主な活動の様子

うすだ分教室の教育活動と生徒の様子
平成26年度
~ 小諸養護学校高等部うすだ分教室開室1年目を振り返って ~
はじめに
平成26年4月、小諸養護学校高等部の「うすだ分教室」が
臼田高校内に開室しました。分教室では「福祉」の学習を作業
学習の中核に据えて、社会医療法人と連携しながら介護施設等
でのボランティア活動や実習、ビジネスマナー等の学習を行っ
てきました。また、臼田高校との交流や共同学習を積極的に計
画する等、高校や外部諸機関とのつながりを大事にし、教育活
動を推進してきました。そういった多くの方々の協力をいただ
き、分教室ならではの教育活動を通して、生徒たちは毎日笑顔
で学習活動に励み、スポーツ大会など様々な行事などにも意欲
的に取り組んできました。
開室式:除幕を行った生徒たち
臼高1年生
と対面式に
一緒に参加
○生徒数・職員数
○生徒の状況
1年生 5名(男子0名、女子5名)
【 生 徒 の障害の状況】
【 療 育 手帳の有無】 【 通 学状況】
障害の状況
人数
軽度知的障害
4
脳性麻痺後遺症による機能障害 1
発達障害
0
○日課及び時間割について
①日課、時間割:右表参照
・高校のチャイムに合わ
せています。
②時間割については、高校
の特別教室・施設等も借
用し計画しました。
職 員 3名
種類
B1
B2
無し
人数
0
4
1
主な通学方法
人数
徒歩
0
自転車
4
しなの鉄道・徒歩 1
分教室 週日課表
月
火
水
9:05~9:30
9:35~9:55
2
10:05~10:55
3
11:05~11:55
4
12:05~12:35
学
級
国語(ドリル)数学(ドリル)国数(ドリル)
朝の運動(マラソン)
情
報
臼高のパソコン室での
「情報」の授業の様子
作業学習
作業学習
作業学習
作業学習
作業学習
作業学習
作業学習
作業学習
作業学習
清
報
時間
掃
13:40~14:30
音
楽
体
育
6
14:40~15:30
数
学
国
語
15:45
情
昼 食・昼休み
5
15:30~15:40
うすだの
作業学習
12:35~13:25
13:25~13:40
金
S.H.R
8:50~9:00
1
木
教科的学習
学
級
教科的学習
教科的学習
わ たしの時間
学
S.H.R
下
校
教育課程の特色
【作業学習】
○「作業1」福祉の学習
※社会福祉法人と連携
社会に貢献する気持ちを高め、社会自立・就労に向けての実践力を育む。
○「作業2」ものをつくり、育てる学習
※臼田高校との連携
働く力を培い、卒業後の就労へとつなげていく。
【教科的な学習】と【交流・共同学習】
○授業においては高校の先生方にお力添え頂いたり、高校生との交流・共同学習や介護施設
職員・利用者さんとの交流の充実を図る。
級
「福祉」の学習(作業1)がスタート
介護施設
の見学
○「長野県介護職員初任者研修」の資格取得のための学習
を通して、社会自立・職業自立を図る。
(社会医療法人「恵仁会」に協力いただく)
【介護施設の見学】5月に恵仁会の「安寿苑」「露
風庵」「中込デイサービスセンター」の見学。
【福祉に関する学習】長野県介護職員初任者研修に
むけた事前学習とビジネスマナー学習、併せてア
イマスクなど人権学習等を行ってきました。
【ボランティア活動】9月から上記の3施設に分か
れてボランティア活動を4回行い、第Ⅱ期現場実
習に繋げる。実習後もさらに4回、計8回実施。
福祉の授業
ボランティ
ア活動では
歌や踊りも
披露。大好
評でした。
2年次では、
「長野県介護職員初任者研修」の資格取
得にむけた学習を行う予定。
・ 研 修 時間(講議・演習:118時間、実習12時間)
計 1 3 0時間
47日間
【生徒の声】
ボランティアでは利用者さんとお話することを
頑張りました。いろいろな話が出来て楽しかった
です。お汁をよそう時にてきぱきとできるように
なりました。それから歌やダンスを頼まれてやり
ましたが、とても楽しかったです。いろんなこと
に挑戦して頑張りました。
利用者さんの名前を覚えるのを頑張りまし
