公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 2014(平成 26)年度在宅医療助成事業 看取り期における医療・介護の連携を中心とした事例研究 事例集 平成 28 年 2 月 一般社団法人 日本介護支援専門員協会 はじめに わが国では、4 人に 1 人が高齢者という超高齢化社会を迎えており、同時に社会保障費 の増大により、高齢者だけでなく、社会保障の運用は全世代にとって避けては通れない非 常に重要な課題となっております。国においては、税と社会保障の一体化政策により目指 す将来像を掲げ、消費税率の改定等の政策を進めているところです。 そのような中、高齢者が住み慣れた地域でその人らしく生活を継続するためには、介護 力の確保だけでなく、地域全体で支える仕組みが必要であり、地域包括ケアシステムの構 築が進められています。 地域包括ケアシステムでは「高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可 能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう」 考えられています。その「人生の最期」を住み慣れた地域で迎えることができるためには 何が必要なのかをこのたび21例の看取り事例を集めて検証してみました。 介護支援専門員をはじめ、関係部局・各職能団体等において本事例集をご活用いただき、 「住み慣れた地域での看取り」の参考にしていただければ幸いです。 末筆になりますが、本事業の推進にあたり、事例提供のご協力をいただきました介護支 援専門員のみなさま、委員のみなさまに感謝申し上げます。 平成 28 年 2 月 一般社団法人日本介護支援専門員協会 会長 鷲見 よしみ 目 次 はじめに 第1章 本書の使い方 第2章 看取り期における医療・介護の連携を中心とした事例研究 P.1 P.5 事例A 最期まで自宅で過ごしたい(独居末期がん利用者の看取り) 事例B 施設入所していた妻が、末期がんと診断され、急遽在宅に戻り家族で看取った事例 P.12 事例C 大脳皮質基底核変性症のために発語なく全介助の状態の夫を妻が介護したケース 病状の進行が激しかったがチームケアで本人、妻を支えることができた P.19 事例D 終末期における在宅という療養の場所を考える P.25 事例E 当初は病院で最期を迎えると考えていた家族が自宅での看取りを決断した要 因 P.31 事例F 畳の上で最期を迎えたい ~本人・家族の想いに寄り添う支援とは~ P.38 事例G 家業の農業をしながら、末期がんの母親を看取った事例 ~急激なレベル低下についていかないご家族の気持ちを支えた~ P.45 事例H 「早く死んでほしい」と言いながら最期まで自宅で介護を続けた事例 P.53 事例I 本人に余命宣告されず終末期を考える事例 P.59 事例J 仕事をしながら胆管がん、アルツハイマー型認知症の母親を家で最期まで支えた 家族の事例 ~デイサービスやショートステイの利用をおこない本人や家族の思いを支える~ P.66 事例K 最期まで住み慣れた家に拘った思いを尊重した看取り支援 ~妻から天国の娘のもとへ~ P.72 事例L 最期まで自宅に居たいという本人の希望をチームで支援した事例 ~介護力が弱く、支援拒否があるケース~ P.79 事例M 最期まで「自宅で過ごしたい」と言う利用者の思いに添って医療、介護の連携を 図ることで食べることに着目した事例 P.86 事例N 正常圧水頭症が進行していく様々な機能低下に在宅において介護者を支える事例 ~新たに出現する症状やそれに伴う介護者(妻) 、家族の思いを支えるチームアプローチ~ P.93 事例O 最期まで住み慣れた地域で生活を過ごしたかったが家族に反対され叶わなかった ~病気の不安と望む生活の両立~ P.100 事例P 生活保護で身寄りなし P.107 事例Q 在宅ケアを選択することにより、自主性と主体性を取り戻すことができた事例 ~本人の最後の願いを叶えるためのチームアプローチ~ 事例R 認知症の母の今後を心配して最後まで在宅で過ごした利用者の看取り支援につい P.122 て 事例S 「娘の世話になるわけにはいかない。でも一人は孤独」と強い不安を訴えていた が穏やかな最期を迎えることができた事例 P.129 事例T 最期まで在宅で過ごす意思の強い親子の看取りについて P.136 事例U がん末期をご本人の希望により、娘の協力の元、自宅にて過ごされた女性の事例 P.142 検討委員 がん発症から看取りまで P.114
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