厚生労働省傘下の国立研究機関に関する訪問調査

はじめに
財団法人ヒューマンサイエンス振興財団(HS 財団)の研究資源委員会は、効率的な
研究資源の活用を目的として、遺伝子、細胞、疾患モデル動物、近年ではヒト組織の研
究への活用などについて調査活動を行い、情報提供や提言を行って参りました。その中
で、「海洋天然物資源」、「化合物バンクに関する意識」、「再生医療の実態」、「バイオ関
連研究施設の研究動向」などについて、調査報告書を発行して参りました。
今年度は、「厚生労働省傘下の国立研究機関の訪問調査」を主テーマに、厚生労働
省傘下の高度医療専門医療センター各研究所、国立研究所を中心に研究施設を訪問
し、最新の研究動向、研究データベースの構築活用および研究資源の活用状況等の調
査を企画致しました。訪問先は、昨年度に訪問調査を実施した国立循環器病センター
研究所を除き、高度医療専門医療センターである国立がんセンター研究所、国立精神・
神経センター、国立国際医療センター研究所、国立成育医療センター研究所、国立長
寿医療センター研究所を、また国立研究所として国立医薬品食品衛生研究所と国立感
染症研究所を対象と致しました。
また、本報告書では、上記研究機関以外に2つの研究機関を紹介することに致しまし
た。東北大学加齢医学研究所医用細胞資源センターは、HS財団が運営するヒーマン
サイエンス研究資源バンクと並び研究用生物資源の供給機関としてユニークな活動と
研究を行っており、研究資源の有効活用の観点から当財団ヒューマンサイエンス研究
資源バンクと共に紹介致しました。財団法人化学及血清療法研究所は、厚生労働省主
管の財団法人であると共に HS 財団の賛助会員であり、ワクチン開発を中心にしたユニ
ークな研究開発活動を紹介することに致しました。
訪問先の機関では、いずれも快く受け入れて頂き、講演等では最新の研究を含めて
丁寧なご紹介を頂きました。あらためて、ご協力いただいた研究所所長をはじめとする
皆様に感謝の意を表したいと思います。
今回の訪問調査を通しての印象は、いずれの国立研究機関も高度な専門研究を実
施する中で「産官学の連携強化」を強く意識し推進しており、特に企業との連携の機会
を重視している点でした。本報告書が研究機関の保有する研究資源の有効活用や企
業との共同研究推進のための資料として活用されることを期待しております。
財団法人 ヒューマンサイエンス振興財団
研究資源委員会
厚生労働省傘下の研究機関訪問調査ワーキンググループ
リーダー 志田 康
目
次
1. 国立精神・神経センター 神経研究所・武蔵病院
1
2. 国立長寿医療センター 研究所
15
3. 国立がんセンター 研究所
35
4. 国立感染症研究所
51
5. 国立国際医療センター 研究所
69
6. 国立医薬品食品衛生研究所
85
7. 国立成育医療センター 研究所
101
8. 東北大学 加齢医学研究所 医用細胞資源センター
117
9. 財団法人 化学及血清療法研究所
127
10.財団法人 ヒューマンサイエンス振興財団
ヒューマンサイエンス研究資源バンク
137
( 国立研究機関の目次表記は訪問順 )