第６３回脳研・高度先進合同セミナー（共催：ミトコンドリアを語る会）日時：2015年3月27日（金）17：30〜18：45 場所：弘前大学医学部基礎棟1階大会議室講師：東京薬科大学生命科学部分子生化学研究室柳茂先生タイトル：ミトコンドリアダイナミクス制御と破綻による疾患要旨ミトコンドリアは融合と分裂を繰り返しながら微小管に沿って動的に移動している。またミトコンドリアは小胞体と接着することによりカルシウムの流入や脂質代謝を制御している。このようなミトコンドリアダイナミクスの破綻は、神経変性疾患などさまざまな病態を引き起こすと考えられている。私たちはミトコンドリア外膜を４回貫通する膜型ユビキチンリガーゼMITOLを同定し、これまでにMITOLがミトコンドリア分裂因子Drp1を制御することによりミトコンドリアダイナミクスを調節していること1)、ミトコンドリアに蓄積する変性タンパク質の分解を促進してミトコンドリアの品質管理に関与していること 2,3)、一酸化窒素による微小管の過剰な安定化を抑制していることを示した4)。さらに最近、MITOLがミトコンドリア融合因子である Mitofusin2を活性化してミトコンドリアと小胞体との接着構造を調節していることを報告した5)。本セミナーではミトコンドリアダイナミクスにおけるMITOLの役割を紹介し、MITOLの各臓器特異的欠損マウスの解析を通して、疾患との関連性について考察したい。 1. 2. 3. 4. 5. Yonashiro, R. et al.: EMBO J., 2006 Yonashiro, R. et al.: Mol. Biol. Cell, 2009 Sugiura, A. et al.: Mitochondrion, 2011 Yonashiro, R. et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 2012 Sugiura, A. et al.: Mol. Cell, 2013 どうぞお気軽に御参加下さい。学生の参加も大歓迎です。 Information: 伊東健（内5157）、若林孝一（内5130）