acrosome 家畜精子は全長が 約50‐75 m, 頭部は扁平で長さが 約6‐9 m , 幅が約3‐4 mである。 精子分化の特徴 始原生殖細胞が精祖細胞へ 分化する。 ① 有糸分裂を行っている精祖細胞が減数分裂へ移行す る。 精祖細胞は有糸分裂を繰り返 した後,減数分裂を開始して, 1次精母細胞へ分化する。 ② 1倍体の精子細胞に分化した後に複雑な形態変化が 起こる。 1個の1次精母細胞が減数分 裂を完了すると4個の精子細 胞になり,複雑な形態形成を 経て,成熟精子へと分化する。 ③ 脳下垂体ホルモンやその影響を受けて精巣で分泌さ れるホルモンや成長因子が関与する。 ④ 体細胞(セルトリ細胞,ライディッヒ細胞)との相互作 用が必要である。 哺乳動物の精子形成過程 1 ライディッヒ細胞 (間質細胞) 核(青色),ミトコンドリア(緑色),チューブリン (赤色)を蛍光染色 ProacrosinプロモーターをGFPで蛍光染色 主部 中片部の軸繊維束は中心微小管 2 本, 周辺微小管 9 本,周辺繊維 9 本の計 20 本からなり,その外側をミトコンドリ アがラセン状に取り巻いて ミトコンドリ ア鞘を形成している。 終部 Fig. 2. Freeze‐dried rabbit spermatozoa Clear acrosomal ridge is seen, as well as equatorial segment and post‐acrosomal cap. Note well‐arranged mitochondria on the tail. a) Note only head detached tail and a spermatozoon with fragmented tail. 5 µm b) Some of them show their entire tails, but the tail has been damaged. 2 µm Fig. 1 Rabbit fresh spermatozoon 20 µm 2 All of sperm showed severe damages in the acrosome and neck portions. The neck and mitochondrial sheath are ruptured, exposing some fiber axes. Acrosome cap is lost and the inner acrosomal membrane is vacuolated. Note the neck, including sperm centrosome, is severely damaged. 2 µm 2 µm Fig. 3. Freeze‐dried rabbit sperm Fig. 4. Freeze‐dried rabbit spermatozoon a) Fresh sperm Fig. 5. SEM features of the end of sperm tail. b) Freeze‐dried sperm Plasma membrane is broken after freeze‐drying, showing some the microtubule fibers in Fig. 5b (arrow). 未成熟卵:Oocyte 成 熟 卵:Ovum (pl. Ova) 1 µm 3 Cumulus cells 哺乳動物卵の大きさ* 動物種 Egg マウス ラット モルモット ウサギ イヌ ネコ ブタ ヒツジ ウシ ウマ クジラ ヒト Cumulus cells 直 径 (µm) 75- 88 70- 75 75- 85 120 -130 135 -145 120 -130 120 -140 147 138 -143 105 -141 140 130 -140 *, 透明帯は含まない ヒト胚子において生殖細胞,性腺ならびに 生殖管が発達する胎齢 胎齢 24日 4週目 25‐30日 31‐35日 28‐35日 44‐48日 卵母細胞の成長 形態学的な特徴 始原生殖細胞の出現 中腎管形成 ウォルフ管の原基形成 性腺の原基 性腺の原基へ始原生殖細胞移動 ミューラー管出現 卵母細胞 核や細胞質の 大きさの増大 卵子形成 精子形成 卵胞の増殖は成体に達する以前に 終了し,その数が減少する。限られ た数の卵が周期的に減数分裂する。 成体になった後も幹細胞が有糸分 裂するので,減数分裂は連続的に, 長期間にわたる。 減数分裂あたり1個の卵子が形成さ れる。 減数分裂あたり4個の精子が形成さ れる。 減数分裂は第1分裂前期で停止し, 一部の細胞で再開する。 細胞周期の停止はなく,減数分裂 と細胞の分化は連続的に進行する。 減数分裂の完了は数ヵ月から数年 に及ぶ。 減数分裂は数日から数週間で完了 する。 卵子は発生と代謝に必要な因子 (酵素,mRNA,基質等)を蓄積する。 精子は運動に適した流線形をした頭 部(核)と尾部を有する。 卵子は減数分裂の長い前期の間に 成長する。 機能的な精子を形成するための細胞 分化は,減数分裂終了後に起こる。 4 ・ 精子被覆物質の除去 精子は雌性生殖道内で一定時間滞在して, 生理的ならびに形態学的変化を遂げた後に, 初めて受精可能となる。 この変化を精子の受精能獲得と呼ぶ。 超活性化運動 尾部の細胞膜結合タンパク質のチロシンリン酸化 カルシウムイオンが必須 5 マウス透明帯はZP‐A (ZP2),ZP‐B (ZP1),ZP‐C (ZP3)の3種類の糖タンパク質からな る。このうち精子との1次結合に関与する成分はZP‐C (ZP3)に結合する糖鎖であ る。 先体反応による精子頭部の形態的変化 透明帯に侵入しようとしているハムスター精子 図Aの矢印は先体が離脱したもの。図Bでは精子頭部は深部に達 しており,透明帯に侵入孔が見られる。 6 表層顆粒 透明帯 余分な精子が結合できない → 多精受精の阻止 1. 2. a b 表層反応 減数分裂再開 c d ハムスター卵の受精過程 上図aとd:卵細胞膜と精子の融合を示す走査電顕 像(a)と透過電顕像(d);bとc透明帯を通過する精子 の走査電顕像(b)と透過電顕像(c).右図:精子が 卵子内に取り込まれる過程を示す模式図 カルシウム波 42 7
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