た。利用者さんとのお話も楽しかったし、一
緒に折り紙で鶴や花を折るのが楽しかった
です。コップ洗いが大変だったけどきれいに
洗えて良かったです。
ものをつくり、育てる学習(作業2)にも汗を流す
○木彫と縫製の製品づくり・販売学習を通して、社会に貢献できる気持ちを
培うとともに、製作方法・用具の扱い、力加減など習得し働く力を高める。
○農作物を植える・育てる・収穫する・調理する・味わう等の活動を通して、
育てる喜びや大切さを体感し、社会参加にむけた生活力を育てる。
【製品づくり】木彫ではやげん彫りを主にしたコースターや
手鏡の製品を丁寧に製作し、縫製では様々なトートバック
類をミシンを使いながら作りあげました。
【販売会】8月末の臼高祭と2月のイオンモール佐久平での
本校高等部の販売会へ一緒に参加・販売しました。
【農作物を育てる】臼高の畑をお借りして、生徒個々が選ん
だ農作物を育て、それを材料にして調理等行いました。
【生徒の声】
木彫で魚のコースターを作りま
した。波のような彫りかたでし
た。きれいに彫れたので良かった
です。
木を彫る練習をして慣れてきま
した。今、やげん彫りをしてます。
きれいに彫れて嬉しいです。
縫製でバックの取手付けを
やりました。凄く細長いとこ
ろをミシンで集中して曲が
らないように意識して一生
懸命引っ張って真っ直ぐに
縫うことができました。次回
もきれいに縫って売れるよ
うに頑張りたいです。
臼高祭
販売学習
トマトやキ
ャベツ、な
す等どれも
立派に育ち
ました
教 科的な学習の充実を願って
○特に生活する上で大事になるであろう「考える力・追求力・表
現力」を各教科で大事にして取り組みました。 臼高美術の先生のステ
○ 教科的学習形態と時間数 ( )内週時間数 ンドグラスの授業:色
・国語(1)・数学(1)
鮮やかなキーホルダー
・国語または数学の朝ドリル(1.25)
を作り上げました
・社会・理科・外国語(3教科で 1)
・保健体育(2)
:H27~:学年合同 球技等朝マラソン(1.3)
・音楽(1)
:H27~:学年別・学年合同と弾力的に形を変える。
・美術・書道・家庭科(3教科で1)
臼高の英語 ALT の授業
・わたしの時間(1)
:個別の学習
は終始 笑顔で 楽し みな
・情報(2)
:学年ごとにPC操作の習得
がら会話にチャレンジ
【高校に協力いただきました】
・講師依頼:専門性のある先生方に講師やアドバイザーとしてお力添
えいただきました。ステンドグラスの作品作りなど、生徒たちは目
を輝かせて取り組んでいました。分教室職員にとっても貴重な学び
の場になりました。
(26年度:英語、美術、福祉、性教育)
・特別教室・施設や用具を、年間を通して借用させていただきました。
( P C室、音楽室、調理室、体育館、グラウンド、プール、畑、図書館)
【情報学習では】
・PCの操作方法だけでなく、福祉の用語調べの作成や
各自で行事や学期のまとめ学習なども行いました。
・臼高祭のまとめを、ひとりひとりがパワーポイントを
用いて参観日に発表しました。イラストや写真、感想
文にアニメーションをつけて視覚的に工夫したり、そ
こに音響効果も加えるなどし、とても好評でした。
緊張しながらも、全員が学習の
ま と めを パワ ーポ イ ント を 用
とても楽しく、心に残った交流と共同学習
いて発表しました
○交流を通して人とのかかわりに慣れ、自ら相手に働きかけることのできる力を培っていく。
【臼田高校との交流・共同学習】 対面式や臼高祭、それから農業体験を通しての共同学習(サ
ツマイモ植え・焼き芋大会・ジャムづくり)やボランティア班との交流等を行い、生徒たち
は、どれも笑顔で楽しく高校生と一緒に活動しました。臼高祭で踊った時は、体育館後ろで
何人もの高校生が踊ってくれました。たくさんの拍手を受け、大きな自信になったようです。
・終業式で学習発表するハンドベルと合唱を、臼高の校長室で校長先生はじめ、何人もの先生
方に聞いていただきました。合唱では校長先生がギターで伴奏してくれました。
臼高祭の
ステージ
で踊りを
披露!
