大崎上島町 男女共同参画推進計画 ともに尊重しあい だれもが輝ける 平成27年3月 大崎上島町 まち はじめに 2003(平成 15)年に旧大崎町・旧木江町・旧東野町が合併し、大崎上島町が誕生し 10 年以上の歳月が過ぎました。少子高齢化の進行や社会経済の変化、人々の価値観やラ イフスタイルが多様化するなか、町民の暮らしも少しずつではありますが、変化を余儀な くされております。 豊かで活力ある社会を築くには、男性も女性も対等な立場で、自らの意思と責任をもっ て社会に参画できる男女共同参画社会を実現することが必要です。 この度、本町では、男女共同参画の基本的な指針を示すとともに、男女共同参画社会の 実現に向けて、 「男女共同参画社会基本法」第 14 条に基づく基本計画として「大崎上島町 男女共同参画推進計画」を策定しました。 本計画は、 「海景色の映えるまち~地域資源を活かした理想郷の実現~」を将来像とした 大崎上島町第2次長期総合計画をはじめ、その他関連計画との整合性を踏まえて策定した ものです。 今後は、本計画にもとづき男女がお互いを尊重しあい、性別にとらわれずに能力と個性 を発揮して、社会のあらゆる分野に参画し、喜びも責任も分かち合う男女共同参画社会の 実現をめざしてまいります。 最後になりましたが、本計画の策定にあたり、たくさんの貴重なご意見をいただいた男 女共同参画審議会委員の皆様、町民の皆様、ご協力いただいたすべての方々に心からお礼 を申し上げます。 2015(平成 27)年 3 月 大崎上島町長 高田 幸典 目 次 第 1 章 計画の概要 ............................................................................................................................................... 1 1. 計画の趣旨 ...................................................................................................................................................... 1 2. 計画の性格と位置づけ .............................................................................................................................. 1 3. 計画の期間 ...................................................................................................................................................... 2 4. 計画の進行・管理 ........................................................................................................................................ 2 5. 計画の策定方法 ............................................................................................................................................. 2 6. 計画策定の社会的背景 .............................................................................................................................. 3 第2章 計画の基本的な考え方 ........................................................................................................................ 6 1. 大崎上島町がめざす男女共同参画社会とは .................................................................................... 6 2. 計画の基本理念 ............................................................................................................................................. 7 3. 計画の基本目標 ............................................................................................................................................. 9 4. 計画の体系 .................................................................................................................................................. 10 第 3 章 施策の展開と具体的な取組み内容 ........................................................................................... 11 1. 人づくり:ともに学び、成長できる大崎上島町 ...................................................................... 11 2. 環境づくり:個性と能力を磨き、ともに活躍できる大崎上島町 ..................................... 18 3. 安心づくり:だれもが自分らしく、安心して暮らせる大崎上島町 ................................ 27 第4章 資 1. 2. 3. 4. 5. 計画の推進体制 .................................................................................................................................. 36 料 ............................................................................................................................................................... 37 大崎上島町男女共同参画審議会設置条例 .................................................................................... 38 大崎上島町男女共同参画審議会委員名簿 .................................................................................... 39 男女共同参画関連の年表 ...................................................................................................................... 40 関連用語解説 ............................................................................................................................................. 44 男女共同参画社会基本法 ...................................................................................................................... 47 第1章 計画の概要 1. 計画の趣旨 少子高齢化、社会経済活動の成熟化・国際化・情報通信の高度化、家族形態の 多様化などにより、社会環境の急速な変化が起きています。こうしたなか、町民 一人ひとりが幸せに生きるためには、女性も男性も互いにその人権を尊重し、性 別や年齢にとらわれず、個性と能力を認めあい、それらを十分に発揮できる男女 共同参画社会の実現が不可欠です。 このようなことから、大崎上島町において、男女共同参画の基本的な指針を示 し、男女共同参画社会の早期実現のための施策を総合的、かつ計画的に推進して いくための「大崎上島町男女共同参画推進計画」を策定します。 2. 計画の性格と位置づけ 男女共同参画社会基本法では、市町村は、国・都道府県がそれぞれに定める男 女共同参画基本計画を勘案して、当該市町村の区域における男女共同参画計画を 定めるよう努めることが規定されています。 「大崎上島町男女共同参画推進計画」は、こうした求めに応じ、大崎上島町に おける関連計画との整合性も踏まえて策定したものです。 ◆関連他計画等との関係◆ 根拠法 男女共同参画社会基本法(14 条) 勘案 配偶者からの暴力の防止及び被害者 の保護に関する法律(DV 防止法) 国 国 第3次男女共同参画基本計画 勘案 広島県 広島県 広島県男女共同参画基本計画 (第 3 次) 大 崎 上島町 男 女 共同 参 画 推進 計 画 (本計画) 国や県の方針 大崎上島町における関連計画 整合 第2次長期総合計画 地域防災計画 健康増進計画 子ども・子育て支援計画 整合 高齢者福祉計画・介護保険事業計画 障害者福祉計画 その他関連計画 1 3. 計画の期間 計画の期間は、2015(平成27)年度から2019(平成31)年度までの5年 間とします。ただし、国の動向や社会状況の変化に対応し、必要に応じて見直し を行うものとします。 4. 計画の進行・管理 本計画については、定期的に進捗状況を把握し、報告や協議を行うとともに、 町民に公表するなどして着実な推進を図ります。 5. 計画の策定方法 計画策定にあたり、施策を検討する上での基礎資料を得ることを目的として、 本町在住の20歳以上の町民を対象とし、アンケート調査(男女共同参画に関す る意識調査)を実施、また、男女共同参画審議会を開催し、専門的見地から、日 常生活における男女共同参画意識や実態に関して、さまざまな意見をいただくと ともに、内容についても十分な審議を行いながら計画をとりまとめました。 ◆男女共同参画に関する意識調査の概要◆ 調査対象 20 歳以上の町民 300 人 調査方法 企業関係者等の協力を得て配布:郵送または企業関係者等の協力により 回収 調査時期 2014(平成 26)年 10 月 20 日~11 月 10 日 回収結果 発送数 有効回収数 有効回収率 293 件 143 件 48.8 % 2 6. 計画策定の社会的背景 (1)世界の動き 女性の地位向上をめざした取組みは、1975(昭和50)年の「国際婦人年」 を大きな節目として、世界各国で急速に進展してきました。 1995(平成7)年の「第4回世界女性会議」 (北京)では、各国政府に自国 の行動計画の策定とその実施責任を求める行動綱領(北京行動綱領)が採択され、 あらゆる政策及び計画に、社会的・文化的につくられた性差(ジェンダー)を解 消するよう求めています。 2005(平成17)年に開催された第49回国連婦人の地位委員会「北京+10 (プラス10) 」では、 「北京行動綱領及び女性2000年会議成果文書」の完全実 施に向けた一層の取組みを国際社会に求めることが確認され、国際的潮流の中で も男女共同参画は進展をみせています。 一方、世界経済フォーラム(World Economic Forum, WEF)が2013(平 成25)年に発表した「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート(世界男 女格差年次報告書) 」によると、世界各国の男女格差を測る指標である「ジェン ダー・ギャップ指数注1」では、日本は136か国中105位という結果となり、前 年度の101位から順位はさらに下がり、OECD諸国の中でも非常に低い順位に とどまっています。 