多く見 見られる。参 参加学生が、講義や企業 業訪問のような受け身的 的なプログラ ムよりも、現場での体 体 験をもとに に視野を広げ げられるフィールドワー ークとインターンシップ プにより興味 味を示し、積 積極的に参加 していたこ ことが分かる る。講義の時 時間にも学生 生が互いにもっと意見交換できるよ うに、担当教員は話題 題 を提供する るだけにとど どめてほしい い、という要 要望さえあった。そこには、ディス スカッション ンを通じて積 積 極的に学ぼ ぼうとする学 学生の姿勢が が見て取れる る。 さらに、「目先の情報からのみ判断するの ではなく、自分の目で見て判断す することを怠 怠らない学び び にしていき きたい」、「も もっと現地に に行って直接 接体験しなが がら、その場 場でしか学べ べないことを吸収してい い きたい」と という感想が が多く見受け けられた。こ これらの感想 想は、学生自らが、日頃 頃の学び方を見直すきっ かけになっ ったことを示 示しており、そこからは は、受け身で ではなく、自ら体験し考 考えていくことの重要性 性 に目覚めた たのだと言え えよう。 《学生 生③》 最も勉 勉強になった たのはグループ プワークであ ある。韓国人学 学生と日本人 人学生の混合グ グループで調 調査を行い、 自分た たちが学んだ だことのプレ レゼンを作る というもので である。現地で直接見て判 判断すること との重要性が が わかっ った。英語、韓国語、日本 本語を使いな ながら話し合 合い、ひとつのものを協力 力して作るこ ことがとても も むずか かしいと感じ じた一方で、とても充実感 感を感じた。 《学生 生④》 韓国に に訪れるまで で、韓国人には はニュースで で目にする反 反日デモをするまではなく くとも反日的 的な感情を持 持 った人 人が多いので ではないかと思っていた。 。しかし、実 実際に足を運ぶとそれは少 少数意見に過 過ぎないのだ だ という うことが見え えてきた。もっと海外に行 行ってみて、直接体験しながら、その の場でしか学 学べないこと を学ん んでいきたい い。 (3)相手国に に対する見方 方の変化 参加学生 生の感想から ら浮かび上が がってきたこ ことは、相手 手国に対する るただの印象 象論が、具体 体的なストー ー リーを持っ った認識論へ へと変化した たことである る。実際に現地 地を訪れ、同世代の学生 生と接しなが がら、 「友達」 となり、そ その友たちを を通じて相手 手国を「眺め める」ように になった。自国の習慣や や考え方を相対化し、柔 柔 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 32 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 軟な態度で で相手を受け け入れるようになったと という感想もよく見受け けられる。 日本人学 学生の中には は、渡航前に に参加を躊躇 躇する者もい いた。日頃の のマスコミ報 報道から「反 反日の国」韓 韓 国という印 印象が強かっ ったからであ ある。しかし し、韓国社会 会における日本の存在の の大きさに気 気づくととも に、双方に には違いよりも共通点が が多く、親し しみを感じた たという答えさえある。 嫌韓ムード ドが強まって いる日本社 社会への警戒 戒感を表した た回答もあり 、これからの日韓関係 係を切り開い いていくのは は次世代の自 分たちであ あるという認 認識もにじみ み出ていた。 《学生 生⑤》 メディ ィアの情報を を批判的に捉 捉え、反日・嫌 嫌韓の構造に について何が本当に正しい いのかを考え えていくこと が大事 事である。実 実際に日本と韓国の学生が が交流してい いくことが必 必要だと思う。 。将来、次世 世代を担って て いく中 中で、どうい いう職業・立場 場についたと としても、そ その考え方の根 根本に日本と と韓国は友人 人になれる国 同士な なのだという う認識があれ れば、世代を重 重ねる中で日 日韓関係は徐 徐々に改善し ていくと思う。 《学生 生⑥》 ネッ ト上はもちろ ろん、書籍でも嫌韓感情を をあおるよう うな媒体が日本国内では溢 溢れており、こうした偏 偏 情報を鵜呑み みにしないよう心掛ける必 必要があると と思う。 った情 韓国人学 学生からは、日本に対す する見方の変 変化が見受け けられる。「それまでの 日本と日本 本人に対する 認識におい いて偏見が多 多かったので ではないか」、「日本の素 素顔に接近しようとする 努力を怠っていたので はないか」 という気づ づきの言葉が が多かった。 