8 月 8 日(土)に第 3 回の講座を開きました。今回は特別講座です。東広島市教育委員会との 共催で, 「国語教育フォーラム in 東広島」と銘打って開催しました。筑波大学附属小学校 二瓶弘 行先生をお招きし, 「文学作品の授業づくり」について演習を交えて講演して頂きました。 午後からは曽根,横田両研究員による「模擬授業」が行われ,山本所長に総括して頂きました。 総勢 101 名の熱気にあふれた一日となりました。その概要を報告します。 1 ワークショップ 「文学作品の授業づくり」 筑波大学附属小学校 二瓶 弘行 先生 ワークショップは,文学作品を読むとき, 「出来事の流れ」 「変容」が読み取れないと,確かな感 想が持てないというところから始まり,場面分けや場面の中であることが最も大きく変わるところ (クライマックス場面)を見つけることを学びました。以下,簡単に流れを紹介すると, クライマックス場面を見つけることは大前提で,どの子もこれができるようにしなくてはいけな い。クライマックス場面がわかった後で大きな問いに入る。ここからが「変容を読む」ことになる。 大きな問いは,① 何が変わったのか ② どのように変わったのか ③ どうして変わったの か の 3 点。この大きな問いを考えた後, 「作品の心(主題)」に迫るが,物語が自分に最も強く語 りかけてくるものを自分の言葉で表現できたとき,初めて物語を読めたといえる。それが「確かな 感想」である。以上 このあと,1 年入門期に出てくる「おおきなかぶ」でワークショップを行いました。紙面の関係 上,くわしくお伝えできないのが残念ですが,まさに目からウロコの状態でした。たかが「おおき なかぶ」,されど「おおきなかぶ」でした。二瓶先生,ありがとうございました。 2 模擬授業 「プロフェッショナルたち」 広島教育実践研究所員 東京書籍 6 年 曽根芳子 横田優美 午後からは研究員による模擬授業が行なわれました。教材は「プロフェッショナルたち(東京書 籍 6 年)」で,今回新しく教科書に載った説明文です。両研究員は授業を構想するに当たり, 「主体 的な学び」と「協働学習」をテーマに掲げました。主体的な学びにするために,これまで仕事や将 来の夢について持っていた自分の課題を解決することを目的に,プロフェッショナルの考えを読む という構成にしました。学習方法に協働学習を取り入れ,児童役の先生たちの活発な意見交流を見 ることが出来ました。授業後,児童役の先生から「説明文が苦手でしたが,自分が持った課題をも とに文章を読んでいくと,深い学びにつながっていくことがわかりました。」との感想をもらいま した。 3 まとめ 広島教育実践研究所長 山本名嘉子 最後に,山本名嘉子所長から総括していただきました。内容は次のとおりです。 今日の模擬授業で, 「自分一人より友達と話すことによって新しい見方ができる」ことを実証し てもらった。 模擬授業は楽しいだけではいけない。この授業から何を学ぶのか,研究の目的を明確にして取り 組むこと。また,模擬授業は具体的,実践的,体験的な授業研究である。複数の目で見て,さまざ まなことに気付くことができる。教材をどう扱うか,プランをどう立てるか,時間配分をどうする か考えるときにも役立つ。模擬授業は実際の授業ではないが,授業研究と同じように授業の事実に 学ぶものである。 説明文にも型がある。この説明文はルポ的な文章で,正確に読むより自分の考えをもつのにふさ わしい教材なので,今日の授業プランでよかった。「手引き」が用意されていたが,子どもの考え が引き出せるような工夫がなされるとさらによくなるであろう。 次回のご案内 HP アドレスが新しくなりました。 http://hjissen.net 1 日 時 9月26日(土) 13:00~17:00 2 場 所 イーストビル 4 階会議室 3 内 容 「豊かな言語活動を創り出す授業づくり」 所長講話 実践発表:横田優美
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