焼き芋大会で身
も心もあったま
りました。
臼田高校の校長
先生のギター伴
奏に合わせて歌
う生徒たち
【介護施設の方々との交流】 施設見学やボランティア活動、実習を通
して、指導員や利用者さんとのかかわり、コミュニケーションがとれ
るようになってきました。最初は高齢者の方のお話にどう受け答えし
てよいか戸惑っていた生徒たちも、回を重ねることで名前を覚えて話
しながら一緒に活動できるようになりました。
【小諸養護学校高等部との交流】高等部のイオンモール佐久平での製品
販売会や各種スポーツ大会への参加を通して、本校生徒と話をしたり、
一緒に製品を包装したりなど、かかわり合う姿が見られました。本校の
就労支援セミナーへも一緒に参加。今後も本校職員との連絡を密にしな
がら、できるところで交流を継続していく考えです。
初めての校内実習と現場実習
○産業現場等における実習を通して、仕事の仕方を身につけ、働くこ
との喜びを味わったり、働くことの難しさ・やりがいを体感する。
第Ⅰ期前半
校内実習
○社会人と接し、コミュニケーション力やよりよい行動の仕方を身に
つけると共に、社会の中で働くことへの自信を深め、卒業後の進路
(生活)について見通しが持てるようになる。
第Ⅰ期 校内・現場実習(6月 2週間)
・初めての実習は、地元の橘倉酒造様のご協力をいただき、校
内と現場でそれぞれ1週間行いました。校内では色々な種類
のチラシ折りや封筒入れ、宛名貼り等行いました。現場実習
では瓶のラベル貼りや箱詰め、箱折り等々、様々な仕事をさ
せていただきました。立ち作業にも慣れたようでした。
第Ⅱ期 現場実習(10月~11月 3週間)
・ボランティア活動を行ってきた3か所の施設で実施。ボラン
ティア活動でやってきたことを上手く実習につなげることが
できました。全員が笑顔で頑張りました。
※ 計5週間、一人の休みもなくやり通すことができました。
第Ⅰ期後半
現場実習
第Ⅱ期
各種スポーツ大会に参加し、持てる力を発揮
○集団での活動を通して個性の伸長と豊かな人間関係を育む。
休日にもかかわらず、各種スポーツ大会に参加し活躍しました。
【長野県障がい者スポーツ大会】 9/14(日)
・それぞれの種目で1位3名、2位1名、自己ベスト記録1名と
全員が自分の持つ力を十分に発揮することができました。
【小諸市駅伝大会】 9/28(日)
・一人3キロの山道を、生徒5名と担任1名の6名でタスキをつ
ないで完走しました。
【中長距離選手権大会】 10/19(日)
・希望した3名の生徒が1500mに出場し、金・銀・銅メダル
を獲得。力走しました。
現場実習
【生徒の声】
県の陸上大会で1500mを走りました。最初は緊張したけ
れど、走り出したら自然とペースが上がって初めて大会で金
メダルを取ることが出来ました。皆に応援されて、最後は残
っている力を出し切って走り終えることが出来たので良かっ
たです。金メダルをもらえてすごく嬉しかったです。
私の出番の200mがありました。頑張って
走ったら2位になったので嬉しかったで
す!!最後の種目でリレーをしました。皆で
頑張ってやったのですごく良かったです。疲
れたけどすごく楽しくて良い思い出になりま
した。来年のスポーツ大会も頑張りたいです。
小諸市駅伝大会にでました。1走で 14 分 49 秒
でタスキを渡せたので良かったです。最後に先
生と○○さんと一緒にもう一度出て、気持ちよ
く走れたので良かったです。合計6㎞走りまし
た。
初めて のスノ
ーシュ ー体験
は じめての宿泊学習より【望月少年自然の家】2/9~10
1日目:スケート、スノーシューを履いて
の山歩き、そり、木工クラフト、
星空観測会
2日目:そば打ち体験
○盛り沢山の活動でしたが、どれも一生懸
命取り組み、楽しむことができました。
木工クラフトは個々にとてもユニークな
作品を作りあげました。初めてのスノー
シュー体験も、全員が笑顔で歩き通しま
した。二日目のそば打ちは伸し棒の使い
方が上手になり、面の太さは色々でした
