2015/7/14 1.ニュートンの法則 力学 第1法則: 「物体は力がはたらかないとき、静止し続けるか、 等速直線運動をする(慣性)」 物体にはたらいている力 ニュートンの第2法則 (運動方程式) 第2法則: 「物体に外部から力が加わると、速度が変わる (運動方程式)」 運動 第3法則: 「互いに力を及ぼしあう物体にはそれぞれに大きさが同じで 向きが反対の力がはたらく(作用反作用の法則)」 質量を介してこの 2つを関係づける 加速度 速度 2.万有引力の法則 質量:物体を構成する 原子の種類と個数で 決まる物理量 位置 あらゆる物体の間には引力がはたらき、その大きさは 各々の質量の積に比例し、距離の2乗に半比例する 位置と時間のグラフ(x‐t図)(直線上の運動) 位置(直線上の運動) 位置x〔m〕 時刻の関数として表す x [m] 100 ‐2 ‐1 0 1 2 3 4 位置 x を時刻 t の関数として表す x=x(t) 例えば x=t ‐2 t=2sで位置は 0 m x=t2 ‐2 t=2sで位置は 2 m x=x(t) 50 0 時刻t0からt1までの移動距離は x(t1)‐x(t0) 教科書P35 図2.27 0 5 10 時刻t〔s〕 100mランナーの場合 位置と時間のグラフ(x‐t図)(直線上の運動) 平均速度(直線上の運動) • 速度:大きさと向きを持った量 =ベクトル量 スタートから10秒間の平均速度 =100m/10s 位置〔m〕 =10 m/s • 速さ(Speed):スカラー量=“速度の大きさ” • 平均速度=移動距離÷時間 単位 m/s ,(km/h) 100 → 移動距離=平均速度×時間 10秒間で100m移動 平均の速度=10m/s 平均の速さ=10m/s 平均の速度=0m/s 平均の速さ=10m/s 平均の速度=‐10m/s 平均の速さ=10m/s 正の方向 時刻6sから4秒間の 平均速度 =60m/4s =15 m/s 50 平均速度はその 時間内のx‐tグラフ の傾き 0 0 5 10 時刻〔s〕 1 2015/7/14 瞬間の速度(直線上の運動) 瞬間の速度(直線上の運動) t:時間 t:時間 x: tの間の移動距離 平均の速度 ※ :デルタ 位置〔m〕 x t 平均の速度 100 t → 0 を考える x t v(t ) lim t 0 x t 0 0 10 5 時刻〔s〕 y ( x) ax bx c を x で微分 n y( x) anx x dx(t ) 50 dt t 瞬間の速度はその 瞬間のx‐tグラフの 0 接線の傾き m t 0 x 10 5 時刻〔s〕 ある時刻における位置 (記号が異なるだけ) bmx m 1 dy ( x) anx n 1 bmx m 1 dx x ‐2 ‐1 0 1 2 3 4 位置 x[m] を時刻 t [s]の関数としてx=x(t) で表す 例えば x=t2 ‐2 物理は物体の位置 x が時間 t の関数 つまり x(t) x(t ) at bt c n 100 瞬間の速度(直線上の運動) 微分について n 1 位置〔m〕 t → 0 を考える 50 平均速度はその 時間内のx‐tグラフ の傾き x: tの間の移動距離 m 瞬間の速度 v も 時間の関数 v(t) (瞬間の速度は位置を 時間で微分) dx (t ) ant n 1 bmt m 1 dt 瞬間の速度(直線上の運動) 時刻 t=3s での瞬間の速度は、 v(3) lim t 0 x dx(t ) d (t 2 2) 2t t 3 6m/s dt t dt t 3 位置ベクトルと変位ベクトル(平面上の運動) 位置ベクトル:原点(基準点)からの位置を表すベクトル 変位ベクトル:位置がどれだけ変化したかを表すベクトル ある時刻における位置 x 変位ベクトル C B A 点A ‐2 ‐1 0 1 2 3 4 点B 位置 x[m] を時刻 t [s]の関数としてx=x(t) で表す 例えば x=t2 ‐2 点O 点B 点Aの 位置ベクトル 点O 点Bの 位置ベクトル 時刻 t=3s での瞬間の速度は、 x dx(t ) d (t 2 2) v(3) lim 2t t 3 6m/s t 0 t dt dt t 3 あらゆる時刻の速度 点Aの 位置ベクトル A 点A 点Bの 位置ベクトル B B あらゆる時刻における位置ベクトル r (t ) A 変位ベクトル C B A 2 2015/7/14 位置ベクトルと速度ベクトル 位置ベクトルと速度ベクトル 変位ベクトル C B A 点A r (t ) 点B ある物体が t 〔s〕 で点Aから点Bまで 移動したとすると 点Aの 位置ベクトル A C B A v t t 点Bの 位置ベクトル B r (t t ) 点Bの 位置ベクトル r (t t ) C B A v t t 点Bの 位置ベクトル r (t t ) ・平均速度の向きは変位の向き 位置ベクトルと速度ベクトル 速度ベクトル 点A r (t ) r (t t ) r (t ) v t 点O 点Aの 位置ベクトル r (t ) ・平均速度の向きは変位の向き 問1 • 速度は向きと大きさを持った量でベクトルで表される. • 座標上の位置を表すベクトルを位置ベクトルという • 物体が時間と共に座標上で位置を変えるとき,平均速 度ベクトルは,2地点の位置ベクトルの差(変位ベクト ル)を移動に要した時間で割った量である. • 座標上での移動経路(軌跡)が曲線で描かれているとき, 瞬間の速度の方向は曲線の接線の方向である. 点B r (t t ) 平均速度=変位ベクトル÷所要時間 ある物体が Δ t 〔s〕 で点Aから点Bまで 移動したとすると 点O r (t ) 点Aの 位置ベクトル 変位ベクトル r (t ) r (t t ) r (t ) 点B 平均速度=変位ベクトル÷所要時間 ある物体が t 〔s〕 で点Aから点Bまで 移動したとすると 点O r (t ) 点A 点Aの 位置ベクトル r (t t ) ・平均速度の向きは変位の向き 位置ベクトルと速度ベクトル r (t ) C B A 点B 平均速度=変位ベクトル÷所要時間 点O 変位ベクトル 点A 平均速度=変位ベクトル÷所要時間 ある物体が Δ t 〔s〕 で点Aから点Bまで 移動したとすると r (t t ) r (t ) r (t ) dr (t ) lim v (t ) lim t 0 t 0 t t dt ・瞬間の速度の向きは軌跡の 接線の向き 問2 図のように,原点OからABCDEFGの経路を通って物体が運動した.それぞれの 点は一定時間間隔で測定した物体の位置である. (1) それぞれの点での瞬間の速度ベクトルの向きを図示しなさい G D F E A C B 3 2015/7/14 問2 加速度 (2) CD間の平均速度ベクトルの向きを図示しなさい. (3) また,それぞれの区間の平均速度を比べたとき,一番平均速度の 大きい区間は BC である.また一番遅い区間は EF である. • 加速度(ベクトル量) 速度の向きが変わるとき 速度の大きさが変わるとき G その変わる割合が加速度 速度の大きさや向きが1秒間でどれだけ変わるかを表す D F E A → 平均加速度=速度変化÷時間 → 速度変化=平均加速度×時間 C B 単位 m/s2 瞬間の加速度(直線上の運動) v‐t グラフと加速度(直線上の運動) 平均加速度=速度変化÷時間 平均加速度 a v t ある時刻における位置 t=6での瞬間の加速度 位置 x を時刻 t の関数として表す x=x(t) 速度v〔m/s2〕 ・時刻 t=3 での瞬間の速度は、 瞬間の加速度 v dv a lim t 0 t dt v(3) lim t 0 5 瞬間の加速度はv‐tグラフの 接線の傾き 0 a (3) lim t 0 時刻t〔s〕 0 下の図(A~D)は平面上で運動する物体の位置を, 一定時間間隔で記録した図である. (1)速度一定の運動をしているのは A である. (2)速さ一定の運動をしているのは A と C である. • 加速度ベクトル=速度ベクトルの変化 速度の向きが変わる(大きさは同じ)=加速度 v1 v a t (瞬間の加速度) (平均加速度) v1 v dv(t ) d (2t ) 2t 3 2 m/s2 t dt dt t 3 問3 加速度ベクトルと速度ベクトルの変化 dv a (t ) dt x dx(t ) d (t 2 2) 2t t 3 6m/s dt t dt t 3 ・時刻 t=3 での瞬間の加速度は、 2~9秒間の平均加速度 v v2 v1 x=t2 ‐2 例えば 10 v2 y y y y v v2 A x B x C x D x x 4 2015/7/14 問4 (3)速度の向きが変化しているのは C と D である. (4)加速度が0の運動をしているのは A である. (5)加速度の大きさは変化するが,向きが変化していないのは ない (6)加速度の大きさが一定の運動をしてるのは A と C である. y y A y x B x 加速度は 単位時間 当たりの 速度 変化である.速 度の向きを正とすると,走行している車のアクセルを踏 むと車には 正の(速度と同じ) 向きの加速度が生じ, ブレーキを踏むと 負 の向きの加速度が生ずる.一 定速度で走行しているときの加速度は 0 である. y C x D 問. 直線上を運動している物体の位置 x が時間 t の関数として 1 x(t ) a 0 t 2 v0t x0 2 x 力学 物体にはたらいている力 と表せるとき t=0 での位置、速度、加速度を求めよ。 ただし、a0, v0, x0 は時間によらない定数。 速度 ニュートンの第2法則 (運動方程式) dx(t ) a0t v0 dt dv(t ) a (t ) a0 dt v(t ) 加速度 速度 x(0) x0 v(0) v0 加速度 a(0) a0 より t=0 での 位置 運動 1. 加速度 2. 速度 3. 位置 4. 移動距離 a: 積分 速度 積分 微分 位置 (加速度 速度) 等速直線運動 a a0 ( 一定) a 0 m/s 2 v v0 v: v v0 a0t a t 1 2 x: x x0 v0t a0t 2 1 2 s: s x x0 v0t a0t 2 v0 初速度(t 0での速度) 加速度 微分 等速直線運動 等加速度直線運動 質量を介してこの 2つを関係づける v v0 一定 x x0 v0t 加速度 a0 ある時刻で v v0 (例えば t=0で) 速度一定 ならば、任意の時刻で v v0 s x x0 v0t x0 (t 0での位置) 5 2015/7/14 等速直線運動 位置) (速度 2. 速度 t秒間の移動距離 s: s v0t dx dt vdt dx v 速度一定ならば 速さ 移動距離 s は s v v0t 面積 v v0 t vdt 0 (加速度 等加速度直線運動 v0 初速度(t 0での速度 一定) v: 加速度 v v0 a t v v0 a0t 速度の増分 a0 t 速度) 面積 t a0 dt 0 a a a0 vdt dx adt dv v dt dx adt dv a dt dv (この部分の面積) 0 (この部分の面積) 経過時間 t 経過時間 a0t C0 v C1 v0t C x C C0 C1 a0t C v C C t=0で x x0 (t 0での位置) t 0 での位置を x0 とすると x x0 v0t 位置 x: x x0 s x0 v0t 等速直線運動 0 v0t C0 x C1 t 位置) (速度 t=0で 等加速度直線運動 dv dt 等速直線運動 位置) (速度 v0 初速度(t 0での速度 一定) v0 初速度(t 0での速度 一定) t秒間の移動距離 s: s v0t t秒間の移動距離 s: s v0t 速度一定ならば 速度一定ならば v v0 0 C1 v v0 a0t 等加速度直線運動 短い時間ならば速度一定で 速さ 移動距離 s は s v v0t 速さ v v0 移動距離 s は s v v0t 移動距離 s は 速さ v 傾き v v0 a0 v v0 a0t v v0 (この部分の面積) s v0t (この部分の面積) t 経過時間 t t 0 での位置を x0 とすると t 0 での位置を x0 とすると 位置 x: x x0 s x0 v0t 位置 x: x x0 s x0 v0t 経過時間 経過時間 t 例題1. 