平成28年度町長施政方針を掲載しました

平成28年度施政方針
平成27年度の本町の町政運営につきましては、議員の皆様方
をはじめ、町民の皆様方の深い御理解と御協力を賜り、各種の事
業が順調に推進していることに、心から感謝申し上げます。
地方創生のかけ声とともに、全国の自治体がそれぞれの地域の
問題点を克服し、訪れる超高齢化社会と少子高齢化の波を乗り切
ろうと精力的に動き始めています。平成28年度は本町におきま
しても自主財源を確保しながら、きめ細やかな行政サービスを行
うことが、町民の皆様が力を発揮し、地域の活性化につながり、
そのことが人口減少を食い止め生産性の向上もあいまって、豊か
な暮らしができる町になっていくものと考えます。農林水産業を
機軸にさまざまな施策を持って安定した所得を目指し、観光や企
業誘致等で更なる雇用を生み出し、この意識を職員と共有し町民
の皆様の声に耳を傾けながら、より効率的な行政運営に当たって
参ります。さまざまな観点から議員の皆様方の御意見・御指導も
賜りたく存じますのでなにとぞよろしくお願い致します。
さて、安倍晋三首相は1月22日の衆議院本会議で施政方針演
説を行い、今国会を「未来へ挑戦する国会」と位置付け、夏の参
議院選挙をにらんで「一億総活躍社会」やTPPへの取り組みを
全面に押し出しています。TPP関係では人口8億人、GDP(国
内総生産)3千兆円を超える巨大経済圏が生まれるとし、日本に
もGDPを14兆円押し上げる効果をもたらし、80万人もの新
しい雇用を生み出しますと強調、そして農業や中小企業にも輸出
のチャンスを作る年であり「ピンチではなく大きなチャンス」と
呼びかけました。
一方で「TPPによって農業を続けることができなくなるので
はないか 。」と多くの農家の皆さんが不安を抱いています。美しい
田園風景、伝統ある故郷、助け合いの農村文化、日本が誇るこう
した国柄をしっかりと守っていく、決して揺らぐことはありませ
ん。米や麦、砂糖・でんぷん、牛肉・豚肉、そして乳製品、日本
の農業を長らく支えてきた重要品目については、関税撤廃の例外
を確保いたしました。そして生産者の皆さんが安心して再生産に
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取り組むことができるよう、農業の体質強化と経営安定化のため
の万全の対策を講じます。と述べてございます。
我が国の社会経済情勢は、景気が回復基調であったところです
が、このところの中国経済の不透明さなどから今後の国内経済状
況を注視する必要があり、急激な高齢化の進行と少子化が大きな
課題となっており、地方自治体の共通のテーマとなっています。
このような中、本町の行財政を取りまく状況は大変厳しい状況
でございます。限られた財源の中で効率的な事業の推進を図り、
「夢
と希望を持てる町づくり」そして町民の皆様が、この中種子町に
住んで良かったと思える町づくり、住民サービスの向上に努め、
第5次長期振興計画(後期基本計画)に基づき「人の和と豊かな
実りに新たな希望が持てるまちなかたね」を目指して、町民の期
待と信頼に応えて参りたいと思います。
平成28年度予算案について、歳入では、自主財源の根幹をな
す町税は、重要な財源であることから適正で公正な課税、公正で
確実な徴収、正確で迅速な収納管理に努め自主財源の確保を図り
ます。国庫支出金・県支出金については国・県の予算編成の動向
に充分注意し補助率等を的確に把握しながら財源確保に努めます。
ふるさと納税については、インターネットでのふるさとチョイス
を活用し、本町の特産品などを中心に返礼するシステムを関係機
関と連携し更なる充実を図ります。
歳出については、農林水産業・商工業関連予算・医療・福祉関
連予算・教育関連予算及び地方創生関連予算など真に必要とする
政策課題に取り組むことを基本とし予算編成を致しました。
第1に地域の資源を生かした農林水産業の振興と商工業の活性
化を図り、第2に医療・介護・福祉の充実、健康で生み育てやす
い町づくり、第3に人づくりのための教育の充実、第4に安心し
てくらせる町づくりでございます。第1の農林水産業の振興と商
工業の活性化について、農林水産業の振興は、地域の特性や温暖
な気候をいかした農産物の生産拡大に努めます。特に基幹作物の
キビ・甘藷の単収向上、米・葉タバコなどの生産拡大と担い手農
家育成を図りながら、地域が元気で活力に満ちた農業・農村社会
づくりに努めます。
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そのために生産性向上のための農業用機械及び施設への補助事
業・農地基盤整備事業・農道網の整備事業、単収向上のための土
層改良事業・優良種苗確保事業・バイオ苗供給事業を実施します。
野菜・花卉の園芸作は価格安定基金制度の充実と販売推進に努め
ながら増反推進に努めます。また、青果用安納いもについては、
青果用優良種苗供給事業によりバイオ苗の普及を図り品質の向上
に努めます。
畜産振興対策では、このところ高値取引が続く畜産の維持拡大
のため子牛損耗防止事業により死亡牛の減少対策、優良雌牛・乳