我が国がこのような低水準にあるのは、特に、政治や経済の分野において男女 の格差が大きいことにあるといわれており、男女共同参画の積極的な推進が求め られます。 (2)国の動き 我が国においては、1985(昭和60)年の女子差別撤廃条約の批准を契機に、 法や制度の整備が進められ、労働の分野では「雇用の分野における男女の均等な 機会及び待遇の確保等に関する法律」 (男女雇用機会均等法)や、 「育児休業、介 護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」 (育児・介護休 業法)などが制定されました。 1999(平成11)年には、男女が互いにその人権を尊重し、喜びを分かちあ い、性別にとらわれることなく、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参 画社会の実現を促進するため「男女共同参画社会基本法」が施行されました。 また、2001(平成13)年には、 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護 に関する法律」 (DV防止法)が施行され、2008(平成20)年には「改正DV 注 1【ジェンダー・ギャップ指数】スイスのジュネーブに本部を置く「世界経済フォーラム」が、各国内の男女間の格差を数値化し、順位づけした指 数。経済、教育、健康、政治の分野別の男女比をもとに算出された指数。 3 防止法」が施行されるなど、男女共同参画社会の実現に向けた更なる取組みが展 開されています。 (参考)国の第3次男女共同参画基本計画の特徴 めざすべき社会 固定的性別役割分 担意識をなくした 男女平等の社会 男女共同参画に関し て国際的な評価を 得られる社会 男女の人権が尊重され、 尊厳を持って個人が生き ることのできる社会 ◆ 男女が個性と能力を発 揮することによる、多様 性に富んだ活力ある社会 基本計画で改めて強調している視点 ① 女性の活躍による経済社会の活性化 ② 男性、子どもにとっての男女共同参画 ③ さまざまな困難な状況に置かれている人々への支援 ④ 女性に対するあらゆる暴力の根絶 ⑤ 地域における身近な男女共同参画の推進 ◆ 今後取り組むべき喫緊の課題 ① 実効性のある積極的改善措置(ポジティブ・アクション)の推進 ② より多様な生き方を可能にする社会システムの実現 ③ 雇用・セーフティネットの再構築 ④ 推進体制の強化 ◆ 新設された 5 つの重点分野 ① 男性、子どもにとっての男女共同参画 ② 貧困など生活上の困難に直面する男女への支援 ③ 高齢者・障害者・外国人等が安心して暮らせる環境の整備 ④ 科学技術・学術分野における男女共同 ⑤ 地域、防災・環境その他の分野における男女共同参画の推進 4 (3)県の動き 広島県では、1977(昭和52)年に女性行政の総合窓口の設置、婦人問題行 政連絡協議会の設置を経て、1988(昭和63)年には「広島県女性プラン」が 策定され、1989(平成元)年には、広島県婦人総合センター(現・広島県女性 総合センター) 「エソール広島」の開館など、各施策の推進が図られました。さ らに2001(平成13)年12月に「広島県男女共同参画推進条例」を制定し、こ れに基づく「広島県男女共同参画基本計画」が2003(平成15)年2月に策定 され、その後、2011(平成23)年3月に「広島県男女共同参画基本計画(第 3次) 」として見直し策定され、男女共同参画社会の実現に向けた施策が展開さ れています。 (参考)県の第3次男女共同参画基本計画の特徴 ◆ 広島県男女共同参画推進条例の5つの基本理念(条例第3条) ① 男女の人権の尊重 ② 社会における制度又は慣行についての配慮 ③ 政策等の立案及び決定への共同参画の機会の確保 ④ 家庭生活における活動と他の活動の両立 ⑤ 国際的協調 ◆ 広島県男女共同参画基本計画(第3次)の基本的視点 「男女共同参画社会を実現するためには、男女共同参画を推進するための 『しっかりとした環境を創る』、『実践する人を創る』、『私たちが安心して暮 らすことができる社会を創る』という視点が重要」であるとの観点から、 ① 環境づくり ② 人づくり ③ 安心づくり の3つを男女共同参画推進のための基本的視点として設定し、施策に取り組む。 ◆ 広島県男女共同参画基本計画(第3次)における重点的な取組み ●少子高齢化による労働力人口の減少が進む中、経済社会の活性化のためには、 男女が家庭や地域社会での生活を大切にしながら、働きたい人が安心して働 き続けることができるよう、「仕事と家庭の両立に向けた環境の整備」や、「 多様なライフスタイルを可能にする雇用環境の整備」に取り組みます。 ●さまざまな立場の人に男女共同参画の理解を深めてもらえるよう、多様な機 会を通じた「男女共同参画に関する広報・啓発」に積極的に取り組みます。 (広島県男女共同参画基本計画(第3次)4ページより) 5 第2章 計画の基本的な考え方 1. 大崎上島町がめざす男女共同参画社会とは だれもが一人の人間として尊重され、自らの意思によってあらゆる分野に参画 できる社会の実現に向け、地域における身近な男女共同参画の推進に取り組み、 雇用・家庭・地域活動での男女の均等な機会と待遇に向けた環境づくりをめざし ます。 家庭では ◯家事や育児・介護など、一人ひとりが家族の一員として尊重し協力し あい、喜びも苦労も分かちあえる家庭生活 ◯男女という性別にとらわれず、「その人らしさ」を大切にした家庭生 活を営み、家庭と仕事や地域活動のバランスがとれ、精神的に満ち足 りた豊かな暮らし 学びの場では ◯男女という性別にとらわれず、一人ひとりの自分らしさや個性を大 切にしながら、のびのび育つことができる学校 ◯子どもたちが互いの性と個性を尊重し、自らの意思で進学・就職な どの進路を選択できる社会 ◯誰もが参加しやすい生涯学習の場が整い、男女ともに積極的・主体 的に参加して学習できる社会 働く場では ◯女性の働く機会が増えて活躍する場も広がり、女性の意見が反映さ れ、企画立案の場も確保されている社会 ◯採用条件や昇進、賃金などで男女格差がなくなり、個性・能力・意欲 などが十分に発揮できる職場 ◯仕事と家庭、地域活動のバランスがとれ、妊娠・出産・育児・介護な どそれぞれのライフステージや健康状態に応じ、安心して働き続けら れる環境 地域では ◯地域における付き合いや伝統は大事にしながらも、互いに一人ひとり の考え方や行動を尊重できるコミュニティ ◯地域におけるさまざまな方針決定の場に男女がともに参画し、ともに 個性と能力を発揮しながら、地域活動やボランティア活動に積極的に 参加する社会 ◯地域がきずなにより結ばれ、子ども達も健やかに育ち、高齢者や障が い者一人ひとりが尊重され、安心して暮らせる社会 6 男女共同参画社会とは 「男女共同参画」という言葉を耳にしたり、目にしたりする機会も増えてきました。 とはいえ、 「男女共同参画って何?」 「どうして男女共同参画が必要なの?」など、意味 や内容については疑問に思う方もまだ多くいらっしゃるかもしれません。 「男女共同参画社会」とは、いったいどんな社会なのでしょうか? 「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野にお ける活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び 文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」 ( 「男女共同参画社 会基本法)第2条) 男であれ女であれ、だれもが「自分らしく」生きられる社会——性別により差別され ることなく、男女が対等なパートナーとして、社会のあらゆる分野にともに参画するこ とで、喜びや責任を分かちあうことができる社会、それが男女共同参画社会です。 なぜ男女共同参画社会の実現が必要なのでしょうか? 「男性は仕事、女性は家庭と子育て」といった考えが、社会ではまだ根強く残ってい ます。こうした「男は~」 「女は~」といった固定的な役割分担意識や社会的・文化的 な性別による違いにとらわれず、自分が願う生き方が選択できる社会の実現をめざすの が男女共同参画であり、私たちの生活にとっても、とても身近で大事なことです。 わが国の現状を見ると、法律・制度上においては男女の平等がほぼ達成されつつある ものの、女性の意見反映や企画立案への参画、職場における平等な能力発揮の機会はま だ十分とはいえず、また、女性の家事・育児・介護における負担が大きいなど、さまざ まな面での役割分担意識や社会的・文化的な不平等が、依然として残っています。さら に最近では、東日本大震災の教訓から防災に「女性の視点」を取り入れることの重要性 が再認識されていますが、地域での自主防災組織の活動をはじめさまざまな取組みに女 性が参画し、施策に女性の意見を反映することが重要です。 男女共同参画を推進することで、性別にかかわりなく、私たち一人ひとりがともに自 らの意欲と能力を発揮し、多様な働き方・生き方ができる社会、だれもが健康で豊かな 生活ができる社会、そして、住民の自治力を高め、住民と事業所、行政が協働すること により、安心・安全なより良いまちづくりへとつなげていきます。 7 2. 計画の基本理念 男女共同参画の推進により、めざす大崎上島町のあるべき姿を基本理念として 定め、理念の実現に向けて本計画を策定し、計画に定める施策を展開していきま す。 計画の推進にあたっては、町民・事業所・行政の三者が協力し合う「協働」の 姿勢と、三者それぞれが、男女共同参画に向けて主体的に行動していくことが重 要です。 ともに尊重しあい だれもが輝ける まち 大崎上島町 協働=三者の協力と主体的な行動で 町の「あるべき姿」をめざす 町民 協 働 行政 事業所 8 3. 計画の基本目標 本町としては、広島県が男女共同参画のための施策の体系として打ち出してい る「環境づくり」 「人づくり」 「安心づくり」の3つの領域に呼応する、実現すべ き町の姿を本計画の基本目標として定めました。 目標1. 人づくり:ともに学び、成長できる大崎上島町 自分たちの暮らす地域に愛着や誇りをもち、その地域や暮らしをより良いもの にするには、男女共同参画の視点は大変重要です。 町民一人ひとりが性別にとらわれることなく、互いの個性を尊重し、認めあい、 男女共同参画に関して学び男女平等の意識を育むための機会を増やし、 「ともに 学び、成長できる大崎上島町」をめざします。男女共同参画を推進する上で長期 的な視点での人づくりに取り組む必要があります。 目標2. 環境づくり:個性と能力を磨き、ともに活躍できる大崎上島町 職場や地域におけるさまざまな活動の場において、男女が性別による差別を受 けることなく、多様な生き方を選択できることが重要です。 男女それぞれの個性と能力を磨き、ともに活躍できるよう、仕事と生活の調和 (ワーク・ライフ・バランス)などに配慮し、働き方や職種など多様なニーズに 対応できる環境づくりを支援し、 「個性と能力を磨き、ともに活躍できる大崎上 島町」をめざします。 目標3. 安心づくり:だれもが自分らしく、安心して暮らせる大崎上島町 性別による差別がなく、個人としての人権が尊重され、その人らしく生活でき ることが安心な暮らしの基本です。また、少子高齢化が急速に進むなか、地域や 家庭における人と人とのつながりもますます重要になっています。 すべての町民が、互いに人権を尊重しつつ、思いやりをもって健やかに暮らせ るように、男女間のあらゆる暴力の根絶をめざすとともに、健康で安心できる暮 らしを支援し、 「だれもが自分らしく、安心して暮らせる大崎上島町」をめざし ます。 9 4. 計画の体系 基本理念 ともに尊重しあい だれもが輝ける まち 大崎上島町 基本目標 重点課題と施策の方向 1 男女共同参画意識を高める広報・啓発 人づくり ともに学び、 成長できる (1)男女共同参画の意識づくり (2)人権尊重の意識づくり 大崎上島町 2 男女平等・人権尊重の視点に立った学習機会の充実 (1)学校における教育・学習機会の充実 (2)生涯を通じた学習機会の充実 (3)行政職員の研修機会の充実 3 職場環境における男女共同参画の推進 (1)企業・団体などにおける男女共同参画の推進 (2)大崎上島の産業における男女共同参画の推進 環境づくり 個性と能力を磨き、 ともに活躍できる 大崎上島町 4 社会・地域における男女共同参画の推進 (1)意思決定の場への女性の参画の拡大 (2)地域活動における男女共同参画の推進 5 仕事と家庭の両立支援 (1)家庭における男女平等の意識づくり (2)子育て環境の整備と支援策の充実 6 生涯を通じた健康と自立の支援 (1)生涯を通じた健康対策の推進 (2)自立した生活のための支援 安心づくり だれもが自分らしく、 安心して暮らせる 大崎上島町 7 男女間のあらゆる暴力の根絶に向けた取組みの推進 (1)男女間の暴力(DV)の防止、被害者を保護するための取組みの推進 (2)男女間の暴力の根絶に向けた取組み 8 安心して暮らせるまちづくり (1)ともに支えあうまちづくり (2)災害に強いまちづくり 10 第3章 施策の展開と具体的な取組み内容 1. 