が、とてもおいしくできました。普段の学校生活で
は体験できない活動ばかりでした。星空観測ではオ
リオン座とふたご座、冬の大三角を確認できました。とてえ
あまりにきれいで、歓声が止みませんでした。
校 外学習とイオンモール販売会
2 / 13
佐久市の子ども未来館では星座
佐久市子ども
の学習のまとめとしてプラネタリ
未来館にて
ウムで「オーロラと冬の星座」を
鑑賞。その後は館内の各エリアの
様々な体験機器を利用しました。
歓声が館内に響いていました。
佐久平イオンモールで行われ
た販売学習では本校高等部の1年生と一緒に会計や包装、呼び
込み等行いました。緊張した様子でしたが、徐々に声もでるよ
うになり、会計も電卓を使い間違えずに合計金額を伝えたり、
おつりを渡すことができました。製品も売れ嬉しそうでした。
社会見学と就労体験
できあがった
クラフト作品
形や木の組み
合わせを工夫
し、どれも面
白い作品に。
販売 会
と製品
3 /10
「家畜改良センター長野支場」で山羊の
餌やりや小屋掃除など体験。昼食後は、
「佐久市立近代美術館」で作品鑑賞した
後、「佐久市中央図書館」で利用の仕方
を聞き、全員が本を選び借りました。
た く さ んの 山羊 と 触れ る こ
と が で きま した 。 笑顔 と 驚
き、歓声の連続でした!
2 6年度の主な行事と教育活動(外部諸機関に協力いただいた内容含む)
主な行事
高校関係
4月 4(金)入学式、開室式
4(金)協定書調印
10(木)心電図:臼高
7(月)生徒会対面式
17(木)レン トゲン:臼高
16(水)交通安全講話
21(月)眼科検診:本校
28(月)30(水)家庭訪問
5月 23(金)参観日
恵仁会関係
16(金)施設見学
23(金)実習先見学・打合
29(金)交流:サツ マイモ植え
保健関係
進路関係・選考関係
14(水)耳鼻科検診:本校 15(木)高等部説明会:本
20(火)視力・発育:臼高 20(火)中高連絡会
6月 4(水)実習開始式
3(火)分教室説明会
5~19第Ⅰ期現場実習
10(火)実習参観日
20(金)実習終了式
7月 3(木)教育幹訪問
3(木)歯科検診:本校
15(火)発育測定:分教室
17(木)18(金)保護者懇
25(金)1学期終業式
8(火)福祉機関との懇談
28(月)ボランティア班交流
24(木)内科検診:本校
30(水)職員事業所見学
8月 21(木)2学期始業式
30(土)31(日)
臼高文化祭への参加
9月 14(日)県障がい者スポ大会
11(木)交流:ジャム事前
12(金)ボランティア
19(金)参観日
28(日)小諸市駅伝大会
5(金)ボラ ンティア
26(金)交流:ジャムづくり
10月 14(火)実習開始式
17(水)発育測定:分教室 19(金)進路学習会
26(金)ボランティア
10(金)ボランティア
19(日)中長距離選手権(希)
21(火)就労支援セミナー
15(水)~第Ⅱ期現場実習
11月 ~5(水)
14(金)交流:焼き芋大会
4(火)体験学習
6(木)実習終了式
19(水)美術:講師授業
21(金)ボランティア
11(火)防災訓練
27(木)英語:講師授業
28(金)ボランティア
12月 17(水)~19(金)保護者懇談
22(月)ハン ドベル演奏・歌
5(金)ボラ ンティア
4(木)歯科検診:本校
1(月)~11(木)志願受付
26(金)2学期終業式
24(水)性教育(合同)授業
19(金)ボランティア
15(月)血液検査:本校
15(月)受験票等発送
12(水)募集要項等送付
1月 7(水)3学期始業式
14(水)参観日学年PTA
21(水)福祉:講師授業
31(土)漢字検定(希)
28(水)福祉:講師授業
2月 6(金)参観日、結団式
17(土)入学選考日
2(月)選考結果発表
9(月)~10(火)宿泊学習
13(金)校外学習と販売会(高:交流)
3月 10(火)社会見学
19(木)入学予定者説明会
16(月)音楽:講師の演奏鑑賞
19(木)3学期終業式
30(月)オリエン テーショ ン