地球表面付近で、すべての物体は下向きに約9.8m/s2で加速して運動する。 (重力加速度) dx dt vdt dx v vdt dx v v0 a0t (v 0 短い時間ならば速度一定で 移動距離 s は 速さ ① 物体を放してから2秒後の物体の速度は何m/sか? v 傾き より a0t )dt dx 1 2 a0t v0t C0 x C1 2 1 x a0t 2 v0t C t=0で x0 (t 0での位置) 2 1 x x0 v0t a0t 2 2 s v0t 地表から高さ44.1mの位置にある物体を静かに放したところ、物体は下方向に運動した。 (ただし、上向きを正の方向とする。) a0 x v v0 a0t v v0 ② 物体を放してから2秒後の物体の位置は地表から 何mの高さか? 9.8m/s2 t 44.1m 経過時間 ③物体を放してから地表に着くまでの時間は何秒か? 地表 6 2015/7/14 例題1. 例題1. 地球表面付近で、すべての物体は下向きに約9.8m/s2で加速して運動する。 (重力加速度) 地球表面付近で、すべての物体は下向きに約9.8m/s2で加速して運動する。 (重力加速度) 地表から高さ44.1mの位置にある物体を静かに放したところ、物体は下方向に運動した。 (ただし、上向きを正の方向とする。) 地表から高さ44.1mの位置にある物体を静かに放したところ、物体は下方向に運動した。 (ただし、上向きを正の方向とする。) ① 物体を放してから2秒後の物体の速度は何m/sか? ② 物体を放してから2秒後の物体の位置は地表から 何mの高さか? x 物体を放した瞬間の時刻 t を 0 とする。 a dv dt 9.8 dv dt 9.8dt dv 9.8t C v 静かに放した 9.8t v 9.8m/s2 t=0でv=0 C=0 よって 地表 v 19.6m/s 例題1. t=0でx=44.1m x dx 9.8t dt 9.8m/s2 9.8tdt dx 44.1m v 9.8 2 19.6 9.8t v dx v dt C=44.1m 1 x 9.8t 2 C 2 44.1m 1 x 44.1 9.8 2 2 24.5m 2 地表 例題2. 地球表面付近で、すべての物体は下向きに約9.8m/s2で加速して運動する。 (重力加速度) 物体を地表から真上に速さ10m/sで放り上げた。 (ただし、上向きを正の方向とする。) 地表から高さ44.1mの位置にある物体を静かに放したところ、物体は下方向に運動した。 (ただし、上向きを正の方向とする。) ① 物体を放り上げてから2秒後の物体の速度は何m/sか? ③物体を放してから地表に着くまでの時間は何秒か? x x 1 x 44.1 9.8t 2 2 ② 物体を放り上げてから2秒後の物体の位置は地表から 何mの高さか? 1 0 44.1 9.8t 2 2 t 9.8m/s2 2 44.1 3s 9.8 地表 例題2. 物体を地表から真上に速さ10m/sで放り上げた。 (ただし、上向きを正の方向とする。) ② 物体を放り上げてから2秒後の物体の位置は地表から 何mの高さか? ① 物体を放り上げてから2秒後の物体の速度は何m/sか? dv dt 地表 例題2. 物体を地表から真上に速さ10m/sで放り上げた。 (ただし、上向きを正の方向とする。) a 速さ:10m/s 44.1m 9.8 dv dt 9.8dt dv x 9.8t C v v 9.8 t 10 (t=0でv=10m/s) v 9.8 2 10 9.6m/s 速さ:10m/s 地表 v 9.8t 10 dx 9.8t 10 dx dt v dt 1 x 9.8t 2 10t C 2 1 (t=0でx=0m) x 9.8t 2 10t 2 1 x 9.8 2 2 10 2 0.4m 2 x 速さ:10m/s 地表 7
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