人づくり:ともに学び、成長できる大崎上島町 【重点課題1】 男女共同参画意識を高める広報・啓発 (1)男女共同参画の意識づくり (2)人権尊重の意識づくり 【現状と課題】 男女共同参画社会をめざした法律や制度の整備が進み、女性の社会進出が増え、 男性の家事参加、育児休暇取得が奨励されるなど、少しずつではありますが、男 女平等の意識は浸透しつつあります。しかし、仕事・家事・育児・介護、地域活 動などあらゆる場面において、 「男性は仕事、女性は家庭」 「家事・育児・介護は 女性に適性がある」などの固定的な性別役割分担の意識は根強く残っています。 本計画策定のため住民に対して行った「男女共同参画に関する住民意識調査」 (以下、アンケート調査)からも、男女共同参画について、言葉の認知度は高く ても、概念や内容までは広く知られていないことがわかります。 性別役割意識を払拭するには、多様な機会、場面を活用して広報・啓発活動を 行うことが重要です。男女共同参画の基礎的な概念について理解し、新たな法律 や制度などについて知ってもらえるように、広報・啓発活動を促進することが重 要です。 11 アンケート調査より アンケート調査で「男女共同参画社会」という言葉について知っているかを聞いたところ、 「言葉も内容もよく知っている」と「言葉は聞いたことはあるが内容までは知らない」を合 計すると全体で8割を超えていますが、 「言葉も内容も知っている」人はその半数の4割と なっています。 「ワーク・ライフ・バランス」についての質問では、 「言葉も内容もよく知っている」と「言 葉は聞いたことはあるが内容までは知らない」を合計すると全体の8割近くになりましたが、 「言葉も内容もよく知っている」人に限ると全体の3割でした。 《言葉の認知状況》 言葉も内容もよく知っている N =143 0% 10% 20% 男女共同参画社会 ジェンダー(社会的、文化的に形成された性別) ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和) 男女雇用機会均等法 配偶者暴力防止法 DV防止法 言葉は聞いたことはあるが内容は知らない 30% 40% 50% 40.6 18.2 60% 70% まったく知らない 80% 40.6 29.4 18.9 44.8 69.9 4.2 30.8 88.8 90.9 12 24.5 25.9 66.4 セクシュアル・ハラスメント 100% 51.7 30.8 パワー・ハラスメント 90% 2.8 11.2 9.1 【施策の方向】 ● 男女共同参画の意識づくりのための広報・啓発活動を行います。 ● 人権意識の向上を目的とした各種事業に取り組みます。 (1)男女共同参画の意識づくり 施策名 取組み内容 担当課 総 合 的 な男 女 共 同 ◆男女共同参画計画に基づき、意識啓発をはじめとする総 参画の推進 合的な施策の推進を図ります。 男女共同参画に関 ◆男女共同参画社会の実現に向け、講座等を開催するなど 住民課 する講座等の開催 意識啓発を推進します。 男女共同参画に関 ◆男女共同参画に関連する情報を収集し、広報紙等を通し 住民課 する情報の収集と提 て広く町民に提供します。 供 ◆住民や事業所における男女共同参画に関する実態や意識 住民課 等について、アンケート調査を行うなど、男女共同参画を推進 していく上での基礎的な資料収集と提供に努めます。 固定的な性別役割 ◆伝統行事や慣習などにおける固定的な性別役割分担意 分担意識の解消に 識(「男は仕事、女は家庭」といった意識など)の解消を図るた 向けた啓発 め、広報紙等での啓発を充実させます。 住民課 広報「大 崎 上島」の ◆「男女共同参画週間」にあわせて、男女共同参画社会に 企画振興課 発行 関するテーマを取り上げ、継続して周知・啓発を行います。 13 (2)人権尊重の意識づくり 施策名 取組み内容 男女間の暴力の問 ◆男女間の暴力(DV)についての認識を深め、暴力を防止す 題に関する広報・啓 るため、広報紙等による啓発活動に努めます。 発 ◆次世代を担う若者を対象に講座等を行い、デート DV 防止 担当課 住民課 についての啓発活動に努めます。 セクシュアル・ハラス ◆セクシュアル・ハラスメント等による被害を未然に防止する 住民課 メント防止 対 策の推 ために、職員への啓発に努めます。 進 ◆広報紙等による告知、チラシやパンフレットの配布などを通 じて、セクシュアル・ハラスメント防止のための啓発に努めま す。 人権に関する正しい ◆社会教育課との連携により、「人権文化講演会」を開催し、 知識と理解の促進 広く住民に人権問題について啓発を図り、男女共同参画意 住民課 識の向上に努めます。 ◆「人権講演会・ふくしのつどい」等、さまざまなイベントの開催 福祉課 を通して、人権に関する正しい知識と理解の促進に努めま す。 人権問題に関する ◆住民や企業、各種団体等を対象に、人権に関する基本的 学習機会の提供と な知識や考え方の習得など、人権感覚を身につけるための講 啓発 座や学習会を実施し、人権教育・啓発の推進を図ります。 平和活動の推進 ◆男女がともに平和活動に積極的に取り組めるよう、人権文 住民課 住民課 化講演会などを通じて、人権尊重と平和への貢献意識を高 めます。 国際理解のための ◆「企業関係者等人権推進協議会」研修会などを通じて、外 啓発推進 国人労働者の人権について啓発を図ります。 14 住民課 【重点課題2】 男女平等・人権尊重の視点に立った学習機会の充実 (1)学校における教育・学習機会の充実 (2)生涯を通じた学習機会の充実 (3)行政職員の研修機会の充実 【現状と課題】 人権の尊重や男女平等意識を育むには、幼少期から成長段階に応じて、多様な 学習機会を通じて学んでいくことが大切です。町民アンケート調査でも、 「男女 共同参画社会の推進のために力をいれるべきこと」として、 「学校教育において 男女共同参画や人権の尊重についての教育を充実」が2番目に挙げられています が、とくに学校での教育や多様な学習機会の充実が、性別や年齢を問わず男女共 同参画について理解を促し、男女共同参画を促す行動ができる人づくりにつなが るといえます。 また、社会に出てからも、男女共同参画に関する認識を深めることができるよ う、さまざまな機会を活用した学習環境の充実を図っていく必要があります。 アンケート調査より 「男女共同参画社会の推進のために力をいれるべきこと」としては、 「学校教育において男 女共同参画や人権の尊重についての教育を充実」が、全体で28.7%、男性は25.7%、女性 は31.5%となっています。 《男女共同参画社会の推進のために力をいれるべきこと 上位7位》 単位:%(複数回答) 保育・家事・介 護などの公的 サービスを充 実する 学校教育にお いて男女共同 参画や人権の 尊重について の教育を充実 男女共同参画 や人権の尊重 について啓発 の 推 進 や学 習 機会の充実 働く場での男 女格差をなくす よう事業主など に対して働きか ける 町職 員 の管 理 職 や審 議 会 の 委員などに女 性の積極的な 登用を図る 女性の就業や 起業への支 援、人材育成 への支援を充 実する 男女共同参画 に積極的に取 組む企業への 支援などを検 討する 143 58 41 35 31 29 27 26 100.0 40.6 28.7 24.5 21.7 20.3 18.9 18.2 全体 15 【施策の方向】 ● 学校教育における男女共同参画の推進を図ります。 ● 生涯を通じた男女共同参画推進のための教育・学習機会の拡充を図ります。 ● 行政職員の研修機会の充実を図ります。 (1)学校における教育・学習機会の充実 施策名 取組み内容 担当課 男女共同参画意識 ◆学校において、男女共同参画と一人ひとりの個性の尊重を 教育委員会 を育む教育の推進 基本とする教育を進めます。性別にとらわれず、主体的な選 総務課 択を可能にするための個性や能力を尊重した教育及び進路・ 生徒指導を進めます。 人権教育に根ざした ◆身体の発育・発達には個人差があることを理解し、同性や 教育委員会 性に関する教育の推 異性を大切にする心を育む教育を推進します。 総務課 進 ◆思春期の男女が、正しい性知識が得られるよう、情報の発 信、学習の場の充実を図ります。 いのちの大切さを育 ◆「いのちの大切さを育てる教育」は学校教育の根幹であり、 教育委員会 てる教育の充実 全教育活動を通じて推進するとともに、日々の教育実践で、 総務課 児童・生徒にいのちの大切さを育てる教育を推進します。 人権尊重の教育と ◆人権擁護委員と連携のうえ、小学1年生を対象に「人権の 住民課 啓発の推進 花」運動を展開し、植物を育てることを通して命の大切さを育 みます。 性及び性感染症に ◆学校において、保健分野の学習の中で「体の発育や発達」 教 育 委 員 会 関する学習機会の に関する学習を通じて、性機能の成熟や性とどのように向き 総務課 充実 合うかの理解、また、性感染症とその予防についての理解を 促進します。 思春期ふれあい体 ◆中学 3 年生に対して、乳幼児と触れ合える体験を実施しま 保健衛生課 験事業 す。 保健所との連携事 ◆「広島県三原特別支援学校大崎分教室」高等部の生徒を 保健衛生課 業 対象に、西部東保健所の担当者とともに授業を行い、命の大 切さや自分の性、お互いの性への理解を深めます。 16 (2)生涯を通じた学習機会の充実 施策名 取組み内容 男女共同参画を推 ◆男女がともに生活力を身に付け、その個性に応じて能力を 進する学習機会の 高め、多様な生き方を選択していくための学習機会の充実を 充実 図るとともに、広報紙等を通じた情報提供に努めます。 担当課 住民課 ◆男女共同参画推進に関わる講演会や講座などを通じて住 民の学習機会の充実に努めます。 人権教育の推進 ◆人権講演会や小地域学習会などを行い、心豊かで文化的 社会教育課 な社会の実現に向けて、人権尊重の理念に対する理解を深 め、男女共同参画意識の向上を図ります。 ◆メディアからの情報を主体的に読み解いていく能力(メディ ア・リテラシー)の向上を図るため、図書室を活用するなど啓 発活動に努めます。 次代の親の育成 ◆親の力を学びあう学習プログラムを活用し、妊娠から育児 社会教育課 まで、親としての役割のみならず、家事・育児分担のあり方に ついても学習する機会を提供します。 (3)行政職員の研修機会の充実 施策名 取組み内容 行政職員に対する ◆職員に対する研修の一環として、県主催の男女共同参画 男女平等教育の推 に関する講義等への参加を促し、男女共同参画意識の浸透 進 に努めます。 外国人受入れのた ◆外国人の受入れや、在留管理制度、外国籍住民の心情 企画振興課 めの各種研修会へ の理解等について、窓口担当職員、国際交流担当職員が研 住民課 の参加 修会(年 2 回程度)に参加し(公益財団法人ひろしま国際セン ター主催)、外国人の方も安心して町に住むことのできる体制 を整備します。 17 担当課 住民課 2. 環境づくり:個性と能力を磨き、ともに活躍できる大崎上島町 【重点課題3】 職場環境における男女共同参画の推進 (1)企業・団体などにおける男女共同参画の推進 (2)大崎上島の産業における男女共同参画の推進 【現状と課題】 男女雇用機会均等法や育児・介護休暇制度が導入され、性別による雇用条件や 雇用形態の違いは徐々に改善されてきました。 本町の産業においても、女性は常に大きな力となり、町の経済を支えてきまし た。 雇用と職業生活において、職場の一人ひとりが性別にかかわらず、それぞれの 能力を発揮していきいきと働ける環境を整えることが重要です。また、男女の働 きやすい環境を整えるためには、育児休暇や介護休暇制度など仕事と家庭が両立 できる支援体制や職場の理解も重要です。 アンケート調査より 「職場の中の男女平等」については、全体では、 「どちらかといえば男性が優遇されている」 が37.8%と最も多くなっています。男性は「平等である」が42.9%であるのに対し、女性 では15.1%と大幅に減り、男女間で意識に大きなギャップがみられる領域です。 