また、日韓 韓の経済連携 携などに触れ れ、両国関係 係の重要性に ついて改め めて気づいた たという感想 想も多かった た。 《学生 生⑦》 日韓政 政治摩擦の原 原因になっている慰安婦問 問題や歴史認 認識問題に対 対する日本人の の見方を知る ることができ き た。両 両国間の摩擦 擦は、問題を解 解決しようと とする意思と と意思疎通の不足だと感 じた。今回プ プログラムに に 参加し して日本人学 学生と、敏感 感な問題につい いて多く話し しあいながら ら、互いの立 立場を知るようになった。 。第三者の立 また、 、両国がこれ れらの問題について間違っ った対応をし していることに気づいた。 立場にあるア ア カ人講師の講 講義を聞き、アメリカ領事 事の話を聞け けたことは非 非常に大きな 意味がある。 。 メリカ 《学生 生⑧》 私は日 日本と日本人 人に対してネガティブな印 印象を持って ていた。マスコミと歴史授業 業の影響を受 受けていた。 しかし し、プログラ ラム参加後、私 私がそのよう うな偏見を持 持っていたことがいかに愚 愚かなことで であったのか か が分か かったと同時 時に、日本人と韓国人がど どれほど親密 密になれるのかに気づいた た。グローバ バルマインド ド を育て てることを妨 妨げるこのような偏見を克 克服できたこ ことが私にと とっては重要 要なものである る。またこの の プログ グラムは日韓 韓がどれだけ け重要な協力パ パートナーで であるかを教 教えてくれた 。 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 33 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 (4)グローバ バルな視点の の涵養 2015 年 にスタートした「キャンパスハワ イ」に対しては、日本でも韓国で もない、ハ ハワイという 第三の場所 所で日韓学生 生が協学する る意義を見出 出した感想が が多く見られ れた。グロー ーバル社会における日韓 韓 両国の立ち ち位置を考え えるきっかけ けになり、国 国境をまたが がる課題にど どのように対 対応していくべきかにつ いて理解を を深めること とが出来た。また、ネイ イティブハワイアンや現 現地の移民コ ミュニティと接する機 機 会を持った たことで、ハ ハワイと米国 国本土の関係 係、及び移民 民社会の新たな傾向につ ついて初めて知るように なった。東 東アジア社会 会が抱えてい いる課題をど どのように捉 捉えるか、非 非常にインス スピレーションを得るこ とが出来た た。 学生が一 一番力を入れ れて取組んだ だ事は、アカ カデミックプ プレゼンテー ーションであ ある。プレゼ ゼンテーショ ンテーマを を絞り、英語 語文献でのリサーチをも もとにディス スカッション ンを重ね、ア アイデアを発 発展させてい い くことは決 決してやさし しいことでは はなかった。 しかし、これらの過程 程を通して、 英語によるコミュニケ ーション能 能力を高めた ただけでなく、受け身の の授業では決 決して得ることができな ないアクティブな学びを 経験出来た た。経済をテ テーマにした たグループは は、アジア地 地域の貧困問題に目を付 付け、日韓が がそれぞれの 強みである る医療や IT 分野を通じて 分 て発展途上国 国ミャンマー ーを支援し、先進国と発 発展途上国の の格差を埋め め ることにつ ついてプレゼ ゼンした。日韓経済協力 力の舞台を東 東南アジアの第三国へ広 広げ、グロー ーバルアジェ ンダに挑戦 戦するための の基盤として て両国関係を を捉える好発 発表であった。その他の の 4 つのグル ループも、一 国の対応で では解決でき きない課題に にどう向き合 合うべきかに について、グ グローバル社 社会を視野にいれながら 真剣に議論 論した結果を をプレゼンし した。ハワイ イという第三 三の場所で多 多様な見方に に触れることができたか か らこそ、日 日韓関係に閉 閉じてしまうのではなく 、視野を広 広く持った学 学びができた たと確信している。 《学生 生⑨》 アカデ デミックプレ レゼンテーシ ションを通して て、プログラ ラムが始まってから日韓の の学生がより り多くの時間 を議論 論に割くこと とができたという点で 1 年 年次のプログ グラムとは大 大きな違いが があった。各講 講義で段階が が 踏まれ れていったの ので、発表間近 近に議論が足 足りない中で でプレゼンを完 完成させると という事にも もならずに済 済 んだ。 。そのことで で英語を使う機会も増え、 、プレゼンテ テーション能力を伸ばすこ ことができた た。