用牛導入を図るための資金貸付事業を進め、自家保留推進事業に
より優良生産素牛の保留に努めるとともに、畜舎環境整備を進め
ます。
また、畜産農家の高齢化、さとうきび収穫体制の精脱化に伴い、
粗飼料等の確保が喫緊の課題となっており、堆肥・粗飼料・混合
飼料等の確保・供給体制のあり方について、関係機関と連携した
調査・研究チームを設立し、耕畜連携を強く推進するための対策
・検討に着手いたします。
漁業については、引き続き第二次離島漁業再生支援交付金事業
に取り組み、地先の良好な漁場と資源を確保・維持しながらトコ
ブシ稚貝放流・イカシバ投入・回遊魚の餌付け事業に取り組むと
同時に魚介類海上輸送費支援事業 ・共同利用施設の製氷貯氷施設
建設を支援し、漁家の経営安定対策と豊かな漁村づくりに努め、
新たな取り組みとして種子島水産資源養殖技術確立事業を実施し
ます。
林業では、間伐・保育を必要とする人工林は、40年生未満の
杉が多く、森林の持つ多面的機能を発揮させるために、流域森林
総合整備事業・森林整備地域活動支援推進事業に取り組みます。
シカ被害対策は、引き続きシカ侵入防止柵設置事業・鳥獣被害防
止総合対策に取り組みます。また、本年度から地域の豊富な二ガ
タケの資源を、地域特産物としての有効活用を目指し、竹林整備
を実施し安定した生産体制を構築するため、ニガタケ生産施設整
備事業の調査・研究に取り組みます。
商工業の振興、商業地域の活性化については、大型ショッピン
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グセンターや通信販売等への流出などから市街地の空洞化が目立
つ中、種子島ALOHAフェスティバル等のイベントを開催する
とともに、プレミアム商品券販売促進事業・地域総合振興事業・
商工業者事業資金利子補給事業・商工業者資金信用保証料補助事
業を進めます。
また、新しく光ブロードバンド導入事業を3カ年計画の債務負
担行為により取り組み、将来の企業誘致や観光客等の強いニーズ
に対応するための整備を進めます。
観光振興については、自然レクリエーション村地域交流施設整
備事業、合宿誘致活動に努めて参ります。
第2に医療・介護・福祉の充実は、少子・高齢化が進む中で本
町の高齢化率は35%と高く、高齢者の皆様が安心してくらせる
町、健康で生み子育てしやすい町づくりを進めるために高齢者へ
は、生きがい対応型ディサービス事業・生活支援移送サービス事
業を行い、障害を持つ皆様には障害福祉サービス事業、安心して
くらしやすい地域づくりとして、コミュニティバス事業、地域に
よってはデマンド型(予約制)乗合タクシー事業を引き続き実施
します。
健康な町づくりは、町民の皆様方が健康ですこやかな生活が送
れるように、高齢者元気度アップ地域活性化事業、各種検診事業
及び予防接種事業の実施、生み育てやすい町づくりは新築移転す
る種子島産婦人科医院で安心して生んでいただき、子育て世代の
負担軽減を図るため、第1子からの出産祝金支給事業、医療費の
助成については、中学3年生までの医療費の無料化を進めるとと
もに、認定こども園事業補助及び放課後児童健全育成事業を進め
ます。
第3に人づくりのための教育の充実は、本町の持つよき教育的
風土の中で「21世紀をたくましく生きる中種子の子の健全育成」
を柱に、学校教育の充実、また「町づくりは人づくりから」を基
本理念として生涯学習推進体制の充実を進めます。
学校関係では、小中学校教育・校務用パソコンリース事業、野
間小学校北側校舎の改修工事、更に増田小校長住宅建築工事・野
間小教頭住宅新築事業を実施します。また町立体育館は築40年、
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種子島こりーなは築20年が経過しそれぞれ建物・設備等が老朽
化していることから町立体育館は耐震補強を含めた大規模改修工
事、種子島こりーなの設備改修工事を実施しスポーツ・文化施設
の改修整備を進め、また、自主文化事業、公民館講座等生涯学習
推進、スポーツの振興を進めます。
第4に安心してくらせる町づくりでございます。地域防災整備
として過去2カ年整備してきた防災無線デジタル化事業を継続し
本年度に竣工させ、消防中種子分遣所へ動力ポンプ車付10トン
水槽車を購入します。町道の整備事業を継続して大平中山線・梶
潟1号線・坂井熊野線・原之里線を継続、道路舗装補修工事等新
規路線6路線、継続3路線を整備を進めます。また、住宅関係で
は町営伏之前団地改修調査設計を実施して参ります。
なお、本年度の地方創生関係事業については、農地台帳デジタ
ル図面化モデルシステム設置事業、町6次産業化等推進協議会補
助事業、種子島水産資源養殖技術確立事業、なかたね学童保育運
営委員会補助事業を実施します。
以上、平成28年度施政方針を述べましたが、限られた予算の
中で効果的・効率的な行財政運営に努めて参りますので、議会議
員の皆様方をはじめ、町民の皆様の御指導・御協力をお願い申し
上げまして平成28年度の施政方針とします。
中種子町長
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田渕川
寿広