《職場の中の男女平等》 男性が優遇されている 平等である 女性が優遇されている わからない 性・年代別 N = 全 体 0% 70 女性 73 20% 12.6 143 男性 10% どちらかといえば男性が優遇されている どちらかといえば女性が優遇されている どちらともいえない 無 回 答 30% 40% 50% 60% 37.8 20.5 80% 42.9 42.5 18 90% 4.9 0.7 28.7 32.9 4.3 70% 8.6 15.1 1.4 100% 11.9 1.4 16.4 2.8 7.1 0.7 2.9 2.7 1.4 関連データより 本町の15歳以上就業者比率をみると、第1次産業(農林水産業)従事者が16.3% と、県平均を大きく上回り、第2次産業(製造・建設業)についても25.0%と高 くなっています。 《就業構造》 広島県 0.5 15 大崎上 島町 16.3 0 10 5.1 79.4 25 20 58.3 30 40 第1次産業 50 第2次産業 60 70 第3次産業 0.4 80 分類不能 90 100 (%) 資料:平成 22 年「国勢調査」 このような中、本町の女性の就業率をみると、30歳代後半でいったん落ち込む、い わゆる「M字カーブ」を描かず、30歳代後半から上昇し、60歳代にかけて女性の就 業率が全体的に高い傾向にあります。本町の産業において女性の労働力が果たしてい る役割は大きく、男女共同参画の視点での環境づくりは重要です。 《女性就業率》 資料:平成 22 年「国勢調査」 19 【施策の方向】 ● 企業・団体などにおける男女共同参画を推進します。 ● 大崎上島の産業における男女共同参画の推進を図ります。 (1)企業・団体などにおける男女共同参画の推進 施策名 取組み内容 企業・団体などでの ◆「企業関係者等人権推進協議会」を通じて企業・団体等に 男女平等教育の推 対する人権問題啓発研修を行い、男女共同参画についての理 進 解を促進します。 事業所や自営業者 ◆商工会と連携し啓発を行うとともに、関係するリーフレット等を 産業観光課 等に対する啓発 商工会や担当課の窓口に置きます。 職 員 の 能 力 開 発 と ◆性別にかかわりなく、個人の能力と適性に応じた職域、職員 活用及び役職への 配置と管理職への登用を行い、女性の管理職登用を積極的に 登用 行います。 政策及び行財政改 ◆町職員における能力開発のための各種研修への参加を、男 革等への関心の喚 女を問わず促進するとともに、意見等発表の機会を設けます。 担当課 住民課 総務課 総務課 起 (2)大崎上島の産業における男女共同参画の推進 施策名 取組み内容 担当課 認定農業者育成事 ◆認定農業者の経営改善計画の作成支援と、積極的に女性 産業観光課 業 を認定農業者に位置づけるための営農指導を、JA及び広島 県と連携しながら推進します。 大崎上島町新規就 ◆国の青年就農給付金事業及び町の未来創造事業を活用し 産業観光課 農者育成事業 ながら、夫婦営農により農業に参画している女性を支援しま す。 大崎上島未来創造 ◆大崎上島の特産品である柑橘、ブルーベリー等の農産物を フォローアップ事業 ジャム、シロップ等に加工して販売までを行う女性の6次産業者 (大崎上島特産品 (起業家)に対して、加工品のパッケージ、商品のしおり、ポスタ 開発事業) ーの作成経費を支援します。 女性の起業家に対 ◆関係課と連携して、女性起業家や若者、高齢者やU・Iターン 産業観光課 する情報の提供 者等との交流の場を設けて情報提供を行うなど支援します。 雇用に関する情報 ◆定期的にハローワーク竹原からの求人情報を広報や窓口等 提供と相談体制の で引き続き提供します。 整備 ◆個々の相談については、担当課で答えられる範囲で対応し、 それができない場合はハローワークへの紹介を引き続き行いま す。 20 産業観光課 産業観光課 【重点課題4】 社会・地域における男女共同参画の推進 (1)意思決定の場への女性の参画の拡大 (2)地域活動における男女共同参画の推進 【現状と課題】 活力ある社会や経済を創造していくためには、さまざまな人材の能力を活用し、 新たな視点や発想を取り入れていくことが重要です。しかし現状では、政治、経 済などの分野をはじめ、企業や地域における活動などにおいて、女性の意思決定 過程への参画は必ずしも十分とはいえない状況です。 本町においても今後は、さまざまな意思決定過程の場へ女性の参画が進むよう に取り組んで行く必要があります。本町における審議会等への女性の積極的な登 用なども必要です。 地域活動においても、男性が表方、女性が裏方という役割分担意識が根強いこ とから、地域活動や町政に男女がともに参加できる環境づくりが重要です。 アンケート調査より 「地域活動の中での男女共同参画」は、全体では「どちらかといえば男性が優遇されて いる」が42.0%と最も多く、 「平等である」は28.7%となっています。 《地域活動の中での男女共同参画》 男性が優遇されている 平等である 女性が優遇されている わからない 性・年代別 N= 全 体 143 男性 70 女性 73 0% 10% 8.4 20% どちらかといえば男性が優遇されている どちらかといえば女性が優遇されている どちらともいえない 無 回 答 30% 40% 42.0 12.3 60% 70% 80% 23.3 1.4 17.8 100% 4.2 12.6 2.9 2.9 34.3 39.7 90% 1.4 2.1 28.7 44.3 4.3 50% 7.1 0.7 4.3 4.1 1.4 「町の政策に女性の意見が反映されていると思うか」という問いに対して、 「十分反映さ れている」は4.2%にとどまり、 「ある程度反映されている」が27.3%、合わせると31.5% となっています。全体では「わからない」が半数を占めています。 21 【施策の方向】 ● 政策・方針の立案及び決定過程への女性の参画を拡大します。 ● 地域活動における男女共同参画を推進します。 (1)意思決定の場への女性の参画の拡大 施策名 取組み内容 審議会等への女性 ◆町の政策・方針決定や施策立案の場である審議会や委員 登用の推進 会、町の附属機関等への女性委員の参画を促進するととも 担当課 総務課 に、女性委員のいない審議会などの解消をめざします。 ◆審議会等委員の女性の参画を促進するため、各種団体の 女性リーダーなど、人材の把握と活用に努めます。 経 営 ・ 運 営 方 針 決 ◆商工会と連携し、町内の事業所の代表や役員への女性の 産業観光課 定 の 過 程 へ の 女 性 参画を働きかけます。 の参画の促進 地域住民と来訪者と ◆女性団体が参画する各種イベントや地域の祭り等により、 産業観光課 の交流促進 女性団体と来訪者との交流を推進します。 ふるさとづくり事業 ◆ふるさとづくり全般に意欲ある町民であれば、だれでも活用 企画振興課 できる「ふるさとづくり事業」補助金制度を創設し、引き続き活 用いただきます。 社 会 教 育 委 員 等へ ◆社会教育委員等の3分の1以上に女性を登用します。 社会教育課 の女性の積極登用 (2)地域活動における男女共同参画の推進 施策名 取組み内容 女性の消防隊や防 ◆町地域女性連合会を中心に組織の強化を促進し、消防団 火クラブ等の編成 出初式、その他防災啓発活動等への参加促進を図ります。 女性団体への活動 ◆地域活動への女性の積極的な参画を支援します。 支援 ◆各種講座・講習会の開催によって勤労女性等の生涯学習 担当課 総務課 社会教育課 の推進と日常生活の向上に努めます。公民館教室の充実や大 崎上島文化センター(情報プラザ・エル)を拠点としたネットワー ク化を図り、女性の地域活動参加を促進します。 女性の視点からの防 ◆地区女性団体による防災訓練や避難訓練を行うとともに、 総務課 犯活動の推進 地域の女性団体などに向け、防災学習会を開催し、より多く の女性に、防災意識を高める機会を提供します。 ◆防災計画や防災マニュアル等の作成において、女性委員 の登用を積極的に行い、男女のニーズの違いを反映した防 災・災害復興体制を推進します。 自 治 会 活 動 の男 女 ◆自治会の役員に女性を積極的に登用するよう働きかけを 共同参画 行います。 22 総務課 【重点課題5】 仕事と家庭の両立支援 (1)家庭における男女平等の意識づくり (2)子育て環境の整備と支援策の充実 【現状と課題】 町民一人ひとりが年齢や性別にかかわらず、やりがいを感じながら働くととも に、健康を維持し、いきいきとした生活を送るためには、仕事と家庭生活との調 和、いわゆるワーク・ライフ・バランスの考え方が重要です。 しかしながら、家庭における家事・育児・介護は、女性がいまだに多くの負担 を負っています。育児や介護のために仕事や学習機会を諦めたり、多忙で健康を 損ねる人もいます。逆に、労働時間が長いことにより、男性の家事参加や地域参 加が進まないのも課題です。 町民アンケートでは、男性が家事等に積極的に参加するために必要なことにつ いて、夫婦や家族間でのコミュニケーションをよく図ることや「男は仕事、女は 家庭」といった固定的な考え方を押しつけないという回答が多くなっています。 男女ともに働きやすい環境を整えることや育児休暇や介護休暇を取りやすい環 境を整えることが必要という回答も多く、男性にとっても仕事と家庭の両立が課 題であることがわかります。 また、仕事と家庭の両立のためには、子育て家庭の負担の軽減も重要となりま す。子育て環境の整備や支援策の充実も大きな課題となっています。 アンケート調査より 「男性が家事等に積極的に参加するために必要なこと」については、 「夫婦や家族間でのコ ミュニケーションをよく図ること」が6割、 「 『男は仕事、女は家庭』といった固定的な考え 方を押しつけない」が半数近くとなっています。しかし同時に、 「男女ともに働きやすい環 境を整えること」や「男女ともに育児休暇や介護休暇を取りやすい環境を整えること」も半 数弱となり、仕事と家庭の両立が課題であることがわかります。 《男性が家事等に積極的に参加するために 上位7位》 単位:%(複数回答) 夫婦や家族間 でのコミュニケ ーションをよく 図ること 男女ともに働 きやすい環境 を整えること 男性が家事な どをすることへ の男性自身の 抵抗感をなく すこと 「 男 性 は 仕 事、女性は家 庭」といった固 定的な考え方 を押しつけない 男女ともに育 児休暇や介護 休暇を取りや す い環 境 を整 えること 男 女 を問 わず 家事・子育て に積 極 的 に参 加できるよう環 境を整える 年 配者 やまわ りの人が、夫婦 の役割分担に ついて理解を 示すこと 143 86 68 66 67 63 61 43 100.0 60.1 47.6 46.2 46.9 44.1 42.7 30.1 全体 23 アンケート調査より 男性も女性も「仕事」を優先したいと考えている人よりも、現実に「仕事」が優先になっ ている人の割合が大きく上回っています。男性では「 『仕事』 『家庭生活』 『地域・個人の生 活』をともに優先したい」 、女性では「 『家庭生活』と『地域・個人の生活』をともに優先し たい」という理想よりも、現実の割合のほうが大幅に下回っています。男女ともに仕事と家 庭と地域・個人の生活の調和には、理想と現実のギャップがあるという結果がでました。 《「仕事」「家庭生活」「地域・個人の生活」優先度》 「仕事」を優先 「家庭生活」を優先 「地域・個人の生活」を優先 「仕事」と「家庭生活」をともに優先 「仕事」と「地域・個人の生活」をともに優先 「家庭生活」と「地域・個人の生活」をともに優先 「仕事」「家庭生活」「地域・個人の生活」をともに優先 わからない 男性 N=70 0% あなたの希望(理想) 10% 15.7 10.0 あなたの現実(現状) 女性 N=73 あなたの希望(理想) あなたの現実(現状) 20% 30% 40% 2.9 21.4 1.4 1.4 44.3 0% 10% 20% 19.2 1.4 26.0 50% 1.4 30% 40% 32.9 60% 22.9 50% 90% 34.3 4.3 60% 27.4 24 80% 10.0 5.5 19.2 70% 70% 4.3 8.6 11.4 80% 12.3 5.7 90% 24.7 1.4 6.8 100% 12.3 100% 2.7 1.4 5.5 1.4 【施策の方向】 ● 家庭における男女平等の意識づくりを推進します。 ● 子育て環境の整備と支援策の充実を図ります。 (1)家庭における男女平等の意識づくり 施策名 取組み内容 担当課 男女平等教育の推 ◆家事分担の実態を調べながら、女性に家事・育児が集中し 教育委員会 進 がちな問題点や、協力しあうことの大切さについて考え、家族 総務課 全員がそれぞれ家族の一員として協力しようとする意欲を育 む教育を推進します。 