グローバル社会的経済フォーラム(GSEF)の創立と展開 ソウル市(韓国

グローバル社会的経済フォーラム(GSEF)の創立と展開
ソウル市(韓国)からモントリオール市(カナダ)へ
丸山茂樹
参加型システム研究所、「ソウル宣言の会」
グローバリゼーションによる弱肉強食の政治経済は、貧富の格差の増大、社会的不平等と社会的排除、
生態系の破壊など従来の社会矛盾を一層拡大し世界化した。その弊害については金融危機をはじめ様々
に指摘がされ、世界社会フォーラム、アジア連帯経済フォーラムなどで対抗する試みがなされている。
グローバルな対応が必要であるからだ。
2013 年 11 月 5~7 日に韓国・ソウル市で開かれたグローバル社会的経済フォーラム(GSEF=会議
場では“ジーセフ”と略称していた)もその一つである。ここで採択された「ソウル宣言」は投機的な
国際金融資本やこれを是認する各国政府や国際機関を批判・告発するに止まらず、極めて具体的かつ実
践的な 10 項目の提案を発したことは画期的であった。
2014 年 11 月 17~19 日に再び韓国・ソウル市で開かれたグローバル社会的経済フォーラムはソウル宣
言を継承・発展させた「GSEF憲章」を採択し、総会、運営委員会、事務局を設けて恒常的な国際組
織としての体制を整えた。
そして 2016 年9月にはGSEF第2回総会をカナダ・モントリオールで開く。モントリオール市とシ
ャンティエ社会的経済がホスト役である。世界で最も社会的経済が地域に根を張っていると評価されて
いるケベック州においては既に 1996 年社会的経済の定義がなされ、統計を取り始めている。10 年後の
2006 年には「社会的経済サミット宣言」を採択。公的セクター、営利セクターに対抗する社会的経済セ
クターの発展をめざす方策がとられ、その実行のための数多くの中間支援組織が創られた。その中でも
代表的存在がシャンティエ社会的経済なのである。
GSEFの第 1 の特徴は、社会的経済を協同組合や非営利組織のみならず、大小さまざまなコミュニ
ティ・ビジネス、環境保護、女性運動、貧困脱却の試みなど広範な社会運動を中に含むとしている事。
第 2 の特徴は、社会的経済を支持し促進している地方政府(自治体)の参画とその国際的な連帯・参画
を呼びかけている事である。
協同組合が盛んな都市として良く知られたイタリア・ボローニャ市、スペイン・バスク州、カナダ・
ケベック州、フィリッピン・ケソン市の政府首脳や市長・副市長などが参加し、日本からも 2013 年に京
都市の副市長、2014 年には川崎市の副市長が参加して報告者となっている。
2 度のフォーラムでイニシアティブを発揮したのは、ソウル市の朴元淳市長とカナダ・コンコーディア
大学カールポランニー政治経済研究所のマーガレット・メンデル所長であった。スペイン・バスク州政
府の閣僚、イタリア・ボローニャ市長も貧困・失業・格差の縮小において協同組合をはじめとする社会
的経済と、それと協力する市政の連携が如何に重要であるか、具体的な数字を挙げてその報告していた。
ソウルからモントリオールへ。この間の動きと論議された内容について報告する。