化学基礎 授業プリント 前期 N o .1 0 (前期第3回レポート範囲) ○その他の有機化合物 ・基と官能基 分子から何個かの原子がとれた形の原子団を(ア 基 )という。 炭素と水素だけからなる有機化合物を炭化水素といい、炭化水素から水素が とれた形の基を(イ 炭化水素基 )という。有機化合物の物理的性質は 炭化水素基の大きさや形で決まるものが多い。 これに対して有機化合物の化学的性質を決める基を官能基という。分子式か ら官能基を明記したような化学式を示性式という。 例) 炭化水素基 メ チ ル 基 C H 3 - 、 エ チ ル 基 C 2 H 5 - (C H 3 C H 2 - )、 ビ ニ ル 基 CH 2 =CH - 、 フ ェ ニ ル 基 C 6 H 5 - など 官能基 ヒドロキシ基 -OH、カルボキシ基-COOH 示性式 メ タ ノ ー ル C H 3O H 、 エ タ ノ ー ル C H 3C H 2O H 酢 酸 C H 3C O O H など ○高分子化合物 有機化合物の中には、プラスチックなどのように多数の原子が共有結合でつな が っ た 巨 大 な 分 子 か ら な る も の も あ る 。 こ の よ う な 化 合 物 を 高 分 子 化 合 物 (高 分 子 )と い う 。 例)ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリスチレン、 ポリエチレンテレフタラート など ・プラスチックの合成 ( 1 )プ ラ ス チ ッ ク は 、 原 料 の 小 さ い 分 子 で あ る ( ウ 単 量 体 ) (モ ノ マ ー )を 次 々 と 結 合 さ せ て つ く ら れ る 。 こ の と き 、 生 成 し た 高 分 子 を ( エ 重 合 体 ) (ポ リ マ ー )と い う 。 ( 2 )単 量 体 の 分 子 内 の 結 合 が 切 れ て 、 そ れ ら が 次 々 と 結 合 す る 反 応 を ( オ 重合 )という。 単量体 エチレン 重合体 (カ ポリエチレン スチレン )ポ リ ス チ レ ン ( キ 塩 化 ビニル アジピン酸+ )ヘ キ サ メ チ レ ン ジアミン ポリ塩化ビニル (ク ナイロン 66 ) ◎電気陰性度と分子の極性 ○電気陰性度 共有結合した2個の原子間で、各原子が(ケ 共有電子対 )を引きつける 強さを数値で表したもの。典型元素では、周期表の右上へ行くほど(コ 大きく ) な る (希 ガ ス を 除 く )。 ○結合の極性 ・異種の原子間の結合では、共有電子対は電気陰性度の大きい原子のほうへか たよる。たとえば塩化水素の分子では、共有電子対は(サ 塩素原子 ) の ほ う へ か た よ り 、 塩 素 原 子 は わ ず か に 負 の 電 荷 (δ - )を 、 水 素 原 子 は わ ず か に 正 の 電 荷 (δ + )を 帯 び る 。 こ の よ う な 電 荷 の か た よ り を 、 結 合 の ( シ 極性 )という。 ・ 同 種 の 原 子 間 の 共 有 結 合 に は 、( ス 極 性 )はない。 ・2個の原子間の電気陰性度の差が(セ 大きい )ほど、結合の極性も 大きい。 ○分子の極性 3個以上の原子からなる分子では、分子全体の極性は分子の形により大きく 影響される。結合の極性を打ち消しあうような構造をしている分子は、分子 全 体 と し て は 極 性 を も た ず 、( ソ 無 極 性 分 子 ) と な る 。 一 方 、 結 合 の 極 性 を 打 ち 消 し あ わ な い よ う な 構 造 を し て い る 分 子 は 、( タ 極 性 分 子 ) となる。 ・水への溶け方-一般に(チ 極性分子 ) は 水 に 溶 け や す く 、( ツ 無 極 性分子 )は水に溶けにくい。 ・融点と沸点-構造が似た分子どうしでは、分子の質量が大きい分子ほど分子 間力が強くなるため、融点や沸点が高くなる。また、極性分子の場合は、分 子間に静電気的な引力が働くため、分子間力は分子の質量が同程度の無極性 分子より強くなり、融点や沸点は高くなる。 ◎分子結晶 ・分子間力と物質の状態 分子間には弱い引力がはたらいている。この引力を(テ 分子間力 )ま たはファンデルワールス力という。 分子間力は弱い引力であるため、分子からなる物質には、沸点が低く常温で (ト 気体 )や(ナ 液体 )のものが多い。また、分子間 力 は 分 子 の 質 量 (分 子 量 ) が 大 き く な る と 強 く な る 。 ・分子結晶 ドライアイスなどの分子からなる結晶は、多数の分子が分子間力によって規 則正しく配列した結晶である。このような結晶を(ニ 分子結晶 )とい う 。 分 子 結 晶 は 、 弱 い 分 子 間 力 に よ る 結 晶 で あ る た め 、 融 点 ・沸 点 は 低 く 、 固 体から直接気体になる(ヌ 昇華性 ) の も の が 多 い 。 ま た 、 固 体 ・液 体 ともに電気を通さないものが多い。 ○水素結合 ・ 電 気 陰 性 度 の 特 に 大 き い 原 子 (F 、 O 、 N )に 結 合 し た 水 素 原 子 を な か だ ち と して、分子間にできる結合を(ネ 水素結合 )という。 ・水素原子の電子が、電気陰性度の大きい原子の方に引っぱられ、水素原子の 原子核が裸に近い状態になるために生じる。 ・水やフッ化水素、アンモニアの沸点や融点は、他の同族元素の水素化合物に 比べて異常に(ノ 高い )。 ◎共有結合の結晶 ○共有結合の結晶-C、Siのような4個の価電子をもつような原子は、多数の 原 子 が 次 々 に( ハ 共 有 結 合 )し て 、全 体 が 1 つ の 巨 大 分 子 に な っ て い る 。 このような結晶を、共有結合の結晶という。 例)ダイヤモンド、黒鉛→C ケイ素→Si 二酸化ケイ素→SiO2 ・共有結合の結晶の性質 ①堅さは、きわめて硬い。 ②融点は非常に高い。 ③電気を通しにくい。
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