事業所等に対するワ ◆適切な仕事時間と生活時間の配分、家事・育児について 住民課 ーク・ライフ・バランス の男女の適切な役割分担など、ワーク・ライフ・バランスに関 の広報・啓発 連する情報を収集し、広報紙等を通じて事業所等に対する 周知・啓発を行い、仕事と家庭の両立についての理解を促進 します。 ◆育児・介護休業制度などの普及・啓発に努めます。 (2)子育て環境の整備と支援策の充実 施策名 取組み内容 地域の子育て環境 ◆子ども・保護者が手を取りあって成長し、安心して暮らせる の整備と支援体制の 地域づくりを推進するために、関係機関、地域が関わる、子ど 充実 もの健全育成活動や子育て支援の仕組み・つながりをつくり、 担当課 福祉課 多くの住民の参加と交流を広げていくよう取り組みます。 地域子育て拠点事 ◆子育てに関する悩みを気軽に相談でき、遊びと仲間づくり 福祉課 業 の拠点として、きらきらランドが大きな役割を担っています。今 後も、子育ての孤立化を防ぎ、何でも相談できる場として機能 を強化します。 児童虐待防止ネット ◆民生委員児童委員、警察等とのネットワークができており、 福祉課 ワークの強化 継続して地域の見守りと虐待を防止する取組み、調整が必要 なケースへの適切かつ迅速な対応に努めます。 ◆家庭児童相談員(母子・父子自立支援員)を配置し、相談 活動を実施し、必要に応じて県の児童家庭センター等の関係 機関と連携を図ります。 乳児家庭訪問 ◆出生児全員に対して保健師が家庭訪問を行い、引き続き 必要な指導や助言を行います。 25 保健衛生課 子育て支援ネットワ ◆少子化の進行により子ども同士のふれあいの機会が減少 ークの構築 し、子どもの健やかな成長に対する影響が懸念されていま 福祉課 す。また、女性の社会進出等就労環境の変化、地域における 近隣関係の希薄化など、子育てに関わる環境が大きく変化し ていることから、さらなる子育て支援のため、家庭や地域・子ど も園・幼稚園・学校・行政及び企業等のネットワーク構築に努 めます。 多様な保育サービス ◆子ども・子育て支援事業計画に基づき、保育サービスの充 の充実 実を図り、今後も多様な保育ニーズへの対応を図ります。 放 課 後 児 童 対 策 の ◆町内の留守家庭児童の健全育成及び安全の確保のた 充実 め、放課後児童対策(放課後子ども教室)を実施し、共働き 世帯等を支援します。 26 福祉課 社会教育課 3. 安心づくり:だれもが自分らしく、安心して暮らせる大崎上島町 【重点課題 6】 生涯を通じた健康と自立の支援 (1)生涯を通じた健康対策の推進 (2)自立した生活のための支援 【現状と課題】 心と身体の健康を保持して健やかな日々を送ることはだれもが共通に願うこ とですが、女性は妊娠や出産など、生涯を通じて男性とは異なる健康上の問題に 直面します。男女がお互いの健康についての理解を深め、妊娠・出産期、乳幼児 期、学童期、青年期、壮年期、高齢期といったライフステージに応じた健康づく りが重要です。 また、ひとり親や障がい者の自立支援、自分や家族が病気になった、介護が必 要になったというときでも自立した生活ができるような仕組みづくりが必要で す。 アンケート調査より「女性が職業を続けていく上で障害になること」として、全体では「家 事・育児の負担が大きいこと」が多くなっていますが、年代別でみると、20歳代は「結婚 や出産の際退職しなければならない慣行が今でも残っている」が多く、40歳代では「家事・ 育児の負担が大きいこと」が、また50歳代・60歳代では「病人・高齢者の世話が大きいこ と」が多くなっています。このように、ライフステージごとに異なる課題に対しての支援が 必要です。 《女性が職業を続けていく上で障害になること》 単位:%(複数回答) 結婚や出産の 際退職しなけ 病人・高齢者の 家族の同意・協 職場で、賃金、 女性の能力が 家事・育児の負 ればならない 世話が大きい 力が得られな 待遇等で男女 正当に評価さ その他 担が大きいこと 慣行が今でも こと いこと 差別があること れないこと 残っている 全体 (N=) 143 男性 70 女性 73 20歳代 16 30歳代 33 40歳代 38 50歳代 40 60歳以上 16 33.6 37.1 30.1 43.8 33.3 36.8 27.5 31.3 83.9 78.6 89.0 75.0 75.8 89.5 87.5 87.5 30.8 28.6 32.9 12.5 27.3 23.7 37.5 56.3 20.3 18.6 21.9 0.0 21.2 28.9 22.5 12.5 13.3 12.9 13.7 12.5 6.1 7.9 17.5 31.3 8.4 2.9 13.7 18.8 9.1 5.3 7.5 6.3 特に障害はな い 0.7 0.0 1.4 0.0 0.0 2.6 0.0 0.0 3.5 4.3 2.7 6.3 3.0 5.3 2.5 0.0 無 回 答 0.7 1.4 0.0 0.0 0.0 0.0 2.5 0.0 全体平均より5%以上高い数値 27 【施策の方向】 ● 心と身体の健康づくりの支援など、生涯を通じた健康対策を推進します。 ● ひとり親や高齢者、障がい者等の自立した生活のための支援を行います。 (1)生涯を通じた健康対策の推進 施策名 食育の推進 取組み内容 担当課 ◆マタニティスクール、乳幼児健診・相談、保育所、幼稚園、 保健衛生課 学校、地域などさまざまな場で食育を推進するほか、「食に関 する情報」について町広報等を通し、広く町民に情報発信しま す。 マタニティスクール ◆妊婦に対してマタニティスクール等で(男女共同参画や女 保健衛生課 性の健康についても)啓発を行います。 こころの健康づくりの ◆心の健康相談日を設け、保健師、障害者相談員、精神保 支援 保健衛生課 健福祉士、精神科医の相談を毎月または隔月で実施してい ます。相談日以外は、随時、来所相談等に応じる支援体制 の充実を図ります。また、心の病気の正しい理解や早期対応 に向けて支援するとともに、自殺予防の対策を推進します。 母子の健康への支 ◆「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、母子への支援 援 サービスを実施します。 飲酒・喫煙等の健康 ◆飲酒に関する学習の機会として講演会等を実施しており、 被害に関する学習 今後も引き続き取り組みます。 機会の充実 ◆喫煙については、検診や妊娠届出時等保健事業の場を活 保健衛生課 保健衛生課 用し、啓発します。 生活習慣病・がん対 ◆健康相談・がん検診・生活習慣病にかかわる検査等・健康 策 教室を通して、生活習慣病の予防や重症化予防、がんの予 保健衛生課 防やがんの早期治療へとつながるように取り組んでいきます。 その中で、さまざまなライフステージにある男女の状況を考え 工夫することで、それらの事業が活用されやすいよう取り組み ます。 地域保健対策協議 ◆西部東保健所が開催する HIV 予防対策協議会の委員とし 保健衛生課 会との連携 て会議に参加します。 28 (2)自立した生活のための支援 施策名 取組み内容 ひとり親家庭への支 ◆自立支援教育訓練給付金事業・高等職業訓練促進給付 援 金等事業などを通じて、母子・父子家庭等ひとり親家庭の自 担当課 福祉課 立を支援します。 ◆母子・父子家庭の福祉等の増進に向け、支援を行います。 障がい者の自立支 ◆「障害者福祉計画」に基づき、各種支援サービスを実施 援 し、障がいのある人が地域で安心して暮らせる社会の実現に 福祉課 向け、障がい者施策の機能強化と充実に努めます。 高齢者の自立支援 ◆町の「老人保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、 福祉課 高齢者福祉や介護保険に関する各種支援サービスを実施し ます。 ◆介護保険利用ガイドを作成し、各戸へ配布します。 社会福祉協議会と ◆ボランティア活動・寄付等によって、広く町民から支援を受 の連携 けている社会福祉協議会の活動を支援します。今後も、地域 福祉課 で求められる福祉サービスの確実な提供、質の向上に努めま す。 相談支援体制の充 ◆相談者のプライバシーに配慮しながら適切な対応や支援を 実 行うことができるよう、相談窓口体制の充実に努めます。 ◆障がい者や保護者等からの相談に応じ、必要な情報の提 供及び助言、その他障がい福祉サービスの利用支援等、地 域生活に必要な相談支援を行います。 ◆生活保護や介護、健康など、さまざまな立場での相談体制 を充実し、関係機関と連携しながら経済的自立と生活安定の ため、早期の課題解決に努めます。 29 福祉課 【重点課題7】 男女間のあらゆる暴力の根絶に向けた取組みの推進 (1)男女間の暴力(DV)の防止、被害者を保護するための取組みの推進 (2)男女間の暴力の根絶に向けた取組み 【現状と課題】 男女の人権の尊重は、男女共同参画社会形成の基本ですが、現実には配偶者や パートナー・恋人など、男女間のドメスティック・バイオレンス(DV) 、デート DV、セクシュアル・ハラスメントなどさまざまな問題があります。子どもや高 齢者に対する虐待も同様ですが、男女間の暴力は問題が表面化しにくいことから、 防止のための啓発活動、相談窓口の周知と相談体制の確保、被害者保護と自立支 援が大変重要です。 職場・学校・地域などでのセクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメン トの防止のために、関係機関と連携した啓発活動も進め、男女の人権が尊重され る社会をめざすなど、人権を侵害する暴力等の課題の解決に一層の努力が必要で す。 関連データより 2011(平成23)年に内閣府が全国から無作為抽出した20歳以上の男女5,000人に対し て実施した「男女間における暴力に関する調査」によると、結婚したことのある人(2,598 人)のうち、配偶者から「身体的暴行」 「精神的な嫌がらせや恐怖を感じるような脅迫」 「性 的な行為の強要」のいずれかを受けたことが、女性は「1、2度あった」が22.3%、 「何 度もあった」が10.6%となっています。男性は「1、2度あった」が15.0%、 「何度もあ った」が3.3%でした。 《配偶者からの被害経験(男女別)》 「身体的暴行」「心理的攻撃」「性的強要」のいずれかを1つでも受けたことがある 何度もあった 0% 総数(2,598人) 女性(1,403人) 7.3 40% 60% 18.9 10.6 男性(1,195人) 3.3 まったくない 1,2度あった 20% 72.0 22.3 65.5 15.0 79.7 無回答 80% 100% あった (計) 1.8 (26.2) 1.6 (32.9) 2.0 (18.3) 内閣府「男女間における暴力に関する調査」(平成 23 年)より 30 【施策の方向】 ● 男女間の暴力(DV)の防止、被害者を保護するための取組みを推進します。 ● セクシュアル・ハラスメント等、男女間のあらゆる暴力根絶に向けた対策 に取り組みます。 (1)男女間の暴力(DV)の防止、被害者を保護するための取組みの推進 施策名 取組み内容 男女間の暴力の問 ◆男女間の暴力(DV)についての認識を深め、暴力を防止す 題に関する広報・啓 るため、広報紙等による啓発活動に努めます。 発 ◆次世代を担う若者を対象に講座等を行い、デート DV 防止 担当課 住民課 についての啓発活動に努めます。 男女間の暴力の防 ◆警察機関等との連携、本籍地、前住所地等の確認により、 止と被害者支援の 住民の DV 被害者支援として、住民票、附票の交付制限措置 推進 を行います。 住民課 ◆広島県西部こども家庭センターや警察等関係機関等と連 携しながら、DV 被害者にとってより相談しやすい体制の充実 を図ります。 町営住宅入居への ◆DV 被害者等の単身での入居申請を受け、優先入居を配 配慮 慮します。 建設課 ◆入居条件を満たしている 20 歳未満の子を扶養している寡 婦(寡夫)に対して、優先入居を配慮します。 関係団体との連携と ◆要保護児童対策地域協議会において、関係機関等との連 被害者支援の充実 福祉課 携により被害者や被害者家族の支援を行います。 ◆DV 被害者の自立に向けて関係各課、関係機関との連携 により、利用可能な制度や手続きの支援を行います。 女性の人権相談へ ◆人権擁護委員協議会が実施する、広島法務局東広島支 の支援 局員・人権擁護委員による特設人権相談所の開設を継続し て支援します。 31 住民課 (2)男女間の暴力の根絶に向けた取組み 施策名 取組み内容 担当課 ストーカー被害の防 ◆特定の女性に対して執拗につきまとう行為(ストーカー)の 住民課 止 防止について、広報紙等による啓発・周知に努めるとともに、 関係機関と連携し防止に努めます。 