麦・大豆共済金の見直し

平成 27 年産麦共済および大豆共済から共済金の見直しが行われます。
麦および大豆共済金見直しの考え方
平成 27 年産の麦から、経営所得安定対策の営農継続支払が当年の作付面積に
応じて交付されることに伴い、共済金の算定方法が見直しされます。
農業共済は、自然災害等による農業者の収穫量の減少に伴う収入減少を補
てんする制度であり、補償額(共済金額)から農業者の当年産の収穫量に伴
う収入を除いて共済金を支払っています。
営農継続支払は、平成 26 年産までは前年産の生産面積に基づいて支払われ
ていたことから、農業者の当年産の収穫量に含めていませんでした。
しかし、平成 27 年産からは、営農継続支払が当年産の作付面積に応じて数
量払の内金として交付される仕組みに変更されるため、営農継続支払は農業
者の当年産の収入に含めて共済金を算定することになります。
このことから、共済金が減額される場合が生じます。
なお、この見直しに伴い、共済掛金率についても一部下がりました。
平成 26 年産までの共済金
= 補償額(共済金額)-(販売収入+数量払交付金)
平成 27 年産からの共済金
= 補償額(共済金額)-(販売収入+数量払交付金+営農継続支払交付金)
なお、次の①及び②に該当する場合については、今回の見直しは関係ありま
せん。
①営農継続支払の交付を受けない場合
②営農継続支払の対象外の種子用麦・大豆および黒大豆
平成26年産までの共済金支払イメージ
共済金 = 共済金額 ― (販売収入+交付金(数量払))
収入
販売収入
共済金額
営農継続支払は、前年産の生産面積に基づ
いて支払われていたことから、当年産収入
共済金
に含めなかったため、共済金は営農継続支
払を考慮せず算定していた。
数量払
収量
平成27年産以降の共済金支払イメージ
〇交付農業者の共済金の計算式
共済金 = 共済金額 ― (販売収入+交付金(数量払および営農継続支払))
営農継続支払は、当年産の作付面積に基づ
そのため、基準単収が営農継続支払相当単
いて支払われることとなり、数量払の内金と
収を下回る交付農業者は、上記計算式では、
して算定されることになる。
共済金はマイナスとなってしまうため、交付金
を含まない単価を選択する必要がある。
交付農業者でも、交付金を含まない単価を
選択してもらう。
収入
販売収入
共済金額
〇選択された単価における共済金の計算式
共済金 = 共済金額 ― 販売収入
共済金
実測調査等
による収量
収量
交付農業者のうち分岐収量を超える補償金額を設定できる場合の
平成27年産以降の支払イメージ
共済金=共済金額-(販売収入+交付金(数量払および営農継続支払))
△ab’c’…改正前の共済金の部分
□b’c’cb…改正後の共済金の部分
△abc…改正後の共済金から除かれる部分
収入
販売収入
共済金額
c’
b’
販売収入
(27 年産以降、共
済金は支払対象
外)
共済金
c
数量払
b
営農継続支払
(27 年産以降、
共済金は支払対
象外)
2 万円/10a
営農継続支払
a
収量
分岐収量
平成 27 年産から営農継続支払が当年産収入に含まれることになったため、「共済金と販売収入が重
なる部分」
および「共済金と営農継続支払が重なる部分」
については、共済金の支払
対象外となります。