青森県発達障害者支援センター運営事業業務委託仕様書 1 要旨 この仕様書は、青森県発達障害者支援センター運営事業(以下「事業」という。 )を受託する 業務について、必要な事項を定めるものとする。 2 事業の目的 自閉症等の特有な発達障害を有する障害児(者) (以下「発達障害児(者) 」という。 )に対す る支援を総合的に行う地域の拠点として、発達障害に関する各般の問題について発達障害児(者) 及びその家族からの相談に応じ、適切な指導又は助言を行うとともに、関係施設及び関係機関 との連携強化等により、発達障害児(者)に対する地域における総合的な支援体制の整備を推 進し、もって、これらの発達障害児(者)及びその家族の福祉の向上を図ることを目的とする。 3 障害児入所施設等への附置 発達障害者支援センター(以下「センター」という。 )は、発達障害児(者)に対する効果的 な支援が行われるよう、発達障害児(者)に対する相談支援等に関する知見の活用、夜間及び 緊急時への対応並びに一時保護等の施設機能の活用を図る観点から、原則として、障害児入所 施設、障害者支援施設その他県が適当と認める施設(以下「障害児入所施設等」という。 )に附 置するものとする。なお、特定非営利活動法人へ委託する等、障害児入所施設等に附置しない 場合においても、夜間及び緊急時への対応並びに一時保護等の体制が確保できるよう、障害児 入所施設等との連携を図ることとする。 4 事業の内容 センターにおいては、地域の発達障害児(者)を支援するため、次に定める事業を実施する。 (1)発達障害児(者)及びその家族等に対する相談支援 ① 発達障害に関する各般の問題について、発達障害児(者)及びその家族等からの相談に応 じ、適切な指導又は助言をするとともに情報提供を行う。 ② 発達障害児(者)に対する相談支援は、来所及び訪問による面談のほか、電話又はインタ ーネット等の情報通信機器を用いた相談などを実施することとし、地域の発達障害児(者) のニーズや相談内容に応じて弾力的な対応を図るものとする。 (2)発達障害児(者)及びその家族等に対する発達支援 ① 発達障害児(者)及びその家族等に対し発達支援に関する相談を実施し、家庭での発達障 害児(者)の発達に関する指導又は助言を行うとともに、必要に応じて、発達障害児(者)の 医学的な診断及び心理的な判定を行うこととする。その際、児童相談所、障害者相談センタ ー及び医療機関等との連携を図るものとする。 ② 障害児入所施設、障害者支援施設及び保育所等を利用している発達障害児(者)に対する 発達支援方法に関する指導又は助言を行うものとする。 ③ 夜間等の緊急時や行動障害により、一時的な保護が必要となった場合には、センターを附 1 置した障害児入所施設等において一時的な保護を行うものとする。なお、この場合には、短 期入所(ショートステイ)の利用として取り扱うこととする。 (3)発達障害児(者)に対する就労支援 就労を希望する発達障害児(者)に対し、就労に向けて必要な相談等による支援を行うと ともに、必要に応じて公共職業安定所、地域障害者職業センター及び障害者就業・生活支援 センター等の労働関係機関との連携を図るものとする。 (4)関係施設及び関係機関等に対する普及啓発及び研修 ① 発達障害の特性及び対処方法等について解説したわかりやすいパンフレット、チラシ等を 作成し、児童相談所、障害者相談センター、福祉事務所、保健所(市町村保健センターを含 む。以下同じ。 )、児童発達支援センター及び障害児入所施設(以下「児童発達支援センター 等」という。 )において活用を促すとともに、学校、幼稚園、保育所、医療機関、企業等に配 布することなどにより地域住民に対する普及啓発を図り、発達障害児(者)に関する理解の 促進に努める。 ② 発達障害児(者)に対する取り組みを積極的に進めるため、児童相談所、障害者相談セン ター、福祉事務所、保健所、児童発達支援センター等の専門機関等の職員の育成や学校、幼 稚園、保育所、医療機関等の関係機関の職員、並びに県及び市町村の障害福祉を担当する職 員を対象に研修を実施する。 5 職員の配置等について この事業を行うにあたっては、あらかじめ、センターの管理責任者を定めるとともに、 事 業を担当する次の職員は常勤の者でなければならない。 ①相談支援を担当する職員 社会福祉士(社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)に定める社会福祉 士をいう。以下同じ。 )であって、発達障害児(者)の相談支援について、相当の経験及び知 識を有する者、又は、それと同等と県が認める者。 ②発達支援を担当する職員 発達障害児(者)の心理的判定及び発達支援について、相当の経験及び知識を有する者、 又は、それと同等と県が認める者。 ③就労支援を担当する職員 発達障害児(者)の就労について、相当の経験及び知識を有する者、又は、それと同等と 県が認める者。 6 センターの設備 センターには、次の設備を設けるものとする。 ただし、センターを附置した障害児入所施設等の入所児(者)への支援や、施設の運営上 障がない場合には、附置した施設と設備の全部又は一部を共有することは差し支えないもの とする。 なお、相談室等については、利用者の個人の身上に関する秘密が守られるよう十分配慮す 2 るものとする。 7 ① 相談室等 ② 事務室 ③ 便所 ④ その他必要な設備 開所日等 センターの開所日は、原則として週5日以上とする。 開所時間は、1日当たり8時間、週40時間を目安とする。 8 センターの名称 センターの名称は『青森県発達障害者支援センター(津軽地域) 「○○○○」 』あるいは 『青森県発達障害者支援センター(県南地域) 「○○○○」 』とする。 9 関係施設及び関係機関との連携 関係施設や児童相談所等の専門機関と密接に連携を図り、発達障害児(者)に対する福祉、 保健、医療、教育、就労の各分野による総合的な支援の在り方を検討するため、児童相談所、 障害者相談センター、福祉事務所、保健所、基幹相談支援センター、指定特定相談支援事業 者、障害児相談支援事業者、児童発達支援センター等、教育委員会、公共職業安定所、地域 障害者職業センター、医療機関及び障害児等療育支援事業実施施設、県、市町村及び家族団 体等により構成される連絡協議会を定期的に開催すること。 検討内容は、次の事項を参考とすること。 ア)地域の発達障害児(者)等の実態 イ)各関係施設及び関係機関の役割 ウ)適切な支援の在り方 エ)関係施設及び関係機関の効果的な連携の在り方 オ)具体的な事例検討 カ)その他必要な事項 10 苦情解決等 (1)センターは、その提供した相談支援等に関する発達障害児(者)からの苦情に迅速 かつ 適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じな ければならない。 (2)センターは、その提供した相談支援等に関し、県が行う、文書その他の物件の提出若し くは提示の求め又は県の職員からの質問若しくは照会に応じ、並びに発達障害児(者)及 びその家族からの苦情に関して県が行う調査に協力するとともに、県から指導又は助言を 受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。 (3)相談支援等の実施に当たっては、本人や家族にその内容を十分に説明し同意を得るなど、 その権利擁護に配慮すること。 3 11 実施状況の報告 センターは、本事業の毎年度の実施状況等について県が指定する方法により別途指定す る期日までに報告すること。 12 実施上の留意事項 センターが、事業を実施する上での留意点は次のとおりとすること。 (1)発達障害児(者)及びその家族等に対する相談支援 ① 実施方法の周知 来所及び電話による相談等の実施日、実施時間、実施場所並びに相談方法等について、 あらかじめ広報等により周知を図ること。 ② 発達障害児(者)及びその家族等への配慮 発達障害児(者)及びその家族等の利便性に配慮し、場合によっては夜間及び休日に 実施したり、利用しやすい場所にある公民館等を活用することも考慮すること。 ③ ニーズの把握 地域における発達障害児(者)の実態及びニーズの把握に努めること。 また、相談を希望する発達障害児(者)及びその家族に対し、必要に応じて家庭訪問 を行う等により、家族構成、家庭環境等の基礎的な事項の把握に努めるとともに、これ らの者のニーズの明確化を図ること。 ④ 緊急時の連絡体制の整備 夜間等における相談及び緊急時に適切に対応するため、センターを附置した障害児入 所施設等との連携を密にし、相談等に迅速に対応できるよう連絡体制の整備に努めるこ と。 ⑤ 相談内容の記録 計画的、かつ継続性のある相談支援を行うため、相談支援の内容を具体的に記録し、 適切な管理の方法により保管すること。 (2)発達障害児(者)及びその家族等に対する発達支援 ① 支援内容等の周知 発達支援を受けるための手続き及びその内容について、あらかじめ広報等により周知 を図ること。 ② 実施方法 発達支援は、発達障害児(者)の障害の状況等に応じて、発達支援に関する個別計画 (以下「発達支援計画」という。 )を作成し、これに基づき計画的に行うこととし、その 実施に当たっては、本人や家族に内容を十分説明し同意を得るなど、その権利擁護に配 慮すること。 なお、発達支援計画の作成に当たっては、必要に応じて家庭訪問を行う等の方法によ り利用者のニーズを明確にし、達成すべき目標を定め、目標達成のための発達支援方法 について具体的に提示できるようにするとともに、本人又は家族の同意を得ること。 4 また、発達支援計画について、適宜その評価を行い、必要に応じ発達支援計画の修正・ 見直しを行うこと。 ③ 実施内容の記録 計画的、かつ継続性のある発達支援を行うため、発達支援の内容を具体的に記録し、 適切な管理の方法により保管すること。 (3)発達障害児(者)に対する就労支援 ① 支援内容等の周知 就労支援を受けるための手続き及びその内容について、あらかじめ広報等により周知 を図ること。 ② 実施方法 ア)就労支援は、日々の生活習慣の形成、職業生活上の一般的なルールの理解及び交通機 関の円滑な利用等の職業生活を行うために必要な知識等の習得を図るための支援を行う こととし、その実施に当たっては、本人に内容を十分説明し同意を得るなど、その権利 擁護に配慮すること。 イ)企業等を継続的に訪問し、発達障害についての情報を提供するなど、発達障害に関す る理解の促進を図ることにより、就労の場の拡大に努めること。 (4)関係施設及び関係機関等に対する普及啓発及び研修 ① 児童発達支援センター等の関係施設等の職員の研修 児童相談所、障害者相談センター、福祉事務所、保健所、児童発達支援センター等の 職員の育成や学校、幼稚園、保育所、医療機関等の関係機関の職員、並びに県及び市町 村の障害福祉を担当する職員を対象に研修を実施すること。 研修内容は、以下の例を参考として、発達障害に関する基礎知識・技術を習得するこ とを目的とした研修とすること。 ア)発達障害の定義及び特性 イ)発達障害児(者)の早期発見 ウ)発達障害児(者)への発達支援 エ)関係施設・関係機関の連携(支援内容に関する情報共有の具体的な手法等を含む) オ)発達障害児(者)の家族に対する支援 カ)対応困難な事例に対する支援 キ)具体的な事例検討 ② 発達障害児(者)に係る教育関係者及びセンター職員等の合同研修 研修は、発達障害児(者)が現に通学する特別支援学校、小・中学校等の教職員とセ ンターの職員が参加する合同の研修会とすること。また、必要に応じ、児童相談所等の 福祉関係機関及び教育委員会等の教育関係機関の職員を対象とすること。 研修内容は、日常的に実践している発達障害児(者)への具体的な取組みについて、 情報の共有化等を図るとともに、具体的な事例に関するケースワークを中心とした研修 とすること。 5 (5)個人情報の保護について 本事業の実施に携わる者は、利用者のプライバシーの保持に十分配慮するとともに、業務 上知り得た個人情報は、業務目的外で他に漏らしてはならない。特に利用者の個人情報を入 手する場合には、あらかじめ支援のために関係機関へ個人情報の提供がありうる旨を説明し た上で、利用者の了承を得ておくものとする。また、利用者の同意が得られない場合等は、 利用者と十分相談の上、情報を取り扱うこととする。 (6)再委託の制限について 受託者が本業務の一部を第三者に委託する場合には、あらかじめ県に対して、別途定める 方法により再委託する業務の内容、再委託先、再委託に対する管理方法等の必要事項を報告 し、承認を得なければならない。 6
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