セクシュアル・ハラス ◆セクシュアル・ハラスメント等による被害を未然に防止する 住民課 メント防止 対 策の推 ために、職員への啓発に努めます。 進 ◆広報紙等による告知、チラシやパンフレットの配布などを通 じて啓発活動を促進し、防止に努めます。 防犯体制の充実 ◆住民や関係機関と連携し、防犯体制の充実を図るととも 総務課 に、防犯体制が充実している「まち」であることを、啓発・広報 を行います。 ◆地域住民や関係機関と連携し、町民の自主防犯意識を醸 成する取組みを検討します。 ◆女性が安全に、安心して活動できるよう、防犯カメラ、防犯 灯及び街灯の設置などに取り組みます。 32 【重点課題8】 安心して暮らせるまちづくり (1)ともに支えあうまちづくり (2)災害に強いまちづくり 【現状と課題】 地域においては、少子高齢化の進行や人間関係の希薄化、単身世帯の増加など、 さまざまな社会環境の変化が生じています。子育てや介護、防犯、防災などに大 きな役割を果たしてきた地域社会のつながりは、核家族化が進んだ現在、改めて その役割の大切さが再認識されています。悩みや問題を抱えた人が孤立すること のないよう、地域社会における支えあいの意識をもった福祉的な支援や相談しや すい環境を整えていくことが大切です。 そのためにも、地域における付き合いや伝統は大切にしながらも、互いの一人 ひとりの考え方や行動を尊重できるコミュニティづくりへの日頃の取組みが重 要です。 また、近年、地震や風水害など災害が相次いでいます。阪神淡路大震災や東日 本大震災の経験から、防災や災害時の避難所などに関し、女性の視点の必要性が 指摘されています。安心して毎日の生活を送ることができる防災体制の整備には、 女性の視点を活かすことも重要です。 関連データより 世帯の状況を、同居形態などからみると、全国的に、人口減少と同時に小家族化の傾向 が進行し、世帯人員が多い「三世代世帯」などが減少し、代わりに「単身世帯」が増え続 けています。高齢化が急激に進む町では、高齢者のひとり暮らしを支えるまちづくりが課 題となっています。 《家族類型別割合の推移》 単位:% 凡例 平成17年 (n=4,123) 夫婦のみ の世帯 30.6% 夫婦と 子どもの 世帯 ひとり親と 子どもの 世帯 15.5% 三世代 世帯 7.9% 単身世帯 34.2% その他 7.3% 4.3% 平成22年 (n=3,870) 29.6% 14.5% 8.1% 37.4% 6.9% 3.4% 資料:「国勢調査」 33 【施策の方向】 ● 地域全体で支えあうまちづくりをめざします。 ● 災害に強いまちづくりに取り組みます。 (1)ともに支えあうまちづくり 施策名 福祉のまちづくり 取組み内容 ◆「広島県福祉のまちづくり条例」と「高齢者・障害者等の移 担当課 建設課 動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)」に基 づく適合施設の充実を図ります。 ◆子育て世代に良質な賃貸住宅を提供することにより、活力 ある世帯の定住の促進及び良好な居住環境の確保に努め、 もって地域の活性化と福祉の増進に寄与します。 ネットワーク体制の強 ◆在宅のひとり暮らしまたは高齢者のみの世帯に対し、高齢 化 者世帯巡回相談員が週1回程度訪問し、安否確認を行うとと 福祉課 もに、必要に応じて関係機関との連絡調整を図ります。 ◆徘徊の恐れのある高齢者及び障がい者の安全確保とその 家族への支援体制の充実を図ります。 ◆障がいをもった方の身近な相談と専門性の高い相談に対 応できるように、関係課や町内外の各相談窓口のネットワーク の強化を図ります。 青 少 年 育 成 及 び家 ◆国・県・関係団体と連携・協力しながら、青少年がその誇り 福祉課 庭・各関係機関との と責任についての自覚を高めるための諸活動、青少年の非行 連携等 防止及び社会環境の浄化を図るための諸活動等に取り組 み、町民等への周知や啓発に努めます。 高齢者の活動の場 ◆単位老人クラブ、連合会など、地域のボランティア活動や 福祉課 の充実 子どもたちとの交流事業を通じて世代間交流を深めていま す。こうした活動の場とともに、高齢者の多様化する学習ニー ズ、関心に対応しながら、高齢者の生きがいづくりに今後も継 続して努めます。 介護・福祉相談体 ◆高齢者や障がい者、家族等が必要なサービスを安心して 福祉課 制の充実 利用できるように、地域包括支援センター、在宅支援センター 等との連携を強化します。 34 (2)災害に強いまちづくり 施策名 防災体制の整備 取組み内容 担当課 ◆学校や公共施設・道路など防災対策が必要な箇所につい 総務課 て把握するとともに、計画的に修繕等を実施します。また、防 災マップなどを作成するなど、周知・広報に努めます。 ◆障がい者や高齢者など、災害発生時に、避難などに支援 を要する人々に対する対策を整備します(避難行動要支援 者台帳)。 ◆災害発生時の避難対策として、高齢者、障がい者、妊産 婦、乳幼児など、特に配慮が必要な人のための福祉避難所 の整備に努めます。 ◆地区女性団体による防災訓練や避難訓練を行うとともに、 地域の女性団体などに防災学習会を開催し、より多くの女性 に、防災についての意識を高める機会を提供します。 ◆防災計画や防災マニュアル等の作成において、女性委員 の登用を積極的に行い、男女のニーズの違いを反映した防 災・災害復興体制を推進します。 防災活動における各 ◆日常の見守り活動とあわせて、関係課や消防署等との連 課連携 携を図り、災害時等における地域の支援体制の構築に努めま す。 35 総務課 第4章 計画の推進体制 行政と町民との協働なくしては大崎上島町の男女共同参画の取組みの実現は 不可能です。庁内の推進体制はもちろんのこと、町と町民との協働による推進体 制を整え、本計画の推進及び進行管理に努めるとともに、国・県や他の地方自治 体等との連携強化を図ります。 男女共同参画の推進に関する施策は広範に及ぶため、町内各関係各課と連携し ながら推進します。また、町民の代表者による「大崎上島町男女共同参画審議会」 と連携し、町と町民、及び事業所との協働による推進体制を構築します。 具体的には、より実効性のある計画の推進に努めるため、計画の進捗について は、定期的に点検・評価を行い、次の施策の展開に活かすなど、計画(Plan) 、 実行(Do) 、点検(Check) 、見直し(Action)のサイクルに基づき、点検・見 直しを行います。 計画の推進にあたっては、国・県や他自治体等との連携を図るとともに、本町 からも情報発信を積極的に行います。また、DV被害者の一時保護など、県や近 隣自治体などとの協力により推進する必要がある施策や類似の課題などの解決 に向けて、県や近隣自治体などとの協力関係を強化します。 ◆推進体制のイメージ◆ 町 民 事 業 所 ◆実施計画の実施状況を公表することにより、町民や事業所から意見・提案をいただく。 ◆いただいた意見・提案は、庁内の推進組織や推進委員会に反映する。 情報公開 実施報告 意見・提案 見直し(action) 計 画(plan) 点 検(check) 実 行(do) 評価・意見 進行管理 報告 庁内の担当部署 町民の代表者による審議会 ◆進行管理を行う。 ◆構成:町民の代表者 ◆役割:実施計画の実施状況を評価するとともに、 今後の進め方などについて意見を述べる。 36 資 料 1. 大崎上島町男女共同参画審議会設置条例 平成 26 年6月 20 日条例第 19 号 (設置) 第1条 大崎上島町における男女共同参画の推進を図るため、地方自治法(昭和22年法律第67 号)第138条の4第3項の規定に基づき、大崎上島町男女共同参画審議会(以下「審議会」と いう。)を設置する。 (所掌事務) 第2条 審議会は、町長の諮問に応じて、次に掲げる事項について調査、審議を行うものとする。 (1) 男女共同参画に関する施策の総合的な推進に関すること。 (2) その他男女共同参画の推進に必要な事項に関すること。 (組織) 第3条 2 審議会は、委員10人以内で組織する。 委員は、次に掲げる者のうちから町長が委嘱又は任命する。 (1) 学識経験を有する者 (2) 公共的団体の代表 (3) その他町長が必要と認める者 (任期) 第4条 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員 の任期は、前任者の残任期間とする。 (会長及び副会長) 第5条 審議会に会長及び副会長を置く。 2 会長及び副会長は、委員の互選によりこれを定める。 3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。 4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。 (会議) 第6条 審議会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集し、会長がその議長となる。 2 会議は、委員の半数以上の出席がなければ開くことができない。 3 会議の議事は、議長を除いた出席委員の過半数をもって決するものとし、可否同数のときは、 議長の決するところによる。 (意見の聴取等) 第7条 会長は、必要があると認めるときは、会議に委員以外の者の出席を求め、説明又は意見を 聴くことができる。 (庶務) 第8条 審議会の庶務は、住民課において処理する。 (その他) 第9条 この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って 定める。 附 則 (施行期日) 1 この条例は、公布の日から施行する。 38 2. 大崎上島町男女共同参画審議会委員名簿 任期:2014(平成26)年9月1日~2016(平成28)年8月31日 氏 名 土屋 政憲 役 職 等 広島商船高等専門学校 区 流通情報工学科 教授 分 学識経験者 学識経験者 東広島竹原人権擁護委員協議会 小松 惠子 長尾 早苗 大崎上島町商工会 田房 明美 大崎上島町地域女性会連合会 藤本 美智恵 渡辺 秀幸 天野 誠 ○ 楠本 由香 ◎ 北山 博子 石田 良美 男女共 同参画社会推進部会委員 女性部 社会福祉法人神峯福祉会 園 部長 商工団体 会長 女性団体 保育所ひかり 保育士 中国電力㈱大崎発電所 総務担当 竹原警察署大崎上島分庁舎 副長 生活安全係 係長 大崎上島町福祉課 学識経験者 母子自立支援員兼家 庭相談員 働く女性代表 表 企業関係者 防犯関係者 福祉関係者 大崎上島町教育委員会 委員長 教育関係者 大崎上島町保健衛生課 主査(保健師) 保健関係者 ◎委員長 39 公共的団体代 町長が必要と 認める者 ○副委員長 3. 男女共同参画関連の年表 年次 世界の動き ・国際婦人年世界会議(メキシ コシティ) 「世界行動計画」を採 択 1975 年 (昭和 50 年) ・1976年から10年間を「国連 婦人の10年」と決定(国際連合 総会) 1976年 (昭和 51 年) 1977年 (昭和 52 年) 国内の動き ・「総理府婦人問題企画推進本 部」設置 ・「婦人問題企画推進本部会議」 開催 ・民法改正(離婚後の氏の選択) ・「国内行動計画」策定 1979年 ・国際連合第34回総会「女子差 (昭和 54 年) 別撤廃条約」採択 1980年 ・「国連婦人の10年」中間年世 (昭和 55 年) 界会議(コペンハーゲン) 1981年 ・「女子差別撤廃条約」発効 (昭和 56 年) ・「女子差別撤廃条約」署名 ・民法改正(配偶者の法定相続 分引上げ等) ・「国内行動計画後期重点目標」 策定 ・女性行政の総合窓口を 「民生部青少年婦人対策室」に 設置 ・「婦人問題行政連絡協議会」設 置 ・「青少年婦人課」設置 (「青少年婦人対策室」改組) ・「広島県婦人対策推進会議」設 置 ・推進会議「広島県の婦人の地 位向上と社会参加をすすめるた めの提言」提出 ・広島県新長期総合計画に「婦 人の地位向上と社会参加の促 進」の項目設定 1982年 (昭和57年) ・「国連婦人の10年」ナイロビ世 界会議・「西暦2000年に向けて 1985年 (昭和 60 年) の婦人の地位向上のためのナイ ロビ将来戦略」採択 ・国籍法改正(国籍の父母両系 主義確立) ・「女子差別撤廃条約」批准 1986年 (昭和 61 年) ・婦人問題企画推進有識者会議 開催 ・「男女雇用機会均等法」施行 ・国民年金法の改正(女性の年 金権確立 1987年 (昭和 62 年) ・「西暦2000年に向けての新国 内行動計画」策定 1988年 (昭和 63 年) ・学習指導要領の改訂(高等学 校家庭科の男女必修等) 1989年 (平成元年) 1990年 (平成2年) 広島県の動き ・「婦人の地位向上のためのナイ ロビ将来戦略に関する第1回見 直しと評価に伴う勧告及び 結 論」採択 ・広島県発展計画に「婦人対策 の推進」の項目設定 ・「広島県婦人対策推進懇話会」 設置(「婦人対策推進会議」改組) ・懇話会「婦人対策の推進のた めに~男女共同参加型社会シス テムへの転換~」提出 ・「広島県女性プラン」策定 ・ 「財団法人広島県女性会議」設 立 ・「青少年婦人課」に「婦人係」 設置 ・広島県婦人総合センター「エソ ール広島」開館 ・ 「婦人問題行政連絡協議会」を 「女性問題行政連絡協議会」に 名称変更 ・「青少年女性課女性係」設置 (「青少年婦人課婦人係」改組) ・「広島県女性対策推進懇話会」 設置 1991年 (平成3年) 40 年次 世界の動き ・「育児休業法」施行 ・婦人問題担当大臣誕生 1992年 (平成4年) 1993年 (平成5年) 1994年 (平成6年) 1995年 (平成7年) 1996年 (平成8年) 1997年 (平成9年) 国内の動き ・「パートタイム労働法」公布 ・中学校で家庭科の男女共修の 開始 ・高校で家庭科の男女共修の開 始 ・総理府に「男女共同参画室」及 び「男女共同参画審議会」、「男女 共同参画推進本部」設置 ・「育児・介護休業法」の成立 ・「第4回世界女性会議」(北京) ・「ILO156号条約(家庭的責任 ・「北京宣言及び行動綱領」採択 を有する男女労働者の機会及び 待遇の均等に関する条約)」批准 ・男女共同参画審議会から「男女 共同参画ビジョン」答申 ・「男女共同参画 2000 年プラ ン」策定 ・「男女雇用機会均等法」改正 ・「労働基準法」改正 広島県の動き ・懇話会「男女共同参画型社会の 構築を目指して」提言 ・広島県女性プラン(第一次改 定)」策定 ・ 「女性問題行政連絡協議会」を 「女性問題行政推進協議会」に 機能強化 ・ 「広島県婦人総合センター」を 「広島県女性総合センター」に 名称変更 1998年 (平成 10 年) ・男女共同参画審議会から「男女 共同参画社会基本法について」 答申 ・懇話会「21 世紀への男女共 同参画社会づくりのために」提 言 ・「広島県男女共同参画プラン」 策定 ・ 「青少年女性課男女共同参画推 進班」設置(「青少年女性課女性 係」改組) ・「広島県男女共同参画推進本 部」設置 1999年 (平成 11 年) ・「改正男女雇用機会均等法」施 行 ・「労働基準法」一部改正施行 ・「育児・介護休業法」全面施行 ・「男女共同参画社会基本法」公 布・施行 ・「食料・農業・農村基本法」公 布・施行 ・「広島県男女共同参画懇話会」 設置 ・国際連合特別総会「女性2000 年会議」開催(ニューヨーク) ・「政治宣言」と「北京宣言及び行 2000年 (平成 12 年) 動綱領実施のためのさらなる行 動とイニシアティブに成果文 書」採択 ・「介護保険法」施行 ・「男女共同参画基本計画」策定 ・男女共同参画推進本部「男女 共同参画週間」決定 2001年 (平成13年) ・「総理府男女共同参画室」から 「内閣府男女共同参画局」に改組 ・「男女共同参画会議」を 内閣 府に設置 ・「配偶者からの暴力の防止及び 被害者の保護に関する法律(D V防止法)」公布・施行 41 ・「男女共同参画推進室」設置 (「青少年女性課男女共同参画 推進班」改組) ・懇話会「男女共同参画に関す る条例制定に向けての基本的な 考え方について」提言 ・「広島県男女共同参画推進条 例」公布・施行(平成 14 年) 年次 世界の動き 2002年 (平成14年) 2003年 (平成 15 年) 2004年 (平成 16 年) ・第49回国際連合婦人の地位委 2005年 員会(国連「北京+10」世界閣 (平成 17 年) 僚級会合)(ニューヨーク) 2006年 (平成18年) 2007年 (平成19年) 2008年 (平成 20 年) 2009年 (平成 21 年) ・第 54 回国連婦人の地位委員 2010年 会(国連「北京+15」世界閣僚 (平成 22 年) 級会合)(ニューヨーク) 国内の動き 広島県の動き ・改正「育児・介護休業法」施 行 ・「広島県男女共同参画審議会」 設置 ・審議会に「広島県の男女共同 参画の推進に関する基本的な計 画に盛り込むべき事項」諮問 ・審議会答申 ・男女共同参画推進本部「女性の チャレンジ支援策の推進につい て」決定 ・「次世代育成支援対策推進法」 公布 ・ 「少子化社会対策基本法」公布 ・ 「配偶者からの暴力の防止及び 被害者の保護に関する法律(DV 防止法)」一部改正・施行 ・改正「育児・介護休業法」施行 ・「第2次男女共同参画基本計 画」閣議決定 ・ 「女性の再チャレンジ支援プラ ン」策定 ・「男女雇用機会均等法」改正 ・「広島県男女共同参画基本計 画」策定 ・審議会に「広島県男女共同参 画基本計画(改定)に盛り込む べき事項」諮問 ・審議会答申 ・ 「広島県男女共同参画基本計画 (第2次)」策定 ・ 「人権・男女共同参画室」設置 (「男女共同参画推進室」改組) ・ 「配偶者からの暴力の防止及び 被害者の保護に関する基本計 画」策定 ・ 「配偶者からの暴力の防止及び 被害者の保護に関する法律」改 正 ・ 「仕事と生活の調和(ワーク・ ライフ・バランス)憲章」及び 「仕事と生活の調和推進のため の行動指針」策定 ・男女共同参画推進本部決定「女 性の参画加速プログラム」 ・「人権男女共同参画課」設置 ・ 「配偶者からの暴力の防止及び (「人権・男女共同参画室」改組) 被害者の保護のための施策に関 する基本的な方針」の改定 ・男女共同参画会議「男女共同 参画に関する施策の基本的な方 向について」諮問 ・男女共同参画のシンボルマー ク決定 ・児童福祉法の一部改正 ・「育児・介護休業法」の改正 ・ 「子ども・若者育成支援推進法」 公布 ・「第3次男女共同参画基本計 画」策定 ・審議会に「広島県男女共同参 画基本計画(第3次)に盛り込 むべき事項」諮問 ・審議会答申 ・ 「広島県男女共同参画基本計画 (第3次)」策定 ・ 「配偶者からの暴力の防止及び 被害者の保護に関する基本計画 (第 2 次)」策定 ・ 「ジェンダー平等と女性のエン 2011年 パワーメントのための国連機 (平成23年) 関」正式発足 42 年次 2013年 (平成25年) 2014年 (平成26年) 世界の動き 国内の動き ・ 「配偶者からの暴力の防止及び 被害者の保護に関する法律」改 正 ・「次世代育成支援対策推進法」 改正 43 広島県の動き 4. 関連用語解説 用 語 解 説 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に 関する法律」。育児や介護を行う労働者の仕事と家庭との両立が 育児・介護休業法 図られるよう支援することを目的に 1992(平成4)年 4 月施 行。休業制度の設置、子の養育と家族介護を行う労働者の勤務時 間などの措置等を定めている。 2012(平成 24)年 8 月公布の「子ども・子育て支援法」第 61 条に基づいて策定される、子どもの教育・保育・子育て支援 を総合的に進める計画。各自治体で住民の子育ての状況やニーズ 子ども・子育て支援事業計画 を把握し、子ども・子育てに関する有識者、子育て当事者、子育 て支援事業者、一般公募者等で構成される「子ども・子育て会議」 で、各施設の利用定員の設定や、支援事業計画の策定等について、 調査、審議を行う。 児童相談所 女子差別撤廃条約 児童の福祉に関する事項について、相談や調査・判定に基づく必 要な指導や児童の一時保護などを行う都道府県等の機関。 あらゆる分野の性差別の撤廃をめざし、1979(昭和 54)年 12 月、国連総会で採択。日本は 1985(昭和 60)年に批准。 2000(平成 12)年に、ニューヨークで開催された国連特別総 女性 2000 年会議成果文書 会で採択された「政治宣言」及び「北京宣言及び行動綱領実施の ための更なる行動とイニシアティブ」のこと。 雇用、起業、NPO、農業、研究、各種団体、地域、行政、国際 などのさまざまな分野において、意欲と能力のある女性が活躍で きるよう、積極的改善措置の推進、身近なチャレンジ事例の提示、 女性のチャレンジ支援 チャレンジ支援のためのネットワーク形成、女子学生・女子生徒 へのチャレンジ支援等を行うもの。①政策・方針決定過程に参画 し、活躍することを目指す「上」へのチャレンジ②起業家、研究 者・技術者など従来女性の少なかった分野に新たな活躍の場を広 げる「横」へのチャレンジ③子育てや介護などでいったん仕事を 中断した女性の「再チャレンジ」がある。 (市の・各種)審議会・委員会 地方自治法 202 条の 3 に基づき、法律、条例に定めにより設置 している付属機関及び市の要綱に基づき設置している委員会。 法務大臣から委嘱され各市町村に配置されている。地域の中で人 人権擁護委員 権思想を広め、人権侵害が起きないように見守り、市民からの相 談を行う。 男女を問わず個人の能力等によって役割の分担を決めることが 性別による固定的役割分担意 適当であるにもかかわらず、男性、女性という性別を理由として、 識 役割を固定的に分けること。 (「男は仕事・女は家庭」等) 44 用 語 解 説 女性の地位向上を目的として、国連主催のもとに開かれてきた会 議。1975(昭和 50)年にメキシコシティ(メキシコ)におい 世界女性会議 て第 1 回世界女性会議を開催。以後、5~10 年ごとに開催。第 2 回は 1980(昭和 55)年にコペンハーゲン(デンマーク)、 第 3 回は 1985(昭和 60)年ナイロビ(ケニア)、第 4 回は 1995(平成 7)年北京(中国)で開催。 性的嫌がらせ。男女を問わず、相手の意に反する性的な性質の言 セクシュアル・ハラスメント 動で、身体への不必要な接触、性的関係の強要、性的なうわさの 流布等、さまざまな態様のものが含まれる。 政府の定める男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な 男女共同参画基本計画 ( 第3 次・国) 計画。男女共同参画社会基本法により、男女共同参画社会の形成 の促進に関する施策の総合的な推進を図るために政府が定めな ければならないとされており、現行計画は 2010(平成 22)年 12 月に策定。 男女共同参画社会の形成に関し、基本理念、国・地方公共団体・ 男女共同参画社会基本法 国民の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定 めたもの。1999(平成 11)年 6 月公布、施行。 「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関 する法律」。雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保 男女雇用機会均等法 を目的として、労働者の募集や採用、配置、昇進などにおいて男 女間の差別の禁止などが規定されている。1986(昭和 61)年4 月施行。 男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別に 男女平等・共同参画(社会) かかわりなく、その個性と能力を十分に発揮すること。(ができ る社会。) 一般的には、夫婦や恋人など親密な関係にある男女間の身体的・ ドメスティック・バイオレン ス(DV) 心理的暴力などをいう。略して DV とも言われている。DV 防止 法の定義は、配偶者には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻 関係と同様の事情にある者を含み、元配偶者から引き続き受ける 場合も含むと定義している。 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」。配 DV 防止法 偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制の整 備について定めている。2001(平成 13)年 10 月施行。以降、 法改正により被害者保護対策が強化されている。 1995(平成 7)年、北京(中国)で開催された第 4 回世界女性 会議で採択された。行動綱領は 12 の重大問題領域にそって女性 北京宣言及び行動綱領 のエンパワーメント(女性が自らの意識と能力を高め、 政治的・ 経済的・ 社会的・ 文化的に力を持った存在になること)のため のアジェンダ(予定表)を記している。 45 用 語 解 説 母子家庭や寡婦の福祉に関して実情を把握し、個人それぞれケー スに応じて自立に必要な相談や指導を行うことを職務とした人 母子自立支援員 のこと。母子家庭のさまざまな問題、母親の就職、子どもの教育、 母子福祉資金・寡婦福祉資金の貸付などに対しての相談・指導を 行う。 積極的改善措置のこと。