20(金)~学年末休業
介 護 職 員さんのお手伝い
臼 高 生 とサツマイモ植え
集 中 で きた高校の先生方の授業
うすだ分教室に関するアンケートの結果より
○生徒(5名)へのアンケート
【 A:とても良かった B : 良かった C : あ まり有効でなかった D : 良くなかった E : わからない】
アンケート項目
A
B
C
D
E
1 臼田高校の生徒との交流(文化祭含む)や共同学習はどうでしたか。
2
また、高校の英語、美術、福祉、保健の先生には授業をしていただき 3
ました。良かったですか。
2 介護の仕方など「福祉」の学習をしたり、介護施設見学やそこでのボ
5
ランティア活動と現場実習を行いましたが、どうでしたか。
3 様々な活動を通して、積極的になった、発言が増えた、体力がついた
2
1
2
など、自分自身でも少しずつ変わってきたと思いますか。
4 生徒5人ですが、ひとりひとりが活躍できる、そしてみんなが協力し
2
1
2
合える学級ですか。
5 分教室の先生たちの授業はどうですか、わかりやすいですか。また、
2
3
困ったことなど何でも相談できていますか。
6 分教室はみなさんにとって、楽しく、そして『安心』して生活できる
3
2
場になっていますか。
[考察]
・施設見学やボランティア活動を通して、利用者の方々の名前を覚えて笑顔で話したり、クイズづくり
や歌・踊りを披露するなどしてお年寄りの方々と一緒に楽しく活動できるようになりました。コミュ
ニケーションをとれるようになったことが大きな自信になりました。多くの生徒が将来の仕事種とし
て考え始めました。また、高校生との交流・共同学習においても、ていねいに教えて頂いたり、一緒
に活動できたことがとても嬉しく、全員が次回の交流を楽しみにしていました。高校の先生方の授業
もわかりやすく、学習内容が工夫されていてとても楽しいものでした。それがアンケート結果にもで
ています。(上記「1・2」)
・各種スポーツ大会では練習の成果が結果として表れたことで成就感と自信を得、自身でも少しずつ変
わってきたことを自覚する生徒もでてきました。(上記「3」)高校生や外部の方々とかかわりなが
ら様々な活動にチャレンジできたこと、称賛いただけたことも大きな励みになったようです。
・学校生活の中では自分の考えや気持ちを相手にうまく伝えることができないために悩んだり、友達に
話しかけられずにいる姿が、どの生徒にも見られました。しかし、その都度様子をみながら、生徒の
話に耳を傾けることを職員全員が心がけてきました。すぐには解決できないことも多くありますが、
生徒は聞いてもらえた、わかってもらえたことで安心感をもち、どの生徒もいろいろなことを素直に
話してくれるようになりました。(上記「5・6」)
○保護者(5名)へのアンケート
【A:とても良かった B:良かった C:あまり有効でなかった D:良くなかった E:わからない】
アンケート項目
1 様々な教育活動を通して、生徒の活動意欲や体力、コミュニケーシ
ョン力等が高まってきたと思いますか。
2 少人数による教育活動は、生徒の活動の場を広げたり、学習支援か
らみて良いと思いますか。
3 「福祉」の学習を作業学習の中核に据え、恵仁会の協力を得て介護
施設見学やボランティア活動、実習したことは良かったと思います
か。
4 臼田高校の生徒との交流(文化祭含む)や共同学習、また、高校の
先生に授業をしていただく等、高校とのつながりを持ち、協力いた
だいたことは良かったと思いますか。
5 毎日の連絡ノートや通信、学年PTA等々での情報交換を通して、学校
職員と保護者の皆様との連携や協力関係ができていたと思います
6 生徒・保護者の皆様にとって、体罰・いじめ・暴言などのない『安全・
安心・信頼される学校』になっていたと思いますか。
A
B
3
2
4
C
1
5
5
2
3
4
1
D
E
[考察]
・社会医療法人と連携をとりながら福祉の学習や介護ボランティア活動等推進してきたこと、また、
