26年度保育実践記録 NO.4

た き こ 家 庭 版
26年度
保育実践記録④
読み聞かせの魔法
先回の子育て講座のテーマとして取り上げた絵本の読み聞かせの大切さを皆さんにお伝えし
たいと思います。長い夏休みにぜひ、寝る前のほんの少しの時間、ビタミン愛を補給する素敵
な時間にしていただきたいのです。こどもの友社の北原先生から「子どもは、絵本・おはなし
を食べて大きくなる。素晴らしい絵本は、夢や希望を膨らませ、逞しく生きていく知恵を授け
てくれる。大好きなお母さんの声で絵本を読み聞かせ、子どもの心を育てましょう。」と教え
ていただきました。以前から年中・長の保護者の皆さんには「サンタクロースの部屋」という
お話をさせていただき「サンタクロースの存在を大切にしましょう。」とお伝えしています。
勿論、子どもの夢を壊さないようにと多くのご家庭でその存在を大切にされていると思います
が、実は、とっても大切な意味があるのです。
それはサンタクロースが子どもの心に働きかけて生み出す見えない物を信じる力、サンタク
ロースを収容する心の中に芽生えた空間、それこそが大切だからなのです。サンタクロースに
限らず、魔法使いでも、妖精でも、鬼でも、仙人でも、ものいう動物でも、空飛ぶ靴でも、打
ち出の小槌でも、岩戸を開けるおまじないでもよいのです。この空間がある限り、人は成長に
従ってサンタクロースに代わる新しい住人をここへ迎え入れることができ、いずれ自分の目標
や夢、ロマンなど人生で一番崇高なものを宿すことでしょう!! 読み聞かせの時間を大切に
して幼い心にこれらの不思議の住める空間をたっぷりとってあげましょう。
年少組は、「もったいないばあさん」という絵本と出会い、もったいないばあさんの存在を
信じています。「もったいないばあさんがくるかもしれないから」と自ら水道の蛇口を細く絞
ったり、給食も残さずに食べようとしたり、嫌いなものも食べてみようとしたりとその世界を
楽しみながら様々なことを前向きに行っています。「もったいないばあさん音頭」もお気に入
りで、おばあさんの真似をして腰を曲げて踊る姿は、実に可愛くて微笑ましいですよ。夏祭り
を楽しみにしていてくださいね。
また、絵本には、以下のような教育力(魔法の力)があります。
a想像力・・空想力を刺激して見えない物を見えるようにする力がつく。
b思考力・・ものを考える力がつく。
c創造力・・新しいことをやっていこうとするやる気が育つ。
dことば・・語彙が増え、豊富なことばを自由に使いこなせるようになる。
e日常ではできない豊かな体験・・宇宙・海・異次元の世界・外国のこと・ファンタジーの世界
f表現力・・喜怒哀楽の感情・人物や動物の描写や細かい観察を通して想いを表現する力がつく。
g心のスキンシップ・・子どもの感動が親の心をふるわせ、ふるえた心が子どもの心に伝わる。
h理解力・・話の意図を理解して集中して聴く力、難しい語彙も話の前後から理解しようする。
小学校との連携においても「幼稚園の頃にしっかり絵本を読み聞かせてもらった子どもは、
小学校での、先生の話ことばと教科書・ノートを使って進んでいく授業で担任の先生が何を伝え
ようとしているのか理解でき、授業で聞いたこと大切なことを頭で整理したり、ノートに書い
たり、自分の思いや考えを話したりすることが進んででき、勉強を意欲的に楽しめる子になり
ます。幼少期は、字が書けることよりも英語が話せることよりも、絵本の読み聞かせを通して
楽しみながら話の筋を理解したり想像力を働かせ心で感じたり、考えたりする経験が大切で
す。」と伝えられています。
このように絵本の読み聞かせは、お母さんの愛情で子どもたちに魔法をかけるような効果が
沢山あります。ぜひ夏休みの夜、テレビを消してお子さんをひざに抱きスキンシップを図りな
がら、お母さんの愛情たっぷりの声で読み聞かせ、素敵な時間を過ごしてください。
年齢別に考え、読んであげたい本「絵本の与え方」<福音館書店より>
2・3歳児
特徴
選本
・急に言葉が発達し、自分から おおきなかぶ、たろうのともだち、3 匹のやぎ
のがらがらどん、はなをくんくん、ノンタン
表現したがる。
ちいさなねこ、ぞうくんのさんぽ、
・簡単な筋を追って物語を理解 ぐりとぐら、ちいさなうさこちゃん、
いないいないばあ、はけたよはけたよ、
する。
いやだいやだの絵本、とこちゃんはどこ
幼稚園の月刊誌(こどものとも年少版)
・3 歳は絵本体験の革命期
ちいさなかがくのとも
・好みが少しずつはっきりし おおかみと7ひきのこやぎ、3びきのくま、
赤 ず き ん ちゃ ん 、 3 びき の こ ぶ た、 ス イ ミ
てくる。
4歳児
ー、ももたろう、あおくんときいろちゃん、
かばくん、わたしとあそんで、ヘンゼルとグ
・物語絵本が主役
レーテル、はじめてのおつかい、こすずめの
・言葉に対する力がぐーんと ぼうけん、しんせつなともだち、アンガスと
あひる、ティッチ、かいじゅうたちのいると
伸びるとき
ころ、だいくとおにろく、ねずみじょうど、
・言葉の世界(物語)を頭の中に 100 まんびきのねこ、てんぐちゃんとだるま
思い描く力(想像力・空想力) ちゃん、ピーターラビットのはなし
幼稚園の月刊誌(こどもとも年中版)
の基礎を身に付ける。
かがくのとも
・夢中になれる1冊を見つけ ないたあかおに、じごくのそうべい、金のが
ちょうのほん、ジャックと豆の木、おしゃべ
ること
5・6歳児
・4歳に続いて物語絵本の最
も必要とする時期
・同じ絵本を何度も繰り返し
楽しむ。
・絵本を本当に理解し楽しむ
力、つまり読書力を確実に
自分のものにする。
りな卵焼き、ふるやのもり、白雪姫、ねむり
姫、スーホーの白い馬、あおいめのこねこ、
おおきなおおきなおいも
<童話>
いやいやえん、ももいろのきりん、ロボット
カ ミ イ 、 エル マ ー の 冒険 、 も り のへ な そ う
る、ムーシカ・ミーシカ、シートン動物記
<科学・知識の本>
わたし、しっぽのはたらき、はなのあなのは
なし、図鑑、たんぽぽ、みんなうんち、赤ち
ゃんのはなし、はじめてであうすうがくのほ
ん
幼稚園の月刊誌(こどものとも)
かがくのとも
※お子さんの年齢よりも前の学年の絵本もおすすめです。また、子どもたちは
好きなお話を繰り返し読んでもらうことで新しい発見や感じ方をし、より深く
その世界に入り込んで楽しみます。