さまざまな分野において、活動に参画す ポジティブ・アクション る機会の男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において、 男女のいずれか一方に対し、活動に参画する機会を積極的に提供 すること。 厚生労働大臣から委嘱され、各市町村に配置されている。社会奉 民生委員・児童委員 仕の精神をもって、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な 援助を行う。すべての民生委員は法律に基づき児童委員を兼ね、 児童及び妊産婦の福祉の増進を図る活動等を行う。 ライフステージ 人の一生を少年期・青年期・壮年期・老年期(高齢期)などと分 けた、それぞれの段階。 「仕事と生活の調和」と訳される。個人のライフスタイルやライ フステージに応じた多様な働き方の実現をめざす考え方の意味 で用いられる。2007(平成 19)年、政府、地方公共団体、経 済界、労働界の合意により、「仕事と生活の調和(ワーク・ライ ワーク・ライフ・バランス フ・バランス)憲章」が策定され、現在、官民を挙げてさまざま な取組みが進められている。憲章では「国民一人ひとりがやりが いや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、 家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人 生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる」と定義さ れている。 46 5. 男女共同参画社会基本法 公布・施行:平成11年6月23日法律第78号 最終改正:平成11年12月23日法律第160号 前文 並びに国、地方公共団体及び国民の責務を明ら かにするとともに、男女共同参画社会の形成の 我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法 促進に関する施策の基本となる事項を定める の下の平等がうたわれ、男女平等の実現に向けたさ ことにより、男女共同参画社会の形成を総合的 まざまな取組が、国際社会における取組とも連動し かつ計画的に推進することを目的とする。 つつ、着実に進められてきたが、なお一層の努力が (定義) 必要とされている。 第2条 一方、少子高齢化の進展、国内経済活動の成熟化 この法律において、次の各号に掲げる用 語の意義は、当該各号に定めるところによる。 等我が国の社会経済情勢の急速な変化に対応してい (1) 男女共同参画社会の形成 男女が、社会の く上で、男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任 対等な構成員として、自らの意思によって社 も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能 会のあらゆる分野における活動に参画する 力を十分に発揮することができる男女共同参画社会 機会が確保され、もって男女が均等に政治 の実現は、緊要な課題となっている。 的、経済的、社会的及び文化的利益を享受す このような状況にかんがみ、男女共同参画社会の 実現を二十一世紀の我が国社会を決定する最重要課 ることができ、かつ、共に責任を担うべき社 会を形成することをいう。 題と位置付け、社会のあらゆる分野において、男女 (2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係 共同参画社会の形成の促進に関する施策の推進を図 る男女間の格差を改善するため必要な範囲 っていくことが重要である。 内において、男女のいずれか一方に対し、当 ここに、男女共同参画社会の形成についての基本 該機会を積極的に提供することをいう。 理念を明らかにしてその方向を示し、将来に向かっ (男女の人権の尊重) て国、地方公共団体及び国民の男女共同参画社会の 第3条 男女共同参画社会の形成は、男女の個人 形成に関する取組を総合的かつ計画的に推進するた としての尊厳が重んぜられること、男女が性別 め、この法律を制定する。 による差別的取扱いを受けないこと、男女が個 人として能力を発揮する機会が確保されるこ 第一章 総則 とその他の男女の人権が尊重されることを旨 (目的) 第1条 として、行われなければならない。 この法律は、男女の人権が尊重され、かつ、 社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある 社会を実現することの緊要性にかんがみ、男女共 同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、 47 (社会における制度又は慣行についての配慮) (地方公共団体の責務) 第4条 第9条 男女共同参画社会の形成に当たっては、社 地方公共団体は、基本理念にのっとり、 会における制度又は慣行が、性別による固定的な 男女共同参画社会の形成の促進に関し、国の施 役割分担等を反映して、男女の社会における活動 策に準じた施策及びその他のその地方公共団 の選択に対して中立でない影響を及ぼすことによ 体の区域の特性に応じた施策を策定し、及び実 り、男女共同参画社会の形成を阻害する要因とな 施する責務を有する。 るおそれがあることにかんがみ、社会における制 (国民の責務) 度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対 第 10 条 国民は、職域、学校、地域、家庭その して及ぼす影響をできる限り中立なものとするよ 他の社会のあらゆる分野において、基本理念に うに配慮されなければならない。 のっとり、男女共同参画社会の形成に寄与する (政策等の立案及び決定への共同参画) 第5条 ように努めなければならない。 男女共同参画社会の形成は、男女が、社会 の対等な構成員として、国若しくは地方公共団体 (法制上の措置等) 第 11 条 政府は、男女共同参画社会の形成の促 における政策又は民間の団体における方針の立案 進に関する施策を実施するため必要な法制上 及び決定に共同して参画する機会が確保されるこ 又は財政上の措置その他の措置を講じなけれ とを旨として、行われなければならない。 ばならない。 (家庭生活における活動と他の活動の両立) (年次報告等) 第6条 第 12 条 男女共同参画社会の形成は、家族を構成す 政府は、毎年、国会に、男女共同参画 る男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の 社会の形成の状況及び政府が講じた男女共同 養育、家族の介護その他の家庭生活における活動 参画社会の形成の促進に関する施策について について家族の一員としての役割を円滑に果た の報告を提出しなければならない。 し、かつ、当該活動以外の活動を行うことができ 2 政府は、毎年、前項の報告に係る男女共同参 るようにすることを旨として、行われなければな 画社会の形成の状況を考慮して講じようとす らない。 る男女共同参画社会の形成の促進に関する施 (国際的協調) 策を明らかにした文書を作成し、これを国会に 第7条 提出しなければならない。 男女共同参画社会の形成の促進が国際社会 における取組と密接な関係を有していることにか んがみ、男女共同参画社会の形成は、国際的協調 第二章 の下に行われなければならない。 る基本的施策 男女共同参画社会の形成の促進に関す (国の責務) (男女共同参画基本計画) 第8条 第 13 条 国は、第3条から前条までに定める男女共 政府は、男女共同参画社会の形成の促 同参画社会の形成についての基本理念(以下「基 進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を 本理念」という。)にのっとり、男女共同参画社会 図るため、男女共同参画社会の形成の促進に関 の形成の促進に関する施策(積極的改善措置を含 する基本的な計画(以下「男女共同参画基本計 む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施する 画」という。)を定めなければならない。 責務を有する。 48 2 男女共同参画基本計画は、次に掲げる事項につ いて定めるものとする。 変更したときは、遅滞なく、これを公表しなけ ればならない。 (1) 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社 会の形成の促進に関する施策の大綱 (施策の策定等に当たっての配慮) 第 15 条 国及び地方公共団体は、男女共同参画 (2) 前号に掲げるもののほか、男女共同参画社会 社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策 の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的 を策定し、及び実施するに当たっては、男女共 に推進するために必要な事項 同参画社会の形成に配慮しなければならない。 3 内閣総理大臣は、男女共同参画会議の意見を聴 いて、男女共同参画基本計画の案を作成し、閣議 の決定を求めなければならない。 4 5 (国民の理解を深めるための措置) 第 16 条 国及び地方公共団体は、広報活動等を 通じて、基本理念に関する国民の理解を深める 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定 よう適切な措置を講じなければならない。 があったときは、遅滞なく、男女共同参画基本計 (苦情の処理等) 画を公表しなければならない。 第 17 条 前二項の規定は、男女共同参画基本計画の変更 について準用する。 国は、政府が実施する男女共同参画社 会の形成の促進に関する施策又は男女共同参 画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施 (都道府県男女共同参画計画等) 策についての苦情の処理のために必要な措置 第 14 条 都道府県は、男女共同参画基本計画を勘 及び性別による差別的取扱いその他の男女共 案して、当該都道府県の区域における男女共同参 同参画社会の形成を阻害する要因によって人 画社会の形成の促進に関する施策についての基本 権が侵害された場合における被害者の救済を 的な計画(以下「都道府県男女共同参画計画」と 図るために必要な措置を講じなければならな いう。)を定めなければならない。 い。 2 都道府県男女共同参画計画は、次に掲げる事項 について定めるものとする。 (調査研究) 第 18 条 国は、社会における制度又は慣行が男 (1) 都道府県の区域において総合的かつ長期的に 女共同参画社会の形成に及ぼす影響に関する 講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関す 調査研究その他の男女共同参画社会の形成の る施策の大綱 促進に関する施策の策定に必要な調査研究を (2) 前号に掲げるもののほか、都道府県の区域に 3 おける男女共同参画社会の形成の促進に関する (国際的協調のための措置) 施策を総合的かつ計画的に推進するために必要 第 19 条 国は、男女共同参画社会の形成を国際 な事項 的協調の下に促進するため、外国政府又は国際 市町村は、男女共同参画基本計画及び都道府県 機関との情報の交換その他男女共同参画社会 男女共同参画計画を勘案して、当該市町村の区域 の形成に関する国際的な相互協力の円滑な推 における男女共同参画社会の形成の促進に関する 進を図るために必要な措置を講ずるように努 施策についての基本的な計画(以下「市町村男女 めるものとする。 共同参画計画」という。)を定めるように努めなけ ればならない。 4 推進するように努めるものとする。 都道府県又は市町村は、都道府県男女共同参画 計画又は市町村男女共同参画計画を定め、又は 49 (地方公共団体及び民間の団体に対する支援) 第 20 条 国は、地方公共団体が実施する男女共同 参画社会の形成の促進に関する施策及び民間の団 体が男女共同参画社会の形成の促進に関して行う 活動を支援するため、情報の提供その他の必要な 措置を講ずるように努めるものとする。 第三章 男女共同参画会議、附則省略 50 大崎上島町 男女共同参画推進計画 【 平 成 27 年 度 ~ 31 年 度 】 発 編 行 集・発 日: 平成27年3月 行: 大崎上島町 住民課 〒725-0231 広島県豊田郡大崎上島町東野6625-1 TEL 0846-65-3113(直通)
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