共通課題 題 いて第三者の の立場から考 考えることがで でき、これま までにない視 視点を手にで きたと思って ている。 につい 《学生 生⑩》 最終プ プレゼンテー ーションに向けた調査や討 討論をじっく くりできた。昨年もプレゼ ゼンはあった たが、各グル ル ープで で深くまで討 討論しあう時 時間が限られて ていた。一方 方、今回は 3 週間という時 時間を十分に に活用しなが が ら、深 深くまで討論 論しあうことができた。韓 韓国人 2 人と と日本人 2 人の 4 人での文 文献探しや意 意思疎通がす す べて英 英語である点 点、経済という う難しいテー ーマでプレゼ ゼンの概要を一からつくら らなければな ならない点な な ど、困 困難を強いら られる場面は多々あった。 。なかなか目 目的の文献を を見つけられ ず、2 週目に に入ってプレ レ ゼンの の概要を大幅 幅に作り直すことになり、 、焦りや不安 安に駆られる毎日だった。 。しかし、図 図書館や学校 校 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 34 © JASSO. All rig ghts reserved. ウェブマガジン『留学交流』 』2016 年 3 月号 月 Vol.600 の教室 室、部屋に集 集まり、討論を重ねた結果 果、最終発表 表では、その成 成果を十二分 分に発揮でき きたため非常 常 に良か かった。少人 人数であったことにより、 、一人ひとり りが日韓米関係について深 深く考えるこ ことができた た ように に思う。 結びに代え えて:1、2 年生向けプロ 年 ログラムの重 重要性 本プログ グラムは、前 前身である「日韓海峡圏 圏カレッジ」を含めれば ば、5 年間の の蓄積を有している。こ れまで 520 名を超える る日韓の学生 生が韓国と日 日本、米国の のハワイでキ キャンパスを を共有して学 学び合った。 長期留学や や学び方への の再考を促し してきた本プ プログラムの の効果を考えれば、参加 加条件を 1 年生と 年 2 年生 生 に限定し、 目的ある学 学習への意欲 欲を引き起こ こした意義は は大きい。 5 年前に に本プログラ ラムがスター ートした時と とは異なり、現在は学内外 現 外で多くの短 短期プログラ ラムが企画・ 運営されて ている。しか かし、その多 多くは特定の の学部が運営 営主体となり、專門に特 特化されてい いるものであ あ る。專門課 課程に入る前 前に学び方へ への再考を促 促し、長期留 留学への動機 機づけを与え えるプログラムは見当た らない。1、 、2 年生での の体験がその の後の大学生 生活や長期留 留学への関心 心を左右する る影響の強さ さを鑑み、今 今 後は 1、2 年 年生向けプロ ログラムの開 開発・実施に に最も力を入 入れるべきで ではないかと と思われる。 2 年を 1 クールとす する本プログ グラムは、20015 年度で 1 クールを終 終えたばかり りである。1 年次の日韓 韓 交流を通し して互いの違 違いを受入れ れる柔軟さを を養い、2 年次にハワイ 年 大学に集ま まり、グロー ーバルな視点 を養う深化 化学習を行な なったことで で、好スター ートを切れたと確信している。今後 、2018 年ま まで 4 クール ル を実施する る予定である る。韓国のソ ソウルと釜山 山、日本の福 福岡、米国のハワイとい いうそれぞれ れの場所が持 持 つ特徴を活 活かし、キャ ャンパス共有 有を通じて外 外国の学生と協学することに引き続 続き重点をお おきながら、 更なるプロ ログラムの充 充実化を図っ っていきたい い。 《出版物の の紹介》 松原孝俊・崔慶原編『日韓が共有 有する近未来 来へ』本の泉社 社、2015 年。 。 度から 14 年ま までのプログ グラムの成果 果を「学生交流」と「グ 2011 年度 ローバル ル人材育成」と というキーワ ワードでまと とめた。海峡を挟む日韓 両国を軸 にした国際共 共同教育が持 持つ意義とそ その可能性を社会へ発信 し、広く 共有するため めである。両 両国の学生が が交流を通じて、分かり 合い、互 互いの良いとこ ころを学び合 合う姿が描か かれている。 プログラ ムの企画と運 運用にかかわ わった日韓両 両国の教員と企業インタ ーンシッ プの受け入れ れ担当者、文 文部科学省の の関係者の論考、そして 参加した 日韓の学生 14 名の報告で構成されて ている。 独 独立行政法人日本 本学生支援機構 構 Copyright 35 © JASSO. 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