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園だより
2015.8.25
NO.19
麻生明星幼稚園
「だから、人にしてもらいたいと思うことは何で
も、あなたがたも人にしなさい。
」
(マタイ5章44節~45節)
○「リアル」に生きる子どもたち
待ちに待った2学期が始まりました。この時期の子どもたちの成長は早いもので
す。毎日子どもと向き合っていると気づかないものですが、1ヶ月ぶりに子どもた
ちに会うと、体も心も大きく成長していることがよくわかります。幼稚園の職員に
とっても夏はスキルアップの季節です。今回はある研修で子どもについて「なるほ
ど」と思わされたことをご紹介します。
我が家では4歳の娘と1歳半の息子が毎日のように姉弟ゲンカをしています。
「隣
人を愛すること(お友だちを大切に)」が我が家のモットーですから何度も言い聞か
せるのですが、目を離すとすぐに新たなケンカが勃発します。「子どもだから」と
いう理由で納得はしていましたが「大人から見るとなぜこんな小さなことで本気で
感情をぶつけ合うのだろう」といつも不思議に思っていました。しかし、その研修
でこの疑問が解決されました。子どもにとっては「すべてがリアル」で「すべてが
本気」だということに気付かされたのです。
たとえばおもちゃの取り合いなどは「自分が独り占めしていた宝物」が急に他人
に奪われるようなものです。大人で言えば、一生懸命お金を貯めてついに購入した
愛車や高級なバッグがいきなり取り去られることに似ています。
「それちょーだい」
と言われて他人にいきなり奪われて、しかも返してもらえなかったなら当然、頭に
血がのぼるでしょう。大人だったら警察や弁護士の助けを求める所を子どもたちは
先生や親の所に行く、ということなのだろうと思います。
子育てや幼児教育で大切なのは「子どもの視点にたつこと」と言われます。別の
言い方をすると「子どもの立場になって考える」と言ってもよいでしょう。自分が
学生の頃のことを思い出すと、上から目線で高圧的な態度の先生は人気がなく、授
業の内容もあまり頭に入ってこなかったものです。逆に人気があり、よく理解でき
たのは「自分の気持ちを理解してくれる先生」の授業でした。「子
どもの気持ちを理解し、同じ目線で考えつつ、教え導く」というこ
とが親にとっても教師にとっても子育て・教育の第一歩であり、最
重要な課題なのでしょう。正直な所、日々の生活に疲れてしまって
子どもの気持ちを考えないで親の都合でガミガミ怒ってしまうこと
もあります。そんな時こそ一呼吸置いて、子どもの気持ちに寄り添
って歩みたいものですね。
麻生明星幼稚園
園長
久保哲哉