高校生と一緒に活動したり先生方に授業をしていただく等、外部機関等のお力添えをいただきなが
ら教育活動を推進してきたことに対して、保護者全員から理解と良い評価をいただきました。
(前項
「3・4」
)それについては、分教室の説明会や学年PTA等でていねいに説明しながらすすめてき
たこと、生徒たちの明るい表情や喜びの声、いろいろな人たちと笑顔で会話する姿が多くみられる
ようになってきたことが主因であると考えます。しかし、2年次のスクーリングや資格取得の状況、
さらに就労状況がどうなるのか、2年・3年と今後の実績で分教室の教育課程とその取り組み、教
師の支援の方向の真価が問われると思います。
・病気を除いてはどの生徒も毎日元気に登校しました。少人数の利点を生かし、日頃から生徒との相
談の場を設け、様々な声をできるだけ聞くようにしてきたこと、活動後には必ず良い点を認めたり
課題を持たせるなど、評価をきちんとしてきたことが次への活動意欲にもつながり、コミュニケー
ション力などもついてきたのではないかと思います。
(前項「1・2」)そういった支援が、信頼、
安心につながっていると感じます。(前項「6」)しかし、保護者から「連絡ノートは、親が見る前
に本人が見てしまうので、家のことなどあまり書けませんでした。支援を必要な子もいるので、他
の方法で先生とたくさん話したいこともあります。」という声も寄せられており、保護者との情報交
換や、連携の取り方を探っていくことも必要であると感じています。
(前項「5」
)
○分教室職員(3名)へのアンケート
【 A : とても良かった B : 良かった C : あ まり有効でなかった D : 良くなかった E : わ からない】
アンケート項目
1 様々な教育活動を通して、生徒の活動意欲や体力、コミュニケーショ
ン力等が高まってきたと思いますか。
A
B
C
D
E
3
2 少人数による教育活動は、生徒の活動の場を広げたり、学習支援から
3
みて良いと思いますか。
3 「福祉」の学習を作業学習の中核に据え、恵仁会の協力を得て介護施
3
設見学やボランティア活動、実習したことは良かったと思いますか。
4 臼田高校の生徒との交流(文化祭含む)や共同学習、また、高校の先
生に授業をしていただく等、高校とのつながりを持ち、協力いただい
たことは良かったと思いますか。
5 毎日の連絡ノートや通信、学年PTA等々での情報交換を通して、学校
職員と保護者の皆様との連携や協力関係ができていたと思いますか。
6 体罰・いじめ・暴言などのない『安全・安心・信頼される学校』になっ
ていたと思いますか。
3
1
2
3
[考察]
・どの生徒もまだまだ多くの課題はありますが、少人数での学習や共同学習、ボランティアなど多くの
方々との活動、そういった様々な教育活動を通して、会話力・積極性など伸びてきていると教師全員
が捉えています。(上記「1・2」)教育課程についてはまだ評価できる時期ではありませんが、福
祉の学習を中核に据えて、外部諸機関との連携づくりを進めたことは、進路指導するうえでも大変プ
ラスに働いていると実感しているところです。(上記「3・4」)また、本校の進路指導主事や特コ、
生徒指導係、高等部との連携も不可欠でした。職員3名だけではどうしようもない部分も、そういっ
た多くの方々に支えられたおかげであると実感しています。チーム支援がいかに大切であるか再認識
した1年でした。
・学習活動において、生徒が自分で考え判断する場面・選択する場面、或いは先生と一緒に考えていく
場面など、生徒が主体になって考え活動できる場を設定することで積極的に取り組むようになったり、
相手のことを考え行動できる部分が多くみられるようになってきました。(上記「6」)
・保護者とは連絡ノートや学年PTA、或いは電話などで連絡事項だけでなく、生徒に関する情報交換を
するよう心がけています。しかし、生徒のちょっとした変化や職員の行った支援についてもう少して
いねいに伝えたり、理解を得てすすめるなど、さらに連携と協力関係を大事にしていきたい考えです。