3月 - さいたま市立七里中学校

★ 七つ星 ★
★学校教育目標 輝く笑顔 誇れる学校
★平成27年 3月 5日 さいたま市立七里中学校学校だより 第 3月号
★HP アドレス http://nanasato-j.saitama-city.ed.jp/ ★TEL:048-685-0603 ★FAX:048-685-5101
「心のコップは上向きに」
校長
なが
しま
つね
お
長 島 庸 夫
つぼみ
毎朝校門脇に立って「おはよう」の声掛けをしていますと、桜の枝に小さな蕾 を見つけました。
目を凝らし、耳を澄ましてみると、春の足音がすぐそこまで聞こえる時季になっていることに気づ
きます。
「さまざまのこと思ひ出す桜かな」(芭蕉)。
学校にとって3月は大きな節目の時です。3年生は今、卒業後の進路を決定する正念場に立って
います。2日には県公立高校の学力検査が、また3日には実技検査と面接が実施されました。発表
日までは、大きなプレッシャーを感じている3年生もいると思いますが、10日の発表日には受検
者全員が合格通知を手にすることを祈っています。また、1,2年生は「未来くるわーく」や「舘
岩自然の教室」など、学年の大きな行事を終え1年間の締めくくりの1か月です。桜の蕾を見なが
ら、どんなことを振り返っているでしょうか?
日本の樹木は、四季がある関係で1年に1つ成長輪をつくります。ですから日本では樹木の成長
輪を「年輪」といいます。生徒の皆さんは桜の木のように、「心と体」を成長させ、昨年の年輪の
周囲に一回り大きな年輪を1つ、重ねることができましたか?
人が人間として成長するのは、なにも順調に物事が進んでいる時や、成功した時ばかりとは限り
ません。多くの失敗や困難を乗り越えた時や苦言から自分を見つめ直し、成長を遂げることの方が
多いのかもしれません。孔子の言葉に「良薬は口に苦けれども病に利あり。忠言は耳に逆らえども
行いに利あり(良薬は苦いが飲めば病気を治してくれる。忠言は聞きづらいが、行動のためになる)」
とあります。しかし、まず始めに苦い薬を我慢して飲んだり、耳の痛い言葉をしっかり聴く姿勢が
無ければ、失敗を生かせず困難に打ち負かされ、到底成長は望めません。
一方、教育学者の森信三氏は「相手の心に受け容れ態勢が出来ていないのにお説教するのは、伏
さったコップにビールをつぐようなもの…。入らぬばかりか、かえってあたりが汚れる。」と述べ
られ、相手の心を開くための心得3ヶ条 として、(一)先にあいさつ(二)スマイル(三)認めて
ほめること、を挙げています。また、「人間としての軌道(毎日を過ごす筋道)」について(一)毎朝
親に対してあいさつの出来ること (二)親ごさんから呼ばれたら、必ず「ハイ」という返事ができる
こと(三)席を立ったらイスを必ずキチンと中へ入れ、脱いだハキモノを必ず揃えるということ。の
三点を述べられています。挨拶をしっかりし、気持ち良い返事ができ、相手や周りの方を考えた行
動ができれば、心のコップはいつも上向きに置かれます。コップが上を向いていれば自分を成長さ
せてくれる栄養がどんどん注がれます。自分の心のコップが伏せてあったら、まず、自分から挨拶
をして、笑顔を思い出し、自分を悲観せず認めてみましょう。苦い薬も飲めるようになり、耳の痛
い言葉もすとんと心に落ちるはずです。
校門脇の桜の木は、目に見えないところで大きく根を張り、地下水を一杯汲み上げて栄養をたく
さん取りこみ、蕾を膨らませ花を咲かせようとしています。